コートを自宅で洗ったことがある人は少ないと思います。実は自宅でも洗うことができるんです。ただし、コートの種類や生地ごとで洗い方にコツがあります。そこで今回は、コートの失敗しない洗濯方法をご紹介します。意外と簡単なので、ぜひこれを機会にチェックしてみてください。
【目次】
コートは洗濯せずにクリーニングに出すという方が多いと思います。クリーニングに出す頻度も他のアイテムに比べると低く、シーズンに1回だけという方も多いのではないでしょうか。
頻度が低いのは、クリーニング代がかさむためということが考えられます。もし自宅で失敗せずに洗濯できたらいいと思いませんか?
自宅で失敗せずに洗濯するには、コートの種類ごとの洗い方のコツを押さえることが大事です。ここからは具体的に種類ごとの洗い方をご紹介します。
種類ごとの具体的な洗濯方法の前に、全ての種類のコートで共通するのが洗濯表示の確認です。洗濯表示で自宅で洗ってもいいものかどうか確認しましょう。
■洗濯表示の見方
“洗濯機”マークか“手洗い”マークがあれば、自宅で洗うことができます。
洗い桶の中に水を張ったイラストが“洗濯機”マークにあたり、洗い桶の中に手を入れているイラストが“手洗い”マークにあたります。
“手洗い”マークの時は、40℃以上の温度で洗わないでください。
「30」とあれば、30℃以下の温度で洗ってくださいという意味になります。
(2016年12月から洗濯表示のマークが変わりました。旧表示では、“洗濯機”のマークと“手洗い”と文字が入ったマークでした)
洗い桶の上に×マークがあるものは、自宅では基本洗濯できません。
ただし、生地の素材によっては洗濯できるものもあります。
■洗濯できる素材
ダウン、ポリエステル、ナイロン、アクリル、麻、ポリウレタン
■洗濯できない素材
ウール、シルク、カシミア、レーヨン、キュプラ、アセテート、革、
洗濯できない素材を含むコートは、クリーニングに出しましょう。洗濯できるといっても、必ずしも生地だけで判断するのは危険です。お気に入りのコートを洗う場合は、表示通りクリーニング店に出すことをおすすめします。
まず全種類のコートに共通する基本の洗い方をご紹介します。
■洗剤は中性洗剤を用意
洗剤は通常の洗濯洗剤ではなく、おしゃれ着用の中性洗剤を用意してください。
■汚れた箇所を部分洗い
まずコートで汚れが気になる箇所がないかチェックします。気になる箇所があれば、タオルなどに洗剤を含ませてたたくように汚れを落とします。歯ブラシなどで優しくたたくように洗ってもOKです。
■洗濯機or手洗いで洗う
洗濯機で洗う場合は、必ずネットに二つ折りにたたんで入れます。「ドライコース」などで洗います。
手洗いは、大きめの容器に洗浄液を作ります。ぬるま湯の方が汚れがよく落ちるのでおすすめです。押し洗いで30回ほど洗います。すすぎも水を替えて押し洗いします。泡がなくなるまですすぎます。
手洗いの脱水は洗濯機を使います。30秒から60秒ほどまわします。脱水した後は、必ず平置きで干してください。市販の平置きネットを使うのがおすすめです。ない場合はハンガーに干してもかまいませんが、柔らかい伸びが気になる素材のものは、平置きで干しましょう。
ピーコートは厚手のウールやアクリルなどの混合素材で作られています。洗濯表示を必ず確認してください。
洗える場合は、おしゃれ着用洗剤で手洗いか洗濯機の「ドライコース」などで洗います。ネットを必ず使いましょう。
トレンチコートもステンカラーコートも、綿やポリエステルで作られています。撥水加工のものは、水で洗うとシミの原因になるので、避けた方がいいでしょう。
裏地が付いているものは、必ず裏地の生地の洗濯表示も確認してください。自宅で洗濯可能なものは、襟や袖口が汚れている場合が多いので、全体を洗う前に部分洗いをします。
洗える場合は必ず押し洗いで手洗いを。裏返して洗ってください。
仕上がりでしわが気になる場合は、裏地側から当て布をして低温でアイロンをかけましょう。
ポリエステルやレーヨン素材で作られたモッズコートの洗い方は、必ず洗濯表示を確認します。レーヨン素材が多く使われていると、縮んでしまう可能性があります。
ポリエステルや綿なら自宅でも洗うことが可能です。必ず洗濯ネットに入れて洗いましょう。
ファー部分は必ず外して、洗わずにお手入れしましょう。
ステッチが入った中綿入りのキルティングコートは、外側がナイロンかポリエステル、中綿がポリエステルで作られていることが多く、自宅で洗濯可能なものが多いです。
洗い方は通常の洗い方と一緒ですが、中綿がへたることがあるので、柔軟剤を入れて膨らませると縮みを防ぐことができます。
横じわが入ってしまったら、スチームアイロンをあててしわを伸ばしましょう。
洗うと縮まないか心配なウールコートの洗濯は、クリーニングに出すのをおすすめします。ただし、定期的に自宅でお手入れすることで、クリーニングに出す回数を減らすことができます。
ウールコートのお手入れは、洗濯王子こと洗濯アドバイザーの中村祐一さんに師事しましょう。
中村さんによると、ウールコートは表面の汚れをブラシでブラッシングして落とすといいそうです。上から下へ毛並みを整えるようにブラッシングをして、汚れがひどい場合は下から上へ一度ブラッシングします。そうすると毛が起きるのでほこりがしっかり取れるそうです。
次にアイロンをあててスチームでしわを伸ばします。襟元や袖口に汚れがある場合は、水を含んだタオルを固く絞って襟元や袖口の裏側をふきます。
長期間しまって置く場合は、通気性のいい不織布カバーをかけて保管するといいそうです。
簡単にできることばかりなので、すぐに実践できそうですね。
失敗しないコートの洗濯方法ご紹介しましたがいかがでしたか?基本の洗い方さえ覚えれば、あとは洗濯表示や生地を確認して、自宅で洗濯できるかどうかを確認しましょう。洗濯できる場合は、種類ごとの洗い方のコツを確認し洗います。できるかぎり、クリーニングに出す回数を減らして節約できるといいですね。ただし洗い方に迷ったら、クリーニング店に出すことをおすすめします。自宅での洗濯とクリーニングを賢く使い分けましょう。