ナイフやフォークを使って食事をするアメリカの食事マナーは、欧米のテーブルマナーと異なる点も多くあります。そこで今回はアメリカのテーブルマナーや食事する際の振る舞い方をご紹介します。
■全員が揃うまで待つ
大らかな印象のあるアメリカですが、他人と食事する際に気を付けたいさまざまなマナーがあります。
例えば、アメリカでは全員が着席してからナプキンを広げるのがマナーとなっています。ドリンク類に手を付けるのもNGとされていますので、注意したいですね。
また、全員がオーダーした料理が揃うまでは、食べ始めるのも待つことがマナーとされています。
ただし、食事会を開催した方に「待たずにみなさん召し上がってください」と言われた場合は、食べ始めるケースもあります。
ナプキンは半分に折り、折り目が手前に来るようにして膝の上に置きましょう。
テーブルマナーで気になるのがナイフやフォークなどのカトラリーの使い方ですよね。
アメリカで食事をする場合は、ナイフやフォーク、スプーンなどを使用します。ただし、ポテトは手で掴んで食べていいというアメリカらしいマナーもあります。
アメリカの食事マナーの基本は、ヨーロッパとは少し異なる点があります。
■ナイフとフォークを持ち替える
カトラリーは外側から使用し、左手にフォーク、右手にはナイフを持って食事をするのは共通です。また、各国の食事マナーでも多く見られますが、ステーキや魚など、一口では食べきれないものは、食べる時にその都度ナイフで切り離して食べる点も同じです。最初から一口サイズに全て切り離すのはやめましょう。
アメリカの食事マナーの場合は、食べ物を切り離したら、ナイフを置いてフォークを右手に持ち替えて、食べ物を口に運ぶのが一般的です。
しかし、最近では、ヨーロッパの食事マナーに影響され、フォークを持ち替えず、フォークを鉛筆のように持ち替えて食べ物をフォークの腹に乗せて口に運ぶスタイルもメジャーになってきました。食べ物を突き刺して食べたり、ナイフをなめるのはマナー違反ですので注意しましょう。
■食事中のサイン
ヨーロッパの食事マナーでは途中でナイフやフォークを置く場合、皿の上に「八」の字にしたり、少しクロスさせて置くのがマナーとされています。フォークの背を上にし、ナイフの刃が自分に向くようにして置きます。
しかし、アメリカの食事マナーの場合は、お皿の中ではなく、お皿の縁にナイフとフォークの先を掛けるようにして、八の字に置くのがマナーです。
■食べ終わりのサイン
ヨーロッパの食事マナーでは、食べ終わりのサインは、ナイフやフォークは揃えて時計の4時の方向か6時の方向に置きます。フォークの腹を上にし、ナイフの刃が自分に向くようにして置きます。アメリカの食事マナーの場合は、ナイフやフォークは揃えて時計の3時の方向に置きます。
パスタを食べる際は、スプーンは使わずにフォークのみを使用して麺をくるくると巻きつけて食べるのがマナーです。
日本とアメリカで共通している食べ方のマナーは、口の中に食べ物が入っている状態で話さないようにする事です。
■お皿の扱い方
お皿の扱い方には、日本とアメリカで食事マナーの違いがあります。
日本の食事マナーでは、食べ物を食べる際は、お茶碗などの食器を持ち上げるのが行儀の良い食べ方とされていますが、これはアメリカではNGマナーです。また、お皿に口をつけることもNGとされているので注意しましょう。
しかし、取っ手がついているスープのお皿などを持ち上げることは問題ありません。
また、食事中にカトラリーを持っていない方の手をテーブルの上に置くのもマナー違反とされています。カトラリーを持っていない方の手は、膝の上に置くようにしましょう。これも日本とは正反対のマナーですね。
■スープ
スープのような汁物の食べ方については、日本とアメリカで食事マナーに違いがあります。
日本では、スープや麺類などを食べる際に、音を立てることはマナー違反とされることもないですが、アメリカではマナー違反とされています。
また、味噌汁やスープを飲む時にかき混ぜてから飲むことが多いですが、これもアメリカの食事マナーとしてはNGです。アメリカではスープをかき混ぜずに飲みましょう。
スプーンを使う際には、手前から奥に向かうようにしてすくい上げて口に運ぶのがマナーとされています。
■パンやバケット
アメリカの食事では、パン類を一緒に食べることも多いですが、パンの入ったカゴは右回りに隣の人に渡していくのがマナーです。ただし、最初にパンの入ったカゴを取った人は自分の左隣の人にカゴを差し出し、パンを取ってもらってから右隣の人にカゴを渡しましょう。
パンは1口サイズにちぎってから口に運びましょう。
■調味料
日本では、食事が運ばれてきたら、すぐに醤油や塩、コショウ、一味唐辛子などをかける方も珍しくありませんが、アメリカでは、運ばれてきた料理は、まずは調味料をかけずに、そのままの料理の味を楽しむようにするのが食事のマナーです。
調味料を使いたい場合、調味料に手が届かない時は、調味料の近くに座っている人に取ってもらうようにします。塩とコショウはセットで渡すようにしましょう。
■お店の方を呼ぶ場合
お店の方を呼ぶ場合は、大声を出すのはNGマナーです。軽く手を挙げて、スタッフに合図するのがスマートとされていますね。
ナイフやフォークの使い方には、アメリカとヨーロッパでも色々な違いがありますね。また、アメリカと日本では、食事マナーで異なる点も多くあります。アメリカで食事をする際は、ぜひご紹介したマナーを意識してみてくださいね。