葬儀が終わって初めて行われる法要が初七日。いざ参列するとなると、服装は喪服でいいのかどうか悩んでしまいますよね。そこで今回は、初七日の意味や知っておきたいマナーなどの基本、遺族や参列する側それぞれの服装についてご紹介します。
【目次】
仏教では、故人が亡くなって死後七日目に「初七日」という追善法要を行います。人は亡くなって四十九日の間は魂がこの世をさまよっているとされていて、初七日は故人が無事に極楽浄土にたどり着くことができるようにと供養する法要にあたります。初七日法要は遺族や親族、故人と親しかった知人や友人のみで行われます。
初七日は、本来なら故人が亡くなった日から七日目に行われます。ただ最近は、遠方からの参列者が多いこともあって、葬儀と同じ日に初七日を行うことが多くなっています。
葬儀と同日に行われる初七日法要には2種類あって、火葬前に行われる法要は「繰り込み法要(式中初七日)」、火葬後に行われる法要は「繰り上げ法要」と呼ばれています。「繰り込み法要」は葬儀の参列者がそのまま参加するのに対し、「繰り上げ法要」では火葬前に一旦解散となり、近親者だけで初七日を行う場合が多いようです。
初七日では、法要の後に精進落としという食事会が行われます。精進落としは喪主が僧侶をはじめとするお世話になった方をねぎらうという意味もあります。初七日は法要の後に精進落としの食事会が行われるので、読経から焼香、精進落としまでで約2時間から3時間ほど時間がかかります。
喪主や遺族の方が初七日で着る服装は、葬儀と同日の場合は当然喪服のままで大丈夫です。初七日が葬儀とは別の日に行われる場合も、やはり喪服を着用します。喪服は、黒無地の長袖ワンピースやスーツ、アンサンブルなどの正礼装か準礼装が望ましいとされています。
フレアワンピースとノーカラージャケットのセットアップは、シンプルなデザインや上質な素材感が遺族にふさわしいきちんと感のある雰囲気を演出。スカートの丈感は膝が隠れるものを選ぶのが服装マナーの一つです。
初七日が葬儀と同じ日に行われる場合の参列者の服装は、葬儀で着用した喪服のままで大丈夫です。喪服は黒のワンピースやスーツ、アンサンブルなどを。靴も黒でシンプルなもの、ヒールは低めで細くないものを選びましょう。ストッキングも黒で柄入りのものは避けましょう。
初七日が葬儀とは別の日に行われる場合の参列者の服装は、略式の喪服で大丈夫です。格が落ちてもいいとは言っても、普段私服で着るようなワンピースは避けましょう。ワンピースやスーツは、黒以外ならグレーや濃紺などでもOKです。
グレーのワンピーススーツなら、グレーの色味はダークなものが◎。バッグや靴、ストッキングを黒で揃えて、初七日に相応しい装いにまとめましょう。
初七日に持参するバッグは、黒で装飾の少ないシンプルなデザインのもの、素材感はマットなものを選びましょう。アクセサリーは結婚指輪以外は避けてください。ネックレスはパールやブラックパールのような控えめなもののみOKです。
初七日では遺族の方に失礼のないようにマナーを守って参列しましょう。香典を渡す際には、「謹んでお悔やみ申し上げます」「この度はご愁傷様です」といった短めの挨拶を添えましょう。
喪主の方の参列者へ向けた挨拶は、初七日に参列してもらったことへの感謝や故人への思い、精進落としの案内などを聞く側の負担にならないように短めにまとめて述べましょう。
初七日の精進落としの食事会では、座る席順に気をつける必要があります。僧侶は上座に座っていただき、下座に喪主が座ります。精進落としは僧侶や参列者をもてなす食事会なので、喪主や遺族は末席に座るようにしましょう。
初七日に参列する際は着ていく服装はもちろんですが、持参する香典やお供えものにも気を使いますよね。香典にいくら包んだらいいのか、お供えものも持参した方がいいのか悩んでしまいます。
初七日が葬儀と同じ日に行われる場合も、香典は葬儀分とは別に用意します。ただし初七日の香典は、葬儀の香典の半額が目安です。香典の金額の相場は、故人との関係や年代に応じて変わります。個人が祖父母の場合は5千円~3万円、親や兄弟なら1万円~5万円、そのほかの親戚や友人・知人、恩師などの場合は3千円~1万円までが相場です。
初七日にはお供えものを必ず持参する必要はありませんが、もし用意するならお菓子や果物を選びましょう。初七日のお供えものは、仏前に供えた後にばらして参列者で持ち帰る風習があるので、小分けしやすいものが向いています。
初七日は故人が亡くなってから間もない頃に行われる追善法要なので、葬儀と同様に喪服などの礼装を着用する必要があります。参列する際には、遺族の方に失礼のないようにマナーなどもしっかり守りましょう。