カジュアルなお店も多いイタリアンは、マナーをおさえていれば、高級店や外国でも気兼ねなく食事を楽しむことができます。そこで今回は、ピザやパスタの食べ方や、ナイフやフォークの使い方など、イタリアンの基本マナーをご紹介します。
イタリア料理の「イタリアン」のコースは、前菜、パスタ、主菜、パン、サラダ、ドルチェなどで構成されているのが一般的です。
■アンティパスト(前菜)
イタリアンの前菜は、ガーリックトーストやチーズが一般的です。数種類の盛り合わせの前菜が出てくることが多いですね。
■プリモピアット(パスタ)
「一皿目」という意味がある「プリモピアット」は、パスタの他、ピザやリゾットなども出てくることがあります。
■メインセコンドピアット(主菜)
「二皿目」という意味がある「メインセコンドピアット」は、肉料理や魚介料理などを食べるのが一般的です。
■ドルチェ(デザート)
イタリアンのデザートは、ジェラートやティラミス、パンナコッタが定番です。
■イタリアンの服装
イタリアンに行く時の服装は、スーツやワンピースなど、女性らしく上品な服装がマナーです。派手なデザインや、露出が激しい服は避けた方が良いですね。
大きな荷物やコートは、クロークで預けるのが一般的です。テーブルに持って行く小さなバッグは、足元にあるバッグ置きに入れるか、背もたれと自分の間に置いておくのがマナーです。
イタリアンでは、料理をシェアすることもできます。ただし、お皿を交換して食べるのではなく、お店の人にお願いして取り分けてもらうのがマナーですね。
その他のイタリアンのテーブルマナーは、フランス料理の「フレンチ」のテーブルマナーと共通点が多くあります。
スマホはマナーモードにして、テーブルの上には出さないようにしましょう。
■カトラリー
例えば、テーブルに並べられているフォークやナイフ、スプーンなどのカトラリーは、外側から内側に向かって順番に使っていきます。
左手にフォーク、右手にナイフを持ち、口に入る分だけ少しずつ切り離しながら食べていく点も、フレンチと同じです。
また、食事中にカトラリーを置く際は、ナイフとフォークが「八」の字になるように置きます。フォークは背が上になるように置きましょう。
食事を終えたら、休憩中の「八」の字に置いていたフォークをナイフの方に寄せるように、
2本を斜めに揃えて置くのが「食べ終わり」を示すサインです。この時、フォークは腹が上になるように置きましょう。
ナイフの刃は、常に自分に向くように置くのもマナーです。
スープは、手前から奥、奥から手前、どちらからスプーンですくって飲んでもOKです。カップスープではない場合は、お皿に口を近づけるのはやめましょう。
落としてしまったカトラリーを自分で拾うのもNGマナーです。
■ナプキン
また、ナプキンの使い方も、フレンチと共通点が多いですね。
ナプキンは、席に着いてすぐに広げるのではなく、飲み物や食事のオーダーを済ませたら二つ折りにして、折り目が自分のお腹に来るように膝の上に置きます。
また、口が汚れてしまった時は、二つ折りにしたナプキンの内側の端の方を使うようにします。持参したハンカチやティッシュを使うのは「このお店のナプキンは使いたくない」という意味になり、失礼になります。
席を立つ際は、ナプキンの汚れが見えないように畳み、椅子の上に乗せます。
食べ終わったら、ナプキンをラフに畳んでテーブルの上に置きましょう。綺麗に畳むのは、「美味しくなかった」という意味になるのでやめましょう。
その他、ワイングラスの脚の下の方を持つのも、ワインの温度を変化させないマナーです。
また、トイレは、なるべくお店に着く前に済ませておくようにして、途中の中座は避けましょう。どうしても席を離れる場合は、デザートの前や、お会計を済ませる前にしましょう。
日本のレストランでは、パスタを食べる際にスプーンの上でフォークに麺を巻きつけながら食べる方もいると思いますが、実はこれは正式なマナーではありません。
イタリアンでパスタを食べる際は、お皿の丸みのある部分を利用して、フォークに麺を巻きつけて食べるのがマナーです。
スープパスタを食べる場合は、麺はフォークで食べ、スープはスプーンで飲むというように、フォークやスプーンを使い分けて、それぞれを別々に頂くようにします。
ショートパスタは、フォークの背に乗せて食べるのがマナーですが、安定せず食べにくい場合は、ショートパスタをフォークで刺して食べてもOKです。口を皿に近づけてしまうのはNGマナーです。
イタリアンの定番のピザも、カジュアルなお店では手で取って食べてもOKです。
しかし、高級店や本場のイタリアでは、フォークとナイフを使って食べるのが望ましいですね。
等分に切り分けられた円形のピザの1枚をお皿に取ります。
ピザの尖った方から、耳の方に向かってナイフとフォークを使ってくるくるとロール状になるように巻きます。
あとは、口に入る大きさにナイフで切り分けながらフォークで食べていきます。
肉や魚などと同様、最初に全て切り分けず、食べる分だけ切り離して食べましょう。
また、パンを食べる場合も、少しずつちぎって食べましょう。
イタリアンでは、残ったソースをパンにつけて食べるのは「それぐらいソースが美味しかった」ということを示すことになります。しかし、これはフレンチではNGマナーとされていますし、イタリアンの高級店では避けた方が良いですね。
イタリアンのマナーはフレンチと共通している部分が多いので、ぜひ大人のたしなみとして覚えておきたいですね。美味しいイタリア料理を食べに行った際は、ぜひ正しいマナーでスマートに食事をしましょう。