在宅勤務になると、仕事のモチベーションが低下する人が多いです。そこで今回は、モチベーションが下がる原因や維持する方法についてご紹介します。やる気が出なくて困っている人や在宅勤務を検討している人は参考にしてください。
【目次】
在宅勤務とは、その名前の通りオフィスではなく自宅で仕事をする勤務形態です。以前はプログラミングやデザインなどの職種がほとんどでしたが、最近ではさまざまな職種で在宅勤務の人が増えています。
在宅勤務では、主にインターネットやFAX、電話などを使って上司や同僚とコミュニケーションを取り、パソコンなどの機器を使って作業を行います。在宅勤務といっても一切出社しない人は少なく、週に1~2日程度はオフィスで仕事をする人が多いようです。
在宅勤務と混同されやすい言葉の一つが「テレワーク」です。在宅勤務とテレワークには、どんな違いがあるのでしょうか。
■テレワークの意味
テレワークは、「Tele(遠い)」と「Work(仕事)」を組み合わせた造語です。ICT(情報通信技術)を用いて時間や場所を制限せずに働くことを意味します。
■テレワークの種類
テレワークには、主に3つの形態があります。
・在宅勤務:オフィスではなく、自宅で仕事をする勤務形態
・モバイル勤務:カフェや電車などで仕事をする勤務形態
・施設利用型勤務:サテライトオフィスやコワーキングスペースなどで仕事をする勤務形態
■在宅勤務とテレワークの違い
在宅勤務とテレワークは、全く違うものではありません。テレワークの形態の一つが、在宅勤務です。
テレワークと同じように、「リモートワーク」という言葉も、在宅勤務との違いに迷うことが多いです。在宅勤務とリモートワークの違いについてチェックしてみましょう。
■リモートワークとは?
リモートワークは、「Remote(遠い)」と「Work(仕事)」を合わせた言葉です。テレワークと意味は同じで、会社と離れた場所で仕事をすることを意味します。
ただし、リモートワークという言葉が使われるのは、ほとんどの場合、IT業界やWeb系の業界です。エンジニアやデザイナーなどが、自宅やカフェ、サテライトオフィスなどで働く時に「リモートワーク」と言うことが多いです。
■在宅勤務とリモートワークの違い
リモートワークと在宅勤務も、全く違うことを意味する言葉ではありません。リモートワークのうち、自宅で働く勤務形態が「在宅勤務」です。
最近は、在宅勤務を導入する企業が増えてきています。従業員側から見た在宅勤務のメリットについて確認してみましょう。
在宅勤務は、オフィスまで通勤する必要がないのがメリットです。
■通勤にかかる時間を他のことに使える
オフィスで働いていた人が在宅勤務に切り替えると、通勤にかかっていた時間を有効活用できるようになります。ゆっくりと朝食を摂ったり、睡眠時間を長くしたりできるのは大きなメリットでしょう。
また、通勤にかかる時間を家族と一緒に過ごしたり、スキルアップのために費やしたりできるのが嬉しいという声もあります。
■通勤のストレスがなくなる
毎日、満員電車に乗って通勤するのは心身に負担が大きいです。在宅勤務では、通勤が必要ないので、心身に余裕が出ます。
■感染症や交通事故のリスクを軽減できる
在宅勤務で通勤しなくなると、感染症や交通事故のリスクが減ります。安全に仕事をできるのは、働く人にとって大きなメリットです。
出社せずに自分のペースで働ける在宅勤務を選ぶと、育児や介護をしている人でも仕事を続けやすいです。特に、在宅勤務と労働時間短縮制度を組み合わせた場合は、可能な範囲で無理なく仕事ができるでしょう。
また、プライベートの時間を確保しやすいのも在宅勤務のメリットです。働き方を工夫すると、家族と一緒に過ごす時間を増やしたり、趣味を充実させたりできるため、ワークライフバランスを重視する人からも在宅勤務が人気です。
在宅勤務にすると、自分の仕事に集中できます。上司や同僚の会話が耳に入って仕事に集中できなかったり、予定外の仕事を任されたりすることがないので、業務効率が上がることが多いです。
また、リラックスできる自宅で仕事をすると、普段よりモチベーションや生産性が上がるという意見もあります。
在宅勤務は、メリットばかりではありません。「会社の人と上手くコミュニケーションを取れない」「モチベーションが下がる」などという声も多いです。在宅勤務を検討しているなら知っておきたいデメリットについてご紹介します。
在宅勤務では、インターネットやFAX、電話などの通信手段を使って上司や同僚とコミュニケーションを取ります。オフィスで働く場合と比べて、直接顔を見て会話をする機会は極端に減るため、コミュニケーション不足になることが多いです。
会社の雰囲気や関連事業の進展状況などがわからなければ、仕事に対するモチベーションが下がってしまうこともあるでしょう。また、オフィスで働いている人が多い職場で在宅勤務を選ぶと、疎外感を覚える人も少なくありません。
在宅勤務中は自宅で作業をするため、仕事とプライベートを分けにくいです。例えば、家事の合間に仕事をすると、その都度準備が必要だったり、なかなか集中できなかったりして無駄な時間がかかり、長時間労働になることもあります。
また、家族に仕事を邪魔されて、業務効率や生産性が下がることも少なくありません。
在宅勤務では、上司は部下の姿を直接見ることができません。仕事に対する姿勢を見てもらえなくなると、成果だけで評価されることがあります。もちろん成果を上げることは大切ですが、努力を評価してもらえなければ、仕事に対するやる気がなくなってしまうでしょう。
在宅勤務に対しては「モチベーションが低下する」「やる気が出ない」などという意見もあります。モチベーションを維持できなかったり、やる気が起きなかったりすると、業務効率や生産性の低下に繋がります。
在宅勤務では、「ワークライフバランスを実践できてやる気がアップする」と感じる人がいる一方で、「モチベーションが下がる」という人も珍しくありません。在宅勤務でモチベーションが下がる理由を知り、適切に対策しましょう。
在宅勤務中は、インターネットなどを通して上司や同僚と連絡をします。直接顔を合わせて会話をする機会は減るため、従業員同士でコミュニケーション不足の状態に陥りやすいです。
■孤独感を覚える
オフィスで多くの人と一緒に仕事をしてきた人が在宅勤務にすると、孤独感を覚えることがあります。周りの人と協力して仕事するのが好きな人は、孤独感の影響でモチベーションが低下するでしょう。
■ライバルの姿が見えない
在宅勤務中は、他の人が働いている姿を直接見ることがありません。ライバルに刺激を受ける機会も減るため、仕事に対するモチベーションが上がりにくいです。
■周りに認めてもらえない
在宅勤務では、上司や同僚が自分の姿を直接見ることはありません。成果を上げたり、頑張って仕事をしたりしても直接会って褒めてもらえないので、モチベーションが低下することがあります。
基本的に、家はリラックスする場所です。一方、オフィスは快適に仕事ができるように、環境が整えられています。デスクやイスの使い心地が悪かったり、プリンターやスキャナーなどの機器がなかったりすると、不便さを感じるでしょう。
不便さを感じるのが一時的であれば問題ありませんが、長期的に仕事をしにくいと感じ続けると、少しずつモチベーションが下がってきます。また、家とオフィスの雰囲気の違いが原因で、モチベーションがアップしない人もいるようです。
自宅には、仕事以外の誘惑が溢れています。上司や同僚の目が届かないので、ついネットサーフィンをしたり、テレビを見たくなったりすることもあるでしょう。他のことが気になると、仕事に対するモチベーションはどんどんと低下します。
誘惑に負けて仕事以外のことをすると、夜遅くまで作業をしなければならなくなり、眠気などが原因でさらにモチベーションが下がることも多いです。
在宅勤務では、通勤にかかる時間を有効活用できるのがメリットですが、通勤しないことがデメリットになることもあります。オフィスで仕事をする場合、通勤中に歩いたり、立ったりして体を動かします。
しかし、在宅勤務中は意識的に体を動かさない限り、運動不足に陥ります。運動不足になると、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが減少し、メンタルが不安定になって仕事に対するモチベーションが下がると考えられています。
新型コロナウイルスが猛威を振るう現在、従業員の在宅勤務に伴って業務が縮小されている企業は少なくありません。業務が縮小されると、目標に向かってチャレンジができないので、モチベーションが低下します。
オフィスで働いていた人が在宅勤務に切り替えると、「自宅できちんと業務をこなせるか」「自分は在宅勤務で結果を残せるのか」などと不安を感じます。不安が積み重なると、心が安定しなくなり、モチベーションが下がっていきます。
在宅勤務では、仕事とプライベートを区別できないとモチベーションが下がります。モチベーションを維持したいなら、オフィスで働く時にしていた習慣を家でも実践しましょう。
オフィスワーク時と同じ時間に起きて、通勤時間に散歩したり、体を動かしたりすると、脳や体が仕事モードに切り替わります。
オフィスワークの時と同じ習慣を維持するのが難しい場合は、在宅勤務用のスケジュールを決めるのも一つの手段です。
在宅勤務でやるべきことを把握できたら、一日の予定を決めましょう。予定に沿って仕事を進めると、うっかりテレビを見たり、インターネットサーフィンをしたりして時間を浪費することがなくなります。
休憩や昼食は毎日同じ時間に設定するのがおすすめです。決まった時間に休憩したり、昼食を摂ったりすると、生活リズムが整って心が安定し、モチベーションの低下を防げます。
業務中に眠くなったり、仕事に対するやる気が出なかったりする場合は、体内時計が乱れている可能性があります。体内時計は朝日を浴びることでリセットされますが、在宅勤務では朝に通勤しないので、体内時計が乱れやすいです。
体内時計が乱れると、不眠になって仕事へのモチベーションが下がると言われています。在宅勤務をしている人は、朝日を浴びて体内時計を整えることを習慣づけましょう。
在宅勤務中は、部屋着で仕事をする人もいるでしょう。しかし、モチベーションを維持するには、自宅でもオフィスで働く時と同じ服を着るのがおすすめです。
リラックスできる部屋着ではなく、仕事用の服やスーツを着ると、気合が入って自然とやる気が湧いてくるでしょう。
上司や同僚の目を気にせずに休憩したり、昼寝したりできるのは、在宅勤務のメリットです。疲れた時はいったん仕事から離れて、散歩したり、昼寝をしたりするのが良いでしょう。しっかりとリフレッシュすると、業務効率や生産性が上がり、モチベーションもアップします。
仕事に集中できない環境では、モチベーションが下がります。在宅勤務でモチベーションを維持したいなら、自宅を働きやすい環境に整えることが大切です。
例えば、自宅のデスク周りをオフィスと同じように整えると、脳や体が仕事モードになるでしょう。家族に仕事の邪魔をされそうな場合は、家族に協力をお願いするのも効果的です。
在宅勤務で仕事に対するモチベーションを低下させたくないなら、自宅から誘惑を排除する必要があります。誘惑に負けそうな場合は、テレビのコンセントを抜いたり、布団を片付けたりして、自分を律しましょう。
「趣味は通勤時間だった時間に楽しむ」などとルールを決めて生活にメリハリを出すのもおすすめです。
オフィスワークをしていた人が在宅勤務になると、自然と体を動かす機会が減ります。体を動かさなければ、メンタルが不安定になりモチベーションが低下すると考えられているので、意識的に運動しましょう。
元々、通勤時間だった時間を使ってウォーキングやヨガ、筋トレなどを行うと、モチベーションが上がるだけでなく、健康やダイエットにも効果を期待できます。
在宅勤務では、意識的に体を動かさないと、一日のうちのほとんどの時間を座ったまま過ごすことになります。座りっぱなしの時間が増えると、集中力や作業効率が下がるため、モチベーションも低下するでしょう。
モチベーションを維持したいなら、15分に1回程度立ち上がるのがおすすめ。軽くストレッチしたり、その場で足踏みしたりすると、体や脳に刺激が与えられて集中力やモチベーションがアップします。
在宅勤務で孤独を感じると、モチベーションが低下します。モチベーションを維持したいなら、家で仕事をする時も上司や同僚とオンラインで繋がりましょう。
上司や同僚とコミュニケーションを取るのが難しい場合は、他の職場で働く人と繋がるのも一つの手段です。仕事を頑張っている人を見つけて意見を交換すると、モチベーションが上がってくるでしょう。
ネット会議をする時はマイクやビデオをオフにする人が多いですが、モチベーションを低下させないためには、マイクやビデオをオンにするのがおすすめ。周りの人が仕事をしている様子を見ることができるので、モチベーションが上がります。
また、マイクやビデオをオンにすると、サボった時にバレるため、誘惑に負けることもなくなります。
在宅勤務では、チャットやメールでコミュニケーションを取ることも多いですが、インターネットを通した連絡では不十分なこともあります。
わからないことがあったり、相手に言いたいことが伝わっていないと感じたりしたら、なるべく早く電話をしましょう。電話で問題を解決できれば、業務がスムーズに進んでモチベーションが維持されます。
一緒に働いている人との距離を縮めて孤独感を解消し、仕事に対するモチベーションを上げたい人は、定期的にオンライン飲み会を開催するのがおすすめです。
オンライン飲み会で考えていることや在宅勤務で困っていること、ちょっとした愚痴などを気軽に話し合うと、他の人と一緒に働いていることを実感できます。
在宅勤務では業務が縮小されたり、正当な評価をしてもらえなかったりして、モチベーションが下がることがあります。モチベーションを維持したいなら、状況に応じて目標を見つけ、やる気をアップさせましょう。
例えば、通勤時間だった時間を使って将来の自分がどうなりたいかを考えると、今やるべきことが見つかります。やるべきことがわかれば、仕事のモチベーションが上がってくるでしょう。
在宅勤務では、上司や同僚に仕事の成果を認めてもらえず、モチベーションが下がることがあります。そのような状況でモチベーションを維持したいなら、自分で自分を褒めてあげましょう。
目標を達成できた時に、おいしいものを食べたり、欲しかったものを買ったりすると、さらにやる気が湧いてきます。
やる気をアップさせたい時は、ToDoリストを作成するのもおすすめです。やるべきことを書き出し、業務をこなした後にチェックを入れていくと、達成感を味わえます。
達成感を得られると、「私は頑張っている」と自分で認められて心が安定し、仕事に対するモチベーションが上がるでしょう。
慣れない在宅勤務では、不安を感じることが多いです。不安が募ると少しずつモチベーションが下がるため、なるべく不安を溜め込まないようにしましょう。
不安なことがあったら、紙に書き出すのがおすすめです。紙に書くと状況を客観的に把握できて、適切な対処法がわかったり、ネガティブ思考から抜け出せたりすると言われています。
在宅勤務をしていると、刺激のない同じような毎日が過ぎていくことが多いです。楽しいことがない日々を過ごしていると、仕事に対するモチベーションが下がってくるため、新しいことにチャレンジしてみましょう。
通勤時間だった時間を使い、新しい趣味を始めてみると、毎日の生活が楽しくなって仕事に対するやる気もアップします。
在宅勤務になると、上司や同僚とのコミュニケーション不足や環境の変化などの影響でネガティブ思考になる人も少なくありません。ネガティブになると、何事に対してもモチベーションが低下するので、なるべくポジティブ思考を心がけましょう。
在宅勤務をしたくてもできない人はたくさんいます。「在宅勤務ができている自分は幸せなんだ」と考えるようにすると、気持ちが軽くなって自然にモチベーションも上がってくるでしょう。
最近は、在宅勤務を始める人が増えています。在宅勤務では、モチベーションが低下しやすいので、さまざまな工夫をしてやる気をアップさせてください。モチベーションを維持できると、仕事とプライベートのバランスが取れた素敵な生活を送れるでしょう。