天然素材の畳は、ダニやカビが繁殖しやすいですが、掃除方法を間違えてしまうと、傷がついてしまったり変色してしまうことがあります。そこで今回は、畳のお掃除方法をご紹介します。
素足で歩いたり、横になることもある畳は、「イ草」という天然素材でできているのが一般的で、ナチュラルで落ち着く空間が人気ですよね。しかし、イ草の畳は、天然素材でできているからこそ、傷みや変色がしやすく、お掃除にはちょっとしたコツが必要です。
新築で家を建てる際にも「1部屋は畳のある和室が欲しい」と考える方も多いので、最近では、洋風の家にも合いやすい、モダンな正方形の畳みも人気になっています。また、素材も、イ草よりも耐久性のある和紙製の畳や、お掃除がしやすいナイロンや樹脂製の畳も目にすることが増えてきましたね。
しかし、いずれの畳も、編み目からダニが入り込んでしまいますし、畳自体に厚みがあるので、湿気が溜まりやすく、カビも繁殖しやすいので、こまめにお掃除することが重要です。
イ草や和紙、樹脂製のどの素材の場合でも、畳1枚の表替えの費用の相場は5,000円~1万円程度です。古い畳自体を交換して、新しくするとなると、畳1枚で1万円~2万円程度かかりますので、部屋の広さによっては大きな出費になります。イ草の畳の場合は、傷みやすいので、畳の表面を変える「表替え」を、3年~4年に一度行うのが望ましいとされています。
しかし、日々のお掃除で、手間をかけずに清潔な状態をキープしたいですね。
■畳を外に干す場合は
畳のダニやカビ対策としては、畳を部屋から外して、外に干すのが一般的です。しかし、直射日光の当たる場所に畳を干してしまうと、変色や劣化の原因になりますので注意が必要です。
毎日換気を行ったり、除湿機やエアコンなどを利用して、畳に湿気が溜まらないようにすることも必要です。畳の上をカーペットや家具でなるべく覆わないようにすることも重要ですね。
■掃除は「畳の目」に沿って
また、畳は、編み目に逆らって物を動かしたり、掃除をしたりするなどしてしまうと、傷がついてしまいます。
掃除をする場合は、畳の目に沿って行うようにしましょう。
したがって、自動でお掃除をしてくれる「お掃除ロボット」も、畳の部屋に利用するのはやめましょう。
■重曹やセスキ炭酸ソーダはNG
赤ちゃんや小さい子どもの肌にも触れる畳は、重曹やセスキ炭酸ソーダなど、ナチュラル素材のアイテムでの掃除が安心ですよね。
しかし、イ草は天然素材で、アルカリ性を示す重曹やセスキ炭酸ソーダに触れると、変色の原因になります。
したがって、重曹やセスキ炭酸ソーダは、イ草製の畳掃除には使用しないようにしましょう。
■コロコロもNG
また、ロール状の粘着シートで髪の毛やペットの毛、ホコリなどを取ってくれるお掃除グッズの「コロコロ」も、畳掃除に使用するのはNGです。
畳の表面を引っ張って傷をつけたり、ほつれさせてしまう危険があります。
■表面のゴミを取り除く
畳掃除は、まずは畳の表面にある髪の毛やホコリ、大きなごみを取り除くことから始めましょう。
掃除機を使用する場合は、畳の目に沿って動かします。また、畳の目の間に入ってゴミを掻き出してくれる「ほうき」を利用するのもおすすめですよ。
また、ドライタイプのフローリングシートも活用できます。
■拭き掃除は乾拭きが基本
次に、畳の表面を乾拭きしていきます。
畳は湿気に弱いので、なるべくでしたら乾拭きで済ませるようにしましょう。ただし、乾拭きしていて取れないような汚れは、固く絞った雑巾で優しく拭き掃除を行いましょう。水拭きをした後は、乾拭きをして、水分を残さないようにしましょう。
お茶やジュースなどをこぼしてしまった場合は、すばやくキッチンペーパーで拭き取り、水拭きをして、乾拭きをします。汚れが取れない場合は、水拭きと乾拭きを繰り返すか、畳用のウェットシートや、畳掃除用の洗剤を利用するのがおすすめです。
湿気に弱い畳は、カビが繁殖してしまう場合もあります。一般的なカビ取り掃除に使用する塩素系漂白剤のハイターは、畳掃除に使用するのはやめましょう。また、カビが繁殖している部分は掃除機で吸わないようにします。
拭き掃除をする場合は、きれいな雑巾を使用するようにして、カビを広げないように注意しましょう。換気を行いながら掃除をして、マスクや手袋を着用するのも忘れないようにしましょうね。
■中性洗剤とアルコールを使う
畳のカビ掃除には、薄めた食器用の中性洗剤で拭き掃除をし、水拭きをして拭き取ります。最後に消毒用のエタノールやアルコール除菌スプレーを吹きかけて、きれいな布で拭き取る方法がおすすめです。
■クエン酸や酢を利用
畳のカビには、重曹やセスキ炭酸ソーダと並んでエコなお掃除アイテムとして人気の「クエン酸」も活用できます。
バケツ半分(10L程度)の水に、クエン酸を小さじ1杯入れて溶かし、雑巾を浸したら、固く絞ってカビの気になる場所を拭き掃除します。
最後に水拭きを行い、乾拭きをして仕上げましょう。
クエン酸の代わりに100mLのお酢を入れる方法もありますよ。
ただし、クエン酸やお酢は、どちらも酸性のものですので、新しい畳で、まだ青さが残っているような場合には使用しないようにしましょう。
ホコリやダニやカビなどで汚れやすい畳は、肌に触れることも多いので、清潔な状態を保ちたいですよね。デリケートな畳の目を傷つけてしまわないように掃除したいですね。