墓石や墓石の周辺を掃除し、きれいな状態を保っておくことは、ご先祖様の供養にもなります。そこで今回は、お墓掃除の方法やマナーをご紹介します。
【目次】
墓石やお墓の掃除は、お墓参りを行う際に一緒に行う方が多いですよね。
お墓参りは、一般的には春分の日や秋分の日の前後のお彼岸や、お盆、命日などに行います。ご先祖様に何か報告をしたい場合にもお墓参りをする方もいますね。お墓に参拝する方のことを考えて、お彼岸やお盆、命日の前に掃除しておくのがベストです。しかし、忙しい場合は、お墓参りを行う際に掃除を行っても良いですね。
お墓を掃除して、綺麗にした後に、持参した線香やお花、お水やお茶などをお供えしましょう。
■お墓参りは午前中に
お墓参りは、午前中に行うのが望ましいとされています。これは、他の予定をこなすついでにお墓参りを行う「ついで参り」は、ご先祖様に対して失礼だとされている考えから来ているようです。
お墓の掃除は、場合によっては1時間以上かかることもあります。午前中にお墓参りが終わるよう、早めに家を出てお墓に向かいましょう。
■お墓掃除に必要な道具は前日に用意しておこう
お墓掃除に必要な道具は、前日に準備しておくようにしましょう。
・ほうき
・チリトリ
・ごみ袋
・バケツ
・新品のタオルや雑巾(数枚)
・墓石用の洗剤
・剪定ばさみ
・新品の軍手や手袋
・新品の歯ブラシ
・柄長ブラシ
・スポンジ
・スコップ
・鎌
・玉砂利洗浄用のザル
などがお墓掃除に必要なものですね。
■傷をつけないように
墓石はコケや水垢、カビなどの頑固な汚れが付いてしまうことが多いので、たわしでゴシゴシ擦ったり、長時間擦ると、墓石や外柵が傷ついてしまいます。墓石に撥水加工のコーディングが施されている場合は、コーティングを剥がしてしまうことにもなります。
墓石や外柵の汚れが取れない場合には、無理をせず、業者にクリーニングを依頼しましょう。墓石のクリーニング費用の相場は、5万円から10万円前後となっています。墓石のコーティング費用の相場は2~3万円前後となっています。
■道具は持参する
お墓掃除に必要な道具は、持参するようにしましょう。お寺に備え付けられている雑巾や桶などは、掃除に使用しないようにするのがマナーです。
また、墓場では、ゴミ箱を用意していない場合もありますし、ゴミ袋を用意し、ゴミは持ち帰るようにするのがマナーとされています。
■服装
お墓参りを行う際には、派手ではない、落ち着いた色合いの服装で行くのがマナーです。
お墓掃除を行うと、汚れてしまう可能性がありますので、汚れても良い服装で行きましょう。
ただし、お墓は蚊が大量に生息していることが珍しくありませんので、蚊が発生している時期は、長袖やロング丈のパンツを着用するのがおすすめです。蚊取り線香や虫よけスプレーなどがあると良いですね。
墓石を掃除する前に、まずは墓石の周辺の掃除やお手入れから行います。
お墓掃除の前には、手をきれいに洗って清め、お墓に手を合わせてご先祖様に挨拶をしてから掃除を開始するのがお墓掃除のマナーです。
墓石の周辺の掃除は、まずは植木の剪定を行います。その後、剪定した枝や葉、落ちているゴミや落ち葉などをほうきやチリトリで集めます。
玉砂利が汚れている場合は、ザルを使用して水洗いを行います。雑草が生えている場合は、草取りも行いましょう。
その他にも、花を供え入れる「花立」が汚れている場合は、花筒から中身を一度取り出して、柄長ブラシを使って水洗いを行いましょう。花立の中に花筒がなく、中身を出せない場合は、バケツの水と柄長ブラシを使って、汚れを洗い流しながら掃除を行いましょう。
その他にも、水鉢やお供え台、香炉の掃除も行います。新品の歯ブラシで傷をつけないように擦るか、きれいな布で水拭きを行いましょう。
墓石や外柵に付く汚れは、土や砂、泥、ホコリ、落ち葉、花粉、水垢、動物のフンなど色々な種類があります。白い汚れはコケですし、黒い汚れはカビの可能性があります。
頻繁にお墓の掃除ができない場合は、どうしても墓石に汚れがこびりついてしまいます。
しかし、汚れを取ろうと何度もブラシやタワシで擦ったり、天然石を変質させるような洗剤を使用するのはNGです。
例えば、頑固な汚れは、高圧洗浄機を使うのがおすすめです。水圧で汚れを落とすので、墓石や外柵が傷つきにくいですね。
■高圧洗浄機を使用しない墓石や外柵の掃除の手順
①まずは、きれいな布やスポンジで、墓石や外柵を水拭きしていきます。
スポンジは、100均でも購入できるメラニンスポンジを使用するのがおすすめです。ただし、墓石によっては汚れ防止のコーティングは施されている場合があります。メラミンスポンジも強力な研磨作用がありますので、コーディングが施されている場所には使用しないようにしましょう。
墓石のつなぎ目の目地の汚れは、新品の歯ブラシで優しく擦ってみましょう。
②水だけでは汚れが落ちない場合は、洗剤を利用します。
重曹を水に溶かして洗剤として使用する方法もありますが、重曹は研磨作用があるため、墓石を傷つけてしまう可能性があります。コケやカビが取れない場合は、ホームセンターやインターネット通販で購入できる墓石専用洗剤を使用するのがおすすめです。
③最後に再び水拭きを行って洗剤や汚れを拭き取ります。
④墓石の掃除が終わったら、水分をきれいに拭き取って仕上げることも、水垢防止になります。
墓石には、カビやコケ、水垢などの頑固な汚れが付いてしまうことがありますが、掃除する際には、墓石を傷つけないように配慮することが重要です。ぜひ、定期的にお墓の掃除を行い、ご先祖様に失礼のないようにしたいですね。