米粉は食事からお菓子までさまざまなレシピに使えるもの。グルテンフリーで国産のものが多いため、安心感があると注目を集めています。ここでは、米粉の特徴やメリット、使い方と米粉を使ったおすすめレシピをご紹介します。
【目次】
最近、体への優しさから注目を集めているのが米粉。スーパーやコンビニ、ファストフード店などでも米粉を使った食べ物を目にする機会が増えてきました。そもそも、米粉とは何なのでしょうか。
■米粉って?
米粉は、米を粉状に加工したものです。最近誕生したのではなく、昔からおせんべいやお団子、和菓子などに使われてきました。近年、米粉の注目度が上がっているのは、製粉技術が進歩してパンやケーキなどに使われるようになったことが理由です。
現在では、小麦粉の代わりに米粉を利用したたくさんのレシピがブログやSNSなどで紹介されています。
米粉は大きく分けてうるち米から作ったものともち米から作ったものに分けられます。それぞれ、特徴や使い方が違うので、米粉を使いたいと考えている人は確認しておきましょう。
最近、「米粉」と呼ばれているものの多くは、普段ご飯として食べているうるち米を水洗いしてから小麦粉程度まで細かくしたものです。うるち米はさらに、次のような種類に分けられます。
■製菓用の米粉
特殊製法で細かく加工した米粉です。主に、洋菓子を作る時に使われます。
■製パン用の米粉
パンを作るために作られた米粉です。グルテンが添加されています。
■上新粉
水に浸けたうるち米を加工して粉状にしたものです。歯ごたえがあり、おせんべいや柏餅、ういろうなどの使い方に適しています。
■玄米粉
玄米を粉状に加工したものです。栄養価が高く、揚げ物などの料理からパンやスイーツまで幅広い使い方ができます。
餅の材料であるもち米を使った米粉は、粘り気が強く、和菓子などに使われます。最近は、米粉とは呼ばれず、「白玉粉」や「道明寺粉」と種類別に呼ばれることが多いです。
■白玉粉
水に浸けたもち米を臼で挽き、粉状に加工した米粉です。つるつるした食感で、白玉団子はもちろん、草餅や大福などの使い方にも向いています。
■道明寺粉
もち米を蒸した後に粉状にしたものです。つぶつぶしていて桜餅などの和菓子で使われます。
米粉には、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミンB1、ビタミンEなどが豊富に含まれています。小麦粉よりも米粉の方がアミノ酸スコアが高く、良質なタンパク質を多く含んでいるため、健康に良いと考えられています。
ダイエット中に気になるのが米粉のカロリー。米粉はヘルシーでダイエットに良さそうなイメージを持つ人も多いでしょう。米粉のカロリーはどれくらいなのでしょうか。
米粉のカロリーは100gあたり374kcalです。小麦粉と比べてわずかに低カロリーで脂質も少ないため、ヘルシーだと言えます。また、米粉は腹持ちが良く、油を吸収しにくいので、ダイエットにも向いているでしょう。
ただし、単に米粉を使ったものを食べても痩せるわけではありません。ダイエットでは、カロリー制限や運動をしながら、上手に米粉を使った食べ物を取り入れることが大切です。
米粉は小麦粉の代用に使われることが多いですが、米粉を使った食べ物と小麦粉を使った食べ物にはどんな違いがあるのでしょうか。米粉の特徴について確認します。
米粉は小麦粉よりも油を吸収しにくいです。そのため、揚げ物の衣として使うと、ヘルシーで軽い仕上がりになります。米粉を使った天ぷらはサクサクとしていてお箸が進むでしょう。餃子の仕上げに使うと、お店のようなパリパリの羽根つき餃子になります。
また、米粉を使った料理は時間をおいても油っぽくならず、食感や軽さが維持されます。お弁当などに入れてもベタベタせず、おいしいです。
米粉は小麦粉と比べて給水量が多いです。小麦粉の代わりに米粉を使えば、水分の割合が高くなるので、食感がしっとりとします。パウンドケーキやシフォンケーキはパサつきを感じず、プロのような仕上がりになるでしょう。
また、米粉パンもパサパサしないので、子供やお年寄りでも食べやすいです。
米粉を使ったお菓子やパン、料理が増えているのはどうしてなのでしょうか。小麦粉ではなく、米粉を使うメリットについてチェックしてみましょう。
米粉は体に優しく、健康に良いと注目されています。米粉が体に優しい理由は主に2つです。
■グルテンフリー
米粉には、小麦アレルギーの原因と考えられているグルテンが含まれていません。そのため、小麦アレルギーの人も安心して食べられます。
また、グルテンは小腸に異常を起こしたり、依存性があったりすると言われています。グルテンフリーの米粉は、健康に良いと海外でも注目されています。
なお、米粉でも製パン用のものはグルテンが添加されていることがあるため、小麦アレルギーの人は注意してください。
■安心の国産
日本で流通している米粉の多くは国産です。基本的に、国産の米粉は添加物が含まれていないので、安心して食べられます。
米から作られた米粉はクセのない味わいです。甘いものから酸味のあるものまで、さまざまな調味料と合い、食事からお菓子まで多くの料理に活用できます。使い方によって味が変わるので、飽きずに食べられるのもメリットでしょう。
米粉は使い方によってさまざまな食感になるのも魅力です。とろみをつける働きがあるので、餡やスープに入れれば、トロトロになります。また、ケーキやパンに入れると水分を含んでしっとりとして、クッキーに使うとサクサクに仕上がります。
さらに、でんぷんを含んだ米粉はモチモチとした食感を楽しめるのも魅力です。でんぷんは冷めると固まりますが、砂糖や油を使えばモチモチ感をキープできます。
小麦粉はダマになりやすいため、お菓子を使う時などはふるう必要があります。しかし、米粉は粘り気の元になるグルテンが含まれておらず、微粒子に加工されているため、ふるう必要がありません。お菓子作りのときなどに、粉をふるう手間を省けるのは嬉しいです。
さらに、サラサラとした米粉は後片付けも簡単です。水でさらっと流すだけで調理器具などがきれいになるので、洗い物が簡単になり、洗剤の量も減らせます。
体に優しく、さまざまな食感を楽しめる米粉はいろいろな料理で活用したいです。しかし、米粉の使い方に悩んでいる人も少なくありません。米粉の使い方をチェックしてみましょう。
米粉は調理法によって食感が変わります。水分を加えれば、しっとり・モチモチになり、直接加熱すれば、サクサクになります。小麦粉を使った場合と料理の食感が違うので、初めて使うときは、小麦粉と米粉を半分ずつにして使うのが良いでしょう。
慣れてきたら、好みに合わせて使い方を変えてみてください。
米粉には料理にとろみをつける作用があります。とろみをつける使い方は簡単で、米粉を水で溶かし、かき混ぜながら料理に加えると、片栗粉なしでトロっとした料理に仕上げられます。
クセがなくどんな料理にも使える米粉は、片栗粉のようにダマができることもないので、料理が苦手な人でも失敗する心配がないでしょう。餡かけ料理以外にも、麻婆豆腐やカレーにとろみをつけたい時にもおすすめです。
米粉は揚げ物やムニエルの衣にする使い方もおすすめです。粒子が細かい米粉を使えば、必要以上に衣が厚くなりません。また、油の吸収率がヘルシーなので、ダイエット中に揚げ物などを食べたくなったときにもぴったりです。
さらに、米粉には粘り気がないので、小麦粉で衣を作るときのように混ぜすぎに気を付けなくても大丈夫です。粘り気を気にせずにしっかりと混ぜて衣にすると、おいしい揚げ物やムニエルが完成するでしょう。
米粉はピザや餃子、お好み焼き、チヂミなどの生地にも使えます。米粉を使って作った料理はモチモチしていて弾力があり、食べ応えが抜群です。満足感があり、腹持ちも良いので、食べ過ぎを防ぎたいときにも良いでしょう。
生地作りに米粉を活用する場合は、お米の味を堪能できる使い方がおすすめです。
揚げ物に米粉を使うときは、小麦粉よりも少なめの量で使うのがポイント。米粉は小麦粉と比べて油を吸う性質があるため、使いすぎると衣が固くなります。
同じ米粉でもメーカーによって少しずつ性質や特徴が違うので、量や使い方をアレンジして自分好みの料理に仕上げてください。
米粉はスーパーなどに売られていますが、自分でも作れます。節約したい人や市販の米粉の安全性が気になる人は自家製米粉作りにチャレンジしてみましょう。
■1.米を研ぐ
初めに米を研ぎます。米ぬかや汚れが残っていると、えぐみが出るので注意してください。
■2.吸水させてから水気を切る
夏は40分程度、冬は1時間程度吸水させます。吸水させたら、ザルで水気を切り、さらにキッチンペーパーで余分な水分を取ります。
■3.乾燥させる
トレイなどに米を広げ、風通しの良い場所で乾燥させます。米が白っぽくなったらOKです。
■4.ミキサーにかける
米をミキサーにかけて細かくします。少しずつミキサーに入れてしっかりと砕きましょう。
■5.こし器でこす
ミキサーから出したものをこし器でこします。こし器に残ったものは、再びミキサーに入れてこしましょう。こし器に残らなくなったら完成です。
できあがった米粉は密閉容器などに入れて保存しましょう。
米粉とおからやバナナを使ったパンはヘルシー。しっとりとしていてパウンドケーキのような食感です。米粉の使い方は簡単で、発酵なしでできるため、パンを作り慣れていない人でも失敗がなく、調理時間も短く済みます。
ほんのりとした甘さを感じられますが、甘いのが好きな人は砂糖を入れるのがおすすめです。
しっとり・モチモチの食感の米粉は蒸しパンにぴったり。材料を混ぜ合わせて蒸すだけでできるため、忙しい朝や小腹が空いたときなどにもおすすめです。
チョコ蒸しパンは、トッピングのチョコによって味が変わるので、いろいろなチョコを試してお気に入りのものを見つけてください。
イングリッシュマフィンは朝ごはんやブランチに人気のパン。米粉やコーングリッツなどを使えば、中はふんわり、外はかりっとしたイングリッシュマフィンを自宅で作れます。
できあがったイングリッシュマフィンはそのまま食べるだけでなく、半分にカットして具材を挟む使い方も人気です。
米粉でフォカッチャを作ると、少しもちっとした食感になります。小麦グルテンを使えば、食感や風味が小麦粉で作ったフォカッチャに近くなるでしょう。同じ使い方でも、米粉は小麦粉よりもベタつかず、生地を扱いやすいのもメリットです。
アレンジをしたいときは、肉や野菜などを挟んでみてください。
ポンデケージョは米粉の特性をいかせる使い方。もちっとした食感で食べ応えのあるポンデケージョを作れます。潰したジャガイモに粉類や調味料、チーズを入れてこね、形成してからオーブンで焼けば、朝食やおやつにぴったりのポンデケージョになるでしょう。
定番のバターロールも強力粉ではなく、米粉を使うと、いつもと風味や食感を変えられます。米粉のバターロールは発酵が1回だけなので短時間で仕上がって手間が少ないです。
ただし、米粉を使ったパンは乾燥しやすいので、早めに袋などに入れて保存するのが良いでしょう。
シンプルなコッペパンも米粉で作れます。しっとりとしていてモチモチなコッペパンは満足感があり、幸せな気分になれるでしょう。発酵時間などを変えると、食感も変化するので、いろいろな使い方を試して自分にぴったりのレシピを見つけてください。
できあがったコッペパンはそのまま食べてもサンドイッチ用に使ってもおいしいです。
米粉は強力粉などと混ぜる使い方もおすすめです。強力粉に米粉を加えてベーグルを作れば、しっとりモチモチに仕上がります。米粉はほんのりと甘みを感じるので、いつもより少し砂糖を少なめにするとおいしいでしょう。豆乳を使えば、健康や美容にも良いです。
パン用の小麦グルテン入り米粉を使えば、フランスパンも作れます。ホームベーカリーで生地をこねると、失敗なくおいしいパンになるでしょう。小さめに成型してドライフルーツなどを加えれば、見た目もおしゃれなパンになります。
できあがったフランスパンはベトナムのサンドイッチ「バインミー」にアレンジする使い方もおすすめです。
米粉のお好み焼きは簡単に作れる料理。米粉の使い方がわからない人はまず、お好み焼きで慣れてみましょう。小麦粉を豆腐と米粉にすると、ヘルシーなお好み焼きに仕上がります。豆腐を多めに入れるとひっくり返しにくくなるので、量には気を付けてください。
モチモチとした食感でしっとりとしている米粉はチヂミの生地もぴったり。米粉と片栗粉に卵や水、顆状出しなどを加えれば、簡単な使い方で本格的なチヂミの生地ができます。米粉を使ったチヂミは小麦粉のチヂミと比べて焦げ目がつきにくく、白っぽい仕上がりです。
フライパンと小麦粉を使えば、ホワイトソース作りなどの面倒な手間をかけずにグラタンが作れます。チキンなどの具材を焼いた後、米粉を振りかけて牛乳をかけ、マカロニなどを加えてさらに加熱しましょう。
最後に、トースターで焦げ目を付ければ、味も見た目も楽しめるグラタンになります。
ジャガイモ餅は、北海道などの郷土料理。モチモチとした食べ物で、食事はもちろん、おやつでも食べられることが多いです。
ジャガイモ餅は、片栗粉で作ることが多いですが、米粉で作るのもおすすめ。使い方は簡単で、潰したジャガイモと米粉を混ぜ、焼いてから味付けすればOKです。
ピザは強力粉で作るのが一般的ですが、米粉でもできます。米粉を使ったピザはモチモチとしていて満足感が抜群です。ピザを作るときも米粉の使い方はドライイーストや砂糖、ぬるま湯などを合わせて混ぜ、15分程度置くだけです。
できた生地にお好みの具材をのせれば、自宅で簡単にピザを手作りできます。
油をあまり吸収しない米粉は揚げ物にもぴったり。米粉の一種である上新粉を使えば、卵や小麦粉を使わず、手軽にポークカツレツを作れます。使い方は味を付けた豚肉に米粉を軽くまぶして揚げるだけなので、不器用な人でもできるでしょう。
薄切りのお肉を使えば、料理の時短や節約にも繋がります。
揚げ物の衣は米粉の定番の使い方。納豆のタレと米粉があれば、難しい手順なしで唐揚げができます。納豆のタレに生姜を混ぜて米粉をまぶし、油で揚げると、ジューシーな唐揚げになるでしょう。ランチやディナーだけでなく、おやつにもおすすめの料理です。
米粉を使ったライスコロッケは軽めでヘルシー。米粉と細目のパン粉を半々の割合で使うと、サクサクした食感になります。そのままでもおいしいですが、ツナをディップして食べると、食感や風味の違いを楽しめるでしょう。
米粉とパン粉が余ってしまったら、野菜などの衣にする使い方を試してみてください。
ムニエルも米粉のおすすめの使い方。塩コショウで下味をつけた鮭に米粉をまぶし、バターやオリーブオイルで焼くと、外はかりっと、中はふんわりとしたレストランのようなムニエルの完成です。レモン果汁で味付けすれば、さっぱりとした風味になるでしょう。
米粉と豆乳のマフィンはヘルシー。しっとり・モチモチしたマフィンで満足感があります。米粉の使い方も簡単で、軽く混ぜ合わせてオーブンで焼くだけでOKなので、お菓子作りに慣れていない人にも良いでしょう。
豆乳を牛乳にしたり、少量の小麦粉を加えたりしてアレンジするのもおすすめです。
米粉を使ったロールケーキはモッチリとした食感。甘さ控えめのチーズクリームと良く合い、ケーキ屋さんのような風味を楽しめます。米粉はふるいが不要なので、お菓子作りの手間を省けて面倒臭がりの人でも扱いやすいでしょう。
ラングドシャは「猫の舌」を意味するクッキーのような焼き菓子。サクサクとした軽い食感で、米粉の使い方としておすすめです。米粉を使ったラングドシャは小麦粉のラングドシャと比べて口溶けが良く「何枚でも食べられる」という声もたくさん聞かれます。
スコーンはティータイムに人気のスイーツ。紅茶と良く合い、朝ごはんに食べる人も多いです。そんなスコーンを米粉とココナッツオイルで作ると、ヘルシーな味わいに。外はサクサク、中はしっとりとして年代を問わず、食べやすいスコーンになるでしょう。
炊飯器でできるケーキはレシピランキングでも上位に来ることが多い人気のスイーツ。小麦粉を使うものが多いですが、米粉でもおいしい炊飯器ケーキを作れます。作り方は材料を入れて混ぜ、炊飯器で加熱するだけなので、お菓子作りが苦手な人でもチャレンジしやすいでしょう。
米粉の使い方のポイントは少なめに入れてから少しずつ足していくこと。柔らかくなりすぎないように米粉の量を調節してください。
クセのない米粉はフルーツグラノーラのおいしさを引き立たせます。米粉で作るパンケーキにフルーツグラノーラを加えれば、おいしいだけでなく、健康や美容にも良い食べ物に仕上がります。米粉の使い方では、焦げないように注意しながら焼くことがポイント。
甘みがあって焼き目がつきやすいので、火加減を調節してください。
米粉は大人向けのスイーツにも使えます。ココアとラム酒を使った米粉パウンドケーキはほんのりと苦みとお酒の風味を感じられて、贅沢な気分を味わえるでしょう。米粉はダマができにくいですが、ココアはダマになることがあるので、しっかりとふるってください。
米粉の使い方では、シュー生地もおすすめ。米粉を使ったシュー生地は外はカリカリ、中はふわふわしていてお店のような仕上がりで、カスタードクリームや生クリーム、アイスクリームなどを入れるとおいしいです。
米粉は加熱したバターと水に加えて使いますが、加熱しすぎると失敗するので、注意してください。
米粉は和菓子にもおすすめ。白玉団子ではなく、製菓用の米粉を使ったぜんざいはモチモチ食感で食べ応えがあります。米粉の使い方はお湯を注ぎながら生地をこねて丸く成型するだけでOK。塩を少しだけ加えると、甘みが際立って濃厚な風味になるでしょう。
米粉は最近、注目度が上がっています。食事からパンやお菓子までさまざまな使い方ができるので、興味のあるレシピで米粉を試してみましょう。いつもの料理も米粉を使えば、食感や風味が変わって飽きずに食べられます。