チェックや花柄、ストライプにドットなどたくさん種類がある「柄」は、なかなか名前を覚えていないものも多いもの。
本記事では、名前を知らないと恥ずかしい定番から、知っているとちょっとおしゃれ上級者に近づけそうな、ややこしい柄の名前についても解説していきます。
【目次】
「あの柄……なんていう名前だっけ?」と思い出せないことはありませんか?それくらい柄にはたくさんの種類があります。
今回はタイプ別に柄の種類をご紹介。知っておくと役に立つ「柄」の名前をここで覚えてしまいましょう!
まずはチェック柄の種類について紹介します。
ベースの色と格子柄の色の2色で構成されるシンプルな「ギンガムチェック」。ファッションアイテムでもよく見かけることが多い柄です。
シャツやスカートなどのアパレルの他、インテリアファブリックでも使われる定番柄です。
「タータンチェック」は、スコットランドの民族柄。様々な配色のものがあります。
トラッドな服やストールなどに使われることが多く、学生の制服のスカートでも使われるなど、プレッピーな印象も演出できる落ち着いた印象の柄です。
「グレンチェック」とは、千鳥格子とヘアラインチェックによって構成されている柄。
ジャケットやパンツなど、トラッドできちんと感のあるアイテムによく使用されています。マフラーやネクタイなど、男性ものアイテムにも使われています。
グレンチェックに出てくる千鳥格子は、この後詳しく紹介しますが、ハウンドトゥースチェックという名称もある柄。猟犬(ハウンド)の牙(トゥース)の形を模した柄を重ねているように見えることからそう呼ばれています。
一般的には黒と白の2色で描かれることが多いことが特徴です。
「ブロックチェック」はまさに名前の通り、ブロックを並べたようなチェック柄のことで、メリハリの効いたモダンな雰囲気の柄です。
アパレルにもよく使われる柄で、色の配色や柄の大きさによってイメージが変わります。
「アーガイル・チェック」は、複数の菱形と斜めに入れた枠線とを合わせて作られる格子柄のこと。
伝統的な印象が強く、その見た目から日本ではそろばん柄とも呼ばれています。
次に花柄の種類を紹介します。「花の模様があれば花柄じゃないの?」と思われるかもしれませんが、花のサイズや種類によって名前が異なります。
小さな花が書かれた柄は「小花柄」と呼びます。花は1種類だったり複数の種類だったりと様々です。
小花がらは派手になりすぎず、配色によっては大人っぽい雰囲気になったり、フェミニンな雰囲気になったりします。大人の女性は小花柄のスカートやワンピースは着こなしやすいですよね。
大輪の花が咲いている「大花柄」はまさに華やかなイメージ。インパクトがあり、洋服だけでなく大きな面積の布や壁紙などにも似合います。
同系色の花の柄だと落ち着いたエレガントな印象に。色とりどりの花だと華やかな雰囲気になります。
ボタニカル(botanical)とは「植物の」という意味があり、「ボタニカル柄」は花だけでなく葉や実などもモチーフにした柄です。
大花柄と同様の華やかさはありつつも、大花柄よりも落ち着いた印象になるので大人っぽい雰囲気になります。
「ダマスク柄」とは、紋織物の一種であるダマスク織の模様をモチーフにしたデザイン。花や果物、植物などをつなげたデザインを特徴としています。
エレガントな印象が強く、ファッションをはじめ家具などにも用いられることが多いデザインです。
イギリスのリバティ社のテキスタイルの小花柄に似たものを「リバティ柄」と呼びます。
小さな何種類もの花や葉がぎゅっと細かく隙間なく描かれているのが特徴です。
次に、ドット柄の種類について紹介します。
5mmから1cmくらいの、オーソドックスな大きさのドット柄のことを「ポルカドット」と呼びます。
「水玉模様」というと、だいたいこのポルカドットのことを指します。
針の先であけた穴のような小さなドット柄のことを「ピンドット」といいます。
無地のように見えるさりげなさが魅力で、カジュアルなファッションからスーツなどにも使われます。
ドットの大きさや場所、場合によっては色も不規則にバラバラに描かれているのが「ランダムドット」です。
ポップでかわいらしい印象になるため、子供服にもよく使われる柄です。
コインのような大きさのドット柄のことを「コインドット」といいます。
インパクトのあるドット柄で、配色によってポップな感じやクラシックな感じなどに見えます。
次に、ストライプ柄の種類について紹介します。
「ピンストライプ」とは、細かいストライプのこと。
シャツやスーツなどビジネスシーンで着用される服やカジュアルな服など、合わせやすいことから幅広く使われる柄です。
白をベースに、ベースとストライプの幅が同じ模様が「ロンドンストライプ」。
ロンドンの紳士がこの柄のシャツをよく着用しているということから名付けられたといいます。
「レジメンタルストライプ」はネクタイによく使われる柄で、イギリス式は右上がり、アメリカ式は右下がりのストライプです。
イギリスの連隊旗をイメージした配色のものが始まりですが、現在は様々な色使いのものがあります。
次に、ボーダー柄の種類を紹介します。
ボーダーは元々は裾や袖の橋の縁取りのことを言いましたが、現在は横シマの柄のことをボーダーと呼びます。
中でも白ベースにブルーのボーダーはマリンボーダーと呼び、爽やかなマリンルックに使われます。
様々な色や幅のシマ模様で構成されているものを「マルチボーダー」と呼びます。
また、シマが縦方向の場合はマルチストライプになります。
次に、取り入れるだけでおしゃれでノスタルジーな雰囲気を出せる、民族柄の種類を紹介します。
雪の結晶やトナカイなどを連続して描いた、北欧風の柄は「ノルディック柄」といいます。
防寒のために、糸をたくさん使って柄を編み込んでセーターやマフラーを作っていたという北欧の暮らしから生まれた柄です。
「フェアアイル柄」は、ノルディック柄と同様に温かみのあるデザインです。
ノルディック柄と似ていますが、カラフルな色使いの幾何学模様が数段重ねられていることが特徴です。
直線や曲線を連続させて作る柄のことを「トライバル柄」といいます。
地域や民族によって柄が異なるので、様々な種類のトライバル柄が存在します。
アメリカのニューメキシコ州に住むスペイン系移民のオルテガという民族に伝わる柄のことを「オルテガ柄」といいます。
主にニットやスカートに使われることが多い柄です。
オルテガ柄はチマヨとも呼ばれ、ネイティブ・アメリカンの伝統とパターンを織り込んだ模様を指します。サンタフェの北東に位置するニューメキシコ州にあるチマヨ村の工芸品で、対称性のある多数のひし形を組み合わせたようなデザインが特徴です。
「ペイズリー」とは、松かさを模した、カーブした羽のような形の模様のこと。19世紀にイギリスのペイズリーという地で織物が多く作られていたことから名前がつけられたといわれています。
日本では、勾玉模様とも呼ばれているのが特徴です。
次に、日本らしい印象を与えてくれる和柄について紹介します。
波をイメージした模様が連なっている「青海波(さいがいは)文様」。
手ぬぐいや和小物で見たことがある方も多いのではないでしょうか。
元々はペルシャのもので、中国からさらに日本に伝わったと言われています。
まるで麻の葉を敷き詰めたような柄は、「麻の葉文様」と呼ばれています。
江戸時代には、この模様の着物を着た歌舞伎役者の影響で大ブームが起こったそうです。
「卍」の形を崩したものを連続させているのが、「紗綾形(さやがた)」です。
江戸時代の一般的な定番柄の一つで、男性女性問わずに人気の柄だったと言われます。
「唐草模様」は風呂敷や獅子舞などでおなじみの日本の伝統柄です。
緑地に白で描かれたものがもっともポピュラー。植物の葉や茎、つるが伸びた様子が図案化されています。
円が連なって描かれた模様が「七宝文様」。こちらも日本の伝統的な柄のひとつです。円が四方八方に広がることから七宝と名づけられています。
直線がらせん状に連なっていく幾何学模様を「雷文」といいます。ラーメンの器に用いられるのが一般的ですが、彫刻や建築などにも用いられます。
次に、動物が元となった柄を紹介します。
「ヘリンボーン」とは、ニシン(herring)の骨(bone)という意味です。開きにした魚の骨に似ていることから名づけられました。日本では、杉の葉にも似ていることから杉綾とも呼ばれています。
ツイードのジャケットやコートなどによく使われる柄で、特にメンズのアイテムでは定番柄となっています。衣服の他に家具や床にも用いられます。
二等辺三角形や正三角形が、まるで魚の鱗のように上下左右連なった柄が「鱗紋」です。
日本の伝統的な文様として親しまれており、古くは埴輪や古墳にも見られます。着物や帯などに使用される場合、女性の魔除けとしての意味もあります。
「レオパード柄」とはつまり、ヒョウ柄のこと。基本的には黄色をベースに黒い不規則な斑点が描かれているものですが、そこから発展し、さまざまなカラーや柄の大きさのアイテムがデザインされています。
その他、よく見るおしゃれな柄の種類を紹介します。
「アラベスク」とはアラビア模様という意味で、イスラムの礼拝所であるモスクの壁面に見られる柄です。
植物の模様や幾何学模様、直線の模様などが組み合わせられて描かれています。
「スプラッシュ」とは水しぶきという意味で、絵の具やペンキなどの塗料を叩き付けたような柄のことをいいます。
ストリート系のアイテムでよく見られ、インパクトが強いので帽子やバッグなどの小物で取り入れられることが多い柄です。
「カモフラ柄」とは、カモフラージュ柄の略称。迷彩柄とも呼ばれているデザインです。
元々は軍隊が敵の目から隠れられるようにカモフラージュするために使われていた柄で、それが徐々にファッションへと取り入れられるようになったという歴史があります。
「柄を取り入れたコーデをしたい」という方に向けて、ここからは柄アイテムを使ったコーディネートを紹介します。
着こなしがキュートに決まるギンガムチェックパンツ。爽やかですがコーディネートのアクセントになるので1枚持っておくと重宝します。
ギンガムチェックはチェック柄の中でもかわいらしさが強いので、色味を抑えてベーシックカラーのシンプルなアイテムと合わせるのがおすすめ。
スニーカーでカジュアルさを入れると、甘さ控えめの絶妙なバランスが叶うでしょう。
トレンドのチェック柄は、ストールで取り入れるのがおすすめ。巻くだけで簡単におしゃれに見えます。タータンチェックは秋冬らしい柄なので、季節感も出せるところがポイント。
ストールでチェック柄を取り入れるなら、トップスやボトムスは無地でシンプルなものがベスト。
ポイントとして取り入れてみてはいかがでしょうか。
チェックの中でもマニッシュな印象なのがグレンチェック。かっちり着こなすのは今っぽさを欠くので、カジュアル感やラフさを意識するのがポイントです。
例えばコートならオーバーシルエットで肩が落ちたデザインのものを選べば、それだけでこなれた印象に。カーディガンのようにさらっと羽織るのがおすすめです。
ガーリーな印象を作るのにぴったりなのが小花柄のワンピース。1枚サッと着るだけでおしゃれに見えるので、朝の忙しいときにも選びやすいアイテムです。
フラットシューズやパンプスと合わせてとことんガーリーに仕上げるもよし、スニーカーと合わせてカジュアルダウンしてもよし。パンツとレイヤードするとトレンド感が出ます。
甘い雰囲気のおしゃれを楽しむときにぴったりなのが、ドット柄のスカート。
タイトめのトップスと合わせることで、ほどよくボディラインが見えてより上品さを演出できます。
色味を抑えれば大人っぽく、淡い色味を取り入れるとかわいらしく仕上がるので、お好みでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
ストライプ柄はセットアップで取り入れて、おしゃれ感かつ抜け感を演出するのがコツ。
リネン素材のセットアップは夏にぴったり。ワイドパンツはボディラインを気にせずゆったりと着こなせるので、リラックス感が出ます。
セットアップであれば、一緒に着ても上下別々に着てもOKなので、着こなしの幅が広がることでしょう。
花柄よりもナチュラルでリゾート感のある印象のボタニカル柄。大ぶりな柄が華やかさを演出してくれるので、主役級のアイテムとして使えること間違いなし。
ダークカラーのものであれば普段使いしやすくおすすめです。シンプルなノースリーブのトップスを合わせてカジュアルに仕上げるといいでしょう。足元はサンダルをチョイスすると、より季節感が出ます。
定番のボーダーカットソーは1枚持っておくと重宝するアイテム。シルエットにこだわって選ぶことで、あなたの魅力をより引き出してくれることでしょう。
ワイドな身幅と肩の落ちたドロップショルダーが特徴のボーダーカットソーは、こなれ感たっぷりのスタイルに。
ベージュのボーダーカットソーにネイビーのワイドパンツを合わせて、大人カジュアルにまとめてみてはいかがでしょうか。
冬らしい温もりを感じるノルディック柄のセーター。落ち着いた色味のものを選べば、子供っぽくならず大人っぽく着こなせます。
カジュアルに寄りがちなアイテムですが、ブラックのボトムスと合わせることで全体的にクールにまとめられるでしょう。
パッと目を引く大胆な大花柄のスカート。鮮やかでコーデの中心として活躍してくれるアイテムです。
そんな大花柄のスカートを取り入れるときは、他のアイテムはとことんシンプルにするのがコツ。シルエットも色味も落ち着いたものをチョイスしましょう。
ブラックなどのベーシックカラーとの相性が抜群です。
1枚でスタイリングが完成できるのが、ランダムドット柄のワンピース。かわいらしくガーリーな印象になりがちのドット柄ですが、ランダムドットであれば大人っぽく着こなしやすいといえるでしょう。
スタイリング自体は華やかですが、足元に合わせるシューズによって印象をほんのり変化させられます。
ヒールやバレエシューズを合わせて上品に仕上げるもよし、サンダルを合わせて季節感を出すもよし。どんな足元も似合いやすいところがポイントです。
伝統的な和柄である麻の葉文様。そんな麻の葉文様があしらわれた浴衣は、白と黄色という優しい色合いで取り入れることで柔らかく女性らしい雰囲気に仕上がります。
帯と浴衣は同系色でまとめると大人っぽい仕上がりに。帯を鮮やかなカラーにすることで、ポイントをつけたり、全体をキュッと引き締めたりすることもできます。
髪飾りも浴衣の色と合わせて統一感を出すのがおすすめです。
柄物は子どもっぽくなってしまうと思われがちですが、ヘリンボーン柄であればシックかつ大人っぽく着こなせます。
中でも、ヘリンボーン柄のアウターであれば、秋冬の季節感ともマッチしてよりシックさを演出できます。
クールな見た目でスマートに着こなせるアイテムなので、スタイリッシュさを意識してコーディネートを組むといいでしょう。
エスニックな雰囲気のあるアラベスク柄のワンピース。キャミワンピを選べば、インナー・アウターの合わせ方次第で着こなしの幅が広がっておすすめです。
シンプルなホワイトの半袖リブニットと合わせることで、ガーリーにまとまります。
細かいギンガムチェックとは違い、柄が大ぶりのブロックチェック。柄が大きくなるだけでギンガムチェックの持つ甘さを控えめにできるので、大人でも着こなしやすい柄といえるでしょう。
シャツワンピースはロングガウンとして羽織ってもおしゃれに決まります。レギンスと合わせてカジュアルかつかっこよく決めるのがおすすめです。
エスニック柄の中でも花や植物がモチーフになったダマスク柄は、フェミニンな印象を与えるのが特徴。
1枚で個性を出せるワンピースは、春夏に活躍してくれるでしょう。落ち着いた色味とAラインシルエットで上品に仕上げて。
イギリス・ロンドンにあるリバティ社が保有しているプリント柄は「リバティ柄」とも呼ばれます。
花柄やガーリーなイメージがあり、子どもっぽくなってしまわないか心配になるかもしれませんが、落ち着いた色味のものを選べば、ガーリーさと大人っぽさのバランスがちょうどよくなります。
ワンピースで取り入れると、クラシカルでどこかレトロさのあるコーディネートが完成します。
キュートさのあるドット柄ですが、ドットが小さくなればなるほど、きれいめで落ち着いた印象になります。
ドットが一番小さい「ピンドット柄」は、あまり主張が強くないので初心者さんでも取り入れやすいことが特徴。
控えめなドット柄をトップスに持ってくることで、コーデ全体にアクセントをプラスできます。
デニムパンツと合わせてパリ風なカジュアルコーデに仕上げてはいかがでしょうか。
「ポルカドット」は、中くらいの大きさのドットが等間隔に配置されていることが特徴。
1950年代に流行した柄であることから、ほんのりレトロ感を感じられるところがポイントです。
上品なフレアスカートなら、レトロになりすぎず、今っぽいおしゃれを楽しめることでしょう。
ベーシックな着こなしから、ほどよくこなれ感のある着こなしまで、幅広く使えるロンドンストライプ柄のシャツ。
スラックスに合わせるとオフィス向きに、デニムと合わせると休日向きにと、シンプルで幅広いコーディネートに合わせやすいところが魅力です。
90年代に流行したマルチボーダーは、カジュアルかつ明るいコーディネートにぴったり。
マルチボーダーのワンピースは、Tシャツやタンクトップとレイヤードして夏コーデの主役として着こなすのがおすすめです。
エスニックな印象が強いオルテガ柄は、羽織りでサッと取り入れるのがおすすめ。
カーディガンは着るだけでコーディネートにアクセントをプラスできるうえ、体温調節にも役立ってくれるので重宝します。
シンプルなコーデに羽織ると、一気に個性的かつおしゃれなスタイルに格上げできるでしょう。
柄にはたくさん種類がありますが、それぞれに由来や歴史があります。本記事で紹介した柄以外にも、おしゃれな柄はさまざまあるので、新しい柄を見つけたときには由来を調べることでよりファッションを楽しめるようになるかもしれませんね。