車の中の空調をコントロールするエアコンは、きれいに見えても実は汚れが蓄積していることがあります。そこで今回は、車のエアコンの掃除頻度や自分で掃除する方法、注意点やおすすめアイテムなどをご紹介します。
車の中の温度を適正に保ってくれるエアコンですが、風量や温度調整の具合、ニオイなどが気になることがありますよね。
車のエアコンのお悩みとして多いのが、ニオイです。エアコンの嫌なニオイの原因となりやすいのが、車のエアコンの汚れです。
一見きれいなように見えるエアコンでも、実は汚れが蓄積しているものです。頻繁に車を使用しない場合も、いつの間にかエアコンに汚れが溜まってしまい、ニオイの原因になることもあります。
カーエアコンには、ゴミやホコリの他、排気ガスや砂、花粉や落ち葉、ダニや虫の死がい、タバコのヤニなどが付着することもあります。
また、カーエアコンが空気を冷やす場合に、エアコンの一部が結露し、その結露した部分にカビや雑菌が繁殖することもあり、ニオイの元になります。
そして、汚れたエアコンは、ニオイを発するだけでなく、車内に汚れやニオイを拡散する危険もあります。
また、汚れたエアコンを使用することで、乗車している人の健康に悪影響を与えることもあります。感染症やアレルギー、結膜炎などの原因になることもあります。
また、車のエアコンの風量が出ない場合や、温度調整が上手くいかない場合も、エアコンの故障だと思われやすいですが、実はエアコンの汚れが原因で風量が少なくなったり、温度が下がらないなどの問題が出ることがあります。エアコンの風量や温度調整がうまくいかなくなると、車内を設定温度にするために余計にエアコンが稼働しますので、車のエンジンにも負担がかかります。汚れたままのエアコンを使用していると、エアコンや車のエンジンなどの故障の原因にもなりますので注意したいですね。
その他にも、エアコンが効きにくくなると、車の窓が曇った際にも、エアコンで曇りを取り除きにくくなりますので、視界が悪くなり、危険も増します。
したがって、車のエアコンは定期的に掃除をするのがおすすめです。今回は、車のエアコンの掃除頻度やタイミング、掃除の仕方やおすすめアイテムをご紹介します。
車のエアコンの掃除というと、点検や車検、カーメンテナンスやタイヤ交換などを業者に依頼する際に、エアコンクリーニングも一緒に依頼する方が多いと思います。
しかし、車のエアコンの掃除は、自分でも簡単に行うことができます。
まず、車のエアコンの掃除頻度は、年に1回~2回行うのが一般的です。ところが、車のエアコンは、思った以上に汚れが蓄積しやすいパーツです。
車のエアコンの理想的な掃除頻度は、年4回とされています。具体的には、夏と冬の他、カビが繁殖しやすい梅雨や秋雨が降る季節にも掃除をするのがおすすめです。
しかし、車のエアコンの汚れは、パッと見ただけでは見えないことも珍しくありません。よく車を使用する方や車内で喫煙をする方の場合、頻繁に掃除をしている方は多いですね。
例えば、車のエアコンの吹き出し口が汚れていたり、エアコン内のフィルターに汚れが溜まっている場合は、できるだけ早く掃除をした方がいいですね。エアコンを稼働させると吹き出し口からホコリやゴミなどが出てくる場合も、掃除が必要なサインです。
一方、車のエアコンは、空気を排出するだけでなく、車内外の空気を吸い込んでいます。したがって、車内が汚れていると、その分エアコンも汚れやすくなります。
掃除の頻度を減らすためには、車を使用する際にできるだけ窓を開けないようにしたり、洋服に付いたゴミや花粉などの汚れを車内に持ち込まないようにすると、車内が汚れにくくなりますので、車のエアコンも汚れにくくなります。また、車内に汚れが溜まらないよう、頻繁に掃除機をかけるだけでも、車のエアコン内に汚れを吸い込まなくなりますので、掃除頻度を減らすことができます。
また、車のエアコンは、結露したままにしてしまうと、カビが繁殖しやすくなります。したがって、車のエンジンを停止する5分~10分前にはエアコンを消しておき、強風を送って結露を乾かすことで、カビ予防に効果的です。
そして、車のエアコンから出る嫌なニオイを感じた場合は、掃除が必要なサインです。車内が臭いと感じる場合、消臭剤や芳香剤を使用する方は多いと思います。しかし、消臭剤や芳香剤はニオイをごまかす効果はありますが、エアコンの汚れを取ることはできません。したがって、エアコンが臭いと感じたら、早めにエアコンのクリーニングをしたいですね。
車のエアコンの掃除というと、難しいというイメージをお持ちの方も多いと思います。しかし、手順を守り、コツを掴めば、誰でも手軽にエアコンのセルフクリーニングを行うことができます。
車のエアコンの掃除を自分で行う場合、いくつか準備しておきたいものがあります。車の掃除に使用するアイテムは、車のエアコンの種類によっても異なります。
まず、カーエアコンの嫌なニオイの原因となりやすいのが、車のエアコンの内部の金属部分の「エバポレーター」に付いたカビや汚れです。エバポレーターは自分で掃除することができます。エバポレーターの掃除は、カーエアコン専用の洗浄液を使用しましょう。
また、カーエアコンにフィルターがある場合は、カーエアコンのフィルターのクリーニングを行うのがおすすめです。カーエアコンのフィルターは、洗浄するか交換するという方法があります。洗浄は水洗いでOKです。ただし、エアコンのフィルターは、劣化しやすいので、走行距離10,000km毎、もしくは1年に1度交換することが推奨されています。
カーエアコン専用の洗浄液やエアコンフィルターは、カー用品店やホームセンターの他、Amazon(アマゾン)や楽天市場のようなインターネット通販サイトなどでも販売されています。
その他にも、エアコンの掃除中に、車の床に洗浄液が漏れてしまうことがあります。したがって、汚れてもいい大きいバスタオルも用意しておきましょう。
汚れが気になる場合は、手袋を装着し、汚れても良い服装で行いましょう。マスクや眼鏡を装着するのもおすすめです。
車のエアコンの掃除方法は、意外と簡単です。
■車のエアコンにフィルターがない場合の掃除方法
車のエアコンにフィルターがない場合の掃除方法は、
①エンジンを切りましょう。
②エアコンの吹き出し口を拭きましょう。
③車のダッシュボードの下にあるグローブボックスを外しましょう。グローブボックスの外し方も、車によって多少の差があります。一般的には、グローブボックスの扉を手前に引いて開けます。次に、グローブボックスの奥にあるストッパーを手前に引っ張ると、グローブボックスを外すことができます。手を挟まないように注意しましょう。
④次に、カーエアコンの排気の設定を「内気」の「足元」にしましょう。さらに、冷気にし、風量を最大に設定しておきましょう。
車のエンジンを入れないと排気設定の変更ができない場合は、一度車のエンジンをかけてからエアコンの排気設定を足元にした後に、再度エンジンを切ります。
⑤エバポレーターの下に汚れてもいい大きなバスタオルを敷きましょう。
⑥エアコンの内気口から、カーエアコン専用の洗浄剤のノズルを差し込んだら、洗浄液をエバポレーターに噴射しましょう。ノズルを奥まで差し込まないと洗浄液が周囲に飛び散ることがありますので注意しましょう。
⑦エバポレーターを乾燥させます。カーエアコン専用の洗浄液の使用方法に指定されている時間そのまま放置します。次に、車のエンジンはかけず、電源のみを入れて、エアコンをかけます。最低でも15分以上はエアコンを付けたままにしましょう。
⑧エバポレーターが完全に乾燥したら、外していたグローブボックスを元に戻しましょう。洗浄液が残っていると故障の原因になりかねませんので注意しましょう。
などのようにしましょう。
■車のエアコンにフィルターがある場合の掃除方法
車のエアコンにフィルターがある場合の掃除方法は、先ほどご紹介した「車のエアコンにフィルターがない場合の掃除方法」とあまり変わりません。ただし、フィルターの洗浄や交換が必要になります。
①エンジンを切りましょう。
②エアコンの吹き出し口を拭きましょう。
③車のダッシュボードの下にあるグローブボックスを外しましょう。
④車のエアコンのフィルターを外しましょう。
⑤カーエアコンの排気の設定を「内気」の「足元」にします。さらに、冷気にし、風量を最大に設定しておきます。
⑥エバポレーターの下に汚れてもいい大きなバスタオルを敷きます。
⑦エアコンの内気口から、カーエアコン専用の洗浄剤のノズルを差し込んで、洗浄液をエバポレーターに噴射します。
⑧エバポレーターを乾燥させます。
⑨④で取り外したエアコンのフィルターを水洗いをして洗浄します。フィルターの汚れがひどい場合は、あらかじめフィルターに掃除機をかけてホコリやゴミを吸い取ってから水洗いしましょう。ただし、フィルターは非常にデリケートなものですので、強い力を加えると、フィルターが変形したり壊れてしまう可能性がありますので、優しく水洗いをしてあげましょう。
エアコンのフィルターを新品にする場合は、フィルターを洗浄する必要はありません。
⑩エアコンのフィルターを陰干しして乾燥させます。
⑪車のエンジンはかけず、電源のみを入れて、エアコンをかけて乾燥させましょう。最低でも15分以上はエアコンで送風を行います。
⑫フィルターとエバポレーターが完全に乾燥したら、フィルターとグローブボックスを元に戻して掃除は完了です。
ご紹介したように、カーエアコンのセルフクリーニングは、意外と手順が少なく、短時間でできます。しかし、自分で車のエアコンの掃除をする際には、いくつかの注意点があります。
例えば、車のエアコンを掃除する前には、必ず車の取扱説明書を確認し、セルフクリーニング可能かどうかをチェックしておきましょう。
また、グローブボックスの外し方や取り付け方、フィルターの着脱方法やクリーニング方法、エバポレーターの掃除方法なども確認しておきたいですね。グローブボックスやフィルターなどの外し方は、車の種類によっては特殊な場合もあります。無理に引っ張ったり、雑に扱ってしまうと、車の破損や故障の原因になりますので注意しましょう。
その他にも、エアコンユニットの下にコンピューターが設置されている車の場合は、洗浄液が付いてしまうと故障の原因になります。したがって、エバポレーターを洗浄する場合は、コンピューターに洗浄液がかからないよう、タオルで覆って保護する必要もあります。
■カーエアコン専用の洗浄液の取扱説明書や掃除方法も
その他にも、使用するカーエアコン専用の洗浄液の取扱説明書や掃除方法なども掃除をする前に確認しましょう。まず、自分の車のエアコンの掃除に使用できる洗浄液なのかどうかをチェックしてから購入しましょう。
また、ご紹介したセルフクリーニング方法は、一般的な方法です。例えば、エバポレーター洗浄を行う前に、カーエアコンの排気の設定を「内気」の「足元」にして、風量を最大にするのは定番です。しかし、洗浄液の種類によっては、冷気は夏季のみで、冬季は暖気にするよう設定されているものがあります。
カーエアコンのセルフクリーニングは、慣れれば1時間以内で完了するので、比較的簡単な作業です。しかし、車のケアに慣れていない方や、知識不足のまま掃除をしてしまうと、エアコンの効きが悪くなったり、場合によっては故障するということもあります。
したがって、自分で掃除するのが不安な場合は、ディーラーや車販売店、修理業者やカー用品店などのプロにエアコン洗浄を依頼しましょう。
業者にエアコンのクリーニングを依頼すると、費用はかかりますし、数日車を預けるケースもありますが、セルフクリーニングでは使用しないような高圧洗浄機やプロ用の薬剤を使用して、セルフクリーニングでは落とせないような汚れもしっかりオフしてきれいにしてくれます。また、掃除の最後に防カビコーティングを施すこともできますよ。
カーエアコンのクリーニング費用は、ディーラーは高い傾向があります。クリーニング費用の相場は、作業工程や使用する機械や薬剤によっても異なります。高圧洗浄機や特殊な薬剤を使用する場合は、クリーニング費用は30,000円程度が相場となっています。セルフクリーニングと同じような方法でエアコン掃除を行う場合は、5,000円~10,000円程度の費用が相場となっています。
カーエアコンの掃除をする時間がない場合や、クリーニングを依頼する時間がない場合は、簡易的にフィルターのみを交換し、後日エアコンの掃除を行うという方法もあります。
車のエアコンフィルターは、カー用品店やホームセンター、ガソリンスタンドやインターネット通販サイトで購入できます。ただし、車種によって適合するフィルターは異なりますので、購入する際には注意しましょう。
脱臭や消臭機能が付いているフィルターがおすすめで、花粉対策やウィルス対策に効果的なフィルターもありますよ。空気清浄機能付きフィルターは高額になる傾向があります。フィルターに使用されている素材によっても機能や費用は異なりますが、エアコンフィルターは2,000円~3,000円程度の値段で購入できます。
ちなみに、フィルター交換も、プロの業者に依頼することができます。フィルターのみを交換する場合の工賃は、3,000〜5,000円程度が一般的です。ディーラーや車販売店、修理業者やカー用品店の他、ガソリンスタンドで行っていることが多いですよ。混雑していなければ30分程度で施工完了します。
車のエアコンを掃除する際には、あらかじめセルフクリーニングに必要なアイテムを揃えておきたいですね。カーエアコン専用の洗浄液やエアコンフィルターは、カー用品店やホームセンターでも購入できますし、Amazonや楽天市場のような通販サイトで購入するのもおすすめです。
車のエアコン掃除グッズとして最初におすすめしたいのが、トヨタ モビリティパーツの「DRIVE JOY(ドライブジョイ) クイックエバポレータークリーナーS」です。
旧タクティー(TACTI)の製品で、カーメーカーのトヨタの関連会社の製品とあって、カーエアコンをセルフクリーニングする際の洗浄液として口コミでも評価の高いアイテムです。
エアコン掃除初心者さんでも使いやすいロングノズルが付属しており、速乾性があるのも魅力です。
ZAC JAPAN COMPANY(ザックジャパンカンパニー)の「カーエアコン洗浄 SUPER JET MAX(スーパー ジェット マックス)」も、カーエアコン洗浄液の人気のアイテムです。
15分という短時間で車のエアコンのエバポレーターの洗浄を行うことができます。カーエアコンの汚れやカビや雑菌だけでなく、タバコのヤニや花粉も掃除することができます。
抗菌や消臭効果も期待できるのが魅力です。
ちなみに、「カーエアコン洗浄 SUPER JET MAX」には、エバポレーターに微細なミストの風を入れることができる「SUPER JET MAX CleanMist(クリーンミスト)」もラインナップされていますよ。
パワーアップジャパンの「パワーズ デオテックグリーンシャワーハイパー」も車のエアコンの掃除に定評のあるアイテムです。
エバポレーターの掃除に使用できるだけでなく、車内に噴射することで、車の中の除菌や消臭もできるアイテムです。皮膚に刺激が少なく、洋服のような身につけるアイテムにも影響が少ないのが魅力です。
爽やかなレモンの香りが、車の空気をクリーンにリフレッシュしてくれます。
WURTH(ウルト)の「エアコン消臭殺菌スプレー」は、車の掃除を行う際におすすめしたいカーエアコンの洗浄スプレーです。
直接エバポレーターに洗浄液を吹きかけることができ、汚れを落とすだけでなく、カビや雑菌が再び繁殖してしまうのを予防できる効果が期待できるスプレーです。
業務用の商品ですが、Amazonで購入可能です。ただし、一般的なカーエアコンの洗浄液と少し使い方が異なります。使用前に使用方法や注意事項をチェックしましょう。
車のエアコンの掃除を行う場合には、エアコンフィルターを洗浄するか、エアコンフィルターを交換するようにしましょう。
中でも、自動車部品とカー用品メーカーのBOSCH(ボッシュ)のエアコンフィルターは、カー用品店に必ずといっていいほど置いてある人気のフィルターシリーズです。
BOSCHのエアコンフィルターは、国産車用と輸入車用のフィルターが販売されています。
ベーシックな「キャビンフィルター」は、3ミクロン以上の花粉やホコリ、排気ガスなどを取り除いてくれます。その他にも、活性炭が入っている脱臭機能付きの4層構造エアコンフィルター「キャビンフィルタープラス」や、PM2.5を取り除いてカビや雑菌の繁殖予防に役立つ「アエリスト(抗菌・脱臭タイプ)」もラインナップ。
アレルギー物質を抑制する機能や抗ウイルス機能が嬉しい、抗菌タイプの「アエリスト(抗ウイルスタイプ)」もおすすめです。
日本の自動車部品メーカーのDENSO(デンソー)の「カーエアコン用フィルター クリーンエアフィルター」シリーズも、人気のエアコンフィルターです。カーエアコンメーカーとして信頼されている優秀フィルターですので、カーエアコン用フィルターランキングでも上位にランクインしています。「クリーンエアフィルター」と「クリーンエアフィルター プレミアム」がラインナップされています。
3層フィルターが車を掃除しただけでは取れないような花粉や粉塵、排気ガスやPM2.5、嫌なニオイなどの除去に効果的なアイテムです。抗菌や防カビ、抗ウィルス効果も期待できます。
PMC(パシフィック工業)の「クリーンフィルター(エアコン用)」もカー用品店で販売されていることが多い人気のカーエアコン用フィルターです。
ベーシックな「集塵タイプ(Bタイプ)」の他、銀イオンと亜鉛イオンの力で抗菌や脱臭してくれる「EBシリーズ (イフェクトブルーシリーズ)」もラインナップされています。
また、「活性炭タイプ(Cタイプ)」は掃除では除去できないニオイを活性炭でしっかり脱臭してくれるだけでなく、抗菌や防カビ、抗アレルゲンや抗ウィルス機能などが搭載されています。
全てのエアコンフィルターにフィルター交換の仕方を記載した「交換手順書」が同梱されているのが嬉しいですね。
車のエアコンの掃除頻度は、車の使用頻度や使い方によって異なりますが、年4回行うのが理想とされています。カーエアコンのクリーニングは、比較的簡単で、自分で行うことができます。車内で快適に過ごすためにも、定期的にカーエアコンの掃除をしたいですね。