スキンケアで最も大切だとされているのが、肌の保湿です。保湿にはどんな意味があるのか知っていますか?保湿をすることで、長年悩まされてきた肌トラブルから解放される可能性もありますよ。正しい保湿のやり方やおすすめの保湿アイテムをご紹介します。
保湿というものは、肌の水分を保ち油分で蓋がされている状態のことを言います。では、どういったメカニズムで肌の水分を保ち、油分で蓋をしているのかについて、詳しくご紹介します。
■保湿とは角質層に水分が保たれている状態
保湿とは、角質層に十分な水分が保たれている状態のことを言います。角質層は約80%がたんぱく質でできていて、約20%が水分を含んでいます。この20%の水分がしっかりと保たれた状態になることが、保湿された肌であるといえます。
保湿された肌になると、肌のキメが整い、ハリやツヤ感も感じられるようになります。これが一般的に言われている美肌の状態です。
■保湿は3つの要素でできている
保湿するということは、水分が保たれた肌状態を指します。肌が保湿された状態を保つためには、3つの要素が関係しているといわれています。それは、肌のバリア機能とされているNMF(天然保湿因子)、皮脂膜、角質細胞間脂質の3つです。
NMF(天然保湿因子)は、肌に潤いを蓄え、肌の弾力を保つ役割をしています。皮脂膜は、皮脂と汗が混ざってできた膜のことで、自ら水分の蒸発を防ぐクリームの役割をしています。角質細胞間脂質とは、主にセラミドのことで、角質細胞と角質細胞の間を埋めることで、水分の蒸発を防ぐ役割をしています。
このように、NMF(天然保湿因子)によって肌に潤いを保ち、角質細胞間脂質が隙間を埋め、皮脂膜によって水分の蒸発を防ぐことで、保湿が成り立っているということなのです。
保湿について詳しく説明してきましたが、これはもともと肌に備わっている保湿の機能です。しかし、保湿の3大要素は様々な原因で減少していきます。肌の保湿力が不足してしまう原因についてご紹介します。
■加齢
肌の保湿力が減少していく原因で、最も関わってくるのが加齢です。年齢を重ねることで、肌の生まれ変わりであるターンオーバーは段々と遅れてきます。ターンオーバーが遅れることによって、保湿の3大要素が作られにくくなります。
特にNMF(天然保湿因子)と角質細胞間脂質が減少すると、肌の水分不足に繋がるといわれています。
■洗いすぎ
肌の保湿力は、肌を洗いすぎることによって不足してしまいます。早い人だと10代からメイクをし始めますよね。メイクをすることで、クレンジングをするようになります。クレンジングは、最も肌にダメージを与える行為だといわれています。
クレンジングや洗顔などの落とすケアをすることで、必要な皮脂まで洗い流してしまうことになります。その結果自分の油分で肌に蓋をすることができなくなり、保湿が十分にできなくなってしまいます。
■紫外線
紫外線が肌に与えるダメージは、とても大きいです。紫外線はシミの原因になることでは知られていますが、肌の水分不足にも大きくかかわっています。紫外線が肌に直接当たることで、肌をバリアしている機能が破壊されることがわかっています。
■ターンオーバーの乱れ
ターンオーバーとは、皮膚細胞の生まれ変わりのこと。肌は表面から表皮、真皮、皮下組織という3つの層で構成されていますが、ターンオーバーは表皮で行われます。
表皮の一番奥にある基底層で作られた新しい細胞は、少しずつ表面へ押し上げられ、やがて垢や古い角質として剥がれ落ちて新しい細胞と入れ替わります。この仕組みがターンオーバーで、通常28日程度の周期で行われます。
しかし、生活習慣の乱れや喫煙、過度の飲酒、紫外線、加齢、便秘などの影響を受けるとターンオーバーのリズムが乱れます。ターンオーバーが遅くなると、保水力のない古い角質が肌の表面に残るため、保湿不足に陥るでしょう。
反対に、ターンオーバーが早くなれば、未熟な細胞が肌の表面に押し上げられて細胞間に隙間ができ、肌から水分が逃げていきます。
■間違ったスキンケア
クレンジングや洗顔、コットンを使ったスキンケアなどで肌に強い刺激を与えると、角質層が傷ついてターンオーバーのリズムが乱れ、保湿不足になることが多いです。
また、乳液やクリームを使わず、化粧水だけで保湿ケアを終えると、化粧水で与えた水分が蒸発します。さらに、洗顔後や入浴後、すぐにスキンケアをしなければ、肌からどんどんと水分が逃げて保湿不足に繋がります。
熱いお湯を使った洗顔やクレンジングにも注意が必要です。熱いお湯で肌を洗うと、汚れと一緒に天然保湿因子(NMF)や細胞間脂質、皮脂も流れ落ちるため、保湿された状態を保てません。
■乾燥
肌を保湿する天然保湿因子(NMF)や皮脂は加齢とともに減少します。これらが減るとバリア機能が低下するため、肌が外部の刺激に弱くなることが多いです。バリア機能が低下している時に、空気の乾燥の影響を受けると、肌の潤いも奪われて、保湿不足になります。
肌の保湿機能についてご紹介してきました。肌の保湿機能は、色々な状況で失われていってしまいます。そこで、失われた保湿機能を補うものが、スキンケアです。水分を肌に取り入れ、油分で蓋をすることで、元々の保湿機能を補う役割をしてくれます。保湿重視のスキンケアをする上で、必要になるポイントをご紹介します。
■シンプルなケアをする
保湿重視のスキンケアでは、シンプルなスキンケアが最も効果的です。たくさんのスキンケアを肌に乗せてしまうと、水分や油分が偏りやすく、水分が蒸発しやすくなったり、ニキビができやすくなったりしてしまいます。さらに肌に触れることで、肌が刺激や摩擦を感じやすくなり、バリア機能を壊しやすくなってしまいます。
■時間をかけて丁寧に入れる
保湿をする時は、丁寧にスキンケアを行うと良いでしょう。化粧水を入れる時は、手のひらやコットンにとり、優しくプッシュするように入れることで浸透しやすくなります。クリームや乳液も手のひらにとり、優しく肌を包み込むようにプッシュすることで、肌に浸透しやすくなります。
化粧水と乳液は3分ほど間を空けることで、混ざり合うことなく浸透することができます。
■セラミドやヒアルロン酸、コラーゲンがおすすめ
保湿ケアにおすすめのスキンケアは、セラミドやヒアルロン酸、コラーゲンです。これらは3大保湿成分と言われています。セラミドは肌に元からある細胞間脂質なので、肌に馴染みやすいです。
ヒアルロン酸は元々真皮に存在している成分で、保水力がとても高いです。コラーゲンも真皮に元々存在している成分で、肌に弾力を与えることができます。保湿ケアに迷ったら、この3大保湿成分を選ぶことをおすすめします。
普通肌は、肌の水分と油分のバランスが整った状態。理想の肌なので、保湿スキンケアで現在の状態をキープしましょう。
■季節に合わせてスキンケアを変える
普通肌さんは肌トラブルが少ないですが、季節や体調によって肌が乾燥することもあります。大気が乾燥しやすい冬などには、保湿力の高いクリームを多めに使って、肌の潤いをキープしましょう。
■負担が少ないクレンジングを使う
毛穴汚れや皮脂が気になる場合も、クレンジングでゴシゴシと肌を擦るのはNG。ターンオーバーのリズムが乱れたり、肌の潤い成分が流れたりして、保湿不足に陥ります。
普通肌さんは、ジェルやバームなど肌への負担が少ないタイプのクレンジングを使って肌状態をキープしてください。
脂性肌は、肌の水分と油分が多い状態。テカリや化粧崩れ、ニキビ、毛穴の黒ずみなどのトラブルが多いです。正しい保湿スキンケアをして、水分と油分を理想の量に近づけ、肌状態を整えましょう。
■皮脂を取りすぎない
脂性肌さんはテカリやべたつきを取るために、一日に何度もクレンジングや洗顔をする人が少なくありません。また、テカリや化粧崩れが気になる時にあぶらとり紙を使う人も多いです。
しかし、クレンジングや洗顔をやりすぎたり、あぶらとり紙を使ったりすると、肌が必要としている皮脂まで奪われます。皮脂が不足すると肌を守るために、過度に皮脂が分泌されるため、さらにテカリやべたつきが酷くなります。
脂性肌さんも、クレンジングや洗顔は一日に2回までにとどめ、テカリやべたつきが気になる時は優しくティッシュオフしましょう。
■化粧水だけで保湿スキンケアを済ませない
脂性肌さんは保湿スキンケアを控えがち。化粧水だけで保湿を済ませている人も珍しくありません。ところが、化粧水だけでスキンケアを終えると、化粧水で与えた水分が肌から蒸発してしまいます。
化粧水を塗り終わったら、乳液やジェル、クリームなどで肌に蓋をして潤いを守りましょう。べたつきが気になる時は、皮脂を軽くティッシュオフしながら基礎化粧品を使うと快適にスキンケアできます。
乾燥肌は、肌の水分と油分が少ない状態。かさつきや小じわ、乾燥による大人ニキビ、皮むけなどのトラブルが起こりやすいです。スキンケアで保湿して、ツヤのある美肌を目指しましょう。
■保湿力の高いアイテムを使う
乾燥肌さんは、こっくりとしたクリームや美容オイルなどの保湿力が強い基礎化粧品を使いましょう。しっかりと水分と油分を与えると、なめらかな美肌に繋がります。目元や口元などの特に乾燥しやすい部分は、専用の美容液やクリームを塗るのもおすすめです。
■ミルククレンジングを使う
乾燥肌さんは、メイク落としの際に肌の保湿成分を奪わないように、洗浄力が低めのミルクタイプのクレンジングを使うのがポイント。アイメイクやリップメイクなど、落ちにくいメイクはポイントメイクリムーバーでオフしてください。
混合肌は、肌の水分が少なく油分が多い状態。テカリと乾燥が同時に目立ったり、肌が敏感になったりすることが多いです。保湿スキンケアで水分と油分のバランスが整えば、理想の肌に近づけます。
■肌状態に合わせてケアをする
混合肌さんはまず、どこが乾燥していてどこに皮脂が多いのかチェックしましょう。乾燥している部分は、クリームを重ね付けしたり、バームを使ったりして重点的に保湿してください。
一方、皮脂が気になる部分はティッシュオフしてから、化粧水や乳液などで保湿しましょう。
■刺激に注意する
混合肌さんは、バリア機能が低下して肌がデリケートになりやすいです。そのため、洗顔時や化粧水を塗る時に肌を擦らないように気を付けましょう。さらに、肌に刺激を与える紫外線の対策を徹底することも大切です。
ETVOSのモイスチャライジングローションは、保湿に特化した化粧水です。グルコシルセラミドやヒアルロン酸など、高保湿の成分が配合されています。低刺激で敏感肌でも使うことができます。
ETVOS モイスチャライジングローション / ¥3,456
菊正宗クリームは日本酒配合のクリームです。3種のセラミドとアミノ酸配合で、潤いのある肌へと導きます。コクがあるのにべたつきにくい使い心地で肌をしっかりカバーします。
菊正宗 日本酒のクリーム / ¥1,015
保湿について詳しくご紹介しました。保湿という言葉は当たり前のように聞いていても、なぜ保湿ケアが必要なのか、ということについて考える機会はなかなかないですよね。乾燥肌に悩んでいるという人は、ぜひシンプルな保湿重視のスキンケアに変えてみることで、様々なトラブルが解決するかもしれないので、ぜひ試してみてくださいね。