ドレスの結婚式も素敵ですが、伝統的な婚礼衣装を着た和装婚も、最近人気です。今回は、引き振袖と色打掛の違いや、引き振袖の基礎知識や選び方などをご紹介します。人気カラーやヘアスタイルなども紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
■通常の振袖との違い
引き振袖とは、名前の通り振袖で、未婚女性の着物ですが、成人式や他人の結婚式に着る振袖とは少し違います。
振袖や浴衣などでは、ウエストの部分に「おはしょり」を作り、裾の長さを調整しますよね。
しかし、引き振袖の場合は、裾の長さを調整しないので、裾が長くなっており、裾を引きずるようなスタイルになります。裾が左右に広がって、エレガントな雰囲気になります。また、裾の部分に「ふき綿」が入っているものも多いのが引き振袖の特徴です。
成人式の時に着る振袖を「中振袖」と言うのに対して、婚礼衣装の引き振袖は、「大振袖」「お引きずり」とも呼ばれています。
また、引き振袖は、下着を2枚以上重ねて、裾のレイヤードでより豪華に見せたり、厚底の草履や扇子の「末広」、ポーチの「筥迫」や懐剣など、高級感のある華やかな小物を持つ所も、振袖と違う点ですね。
以前は黒一色の「黒引き振袖」が定番でしたが、最近では黒以外のさまざまなカラーの引き振袖があります。
■引き振袖と色打掛の違い
結婚式で着る真っ白な「白無垢」に対して、同じ和装婚の衣装の「引き振袖」や「色打掛」にも違いがあります。
どちらも、種類豊富なカラーやデザインがあるのは同じですが、色打掛は、基本となる「掛下」の上に「打掛」を羽織るのがポイントです。
色打掛は、着物の柄を見せるようなスタイルであるのに対して、羽織りがない引き振袖は、帯もしっかりと見せることができるのも魅力です。帯の結び方で、より個性を出すことができます。
色打掛は、打掛を羽織る分、引き振袖より重く、数kgになることもあります。引き振袖は、裾を引きずって歩くことにはなりますが、色打掛よりは軽いので、引き振袖の方が動きやすく負担になりにくいです。
披露宴で各テーブルを回るような演出をしたい方は、着付けをしてもらった際に、動きやすいかどうかチェックしてみましょう。
■レンタル価格
和装婚の場合、衣装はレンタルをする方が多いですね。
レンタル価格は、引き振袖は15~25万円前後で、だいたい白無垢と同じ価格が相場です。
色打掛は20~30万円前後が相場となっています。
引き振袖の場合のヘアスタイルは、結婚式の定番の和髪である「文金高島田(ぶんきんたかしまだ)」に、太く長い白地の布で額を覆う「角隠し」をするヘアスタイルが伝統的です。
「文金高島田」は、かつらや自分の髪の毛でまげを結う日本髪のスタイルです。かつらを使用する場合は、事前にかつら合わせが必要です。黒引き振袖や紫色の引き振袖など、オトナっぽいカラーの引き振袖ですと合いますね。
また、洋風のヘアアレンジの「洋髪」も人気です。髪飾りも色々選ぶことができます。
赤やピンクなどの引き振袖に合わせると、かわいい印象になりますね。
振袖に近いスタイルなので、重さのある「文金高島田」よりは、洋髪の方が、バランスが良く見えますね。
■色
引き振袖は、元々は黒色がベースカラーの「黒引き振袖」が婚礼衣装となっていました。
黒の着物を着ることで「主人以外の誰にも染まらない」という意味が込められていると言われています。シックで格式高いカラーでもある黒は、色打掛でも人気ですね。
その他にも、色打掛の定番カラーである赤や、清楚な印象になる白地の引き振袖も人気カラーです。その他、紫や緑系、イエローやピンクも人気ですね。
また、引き振袖は下着を2枚以上重ねるので、重ねた下着の色合いや、帯の色と合っているかどうかなど、全体のバランスも大切です。
新郎の衣装や、結婚式会場の雰囲気やカラーに合わせるのも、おしゃれに見えるコツですね。
■柄
また、引き振袖は、カラーの他にも、柄やデザインも重要ですよね。デザイン次第で、また違った印象になります。特に、見せるポイントにもなる裾周りや袖の柄はこだわりたいですね。
色打掛や引き振袖などの婚礼衣装には、おめでたい柄が必ず盛り込まれています。
松竹梅や蘭、鶴や亀、鳳凰、七宝などの他にも、季節感のある柄が入っていることもあります。選ぶ際にはぜひスタッフに聞いてみましょう。
その他にも、背が高い方やしっかりとした体格の方は大きな柄、小柄な方は小さな柄を選ぶのが、着物を上手に着こなすポイントです。
和装婚の中でも、着物のカラーや柄の他、帯の結び方や小物で個性を出しやすいのが、引き振袖の魅力です。洋髪も似合いやすい引き振袖は、格式ある結婚式にぴったりの婚礼スタイルで、着物初心者さんにもおすすめです。婚礼衣装を選ぶ際は、ぜひ引き振袖もチェックしてみてくださいね。