働いている人のご褒美でもある「有給休暇」は、体調不良の場合だけでなく、旅行や趣味など、自分のプライベートを充実させるためにも使いたいですよね。そこで今回は、有給休暇の理由の伝え方や、有給休暇を取る時の注意点をご紹介します。
【目次】
有給休暇を使って、旅行やプライベートの時間を楽しみたいと思っても、職場環境によっては、有給休暇を取りにくい場合もありますよね。
そもそも有給休暇とは、労働基準法で認められているものです。条件を満たしていれば、正社員だけでなく、パートでも付与されるのが「年次有給休暇」です。
フルタイムの場合の有給休暇は、働き始めた雇入れの日から半年で10日間付与されます。その後は、1年ごとに11日から20日付与されます。
週に4日以下勤務しているパートタイムの場合でも、雇入れの日から半年で、週に働いている日数で定められた数の有給休暇が付与されます。その後も、1年ごとに働いている日数に応じた有給休暇が付与されます。
したがって、どうしてもやむを得ない特別な理由がある場合のみ使えるのが有給休暇ではなく、働いている人の自由に使うことができるのが有給休暇です。有給休暇を取らせないように圧力をかけたり、買取することは、違法になります。
また、有給休暇は2年間で時効によって消滅してしまうものですので、有給休暇を消化しないのはもったいないですね。会社によっては、時間給を取れる職場もありますので、利用できる場合はぜひ活用しましょう。
「有給休暇は何か特別な理由がないと申請してはいけない」という空気が職場にある場合や、そもそも有給休暇を消化している従業員が少ない場合は、なかなか正直な理由を伝えにくかったり、有給休暇自体を申請しにくい場合もありますよね。
そのような職場環境の場合は、休暇後に働きにくくなってしまうので、なかなか休みを取りにくい方もいると思います。
■早めに申請する
有給休暇をスムーズに取るためには、まずは余裕を持って申請しましょう。1週間前までには有給休暇取得の申請をしておくのが理想です。
例えば、急な病気や家族のトラブルなどで、前日や当日に有給休暇を取る場合はありますよね。そのような場合は、当然上司に休みの理由を聞かれると思いますし、休みを取る側も理由を話します。
しかし、突然休んでしまうと、その日の仕事が人員不足になってしまって、仕事に支障が出ることもあります。
特に、長期の有給休暇を取る場合は、休んでいる間の仕事を同僚に任せる準備が必要です。前もって申請しておけば、その日の人員調整もできますし、何かあった場合の対応も頼んでおけますので、仕事に支障が出にくいですね。
■退職時は特に注意
また、退職する場合は、残っている有給休暇をできれば使い切りたいと思いますよね。有給休暇を消化してから退職しますので、退職日の相談はできるだけ早く行いましょう。
特に、すでに次の就職先が決まっている場合は、今の仕事の引継ぎを行い、有給休暇を取得して、離職してから次の会社に入社することになりますので、注意が必要です。
■忙しい時期を避ける
また、有給休暇は、忙しい時期を避けて取ることも、上司がスムーズにOKしてくれるポイントです。
忙しい時期に有給休暇を取得するのは、周囲の同僚からも印象もダウンしてしまいます。
また、会社側にも「時季変更権」という、休みの日を調整できる権利があります。休みを取るのをやめてもらおうと、上司が理由を聞いて「そんなことで休みは取れない」と拒否されトラブルになることもありますので注意したいですね。
有給休暇を取る場合、会社の有給休暇申請の書類やメールを提出しますよね。有給休暇申請の文書の書き方は、基本的には、自分の氏名と、有給休暇を取得する日だけが書いてあればOKです。
しかし、会社の書類のフォーマットでは、理由を書く欄がある事が珍しくはありません。また、書類を提出する際や、メールを送信した後に、上司に理由を聞かれることがほとんどです。
有給休暇の申請の書類に書く理由は、「病気」や「葬儀」「結婚式」などの冠婚葬祭の他、「私用のため」「私事」「家事都合」「旅行」などでOKです。
しかし、職場によっては、デートや旅行のようなプライベートな理由では、有給の申請をしにくい場合もありますし、通院などの理由を知られたくない場合もありますよね。
しつこく理由を聞くことは違法になりますので、話したくない場合は、ごまかしてもOKです。
また、冠婚葬祭は、誰にでもあることで、有給休暇が取得しやすい理由ですね。
平日が仕事の場合は、通院や検査、行政の手続きは平日に休みを取って行うことになりますので、こちらも有給休暇が取得しやすい理由です。その他にも、子どもの行事も、有給休暇の定番の理由です。
有給休暇を取る理由は、正直に伝えにくい場合は「私用」でOKです。有給休暇をスムーズに取るためには、余裕を持って申請しておくことも重要ですね。