羽織はおしゃれの幅を広げてくれるアイテム。重ね着をするだけで、着物の印象を変えられます。ここでは、着物に合わせる羽織の選び方やレディースにおすすめの着物と羽織のコーディネートをご紹介します。
【目次】
和服の羽織は洋服のカーディガンやジャケットのようなもの。防寒だけでなく、おしゃれの幅を広げるアイテムの一つです。
■羽織に合わせる着物は?
一般的に、羽織は色無地や付け下げ、小紋、紬などの格が低い着物と一緒に着ます。振袖などの格が高い着物にはコートやショールを合わせ、羽織は使いません。
最近は、訪問着に羽織を合わせることもありますが、「格が合わないからNG」と言われることもあるので、フォーマルな場では避けた方が無難です。
■着物×羽織の魅力
羽織はワンパターンになりがちな着物のコーディネートの印象を変えられます。例えば、シンプルな無地の着物も季節感のある柄の羽織を使えば、情緒あふれるスタイリングに仕上がります。
また、羽織は室内でも着られます。冷房対策だけでなく、上半身の汚れを隠すのにも役立ってくれるでしょう。
着物に慣れていない人は羽織の選び方に悩みます。着物とコーディネートする羽織の選び方をチェックしておきましょう。
■色合わせ
着物×羽織の色合わせに悩んだ時は羽織と着物の中の一色を同じ色にまとめましょう。色を揃えると、コーディネート全体に統一感が出ておしゃれに見せられます。
■シーン
着物と同じように羽織にも格があります。シーンに合わない格の羽織を着ているとマナー違反だと思われることもあるので、注意しましょう。
羽織は基本的に普段着として着用します。結婚式や成人式などの正装を求められる場で羽織を使うのはやめた方が無難です。入学式や卒業式、お宮参りなどの略礼装には一つ紋の羽織や黒の絵羽織などが適します。
パーティーや観劇などの少し改まったシーンでは絵羽織などを着ると良いでしょう。旅行やお稽古などのデイリーシーンでは絞りや小紋染めなどの羽織がおすすめです。
■季節
一般的な羽織は10月から4月くらいまで着られます。5月~9月までの暑い季節は羽裏のない単衣の羽織やレース編みの羽織、紗などの薄羽織を着ると良いでしょう。
子供の入学式や卒業式の着物コーディネートには一つ紋の黒羽織を使いましょう。紋付きの羽織は普段に着られる小紋などのおしゃれな着物をフォーマルに格上げしてくれます。絵羽織を選べば、凛とした雰囲気を演出できます。
観劇に着物を着る日は色無地の着物にグレーの羽織をコーディネートして落ち着いた印象に仕上げましょう。羽裏(裏地)にこだわった羽織を合わせれば、ワンランク上のスタイリングが完成します。
京都や浅草を散策する時は周りの人と被らない柄入りの着物と羽織で個性的な着こなしに。紫の着物と黄色の羽織をコーディネートすると、両方の印象が引き立てられてパッと目を引く存在感を出せます。
春は水色の着物とベージュの薄羽織を合わせてさわやかなコーディネートに。薄手の羽織は「着物だけでは寒いけど、冬の羽織は季節感がない」と困ってしまう時期に役立ちます。
暑い夏は透け感のある単衣羽織で軽やかなスタイリングを作りましょう。夏でも羽織を羽織ると、冷房による冷えを予防できたり、ほこりやヤケから着物を守れたりします。明るい色を選ぶと、暑苦しく見えることもないでしょう。
秋は紅葉のようなダークレッドの羽織で季節感を出しましょう。ポップな柄の着物に千鳥格子などの羽織を組み合わせると、レトロでモダンなコーディネートを楽しめます。柄×柄でも着物と羽織の柄や色を合わせれば、統一感を出せるでしょう。
冬は着物×羽織のコーディネートにファーをプラスして暖かい着こなしに。観劇や街歩きなどのシーンでは、ベレー帽などのカジュアルな小物を使って新感覚のスタイリングに仕上げるのもおしゃれです。
落ち着いた色の着物を着る時は明るい色の羽織を合わせるのが人気。栗色の着物とピンクベージュのレース羽織のコーディネートは大人可愛い印象です。レース羽織はコーデのアクセントになるので、いつも同じような着こなしになってしまう人にも良いでしょう。
明るい色の着物に暗い色の羽織をコーディネートすると、シックなイメージになります。シンプルな無地の着物も柄入りの羽織を重ね着すると、個性を出せるでしょう。全体をグレーや青などの寒色でまとめれば、クールで大人っぽくなります。
羽織は防寒だけでなく、おしゃれにも欠かせないアイテム。いつもの着こなしに飽きてきた人は羽織を組み合わせてみましょう。着物に合う羽織を重ね着すると、モダンなコーディネートに仕上がります。