厄払いや厄除けで神社やお寺に行く時、どんな服装がいいのでしょうか。普段着で行ってもいいのか、礼服を着たほうがいいのか悩む方も多いでしょう。
今回は、失礼にならない、マナーを守った服装はどういったものか詳しく解説します。女性、男性の厄払いの服装や付き添いの時の服装についても紹介します。
【目次】
神社やお寺に厄払いに行く際の服装については、実は特に明確な決まりはありません。
とはいえ、なんでもいいということではなく、厄を払っていただくのに失礼にならないような服装が好ましいですね。
そこで、今回は厄払いや厄除けに行く際にふさわしい服装やNGな服装について解説をしていきます。
まずは、女性の厄除け・厄払いのときの服装について紹介します。厄払いに行く服装は、きちんとした失礼のない服装がおすすめです。
迷ったときは、スーツなら間違いなし。黒・グレー・ネイビーなどのシックな落ち着いた色のスーツで、インナーは白のブラウスやシャツを選べば大丈夫です。
普段スーツを着ないから持っていない、という場合にはスカートやパンツを使ったコーディネートでも問題ありません。
キレイめなスカートやパンツにブラウスやシャツ、アンサンブルニットなどを合わせたシンプルなコーディネートやワンピースなどを選ぶとよいでしょう。
厄払いの服装に明確な決まりがないことの理由の一つが、地域や神社・お寺によって服装がまちまちということがあります。
ちょっとキレイめな服装でOKなところもあれば、礼服などきちんとした服装が求められるところもあります。
近所の神社や行ったことのある神社やお寺ならイメージがつきやすいですが、初めて行く場所の場合には、事前にリサーチをしておくのが安心ですね。口コミなどでわからなければ、直接神社に電話をして確認しておくと安心です。
比較的、服装の決まりが少ない神社やお寺でも、派手すぎたりラフすぎるような服装は避けるのがベスト。
・スカートの丈が短すぎる
・露出が多い
・デニムやチノパン
・ヨレっとした服
・真っ赤や真っ白、そのほか派手な色
など、カジュアルすぎたりラフすぎるような服装は避けて、キレイな着こなしを心がけるようにしましょう。
男性の厄除け・厄払いのときも服装も女性と同様に、スーツだと問題ありません。落ち着いた色のスーツに白シャツ、ネクタイを着用しましょう。
きちんとした服装とはいえ、スーツではなくてもOKというような神社の場合には、ジャケットとパンツの単品コーディネートがおすすめです。
場合によっては、ジャケットではなくカーディガンで大丈夫ということもあります。Tシャツや短パンなどは避け、きれいめに見えるコーディネートに仕上げましょう。パンツはスラックスにすると、きちんとした印象になります。
スーツでない服装がOKだとしても、女性と同じくカジュアルすぎたりラフすぎる服装は避けたいところ。
・デニムジャケットやレザージャケット
・デニムパンツやチノパン
・色や柄が派手
・全身黒、全身白などのファッション性が高いコーディネート
などは避け、「目上の人に会うときに着ていても問題なさそうな服装」をイメージして選ぶとよいでしょう。
厄払いは、祈祷を受ける本人以外が一緒に行くと厄が移ると言われる地域と、家族一緒に厄払いをしたほうがいいという地域に分かれます。
一緒に付き添いで行く場合、服装は厄払いをする本人同様にきちんとした服装が正解です。
赤ちゃんや子供も一緒に行くという場合には、できる限りシンプルで暗めの色の服を選ぶようにすればOKです。
秋田県など、厄払いのお祓いを受けた後にそのまま同窓会を行うという風習がある地域もあります。
同窓会だけなら華やかな服装やカジュアルな服装がいいかもしれませんが、厄払いも併せて行う場合は、派手すぎたりカジュアルすぎる服装は避けるのがベスト。
事前の案内にドレスコードが記されていればそれに従うようにします。
サンダルやノースリーブなど、露出が多くなる夏。しかし、あまり肌を露出した服装は神様や仏様に対して失礼になります。特にキャミソールやタンクトップ、胸元が大きく開いたようなトップスは避けるようにしましょう。
また、ビーチサンダルはもちろん、サンダルも神社やお寺ではふさわしくありません。カジュアルなアイテムに当たるためです。
暑いので素足で過ごしたいと感じるかもしれませんが、本殿に上がるときに裸足なのはマナー違反です。必ずストッキングを履いていくようにしましょう。
寒い季節に厄払いに行く際はコートやマフラー、帽子などを身につけていると思います。
神社に行くと最初に待合所に案内されるので、そこで祈祷が始まるのを待ちます。その間にコートなどの防寒具は脱いだり外したりしておきます。
神社の中は寒いですが、モコモコに着込んだままでは失礼になるので、祈祷が終わって外に出るまではコートは脱いだままでいるのが正解です。
コート掛けが用意されている場合にはそちらを使い、そうではない場合には邪魔にならないように畳んで持ち歩きます。
そのため、コートにマフラーに手袋に……とたくさん身につけていると脱いだ時に邪魔になります。厄払いに行く際には、なるべくシンプルな服装にするようにしましょう。
マナーを知っても具体的にどういったアイテムを選べばいいか分からないという方もいることでしょう。ここからは、実際におすすめのコーディネート例をご紹介します。
上下別々でも使えて一着あるとオフィスでもセレモニーでも活躍してくれる、パンツとブラウスのセットアップ。黒や濃紺、グレーなどの落ち着いたカラーなら厄払いにも対応できます。
「礼服でお越しください」と寺社のホームページに書いてある場合には、普段着に近いカジュアルな服装だと断られてしまうことがありますが、きちんと感のあるセットアップなら安心です。着飾ることは求められていないので、バッグや靴、アクセサリーも派手ではないものを選びましょう。
寺社側で礼服の指定が無い場合は、きれいめな普段着を。ダークカラーのワンピースなら、一枚でコーデが決まるので悩む必要が無く便利。胸元があまり開いていないもの、スカート丈がひざ上ではないものを選びましょう。スカート丈が短いと、祈祷の間に正座をしているときに太ももの露出が多くなってしまいます。
トレンドアイテムのボウタイブラウスなら、今っぽい印象の厄払いコーデに。厄払いの前後にショッピングや食事などをする場合にもおすすめです。ブラウスが白に近いグレーなので、スカートは黒や濃紺などダークカラーを選びましょう。
厄払いのための祈祷の間は正座をしておくことがほとんど。タイトスカートよりもフレアスカートの方が正座をしたときに締め付け感がなく、長時間正座をしていても楽に過ごせます。スカート丈もひざ下なら上品で落ち着いた雰囲気に見えますよ。
「普段スカートはあまり履かない」というパンツ派の人は、パンツスタイルでもかまいません。センタープレスのセミフレアパンツやテーパードパンツなど、きちんと感のあるものを選びましょう。トップスも落ち着いた雰囲気でシンプルなデザインのものがおすすめです。
夏はサンダルを履きたくなりますが、厄払いへ行く場合はサンダルはNGです。つま先やかかとが出ないパンプスを選び、ストッキングも履くようにしましょう。
トップスはカジュアルにならないようにTシャツやカットソーではなく、ブラウスをチョイス。ノースリーブではなく、袖があり肩が露出しないデザインを選びましょう。
きちんと感のあるワンピースは、夏の厄払いでも活躍してくれます。ストレッチ素材のものを選べば、正座しやすいだけでなく正座によるシワが付きにくいですよ。ウエストのペプラムデザインやドロストがさりげなくフェミニンな雰囲気を作ってくれています。
スラックスとジャケットのセットアップはスタイリッシュかつきちんと感があるスタイルなので、厄払いのときにぴったり。それ以外にもフォーマルな服装が必要になるタイミングでも使えるので、ひとつ持っておくと良いでしょう。
涼しい時期の厄除けの際には、きちんと感のあるシャツをライトアウターとして羽織るのがおすすめです。ボトムスはスラックスをチョイス。王道のネイビーカラーできれいめなコーディネートに仕上げましょう。
多少のカジュアルさがOKな場合は、カーディガンを取り入れるのがおすすめ。ただし、奇抜なカラーは避け、ベージュやブラウンなどの落ち着いた色味を選ぶようにしましょう。ボトムスはブラックを選ぶとキリッとした印象に、ブラウンを選ぶとほんのり柔らかい印象に仕上がります。
■女性の場合
ヒールが高すぎない、きちんと感のあるパンプスを選びましょう。スニーカーのようにカジュアルなアイテムは避けましょう。ブーツもあまりふさわしくありませんし、本殿へ上がるときに靴を脱ぐので、着脱に手間がかかるという点でも問題があります。
■男性の場合
革靴を選びましょう。靴下も柄や色があまり派手ではないものにします。本殿では靴を脱ぐので、靴下まで注意しましょう。
厄払いを受けるための料金は、熨斗(のし)袋に入れて渡します。紅白で蝶結びの水引がついたものを選びましょう。
熨斗袋の表側は、神社の場合は「御初穂料」または「玉串料」、お寺の場合は「お布施」と縦書きして、その下には自分の氏名を書きます。苗字だけではなくフルネームで書くようにしましょう。
中袋がある場合は、中袋の表の中央に金額を記載します。「金五千円」というように漢数字で縦書きで書きましょう。「壱」「弐」のように難しい漢字を使わなくても大丈夫です。
金額を記載するための欄が設けられているときはそこを利用しましょう。中袋の裏面には、左側に自分の住所と氏名を縦書きします。
中袋が無い場合は、熨斗袋の裏側に金額と住所を記載します。横書きで、金額、住所の順で書きましょう。
お札は新札を使うのがマナーです。相場は3,000円~1万円ですが、料金が定められている場合はその金額を、決まった料金が無い場合の目安は5,000円です。
熨斗袋や中袋にお札を入れる際は、人物が印刷されている側を表にし、人物が上に来るような向きにします。お札を2枚以上入れる場合は、向きは全て揃えましょう。
神社に着いたら、まずは手水舎で手と口を清めます。その後、厄払いの申し込みを行います。申し込み用紙に記入をし、初穂料(またはお布施)を渡します。祈祷が始まるまでの間は待合室に通されますが、帽子やコートは取って待ちます。
祈祷を受ける間は話をせずに静かにしておきましょう。また、事前に指示がある場合があるので、その指示をよく聞いておいてください。
祓い棒でお払いを受ける時は、頭を低く下げます。祝詞が奏上されている間も、頭は下げたままです。
厄年の間は、トラブルやケガ・病気などが起こりやすいと言われています。そのため、できるだけ大人しく慎重に過ごすのがよいとされています。
例えば、避けるべきなのが結婚や転職、引越しなど環境を大きく変えるような行為です。それが自分にとって幸福なことであったとしても、環境が変化すれば、それに適応するためにエネルギーが必要になります。このようにエネルギーを環境の変化に使ってしまうことで、心身共にストレスがかかり、それがトラブルや病気などを引き起こしてしまう可能性があります。
しかし、結婚や引越し、転職といった行為は厄年だからといって避けることができないような場合もあるでしょう。これらの行為は避けなければ必ず災厄が起こるというわけではありません。トラブルが起こらないようにいつも以上に人間関係や金銭面に注意を払い、体調管理に努めることで、問題なく過ごすことも可能です。
服装の決まりがはっきりしていないため、どのような服装で行ったら良いのか悩みがちの厄除け・厄払い。お祓いをしてくださる神主さんに失礼にならないように、礼儀正しくきちんと見える服装を選ぶと安心です。
本記事を参考に、コーディネートを検討してみてはいかがでしょうか。