ヘルシーで栄養価が高いブロッコリーは、ダイエットや肉体改造を行う際に、取り入れられることが多い野菜です。今回は、ブロッコリーダイエットの期待できる効果ややり方、注意点やおすすめレシピをご紹介します。
スーパーやコンビニでも1年中手に入るブロッコリーは、緑黄色野菜の中でも身近な野菜です。食事やお弁当の彩りをアップさせてくれる野菜として使用している方も多いブロッコリーですが、近年は、ダイエットや肉体改造を行う際に、取り入れられることも多い野菜です。
ブロッコリーを食事メニューに加える「ブロッコリーダイエット」は、Instagram(インスタグラム)やTwitter(ツイッター)などのSNSやブログで紹介されることもある口コミ人気の高いダイエット方法です。
文部科学省の「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」によれば、茹でたブロッコリーの100g当たりのカロリーは30kcal、糖質量は0.9gとなっています。普通サイズのブロッコリー1株当たりの重さは300g~400gですので、1株あたりのカロリーは90kcal~120kcal、糖質量は2.7g~3.6gとなり、低カロリーで低糖質な野菜です。
ブロッコリーは、洋食を始め、和食や中華料理など、多国籍な料理に使用できる野菜で、クセのない味わいです。
また、ブロッコリーは、ヘルシーで身近な野菜というだけでなく、栄養価の高いダイエットに適した野菜として人気を集めています。
例えば、ブロッコリーには、代謝に役立つビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
具体的には、疲労回復におすすめのビタミンBや、疲れ目解消をサポートしてくれるビタミンA、美肌に欠かせないビタミンC、血や骨の調子を整えるビタミンK、代謝に使用されるナイアシンなどのビタミン類です。
また、ブロッコリーは、カリウムやカルシウム、マグネシウムや鉄分、亜鉛や葉酸、クロムなどのミネラルを多く含んでいます。
そして、ブロッコリーは、脂肪の蓄積をブロックしてくれる作用がある栄養素も含まれています。
例えば、脂肪燃焼にも役立つといわれているビタミンB類やナイアシンの他、代謝のサポートを行うクロムなどです。
また、ブロッコリーには、食物繊維が豊富に含まれており、脂肪の元になる糖の吸収を抑える効果が期待できますよ。
さらに、ブロッコリーには、女性らしい柔らかでカーヴィーな体を作るサポートをしてくれるホルモンの「エストロゲン」も多く含まれています。しかし、エストロゲンには筋肉が付きにくくなる作用があり、筋肉量を上げたい方は避けた方がいいと思われやすいですね。しかし、ブロッコリーのようなアブラナ科の野菜に含まれている「グルコブラシシン」が、エストロゲンの働きを抑えてくれますので、男性ホルモンが活発になり、筋肉量もアップしやすくなります。
また、筋肉量を増やすためには、筋肉の材料となるタンパク質の補給が必要不可欠です。ブロッコリーは、野菜の中ではタンパク質が比較的多く含まれています。
そして、ブロッコリーに含まれる食物繊維は、腸内環境を整え、お通じがスムーズになるようにサポートしてくれる栄養素です。便秘がちの方の場合、便秘によって内臓の血行が滞りやすいので、便通が良くなれば、むくみが解消されやすくなるだけでなく、内臓の血行がアップし、代謝アップも期待できますよ。
さらに、ブロッコリーに含まれているカリウムは、むくみ改善には欠かせない栄養素です。
その他にも、ブロッコリーに含まれる「スルフォラファン」には、解毒作用や抗酸化作用があるといわれていますので、デトックスやアンチエイジングにもおすすめです。
今回は、ブロッコリーダイエットのやり方や注意点、おすすめレシピをご紹介します。
ブロッコリーダイエットのやり方は簡単です。食事にブロッコリーを取り入れるだけです。
「ブロッコリーダイエット」というと、ブロッコリーと食事を置き換えるというダイエット方法がイメージされやすいですが、無理な食事制限はNGです。食べすぎた日の次の日に、摂取カロリーや糖質を調整するために置き換えるのはOKです。しかし、極端に食事の摂取カロリーや糖質、脂質などを減らし続けると、その場では痩せることができますが、体が少ないエネルギーでやりくりできるようになってしまい、代謝が下がります。すると、食事内容を元に戻すとリバウンドしやすくなります。
もちろん、食事内容をコントロールしなくてもみるみる痩せていくというわけではありません。1日の摂取カロリーが消費カロリーを上回れば、余ったエネルギーは脂肪として溜めこまれてしまいます。ブロッコリーは、低カロリーで低糖質な野菜ですので、主菜や副菜のかさまし食材として活用することで、食事のカロリーや糖質量、脂質量などを制限してもお腹がいっぱいになりやすいですよ。
ご紹介したように、ブロッコリーは、まろやかな味わいでほんのり甘みがある食べやすい食材です。使用できる料理のジャンルも多いですし、他の食材との相性も良い野菜ですよね。
例えば、ブロッコリーを食事に取り入れる場合、定番のサラダやスープ、味噌汁などの他、炒め物や煮物、和え物などに使用してもいいですね。シンプルに茹でたり蒸したブロッコリーをおかずの付け合わせとして添えてもOKです。
ブロッコリーの1日の摂取量の目安は100gです。ただし、100gのブロッコリーを1食で全て食べるのではなく、1日2回~3回に分けて食べた方が、より栄養を吸収しやすくなりますよ。
ブロッコリーダイエットでは、食前にブロッコリーを食べるのがおすすめです。ブロッコリーには食物繊維が多く含まれていますし、糖質も低いので、食前に食べることで血糖値の急上昇を予防できます。血糖値が急上昇すると、脂肪を溜めこむ原因になるインスリンが分泌されますので、血糖値をコントロールすることもダイエットでは大切ですね。まずはブロッコリーを始めとした野菜を食べ、おかずを食べた後に主食となるご飯や麺類、パンなどを食べるのが、血糖値が上がりにくい食事の仕方です。
また、ブロッコリーを食べる際に、水を飲みながら食べることで、お腹が膨らみ、満足感を得やすくなります。
そして、筋肉量アップをサポートしてくれる効果が期待できるブロッコリーは、トレーニングの前後に食べるのもおすすめです。
例えば、筋肉が付きにくい女性の場合、女性ホルモンのエストロゲンが優位になっていることが影響している可能性があります。したがって、筋トレの前にブロッコリーを食べることで、エストロゲンの働きが抑えられ、筋肉が付きやすい状態にすることが期待できますよ。
また、筋トレの後の30分は、ゴールデンタイムと呼ばれており、栄養素の吸収がアップするといわれています。したがって、筋トレの後にブロッコリーを食べてもいいですね。
そして、筋トレによって筋肉が傷つくと、タンパク質を使用して筋肉を修復し、より強い筋肉にすることができます。しかし、タンパク質が不足していると、筋肉を修復するための栄養素が不足しているため、筋肉量がアップしにくくなってしまいます。したがって、筋トレ後の30分には、タンパク質も補給すると良いですね。タンパク質は肉や魚、卵や大豆食品に多く含まれていますが、プロテインでタンパク質をチャージするという方法もありますよ。
ブロッコリーダイエットをする際には、いくつか注意したいことがあります。
例えば、ブロッコリーは、房(つぼみ)の部分だけでなく、茎や葉も食べることができます。特に、ブロッコリーの茎には、美肌に役立つビタミンCや抗酸化作用があるβカロテンが豊富に含まれています。また、デトックスやアンチエイジングをサポートしてくれるスルフォラファンも、ブロッコリーに少量含まれていますので、貴重なフィトケミカルを逃さずに摂取したいですね。
ブロッコリーの茎には、房よりも多くの食物繊維が含まれていますので、お通じが滞りやすい方は特に茎の部分も食べるようにしたいですね。
ただし、茎が非常に固くなっている部分や変色している部分はカットして取り除きましょう。
■蒸し調理や電子レンジ調理がおすすめ
ブロッコリーは100g食べるだけで1日に必要なビタミンCを摂取できるといわれている食品です。しかし、ビタミンCは水溶性ですので、茹でると水に溶け出してしまいます。したがって、ビタミンCをより多く摂取したい場合は、蒸したり、電子レンジで加熱するのがおすすめです。特に、低温で蒸すと、熱に弱い栄養素が壊れにくくなり、旨味もアップします。
また、ブロッコリーの旬は、11月~3月ですが、旬の時期にはポリフェノールが含まれる紫色のつぼみのブロッコリーが手に入りやすくなります。ポリフェノールも水溶性ですので、蒸し調理や電子レンジ調理を利用したいですね。電子レンジ調理をする場合は、ブロッコリー100g当たり600Wで1分30秒~2分程度加熱しましょう。蒸す場合は、蒸し器や圧力鍋を使用してもOKですが、フライパンにカットしたブロッコリーを入れて水を200mL入れ、隙間ができるように蓋をしたら、3分程度加熱しても蒸し調理ができますよ。
ブロッコリーを冷凍する場合は、ブロッコリーを固めに熱を通し、カットしてジップ式のビニール袋に入れて保存しましょう。冷凍ブロッコリーを食べる場合は、電子レンジで解凍するのが便利ですね。また、食べる半日前に冷凍ブロッコリーを冷凍庫から冷蔵庫に移して自然解凍し、電子レンジや蒸し調理で短時間加熱をして食べると栄養を逃しにくいのでおすすめです。ただし、冷凍ブロッコリーは、調理したてのブロッコリーと比べると栄養価やダイエット効果が下がる傾向があります。
■食べる前には水洗いを
そして、ブロッコリーというと、加熱して食べるのが一般的ですが、実は、ブロッコリーは加熱せずに生で食べることができる食品です。しかし、ブロッコリーは虫が付きやすいので、農薬を使用して栽培していることが多い野菜ですので、調理前に水洗いをしましょう。ブロッコリーを生で食べる場合は、特にしっかり洗って残留農薬を落とすことが大切です。そして、ブロッコリーは、つぼみの中に虫が入り込んでいることも珍しくありません。ボウルに水を入れ、つぼみの部分が下になるようにしてボウルの中の水に浸し、20分程度放置することで、虫が取り出しやすくなりますよ。
■味付けや食事の栄養バランスにも注目
ローカロリーなブロッコリーですが、レシピによっては、カロリーや糖質などが高くなり、ダイエット成功の妨げになることがあります。
例えば、ブロッコリーは、調味料を付けて食べることが多いですよね。ブロッコリーに加える調味料の定番のマヨネーズ(全卵)は、文部科学省の「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」によれば100g当たりのカロリーは700kcal程度で、糖質量は3.6gです。マヨネーズ(全卵)は、100g当たりのカロリーは686kcal程度で、糖質量は0.6gです。マヨネーズは、カロリー制限ダイエットでは避けた方がいい調味料ですが、糖質制限では摂取しやすい調味料です。砂糖やみりん、ソースやケチャップなどの糖質が高めの調味料も糖質制限中は避けた方がいいですね。
そして、ダイエット中は、ブロッコリー以外のメニューのカロリーや糖質にも注目して、1日で摂取するカロリーや糖質量をコントロールしたいですね。
水分を多く含む低カロリーなブロッコリーは、ダイエット中にかさまし食材として食べるのがおすすめですが、さらに、よく噛んで食べることで、満足感を得やすくなります。
したがって、ブロッコリーを調理する場合は、できるだけ固めになるように短時間加熱すると、噛み応えがアップしますね。また、大きめにカットすることで自然に咀嚼回数が増えますよ。
さらに、スルフォラファンは、よく噛んで細胞が壊れることで酵素と交わり、生成されますので、栄養面でもよく噛んで食べることは重要です。
ヘルシーで栄養価の高いブロッコリーですが、ダイエット中にブロッコリーばかりを食べるのはNGです。例えば、ブロッコリーには、女性ホルモンのエストロゲンが含まれていますので、適量摂取するのはおすすめですが、過剰に摂取するとむくみや脂肪を溜めこむ原因になるというデメリットがありますので注意したいですね。
また、ブロッコリーに含まれる「コリン」という成分は、食べすぎると体臭の原因になるといわれています。
そして、ブロッコリーのスルフォラファンは、甲状腺の機能を邪魔することがありますので、注意したいですね。
さらに、ブロッコリーには多くの食物繊維が含まれていますので、人によってはブロッコリーの食べすぎによってお腹の調子が悪くなるケースもあります。自分の体と相談しながら自分に合った量のブロッコリーを食べたいですね。
そして、ブロッコリーダイエットは、一週間程度の短期間でみるみる痩せていくようなダイエット方法ではありません。ローカロリーで低糖質なブロッコリーを食べることで、満腹感を得やすくして、食事制限をサポートしてくれるのがブロッコリーダイエットのメリットです。また、体に必要な栄養素をブロッコリーで補給しながら痩せやすい体作りをしていくダイエット方法です。
したがって、2ヶ月~3ヶ月程度は継続してみることが大切です。
ほのかな甘みがあり、クセのない味わいのブロッコリーは、洋食はもちろん、和食にも合う食材です。ブロッコリーを使用したメニューは多いので、色々な料理を食べながらダイエットできるので、飽きずに続けやすいですね。ブロッコリーダイエットにおすすめのレシピをご紹介します。
ダイエット中や肉体改造中の方の食事の定番メニューとなっているのが、コンビニでも手軽に購入できるサラダチキンです。
コンソメ風味のシンプルな味わいのブロッコリーサラダは、パプリカが彩りをアップしてくれるので、豪華な印象になる一品です。
ブロッコリーの栄養を効率よく摂取したい場合は、蒸したり電子レンジで加熱するのがおすすめです。
こちらは、ブロッコリーを出汁の利いた寒天に閉じ込めた上品な味わいの和風テリーヌです。
寒天は、カロリーがほぼ0kcalで、糖質も低く、食物繊維も多く含まれていますので、ダイエット向きの食材です。
海老やトマト、コーンなどを加えれば、カラフルで豪華な印象のメニューになりますね。華やかな和風寒天寄せですので、イベントやパーティーメニューとしてもおすすめですよ。
こちらは、低脂質な牛もも肉にブロッコリーや人参などの色鮮やかな野菜をトッピングしたサラダです。デパ地下で販売されているデリのようなダイエットレシピです。
カロリーや糖質を抑えたい場合は、オーロラソースをノンオイルの和風ドレッシングや玉ねぎドレッシングなどに変更してもおいしいですよ。かぼちゃやじゃがいもは糖質がやや高いので、パプリカやレタスなどに変更してもいいですね。
すでにご紹介している通り、ブロッコリーダイエットをする際には、ブロッコリーは蒸し調理や電子レンジ調理をするのがおすすめです。
こちらのように、シリコン製のスチームケースに、野菜や魚を入れて電子レンジで加熱するだけでできるおかずは、下ごしらえをしたら、あとは電子レンジに調理をお任せすればいいので、失敗しにくく、時短にもなりますね。
使用する魚は、鱈や鮭、マグロなど、スーパーで手に入るような魚でOKですよ。
舞茸を始めとしたきのこ類も、低カロリー低糖質のかさまし食材として人気がありますよね。きのこ類には、代謝に欠かせないビタミンB類や脂肪吸収を抑える作用が期待できるキノコキトサンという成分も含まれている優秀食材です。
こちらのブロッコリーの和え物は、トマトの酸味と柚子胡椒がアクセントになったオトナ味のダイエットメニューとなっています。
5分でできるブロッコリーの梅おかか和えは、あと一品欲しい時やお弁当のおかずとしても活用してくれる時短ダイエットレシピです。
ブロッコリーのまろやかな甘みと、おかかの旨味、そして梅の酸味が絶妙に絡み合ったメニューとなっています。
脂肪燃焼効果アップをサポートしてくれる唐辛子を使用したキムチも、ダイエット中に食べたい食品の一つです。
低脂質低カロリーで、食物繊維も多い切り干し大根とブロッコリーをミックスしたキムチ和えは、満足感の得やすい食べ応えのあるメニューとなっています。
タンパク質を多く含む豆腐は、女性ホルモンに似たはたらきをしてくれるイソフラボンも含まれていますので、美しくダイエットしたい方におすすめの食品です。
お豆腐と海老とブロッコリーのふんわり炒めは、にんにくがアクセントになったホッと落ち着くような味わいの炒め物です。
4種類のきのことブロッコリーを使った炒め物は、たっぷりと食べても罪悪感が少ないおかずレシピです。
スパイシーなカレー粉は、脂肪燃焼や体温上昇効果が期待できるので、ダイエット中に利用したいスパイスです。
ガーリックが味にパンチを加えてくれるので、男性でも満足できますよ。
卵と生クリームを使ったおかず版のケーキのようなキッシュは、カフェメニューでも人気ですが、おうちでも作れるメニューです。
こちらのレシピは、卵の替わりに豆腐、そして生クリームの替わりに豆乳を使ったブロッコリーダイエットにおすすめのメニューです。
味噌を使用した和テイストなキッシュとなっています。
こちらのレシピは、卵を使用したブロッコリーのスープですので、タンパク質も補給できるのが魅力です。食事の置き換えメニューにもぴったりです。
ブロッコリーを使用したスープは、冷蔵庫にある食材を加えてアレンジすることもできますし、塩味や醤油味、トマト味などのように、味を変えれば飽きにくいので、ダイエット中にぜひ取り入れたいメニューです。
ミキサーで細かくしたブロッコリーのポタージュは、イベントやパーティーメニューとしてもおすすめの品の良い味わいのメニューです。
豆乳を使用すれば、タンパク質も摂取できるダイエットメニューになりますね。
ブラックペッパーやガーリックパウダーをアクセントにした、コクのあるポタージュレシピです。
低カロリーで低糖質なブロッコリーは、ダイエットをサポートしてくれる栄養を豊富に含んだ野菜です。ブロッコリーはスーパーやコンビニでも1年中購入できますので、ぜひダイエットメニューに取り入れてみてくださいね。