お通夜は急な知らせで急いで駆けつけるという事で「平服」で良いと言われますが、それでも服装はどうすればいい?靴は何を履いていけばいい?と迷ってしまいます。そこで、基本的な服装マナーをご紹介。失礼にならない服装とはどういったものなのかを確認しておきましょう。
お通夜とは、お釈迦様が亡くなった時にその弟子たちがお釈迦様を囲んで夜通し語り合ったのが始まりです。
そして、故人があの世への道を迷わずに進めるように、と夜が明けるまで道しるべとなるお線香やろうそくの火を灯し続ける「寝ずの番」をしながら故人を偲ぶ儀式のことをいいます。
昔は遺族や親しい人たちが集まって食事をしたりお酒を飲んで、故人が生きている時と同じように最期の時間を過ごすのが「お通夜」でした。
しかし最近は「葬儀」と同じように故人を追悼する会のような役割を持っていて、夜通しのお通夜ではなく1〜2時間で終わる「半通夜」を行う場合も多いようです。
■お通夜にだけ参列する
お通夜は一般的に夜、6時ごろから始まります。そのため日中仕事をしている人でも参列しやすいことから、お通夜だけに参列するという人が多くなっています。
生前、故人と深く関わりがあった、特にお世話になったという場合には葬儀に参列すべきですが、知人という関係であればお通夜だけでも失礼にはあたりません。
急な知らせで慌てて駆けつけるお通夜に、喪服を着ていくのは「準備していました」というようなものなのでNGだと以前は言われていました。しかし、今はお通夜だけに参列する方も多く最期のお別れをする機会となるので、喪服を着て参列する方が多くなっています。
■お通夜に参列する時の服装:女性
・黒や紺、チャコールグレーのスーツ
・礼服
・ストッキングは黒(肌色でも可)
■お通夜に参列する時の服装:男性
・黒のスーツ
・白シャツ
・ネクタイは黒
■お通夜に参列する時の服装:子供
・あれば制服
・黒や紺など暗めの色のジャケットやワンピース
・インナーは白
基本的にはスーツなど、手持ちの暗めの色の服装で大丈夫ですが、ボタンなどキラキラした装飾が付いたものやスカート丈が極端に短いものなどは避けるようにしましょう。
また、冬場のお通夜だとコートを着て行くことになります。できれば色は黒が良いですが、グレーや紺などでも素材が落ち着いた感じのものならば悪目立ちはしません。
普段使いと兼用するのもいいですが価格が安いものでもいいので、不幸があった時のために黒無地のコートを用意しておく、というのもいいかもしれません。
ブラックフォーマル テーラードジャケットアンサンブル / ¥41,040
黒い服は着ているけれどバッグや靴はいつも通り……それではマナー違反になってしまいます。喪服を用意しているという場合はバッグや靴も合わせて準備してあると思いますが、突然の知らせでそういったものが手元にない時もあります。
■仕事帰りにお通夜に駆けつける場合のバッグ
お通夜には、数珠や袱紗、財布に携帯電話など最低限のものが入るバッグを持って参列します。
・色は黒
・見えるところに金具がないもの
・光沢感がないもの
というようなものがベストです。もし、どうしてもない!という時には黒の紙袋で代用するという方法もあります。また、黒でもファーを使ったバッグは殺生をイメージさせるのでNGです。(フェイクファーも同じくNG)
■お通夜ではどんな靴を履けばいい?
・黒のパンプス
・飾りや留め具などに光るものが使われていないもの
・ツヤのある素材の靴やクロコダイルやパイソンのレザーはNG
また、斎場でヒールの音がうるさくならないようにピンヒールは避けて、低めの太いヒールのものを選ぶのがおすすめです。
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お通夜やお葬式では派手なメイクはNGです。とはいえ、その反対のノーメイクも失礼になるので普段よりも薄い「片化粧(かたげしょう)」をするのが正しい身だしなみです。
■片化粧のポイント
・ベースメイクは薄めでツヤ感はない方がいい
・ポイントメイクにはラメやパールのない薄めの色を使う
・口紅はなくてもOK
・チークも付ける場合はごくごく薄めに
全体的に薄めで、血色をよくしたりツヤを出すようなメイクを控えます。急な連絡でお仕事メイクのままお通夜に向かう場合など、緊急時にはティッシュで抑えて色味を薄くし、フェイスパウダーを乗せてツヤ感を抑えるようにします。
お通夜では、服装同様に清潔感のある髪型を意識しましょう。お辞儀をしたりお焼香の際に、髪の毛が邪魔にならないようにすっきりまとめます。
■お通夜の際の髪型のポイント
・前髪が長い場合は横に流してピン留めする
・ロングヘアは耳よりも下の位置で結ぶかお団子にする
・髪をまとめるために必要な場合には黒のヘアアクセサリーを使う
・パーマヘアは華やかな印象にならないようにまとめる
また、髪色が金髪に近いような色だったり、鮮やかなピンクやグリーンなどの色がついている場合にはできれば染め直すか上からスプレーをかけてトーンダウンするようにしましょう。
いつ何時お通夜に参列することになるかはわかりません。いざという時に慌てないように、クローゼットに喪服やバッグ、ストッキング、靴などをひと揃えにして用意しておくと安心ですね。