オートミールと聞くと、何となくヘルシーなイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?オートミールはダイエットだけでなく筋トレをしている時にもおすすめの食材です。オートミールの栄養素やおすすめレシピをご紹介します。
【目次】
まずはオートミールは何か、基本情報からご紹介します。
オートミールとは、オーツ麦を食べやすくしたものです。オーツ麦を加工した食べ物(ミール)という意味から、オートミールと呼ばれています。一般的にオートミールという名前で親しまれているものは、オーツ麦を押し麦状態に加工しています。
さらに押し麦状態にしたオートミールを短時間で調理できるように加工されているものもあります。オートミールといっても、さまざまな加工のやり方があるため、いろいろな種類があるのが特徴です。
オートミールと混同しやすいものといえば、グラノーラです。グラノーラにはさまざまな穀物が入っているため、オートミールとどう違うの?と疑問に思う方もいるでしょう。
グラノーラにもオートミールは入っていますが、その他にドライフルーツやナッツ、砂糖などが含まれています。グラノーラはオートミールよりも糖質が多く入っているため、糖質制限ダイエット等には不向きな食品です。
オートミールは種類によって噛み応えやサイズが違ってきます。もっともポピュラーなオートミールは、水蒸気で温めて柔らかくしてからプレスして作ります。これをロールドオーツと言います。ほぼ原形が残った押し麦なので、食べ応えのある食感です。
ただし調理に時間がかかるため、ロールドオーツを細かく砕いたクイックオーツや、一度加熱加工しているインスタントオーツなどがあります。クイックオーツは粒が細かく砕かれているため食べ応えは少し劣ってしまいますが、すぐに調理ができます。
インスタントオーツは水分の吸収がしやすい状態になっているため、牛乳などをかけて食べたい時に向いています。
オートミールは栄養成分が豊富な食材として人気があります。オートミールに含まれている成分について、詳しく見ていきましょう。
オートミールには、ダイエットや筋肉づくりに欠かせないタンパク質が含まれています。タンパク質は筋肉のもとになる大切な栄養素なので、痩せやすい身体づくりには必ず摂取する必要があります。
オートミールにはタンパク質が豊富に含まれています。主食をオートミールに変えるだけで、白米よりも多くのタンパク質を摂取できます。
オートミールには、食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は腸内環境を整えるために欠かせない栄養素です。食物繊維には水溶性と不溶性の2種類がありますが、どちらもバランスよく摂取するのが腸内環境を良くするポイントです。
オートミールにはこの水溶性と不溶性の食物繊維が両方ともバランスよく配合されています。さらに食物繊維をタンパク質と同時に摂取することによって、タンパク質の消化吸収が穏やかになります。
タンパク質の吸収が穏やかな状態を保つことで、筋肉の分解を抑える効果が期待できます。
オートミールには鉄分が豊富に含まれています。鉄分は不足すると貧血になりやすく、特に女性は摂取を心がけた方がいい栄養素です。オートミールには鉄分の1日の摂取目安量の約45%が含まれています。
オートミールにはカルシウムも含まれています。丈夫な骨や身体を作るのに欠かせない成分なので、こちらも積極的に摂取したい栄養素です。オートミールを牛乳と合わせて食べることで、豊富なカルシウムを摂取することが可能です。
ビタミンB1は、健康を維持するために欠かせない成分です。ビタミンB1が不足してしまうと、糖質をエネルギーとしてうまく使えなくなってしまいます。その結果疲れやすくなったり、だるさが出てきたりするため、欠かさずに摂取したい成分です。
オートミールにはそんなビタミンB1も豊富に含まれています。ビタミンB1は激しい運動をする人や毎日を忙しく過ごしている人は消費しやすい成分なので、オートミールで摂取する習慣をつけるのもおすすめです。
オートミールは、筋トレ中におすすめの食事です。その理由について詳しく見ていきましょう。
オートミールが筋トレ中におすすめな理由は、タンパク質が多く含まれているからです。タンパク質というと、肉や魚などのおかずから摂取するのが一般的ですが、意識して摂取しないと不足しがちな栄養素の1つです。
筋トレ中に必要なタンパク質の目安量は、体重1gにつき1.2~1.5g程度だと言われています。仮に体重50kgの人が筋トレをする場合、最低でも60gは摂取しなければいけません。
オートミールのタンパク質量は、100gあたり13.7gだと言われています。白米の場合は100gあたり6.1gなので倍以上含まれていることがわかります。オートミールを主食にすれば、筋トレ中に必要なタンパク質を無理なく摂取することが可能です。
オートミールは、腹持ちが良い食材としても人気があります。オートミールはご飯やパンに比べると、とても食べ応えがある食材です。さらに、オートミールは消化に時間がかかる食べ物なので腹持ちがとても良いです。
炭水化物を摂取してもすぐにお腹が空いてしまい、お菓子や甘いものが食べたくなってしまう人におすすめです。主食をオートミールに変えることで、食事の量を減らすことにもつながりますよ。
オートミールは、ダイエットや筋トレに向いていると言われていますが、実際に脂質が多く、カロリーも白米より高いです。だからこそ、ダイエットに本当に向いているの?と疑問に感じる方もいるかと思いますが、オートミールに含まれている脂質は不飽和脂肪酸と呼ばれる良質な脂です。
オートミールには、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸と呼ばれる必須脂肪酸が含まれています。必須脂肪酸は体内で合成できない成分なので、外側から補う必要があります。
必須脂肪酸はコレステロールを減少させる効果など、体に嬉しい効果を発揮する脂肪として蓄積されにくい良質な脂です。
オートミールはGI値が低いことで有名な食材でもあります。GI値とは、その食品を食べた時にどれくらい血糖値が上がりやすいかを数値化したものです。
数字が高ければ高いほど血糖値が上がりやすく、脂肪として体に蓄積されやすくなります。一般的にGI値が70を超えれば高GI、55以下が低GIと言われています。
白米のGI値は81と言われていて、糖質の中でも高い方です。一方、オートミールのGI値は55なので低GIに値します。血糖値の上がり方が緩やかなので、脂肪として蓄積されにくい糖質だということがわかります。
オートミールはアミノ酸スコアが100であるメリットもあります。アミノ酸スコアとは、タンパク質のもととなるアミノ酸がバランス良く配合されているかどうかを示す指標です。
タンパク質は20種類のアミノ酸からできていますが、その中でも9種類は体内で合成できないため、食事から摂取する必要があります。これらを必須アミノ酸と言います。
アミノ酸のバランスが悪いと、タンパク質としての役割を十分に発揮できないことがあります。これを解消するためには、できるだけアミノ酸スコアが100のものを選ぶ必要があります。
オートミールはこのアミノ酸スコアが100なので、タンパク質の役割を十分に受け取ることができます。食品で良質なタンパク質が摂取できるので、筋トレ中にはぴったりです。
筋トレ中にオートミールを食事に取り入れることで、より効率よく体作りが行えます。おすすめなオートミールの食べ方をご紹介します。
もっともおすすめな摂取方法は、主食をオートミールに変えるということです。オートミールは豊富な栄養素が含まれているうえに、筋トレに嬉しい効果がたくさんある成分です。
そのため、主食として継続的に摂取するのがおすすめです。筋トレ中は良質なタンパク質や脂、糖質を取ることで効率よく筋肉を作ることにつながります。白米やパン、パスタのような炭水化物を摂るよりも、すべてオートミールに変えてしまうのがおすすめです。
オートミールは、筋トレ後に食べるのもおすすめです。ハードなトレーニングをした後は、身体が糖質を欲しています。糖質制限ダイエットというものもありますが、筋トレを踏まえたダイエットをしたいのであれば、適度な糖質を摂取する必要があります。
たくさんのエネルギーを使うトレーニングでは、運動直後に摂取するのが効率的だと言われています。糖質を取らずにトレーニングをし続けると、体に必要なエネルギーが不足することになるため、疲れやすくなったり重いものを持ち上げられなくなったりします。
筋トレが終わったら、良質な栄養素を摂取することで、筋肉づくりを手助けします。筋トレの前に食べるよりも、終わってから食べるのがおすすめですよ。
ただオートミールを摂取するだけでは、筋肉づくりやダイエットにつながりません。効率よく筋肉を作って痩せるためには、PFCバランスが大切になります。PFCバランスとは、タンパク質、脂質、炭水化物のバランスのことを指します。極端に脂質を減らしたり、炭水化物を減らしたりしても、効率のいいダイエットにはつながりません。
オートミールはバランスのいい栄養素が含まれていますが、オートミールのPFCバランスを考えながらメイン料理や副菜などを合わせるようにしましょう。特にオートミールの場合脂質が多めなので、他の食事は脂質が少なくタンパク質が多めの食材を使った料理を合わせるようにしましょう。
ここからは、実際におすすめしたいオートミールを使ったレシピについて詳しく見ていきましょう。
オートミールをご飯のように食べたいのであれば、お粥のようにふやかして食べるのがおすすめです。オートミールを鍋に入れて水と一緒に火にかけます。沸騰したら火を弱めて、1分30~2分ほど煮ていきましょう。
とろみがついてきたらお粥のようになるので、お好みで味付けしていきましょう。お茶漬けの素を使ったり、出汁しょうゆを入れたり、ゴマを振りかけたり、好きな味を見つけてみてください。
タンパク質が豊富な卵を入れて卵雑炊風にするのもおすすめですよ。
オートミールを洋風にして食べたいのであれば、リゾット風にアレンジするのもおすすめです。ツナ缶やきのこなど好みの食材を用意し、フライパンで熱していきます。材料に火が通ったら、牛乳か豆乳、水を入れてひと煮立ちさせましょう。
味付けはツナの旨味を活かして薄味にしたい人は塩、もっとパンチが欲しい人はコンソメや粉チーズを入れるのがおすすめです。そして、ここにオートミールを入れて5分ほど弱火で煮立たせます。とろみがついたらリゾットが完成です。
他にもトマト缶などを使ってアレンジするのもおすすめですよ。
オートミールを使って、手作りグラノーラを作る方法もおすすめです。オートミールの他に入れたい具材を用意します。おすすめはナッツやフルーツです。アサイーなどを入れればアサイーボール風のグラノーラを作ることもできますよ。
本物のグラノーラはドライフルーツが入っていますが、ドライフルーツの中にはたくさんの糖分が入っているものも多いです。筋トレ中に無駄な糖質を取り過ぎるのはあまり良くないので、ドライフルーツよりもフレッシュフルーツを入れるのがおすすめですよ。
すべての材料をボールに入れたら、牛乳を注いで完成です。ヘルシーさを求めるのであれば、豆乳を使うのもおすすめですよ。
筋トレ中でもおいしいおやつを食べたいという人におすすめなのが、手作りクッキーです。食べ応えがある上に作り方が簡単なので、ついおやつを欲した時におすすめです。
筋トレ中のおやつなので、なるべく余計なものを入れないクッキーに仕上げるのがポイントです。そこでおすすめなメニューが、バナナとオートミールのみで仕上げるクッキーです。
バナナをレンジで加熱し、原形がほぼ残らないドロッとした感じになるまでつぶします。そして、ここにオートミールを加え、クッキングシートに並べていきます。オートミールの量が多ければ多いほど食べ応えのあるクッキーになります。
トースターやオーブンでしっかり焼けば出来上がりです。
オートミールは使い方もアレンジも自由自在です。オートミールをパン粉や小麦粉の代わりに使えば、筋トレ中でも美味しい揚げ物が楽しめます。特に唐揚げは鶏肉でできているのでもともとの脂肪が少なく、ヘルシーに揚げ物を楽しめます。
お好みの鶏肉を食べやすい大きさにカットして、塩コショウで味付けします。オートミールは、衣にするためフードプロセッサーを使って粉々にしていきましょう。
袋に粉々にしたオートミールを入れて、味付けをした鶏肉を入れてよく揉みこみます。鶏肉全体にオートミールがついたら、油を用意してあげていきましょう。ダイエット中でも十分美味しい唐揚げが楽しめますよ。
オートミール単体で食べることに飽きてしまった時におすすめです。
ここからは、筋トレ中にオートミールを食べる上での注意点についてご紹介します。
オートミールを食べる時は、よく噛んで食べることも重要です。オートミールの種類によっては食べ応えがある大粒のオートミールもあります。オートミールは腹持ちが良いというメリットがありますが、逆を言うと消化しにくいというデメリットにもなります。
しっかり噛んで食べないと消化不良を起こしてしまうことも。せっかく食物繊維が豊富なのに、消化不良を起こしてしまっては意味がありません。オートミールを食べる時はしっかり噛んで食べることによって、満腹になりやすくしっかり消化してくれますよ。
オートミールは筋トレ中の食事に最適な食べ物ですが、オートミールを食べるだけで筋トレを疎かにしては、ダイエットや筋肉づくりにはつながりません。オートミールは筋肉づくりをサポートする食材なだけで、直接筋肉を作ってくれるわけではありません。
筋トレにも自分の体重を使った自重トレーニングや、本格的なマシーンを使ったトレーニングなどさまざまなやり方があります。特に自宅で行う自重トレーニングは本格的なトレーニングに比べると負荷が低いので、継続的なトレーニングが必要不可欠です。
特に筋トレをしながらダイエットにつなげたいという場合、最初の1ヶ月はなかなか効果を感じられない場合もあります。しかし、長期的に続けていくことでしっかり効果は出てきます。
最低でも週に5回程度は行い、3ヶ月ほど続けるようにしましょう。
オートミールを筋トレ中に食べる上でもっとも心配なことは、飽きです。私達は白米を主食に生きているため、突然オートミールを主食にすることに違和感を覚える人も多いです。
慣れてしまえば普通のことになるかもしれませんが、中には飽きてしまう人もいます。ダイエットや筋肉づくりには最適な食べ物ではありますが、美味しくないものを長期的に食べ続けることは苦痛でしかありません。
だからこそ、オートミールの調理法を考えながらレパートリーを増やしていくのがおすすめです。美味しくしすぎるあまり、カロリーオーバーにならないように注意しましょう。
オートミールは良質な栄養素がたくさん入っている食材ですが、食べ過ぎは禁物です。オートミールにはフィチン酸と呼ばれる毒素の一種が含まれています。これは植物が外敵から身を守るために保持しています。
フィチン酸自体は骨粗しょう症のリスクを抑えるといったメリットがある成分ですが、反対にミネラルの吸収を抑えてしまうというデメリットもあります。ミネラルが豊富に入っているにも関わらず、実際にはミネラルの吸収を抑えてしまうという矛盾が生じています。
これは食材にはよくあることで、仕方ないことでもあります。だからこそ、オートミールばかりを食べすぎてしまうと、このフィチン酸の効果も高くなってしまうので、要注意が必要です。
ミネラルはオートミールだけでなく、野菜や肉、魚など他の食材からもバランスよく摂取することが大切です。
効率よく筋肉を作っていくためには、トレーニングの頻度も重要になります。高負荷なトレーニングを行っていると、次の日に筋肉痛が起こることがあります。これは傷ついた筋肉を修復しているために起こります。
実はこの筋肉痛が起こっている時に、筋肉が大きくなっていきます。そのため、筋肉痛が起こっている時は、その部分をそっとしておくことがおすすめです。毎日トレーニングをしている人は、筋肉痛がある部分を避けて、部分的に集中しながらトレーニングするのがおすすめです。
筋トレ中におすすめしたい美味しいオートミールをご紹介します。
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筋トレ中におすすめなオートミールについてご紹介しました。オートミールは筋トレ中に欠かせない栄養素がたくさん入っている食材です。主食をオートミールに変えることで、効率の良い筋肉づくりやダイエットに挑みましょう。