「引き出物」は、法事に参列した方に対して、お礼の気持ちとして手渡されるものですが、相場や品物など、マナーが分からないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、法事での引き出物マナーについてご紹介します。
【目次】
故人のご冥福を祈ってご供養を行なう法事では、守るべきマナーがいくつもあります。
その中でも引き出物は、法事に欠かせない品物なので、しっかり準備をしておきたいところですよね。
法事の引き出物とは、四十九日、一周忌、三回忌などの法要の際に、遺族の他にも親戚や知人などを招いて行ったとき、参列して頂いた方にお礼の意味を込めて、手土産をお渡しするものです。
ご参列頂いた方から頂くお香典のお礼として、感謝の意味を込めてお返しする返礼品ということになります。
では、この引き出物は、具体的にどれくらいの金額のものを用意すればいいのでしょうか。
引き出物の金額は、一般的に半返しだと言われています。
しかし香典はその場で確認することができないので、昔から3,000円~5,000円前後の品物を選ぶことが多いようです。
法事の香典の相場は、法要後に料亭などで会食がない場合は1万円程度、会食がある場合は1~3万円とされているので、3,000円~5,000円くらいであれば香典の額の3分の1から半額くらいになり、失礼になることはありません。
■法事でいただいた香典が高額だった場合は?
高額だった場合は、引き出物の金額にプラスして、香典の額の3分の1から半額くらいになるように、追加で後日郵送や宅配便などで品物を送るようにするといいですよ。
法事の引き出物の相場が分かっても、どのような品物を選べばいいのか悩みますよね。
その際は、次の3点に着目しながら法事でお配りする引き出物を選んでいきましょう。
■消えるのも
法事の引き出物で定番なのは、「消えもの」と呼ばれる品物です。
繰り返さずに一度限りという点から、食品や洗剤、せっけん、焼き菓子といったお菓子やお茶など、使ったり食べたりしたらなくなるものを選びましょう。
■日持ちするもの
消えるものであっても、日持ちしない食べ物などは避けましょう。
消えるものではありませんが、タオルやハンカチなど消耗品として実用的なものも人気です。
■かさばらないもの
参列した方は引き出物を持って帰ることになるので、参列者側の気持ちを考えてかさばらないものにするのも◎。
最近ではカタログギフトが人気で、かさばらないですし、自分で好きなものを選ぶことができます。
また、カタログギフトのように自分で選ぶことができ、かさばらない引き出物として、商品券を選ぶ方も増えているようです。
ただし、特定の店舗でしか使用できない商品券だと困ってしまうので、全国百貨店共通などの商品券を選ぶことがおすすめですよ。
相場や品物だけでなく、そのほかにも法事の引き出物マナーで覚えておきたい点があります。
まずは、水引の選び方です。
法事の引き出物での水引は、黒白あるいは双銀の結び切りが一般的になります。
関西では、四十九日以降の法事では、黄色と白の水引を使うこともあるそうなので、事前に確認をしておきましょう。
また、引き出物をくるむ包装紙は、白、黒、グレーといった落ち着いた色と柄を選ぶようにしてください。
法事の引き出物を扱うお店であれば、法事用の包装紙を準備してくれているので、その中から使いたい包装紙を選ぶようにするといいですよ。
法事の引き出物マナーでは、のしの書き方も注意してみてください。
のしの表書きは、「志」を記載するのが一般的のようです。
しかし、西日本など地域によっては、「粗供養」と記載する場合もあります。
さらにのしを書くときには、四十九日の法要を境として、墨の色を変える必要があるのです。
初七日の法要では薄い墨で「志」と書きますが、四十九日以降の法事では、普通の濃い墨で書くようにしましょう。
のし下の名前は、施主の苗字を記入すれば完璧です。
法事の引き出物は、会食が終わった後など、法要の帰りに渡すのが一般的です。
もしも、ご欠席でご香典のみ送って頂いた方や他の方にご香典を預かってきて頂いた場合は、個別に送るようにします。
また、法事の引き出物は参列者全員に用意をしますが、僧侶の分も用意するのが一般的です。
僧侶の分の引き出物を用意しない場合は、お布施を多めに渡すようにするといいですよ。
僧侶に法事の引き出物を渡すタイミングは、法要が始まる前、もしくは法要が終わった後に渡すといいでしょう。
法事の引き出物のマナーについてご紹介しました。
頻繁にないことですが、法事でのマナーを身につけておくことは今後も役に立ちます。
ぜひ法事の引き出物に困ったときは、参考にしてくださいね。