普段の食事で何気なく使っているお箸ですが、実は色々なマナーやNGマナーがあります。そこで今回は、お箸の使い方や置き方などの、基本のテーブルマナーをご紹介します。
洋食のナイフやフォークの扱いと比べると、身近な存在で、使う頻度も高いお箸は、改めてマナーを意識することは少ないですが、実は色々なマナーがあります。
特に、相手に不快な印象や、ガサツな印象を与えるようなお箸の使い方は「嫌い箸(きらいばし)」と呼ばれており、やってはいけない箸のマナーとして、さまざまな決まりがあります。
■お箸の取り方と置き方
お箸の取り方のマナーは、箸の先が左に来るように置いてありますので、右手で箸の右寄り辺りを上からつかんで持ち上げます。
次に、箸の下に左手を添えて支えながら、右手を箸の下に持っていきます。
箸を置く場合は、逆の動作を行うのが基本です。
■割り箸の場合
割り箸を割る際は、箸を横にして、膝の上で上下に引き離すようにして割るのがマナーです。ささくれは手で取り除きましょう。
■お箸のNGテーブルマナー
お箸の使い方については、幼い頃に教えられていて、何となく行儀が悪いことはわかっている方も多いと思います。
例えば、同じおかずばかりを食べる「重ね箸」や、箸を使って食器を引き寄せる「寄せ箸」は、基本のNGマナーです。
また、箸で相手を指すような「指し箸」や、食器の上に箸を置く「渡し箸」も嫌い箸です。
さらに、箸は2本が対になっているものですので、ちぐはぐな箸を使うのは避けましょう。箸で食べ物を口に運ぶ際に、こぼさないように手を口元に寄せて受け皿にする仕草も「手皿」と言われるNGマナーです。
■縁起が悪い事を連想させる嫌い箸
その他にも、箸と箸で、食べ物を渡し合う「箸渡し」や「合わせ箸」は、火葬後の骨を拾う場合と同じ動作ですので、縁起が悪いとされています。1つの食器の中で2人で料理をつかむ「二人箸」もNGマナーです。
また、「いただきます」と言ってお箸を持って拝むような仕草は、テレビでも見かけることがありますが、実はNGマナーの「拝み箸」です。
ご飯に箸を突き立てるような「たて箸」や「一本箸」も、お供えする食べ物を連想させるのが理由で、嫌い箸とされています。
■「迷う」仕草がNGマナー
また、
・食器の中の食べ物を探るような「探り箸」
・何を食べようか迷って箸をうろうろさせる「迷い箸」や「移り箸」
・一度箸で取り上げた食べ物を食べずに戻す「そら箸」
も嫌い箸です。
次に、食事中のお箸のマナーをご紹介します。
箸の使い方は、箸をクロスさせて食べ物をつかむのではなく、箸を横方向に平行にして持ち、人差し指側の上の箸を動かして食べ物をつかむようにします。親指側にある下の箸は固定させると使いやすいですね。
また、箸の先を汚すのは、五寸(3cm)程度に留めるのがマナーです。
■箸は箸置きに置くのが基本
お箸は、食事が終了したら、箸を箸袋の中に入れるのが食べ終わりのサインです。その他の場合は、毎回箸置きに置くようにします。
箸置きがない場合は、箸袋を折って箸置きにします。会席料理の場合は、折敷の端に置きましょう。食事が終わったら、箸置きの上に置くか、箸袋で箸の先を包みましょう。
和食の中には、お椀を持ち上げて食事を頂く場合も多いですよね。お椀を持ち上げて食事を頂く場合に、お椀とお箸のどちらを先に持ち上げればいいのか迷うと思いますが、まずは、お椀を左手で持ち上げましょう。
お椀を左手で持ち上げた後は、お箸を右手で上から持ち上げます。ここで、お椀を持っている左手の人差し指と中指で箸を挟んで、その間に、右手を箸の下へ滑らせて箸を持ち直しましょう。
しかし、汁物をいただく場合の最初の1口目は、箸を持たずに、両手でお椀を持ち上げてお汁をいただき、2口目にお箸を使います。汁と具を交互にいただくようにするのがスマートな和食のマナーですね。
3口目以降は、お椀の中に箸先を入れて汁をいただくようにすると、相手に箸先を向けてしまうことがありませんね。
食事中のお箸の使い方にも、NGマナーがたくさんあります。
例えば、箸についた食べ物を口で取る「ねぶり箸」や「なめ箸」、「もぎ箸」は、典型的な嫌い箸です。
また、食べ物を箸でつままずに、箸で刺して食べる「刺し箸」や、汁をぽたぽたと落としながら食べる「なみだ箸」も嫌い箸ですね。
ご飯を口に寄せ、お箸でガツガツとかきこむような「かきこみ箸」もNGマナーです。
誰かと料理をシェアする場合、取り箸がないと、自分の使っている箸で食べ物を取る「直箸」は、抵抗がありますよね。しかし、箸の反対側を使って、取り箸とするような振る舞いも、実はNGマナーです。
お店の方に取り箸をお願いするか、断りを入れて自分の箸で食べ物を取るようにしましょう。
お箸のテーブルマナーは、NGマナーとされる「嫌い箸」が多くあります。身近な物だからこそ、マナーを守った使い方をして、相手に不快な思いをさせないようにしたいですね。