シーンに合わせて首元を彩るだけでなく、バッグやベルトとして、コーディネートのアクセントとしても使えるスカーフ。
本記事では、憧れのエルメスのスカーフの活用術を紹介します。今回使用するスカーフはHERMES エルメス カレ90の大判スカーフ2種類です。
エルメスはまだちょっと手が出ない……という人に向けたおすすめのスカーフも紹介するので、これからスカーフを活用していきたい方はぜひ参考にしてみてください。
【目次】
1837年に高級馬具のお店としてパリの8区で創業したエルメスは、その職人の手から作られる質の良い馬具が認められナポレオンや王室の御用達となります。
その後、馬車の衰退を時代の流れからいち早く予見していた3代目の社長により、バーキンの原型となったバッグを作りはじめ、その後、バーキンを始めケリーバッグなどで現在でも人気は衰えることはありません。
創業から100年経った1937年にカレの初代となる"オムニバスと白い貴婦人のゲーム"が発表されます。そこから更に180年経った今もカレは女性の憧れとして多くの人から支持されています。
Carré(カレ)はフランス語で正方形という意味を持ち、現在でもエルメスのスカーフのスタンダードです。
このカレはシルク100%の艶を活かした絵画のような美しい色彩と芸術性の高いデザイン、映画のようにタイトルとストーリーが設定されていて、1枚が持つ説得力が他には無い魅力となっています。
またデザイン面だけでなく、馬具店の頃からのエルメスの理念ともいうべき職人による完成度の高い手作業への拘りも現代に受け継がれていて、1枚1枚をシルクスクリーンと言われる製法で染めています。
このシルクスクリーンという製法は、1色につき1枚の版を作り1色毎に染めていくという手法で、30色を使用したデザインであればこの工程を最低でも30回は1枚毎に掛けています。
もちろん、版がズレて染める箇所が少しでもズレた商品は破棄されます。熟練の職人の技術の高さが必要となります。その他にも、染めが終わった後の縁がかりと呼ばれる手縫い作業で、スカーフの端を1枚につき40分ほど掛け仕上げます。
この作業工程でもお分かりいただけるようにスカーフ1枚に掛ける時間は多く、2年を要することもあると言われています。
エルメスのスカーフを初めて手に入れた時などは特に、どのようなスタイリングでスカーフを身に着けるか考えるだけでも楽しくなると思います。ここでいざ着けてみると思ったよりしっくりこない…という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実はエルメスのスカーフに一番似合うスタイリングはSimple is Best!です。
先に述べたように、エルメスのスカーフはそれだけで主役になれる1枚であることが多く、その存在感や高級感をより発揮できるのはシンプルな色で統一されたスタイリングです。
シックな黒で統一されたスタイリングや、清楚な印象の白などのスタイリングとの相性がとても美しく決まるのでオススメです。
どこの柄が表にでても非常にエルメスらしく仕上がる、華やかな印象のデザイン。馬柄が入ってると、やっぱりテンションが上がります。
こちらも馬があしらってあるのですが、ネイビーにホワイトのみでシンプルシックなデザインになっています。
流行のバンダナ柄を取り入れたいけど、ワザとらしいトレンド感が苦手なので、重宝しています。
エレガンスな装いにも、カジュアルにデニムに合わせる時でも、使い勝手のいい巻き方がこちら。
スカーフの角をVネックラインとして演出するので、もっさりせず、首が長く見えます。
STEP1:
スカーフを三角状に半分に折って端をもちます。
STEP2:
首の後ろを通ってから前で結びます。
STEP3:
トライアングルの上に結び目をふんわりのせて出来上がりです。
少しかしこまった、大人っぽい感じに仕上がるネックタイト巻き。少し高級なレストランでの食事会や目上の方と会う時にきちんとした印象を与えることができます。
STEP1:
まずスカーフをバイヤス折りします。
STEP2:
バイヤス折りしたスカーフの中心を首の中心にあわせて、ひと巻きして、前にもってきてます。
STEP3:
前で軽く結んで出来上がりです。
シャツやVネックなど、少し首元に隙間がある時におすすめのアスコット巻き。
ベーシックカラーのスーツを着ると、なんだかリクルートスーツのようになってしまう時や、シンプル過ぎるコーデに差し色を添えたい時に。
ビジネスシーンにはおすすめですが、デートなどの場合は少しきつい印象を与えてしまうことがあるかも。
STEP1:
まずスカーフをバイヤス折りします。
STEP2:
首元でぎゅっと締めます。
STEP3:
上側にきた端を中心に、次はふわっと結んで形を整えます。
STEP4:
胸元が膨張しないように、両端を平らにしながら、首元におさめて出来上がりです。
シャツやVネックなど、少し首元に隙間がある時におすすめのアスコット巻き。
ベーシックカラーのスーツを着ると、なんだかリクルートスーツのようになってしまう時や、シンプル過ぎるコーデに差し色を添えたい時に。
ビジネスシーンにはおすすめですが、デートなどの場合は少しきつい印象を与えてしまうことがあるかも。
STEP1:
まずスカーフをバイヤス折りします。
STEP2:
首元にセンターをあわせて、垂らすだけです。
ジャケットの襟の上にスカーフが乗ってしまうと、首がとても短く見えてしまうので、必ず襟の中におさめるようにしましょう。
昨年に引き続き流行しているバンダナ風のスカーフで、マリンルックを完成させる時に使えます。
STEP1:
スカーフを三角形に折ります。
STEP2:
首にかけて端を結びます。
この時、ゆるく結んでしまうと、一気に老けた印象に。きゅっと堅結びして端を元気よく跳ねさせましょう。
デニムやベーシックカラーのパンツを華やかに変える、ベルトづかいもおすすめです。
白いTシャツにデニムなど、シンプルコーデのアクセントとして取り入れると、大人のエレガンスカジュアルを実現できます。
~番外編~
後ろ姿が探偵になりがちな、トレンチコートのベルトとしても使えます!
今回はエルメスバーキンを使って素敵なスカーフの巻き方を伝授します!
手持ちのバッグに巻きつけるだけで、ワンランク上のこなれた印象に。
STEP1:
スカーフをバイヤス折りにします。
STEP2:
片方のハンドルの付け根にくくりつけます。
(付け根に金具がある場合は穴に通すとよりとれにくくなります)
STEP3:
スカーフがたるまないよう、引っ張りながら、ハンドルに対して斜めに巻いていきます。
STEP4:
逆の端までたどり着いたら、根元にくくりつけます。
(もし端が余ったら、アシンメトリーに片方だけふわっと開くのも可愛いです)
難易度が高そうなヘアバンドづかいですが、意外に簡単です。
寝坊した日に、手抜きがばれない万能アイテムでもあります。
STEP1:
まず肩より髪が長い人は、スカーフが衿あしの髪を巻き込んでしまうので、軽く一つにまとめます。(もちろんアップしたり、三つ編みにしてもOKです。)
STEP2:
スカーフを15cm幅にバイヤス折りにします。
STEP3:
スカーフの端をもって、首元後ろから前に回します。
STEP4:
おでこの上で交差させたら、両端を持ち替えてクロスさせます。
STEP5:
そのまま後ろで結びます。
STEP6:
できあがりのトップはこんな感じです。
・シルク 100%
・ルロタージュ仕上げ
・90×90cm
2020秋冬コレクションのカレ・プロジェクト・オ・クレヨンは2色展開で、どちらも柔らかい色合いが特徴です。
鐙、馬銜、蠅払いなど、エルメスの象徴でもある馬具があしらわれたデザインはエルメスの伝統も感じられ、かわいらしい色味の中でも上品さが感じられます。
はっきりとした幅広なフレームにメインカラーを持ってきてあるので、バイヤス折にした際でも三角折りにした際でもメインカラーがアクセントとして活きる結び方ができるデザインです。
・シルク 100%
・ルロタージュ仕上げ
・90×90cm
こちらも2020秋冬コレクションです。2020秋冬コレクションのカラー展開はレッドとオレンジの2色で、レッドがメインのものは華やかさが強調され、オレンジがメインカラーのものはフレームがブラックということもあり、オリエンタルな雰囲気も持っているので日本人には使いやすいカラーでオススメです。
三角折りにした際に、クリームや白といった明るい色を顔周りに持ってくるとフレームのカラーとのメリハリで華やかさがより際立ちます。同色系でまとまっているけれども艶やかな色使いや馬具の飾りなど、エルメスらしさも前面に出ていてエルメスのスカーフを初めて持つ方にもおすすめです。
・シルクツイル
・シルク 100%
・90×90cm
2020春夏コレクションのカレーシュ・エラスティック・リミックスはパリらしい小粋な色使いで、1枚の絵画のようなデザインの背景にドットが散りばめられていて、見せる面で色々な表情が出せるデザインです。
レトロポップな雰囲気を出せるので、デニムスタイルにも合わせやすく使いやすいスカーフです。
・シルクツイル
・シルク 100%
・90×90cm
18世紀末のイギリスとフランスで大流行したフェートンという馬車がデザインの主軸となっているスカーフです。
正面からではなく、背面から見たデザインというのもユニークです。
2020秋冬コレクションの四輪馬車の車輪は色展開が多く、それぞれ表情が異なりますがどの色も個性豊かでスタイリングの主役になるスカーフです。
・シルクツイル
・シルク 100%
・90×90cm
2020春夏コレクションの中でも人気が高いカヴァルカドゥール・ヴォルティジュール。
こちらの黒/クレーム/マルチカラーは特に発売当初、パリのエルメス店頭でも入手困難なほどの人気で、既にエルメスのスカーフを持っている人からも注目されました。
エルメスを表すオレンジの馬具のベルトに、フレームが黒というこれぞエルメス!というデザインで、広げても巻いても表情が上品で美しく、デザインだけでなくその使い勝手の良さも人気を後押ししています。
・カシミア 70% シルク 30
・140×140cm
エルメスの中でも大判サイズのカレジェアンは絵画のように額に入れて飾る人もいるほど、デザインの存在感が他のサイズよりも増します。
上質の素材をたっぷり使用していることもありお値段も上がりますが、市中に出る数も多くないので希少性も高くなり、合わせて注目度も高くなります!
ブリッド・ドゥ・クール・リミックスはオレンジと馬具というエルメスの代名詞がはっきりとデザインされているので、さっと広げて羽織るだけで格上げのスタリングへと仕上げてくれます。
・カシミア 70% シルク 30
・140×140cm
スポーティーな印象が強いカレジェアンのトロフィーは男女ともに使いやすいデザインとなっています。
カレの中にあるたくさんのトロフィーや様々なスポーツに関する道具だけでなく、エミール・エルメスを表すかのようなライフセーバーの免状などもあり、エルメスのエスプリがしっかり反映されています。
トロフィーのカラーはどれも使いやすく、軽く首回りに巻くと華やかさが増します。
・シルクツイル
・シルク 100%
・10×180cm
お値段も手頃なものが多いツイリーは、売り切れてしまうと再販はないアイテムとして、「かわいい!」と思ったタイミングで購入しないと二度と出逢えないことも多い人気アイテムです。
最初から細長いので、エルメスのバッグの持ち手に巻くのにも頭に巻くのも簡単で、カレと比べて主張を控えめにできるのでさりげなく身に着けられます。
お値段はエルメスの中ではお手頃ですが、カレと同じくシルク100%でルロタージュ仕上げなので、結んだ際の光沢感とハリ感はさすがの一言です。
・シルクツイル
・シルク 100%
・10×180cm
デッラ・カヴァッレリアはエルメスのコレクションの中でも長く愛されてきたデザインの1つです。そのデッラ・カヴァッレリアがツイリーにも登場し、人気を得ています。
長さが180cmあるので、首の回りに巻いてもたっぷりと余裕があるので片リボン結びにももちろん、リボン結びにもできて顔周りを華やかにしてくれます。
トレンチコートやデニムのベルト代わりに最適なサイズなので、一枚あると重宝します。
・シルクツイル
・シルク 100%
・94×188cm
140cmのカレを斜め半分に切った形のトライアングル ジェアンは、カレよりも手軽に扱えるところが人気になっています。
半分の厚みになるのでボリュームが抑えられ、カレを使っていて大きさは欲しいけれどももう少しスカーフの主張を抑えたいと思われた方はこちらのトライアングル ジェアンをおすすめします!
・コットン 100%
・65×65cm
エルメスの中では数少ないコットン100%のスカーフです。
デザインもカセットテープというレトロなモチーフをポップに扱い、カジュアルな服装にも気負いなく使用できるスカーフとして人気です。
2020春夏コレクションで発表されたカラーは白/オレンジ/ティユールとなっていますが、白をベースにブラウンやブルーも入っているので、どんな色味の服装にも合わせやすい色味になっています。
・カシミア 70% シルク 30%
・100×100cm
HERMESのアルファベットを乗馬用具でカムフラージュさせるようにデザインされたスカーフは巻いてみるとスポーティな印象に。
落ち着いているトーンなので、幅広い年齢層にマッチするカラーになっています。
デニムやカジュアルなスタイルにも使いやすく、華美になりすぎないスタイルのアクセントとして重宝する一枚です。
・カレ リバーシブル
・カシミア 70% シルク 30%
・100×100cm
男性らしい落ち着いた2トーンカラーですが、頭絡を着けた馬のデザインに幾何学模様という遊び心のあるアーネ・ドゥ・カブリオレは、ダブルフェイスの編み込みとして浮かび上がるようになっており、リバーシブルで使用できるスカーフです。
女性用には90×90cmが使いやすいサイズ感ですが、男性にはもう一回り大きい100×100cmが使い勝手のよいサイズとして人気があります。
・カシミア 70% シルク 30%
・100×100cm
メガ・シャリオのデザインは日本人の野村大輔さん。
ギリシャ神話の中の、アポロンのシャリオを無断で使用した神エルメスの話からインスパイアされデザインです。
神や馬がロボットのようにデフォルメされていたり、馬車を引く馬が三輪車に乗っているというユニークなデザインが男性の心をくすぐるスカーフです。
首に巻いた際にもこのデザインが持っているオリジナルの雰囲気はそのままなので、ぜひ遊び心を堪能してください。
・カシミア 70% シルク 30%
・140×140cm
シュヴァル・セレストはフランス語で天馬のことです。
星のように散りばめられた点が集まって形作られるように描かれた天馬は、スカーフを広げないとその姿は見られません。
どこか神秘的な要素を持ちつつも、巻いた時の形は星と星を繋いだ天体地図のようにも見え、使い方によって表情が大きく異なるデザインです。
巻いた時にはモチーフは見えないので、140×140cmという大きさでも主張しすぎることが無く、広げても巻いても使いやすいデザインです。
最後に、エルメスにチャレンジするのはハードルが高いと感じてしまう方に向けたおすすめのスカーフをまとめてご紹介します。
イタリア製のシルクスカーフは、肌触りが良くエレガントさを演出してくれるアイテム。イエローグリーンカラーをメインに、バレリーナデザインが描かれた1枚です。
同じくイタリア製のシルクスカーフのデザイン違いもおすすめ。イタリアトスカーナ地方の春の花々をモチーフにした絵画のように美しい1枚です。
イタリアンイエローの鮮やかさが首元やバッグ、ヘアにアクセントを加え、華やかに仕上げてくれます。
大人っぽくまとめるのであれば、ネイビーカラーのスカーフを選ぶのがおすすめ。ネイビーをベースに、ラッキーアイテムのバタフライが描かれた1枚です。巻いた時にチラリと覗く蝶々が、おしゃれさをグッと格上げしてくれるでしょう。
グリーンをメインにしたシルクスクエアスカーフは、ゴージャスさと落ち着きを兼ね備えた大人にぴったりの1枚。正方形で大きなサイズ感なので、上記で紹介したさまざまなアレンジにチャレンジしやすいといえるでしょう。
プチプラのファッションアイテムが揃うハニーズからもおしゃれなスカーフが登場しています。落ち着いた色味で高級感があるので、大人女子でも取り入れられるデザインなところがポイント。コーディネートにアクセントを加えられます。
ヘアアレンジやバッグのハンドルに巻くのであれば、正方形ではなく長方形になったツイリースカーフがおすすめ。大判ならではのアレンジはできませんが、小回りがきいて簡単に巻けるので、初心者の方でも簡単におしゃれに仕上げられるでしょう。
同じツイリースカーフでも、カラーやデザインが変わるとグッと雰囲気が異なります。ピンクのツイリースカーフは、かわいらしく上品な雰囲気に仕上げたい方にぴったりといえます。
いかがでしたか?どれも簡単にできるアレンジですが、一気に華やかになりますよね。洋服に合わせる時はスカーフが主役になるようなシンプルな服装がおすすめですよ。ちょっと色味が足りないなーとか、いつものスタイルに飽きてきたなーといった時に、タンスに眠っているスカーフを使って楽しんでみてください!