家庭裁判所への出廷を前にして、服装にお悩みの女性も多いはず。マナーのある着こなしで、好印象を与えつつ難なく調停を進めたいところです。そこで今回は、家庭裁判所の基本情報からおすすめの服装まで、チェックしておきたいポイントを徹底解説します。
【目次】
そもそも「家庭裁判所」とは、どのようなところなのかご存知ですか?まず家庭裁判所は、家事事件と少年事件を専門的に扱う裁判所です。この「家事事件」とは、家庭に関する事件を指し、離婚や扶養、遺産分割のような夫婦、親族間の紛争や未成年者の養子縁組の許可、後見人の選任などの事件が挙げられます。
さらに「少年事件」とは、20歳末満の罪を犯した非行少年、または罪を犯す恐れのある少年などの事件です(この場合の少年とは男女の両方を指す)。もともと家事事件と少年事件は、それぞれ別個に扱われていました。しかし両事件は同じ『家庭』に関する問題であり、どうちも法律だけではなく心理学、教育学、医学などの科学的専門的な見地から、それぞれの問題に合った措置が必要であることから、「家庭裁判所」という一つの裁判所として確立しました。
具体的に、家事事件にはどのような種類があるのか気になるところ。まず家事事件は「審判事件」と「調停事件」に分かれており、審判事件は、さらに「甲類事件」と「乙類事件」に分類されます。
■家事事件ー①審判事件(1.甲類事件 2.乙類事件)
②調停事件
調停事件は家庭に関する事件で、主に夫婦関係の調停や離婚問題などが代表的。このような問題は、原則訴訟を起こす前に、家事調停を減ることとなっています。
審判事件に含まれる甲類事件は、子の氏の変更や養子縁組の許可など、当事者が争うのではなく審判によって処理されるもの。乙類事件は、親権問題や養育費の請求、遺産分与などで当事者間の話し合いの上での解決が期待されるのですが、調停が不正立の際に審判事件として処理されるものです。
まず家事裁判の申し立てをするには、事情などの一定の事柄を記載した「申立書」を家庭裁判所に提出する必要があります(相手方の住所のある地区を受け持つ裁判所へ)。その後、裁判所は適切な調停準備日を定めて「呼出状」を申立人に送るので、そちらに従ってください。
調停の日には、調停調査員が中立公正な立場で、双方から個別に主張を聴きます。双方の主張を整理して合意に至れば、「調停成立」となり「調停調書」を作成。不成立の場合には、審判で決めるか、もしくは新たに訴訟手続きが必要になるケースがあります。また、調停・審判の内容によって異なるものの、一般的に調停事件では約5カ月、甲類審判事件で約1カ月、乙類審判事件で約10カ月かかるとされています。
ここでは、調停においてやってはならないことを解説します。調停で不利にならないよう、最低限気を付けるべきポイントをチェックしましょう。そこでまず誰もがやってしまいがちなのが、「感情的になって主張する」ということですが、調停員にマイナスイメージを与えてしまうので控えてください。さらに「自分を正当化して相手を非難する」のも、あなたも印象が悪くなるだけですのでやめましょう。冷静になって主張をするのが、何よりも大切なポイントです。
もちろん、「嘘をつく」のも絶対にNG!嘘をつくとどこかで話の辻褄が合わなくなりますし、必ずバレます。そのような失言はあなたの信頼度を下げるだけであって、調停で不利になってしまうので、十分にお気を付けください。
調停の際には、何を持っていけば良いのか気になるところ。そこでここでは、圧倒的に多い「離婚調停」で最低限必要な持ち物をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。事前にチェックして、忘れ物のないように調停前日までに揃えておきましょう。
■調停で必要な持ち物
・調停申立書の写し
・離婚調停の呼び出し状
・身分証明証
・メモ用紙、筆記具
・認め印(提出する書類のほとんどに印鑑が必要)
・自分の銀行口座のメモ(結果的に金銭を支払ってもらう場合、用意しておくと安心)
調停の場では、誠実かつ真摯な態度をアピールする必要があります。そこで重要となってくるのが、ズバリ「話し方」。どんなに身だしなみをきちんと整えていても、信頼性のない話し方では印象が悪くなってしまい、調停が不利に働いてしまうかもしれません。
そこでまずは、しっかりと調停員の顔を見て、冷静にゆっくりと話を進めてください。そうすることで説得力が生まれますし、グッと主張に自信が感じられます。さらに重要なのは、きちんとした言葉遣いを心がけること。方言もできる限り避け、丁寧な喋り方を意識しましょう。言葉遣いは人間関係や信頼度までに影響を及ぼしますし、あなたの印象を左右する大切な要素なのです。
ここからは、家庭裁判所を訪れる服装としておすすめできるコーディネートを、具体的にご紹介します。まず何よりも大切なのは、「清潔感のある身だしなみ」を心掛けること。人はどうしても、相手の第一印象を『見た目』から判断してしまいます。中でも服装は目につきやすい上に、あなたの性格や生活態度が表れる部分でもありますので、だらしない身なりなどをしていては、マイナスイメージであることは言うまでもありません。
そこで家庭裁判所で無難なのは、スーツスタイル。もちろん私服でも問題ないのですが、きれいめな衣服をお持ちでない方は、スーツで足を運んでください。シワやシミがないか、ヨレていないかしっかりとチェックして、清潔感のある身だしなみを意識しましょう。
もちろん家庭裁判所には、私服で足を運んで問題ありません。ただしきちんと感のある、きれいめなスタイルを意識してください。ラフな普段着やカジュアルすぎる着こなしでは、第一印象から悪いイメージを抱かれるかも。厳粛な場ということをわきまえ、大人の女性らしい着こなしにまとめましょう。
例えば、ベージュのブラウスに黒のタック入りテーパードパンツを合わせて、品のあるコーディネートに。ベージュ×黒のツートーンは、きれいめな雰囲気に加えて女性らしさ、そして清楚感まで演出することができるので、悩んだらこちらの配色を心掛けることをおすすめします。
肌寒い季節には、ジャケットをさらっと羽織って印象アップ!もちろん室内に入ったら脱ぐのが礼儀ですが、それまではジャケットスタイルでかっちりとした印象を引き立てると良いでしょう。
例えば、黒のカットソーに紺のスラックスを合わせて、スタイリッシュなコーディネートに。さらに紺のジャケットを合わせ、私服でもスーツ風のきちんとしたスタイルにまとめてみてください。足元はヒール靴だと華美になってしまう可能性があるため、トラッドなローファーやフラットなパンプスをチョイスするとOK。
家庭裁判所では、華美な服装はふさわしくありませんのでご注意を。あくまでもきちんとした場ですので、派手な衣服、肌の露出のある服装など、場をわきまえられていないような、目立つコーデは控えてください。もちろん色物を着こなすのは問題ありませんが、淡く主張が強くないものを選ぶと安心です。また、金銭面が絡んだ事件であれば特に、調停の際にブランド品を持つのは避けましょう。
例えば、淡いピンクのブラウスに、黒のタイトスカートを合わせたコーディネート。タイトスカートはひざ下丈であれば、品良くきれいめな印象を与えることができます。また、スカートを履く場合には、ベージュのストッキングを着用してきちんと感を引き立てましょう。
いかがでしたか?今回は、家庭裁判所の基本からおすすめのコーディネートまで一挙ご紹介しました。家庭裁判所では、基本的にマナーのあるきれいめなスタイルにまとめたらOK。ハイブランド品は極力避け、派手な服装や肌を露出した服装のように、目立つ着こなしは絶対に避けるべきです。もちろん心配であればスーツ姿でも構いませんので、何よりきちんとした装いを心掛けましょう。ぜひ参考にして、失敗のない服装で家庭裁判所へと足を運んでください。