社会人におすすめのお稽古と言えば「華道」!大人の女性として、華道を習い品のある振る舞いを身につけませんか?そこで今回は、華道の身だしなみマナーから生け花の必要な持ち物、道具、教室の探し方までご紹介します。
【目次】
まず「華道」とは、「生け花」という呼び方でも知られる日本の伝統文化です。詳しくは、『日本の四季折々の樹々や草花を花器に挿し鑑賞する』ことを華道といいます。稽古を重ねることにより、自らの美しい心を磨き上げることができ、凛とした佇まいが自然と身につくところが、華道を習うことのメリットだと言えるでしょう。
花々は、その可愛らしく美しい存在があるだけでも心地よい空間を作り上げるとして、太古の時代から取り入れられている存在。あなたもこの機会に、華道を始めて清らかな心を手に入れてみてはいかがでしょうか。
実は華道は、社会人におすすめのお稽古。というのも、そもそも華道、茶道のような「◯道」には、『その道を通じて内面を高めて人間的に成長する』という意味があります。その中でも華道は、お稽古を重ねることによって「直感力」「決断力」「想像力」のようなビジネスに通ずる力が身につくため、社会人にぴったりだと言われているのです!
特に経営やマネジメントでは、自分の考えからブレずにスピーディーに判断する力が必要。お花一本一本の状況を捉え、全体のバランスを取りながら調和させるという華道で身につけられる力こそが、ビジネスシーンで求められる力の一つだと言っても過言ではないでしょう。
華道の服装というと、着物をイメージされる方も多いかと思います。しかし実際には、基本的には着物を着用する必要はありませんし、お稽古ではどのような服装でも結構です。ただし、教室によっては正座をして生けるケースもありますので、脚を曲げて座りやすいものを選ぶと良いでしょう。特にジーンズのような硬い生地は正座をしにくいので、できる限り避けてください。
また、華道の服装は何でも良いとは言えど、ラフすぎるスタイルは好ましくありません。お稽古では畏まり過ぎる必要はありませんが、最低限大人としてのマナーのある着こなしを心掛けましょう。例えば白ブラウスに黒のテーパードパンツを合わせたように、程よくきちんと感のあるコーディネートなら、周りに悪い印象を与える心配もありません。
まず華道には、『三大流派』というものが存在します。それが「池坊(いけのぼう)」「草月流(そうげつりゅう)」「小原流(おはらりゅう)」の、三つの規模が大きい流派。初心者が初めて生け花を習うのなら、この内のいずれかの流派が良いと言われています。
三代流派にもそれぞれ違った特徴がありますが、教室選びで最も重要視すべきなのが「先生」と「作品」です。その先生に習ってみたいかどうか、その先生のもとでうまくやっていけるかどうかは非常に重要なポイントとなりますし、もちろんその教室の作品の雰囲気が自分好みかどうかも、お稽古を長く続けられるかという点に大きく関わってきます。したがって教室選びの際には、流派を知った上で教室の先生との相性、作品へのインスピレーションを大事にしてください。
ここで、生け花に必要な道具をご紹介します。まず一つ目にご紹介するのが、「花鋏(はなばさみ)」です。こちらは生け花に絶対不可欠な道具の一つであり、花や草木を切る専用のはさみ。普通のはさみと比べると、刃よりも柄の方が長いところが特徴的だと言えます。
花鋏は安いものだと二千円台から購入できますが、長く使いたいならそれなりの価格のものを選ぶことをおすすめします。というのも、価格の良いものは切れ味が良く手への負担が少ない上に、物持ちも良いからです。もしも長く華道を続けていくおつもりであれば、リーズナブルな価格のものを選ぶのは避けましょう。また、中には花鋏を用意している教室もありますが、「自分のものを用意して」というスタンスの教室もあるので、一つ持っておくと安心です。
二つ目にご紹介するのが、「剣山(けんざん)」です。剣山とは、鉛の土台に釘が打ち込まれているもので、明治時代末ごろから取り入れられたもの。作品を完成させるにあたって重要な役割を担っているため、作り上げたいイメージに合う適切なものを使う必要があります。形は丸型から角型、そして針足も、長く目が詰まったものから短く目が粗いものまで様々なので、留める花々や樹々に合わせて選ぶと良いでしょう。
剣山は、大きさ、高さ、型、色、針の種類などから、その作品に適したものを選びましょう。また、自由花では剣山以外にも、吸水性スポンジが用いられることがあります。こちらは花器のサイズに合わせて切り取り、給水して花材を挿すもの。何度も使い回せるわけではありませんが、四方から花を挿せるところが魅力的なポイントです。
三つ目にご紹介するのが、「花器(かき)」です。この花器とは、花を生けるための器の総称であり、材質は金属から陶器、プラスチック、木々など様々。型も、筒、鉢、筒かごなどと色々なものがあります。この花器は教室で用意される場合もありますが、持ち帰った花材を自宅で生け直すことを考えて、自前のものを用意しておくことをおすすめします。
華道初心者の方は、それぞれの流派が推奨しているシンプルな花器を選ぶと失敗しません。慣れると花材や作品の雰囲気に合わせてイメージの幅が広がるため、その際に花器を買い足すと良いでしょう。また、生ける花の高さや色に合わせて花器を選ぶのも大切。花材だけではなく花瓶までが作品の一つとして考え、適した花器を選んでください。
四つ目にご紹介するのが、「花袋(はなぶくろ)」です。こちらは生け花の花材を持ち運ぶための専用袋であり、華道を習うにあたってご自身で用意しなければならないもの。基本的には、布製やビニール製で縦に細長いようなデザイン、そして持ち手となるような細い紐がついているものがほとんどです。
この花袋は値段もデザインも様々ですが、初心者の方は安いものを選んでも良いでしょう。例えば小さめの防水布の袋に取っ手がついたようなデザインのものは、数百円で購入することが可能です。お稽古に通っていくにつれて自分に必要なサイズ感、そして使い勝手の良さが分かってきますので、慣れてきてから良いものを購入することをおすすめします。
五つ目にご紹介するのが、「お稽古バッグ」です。こちらは必ずしも必要というわけではありませんが、もしも着物姿で華道を楽しまれる場合には、用意しておくと良いでしょう。和柄で落ち着いた色合いのものだと、着物姿から浮く心配はありません。荷物が多い方は、マチのあるしっかりとした作りのトートバッグ型を選ぶことをおすすめします。
私服で華道に通う方は、普段お使いのカバンを使用しても問題ありません。ただしリュックサックのようなカジュアルなカバンは、教室の雰囲気に合わない可能性が高いため避けておいた方が無難でしょう。きれいめなハンドバッグに花袋、といった組み合わせが安心です。
ここで、華道を習うにあたってあると便利な道具をご紹介します。
■生け花であると便利なもの
・水差し(水やりをする道具)
・水揚げ剤(お花を長持ちさせるもの)
■花材を留めるためにあったら便利なもの
・接着剤
・針金
・オアシス(花を挿すスポンジ)
初心者のうちはまだまだ必要性を感じないかもしれませんが、これらも用意しておくと安心。華道を長く続けるご予定ならば、これらも揃えておくと良いでしょう。
いかがでしたか?今回は、華道の身だしなみマナーから生け花の必要な道具、教室の探し方まで一挙ご紹介しました。華道というと敷居が高く感じる方も多いかと思いますが、案外そのようなことはありません。決して堅苦しいお稽古ではありませんし、初心者でも気軽に取り組むことができるので、この機会に華道にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。ぜひ華道を習い、あなたも清らかで美しい心を身につけてください!