ダイエットにはさまざまな方法がありますが、意識を少し変えるだけでできるのが、噛むダイエットです。早食いがクセになってしまっている人やすぐにお腹が空いてしまう人におすすめです。噛むダイエットのやり方や特徴についてご紹介します。
【目次】
ダイエットについて調べていると「早食いは良くない」ということが出てきます。一体なぜ早食いがダイエットに悪いのか、詳しく見ていきましょう。
早食いをすると、食べ物をそこまで噛まずに食事を終えることになります。そうなると満腹中枢が刺激されず、お腹いっぱいになりにくくなってしまいます。時間をかけて食べることで、だんだんと満腹中枢が刺激され、食事に対する満足感を得ることができますが、早食いだと満足する前に食事を終えることになってしまうのです。
満腹感を感じることなく食事を終えてしまうと、すぐにお腹が空いてしまいます。お腹が空く回数が増えてしまうので、食べる量もだんだんと増えてきてしまいます。
早食いは血糖値を急激に上げてしまう原因にもなります。早食いをするということは、体に一気に糖質を取り入れることになるので、体内の血糖値が急激に上昇することになります。
血糖値が急激に上がると、これを下げるためにインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは脂肪を蓄えるという働きもあるため、体に脂肪がつきやすくなります。
早食いを続けていくと血糖値が上がりやすくなり、だんだん太りやすくなってくるのです。
早食いは基礎代謝がダウンすることにも関係しています。基礎代謝は何もしていなくてもカロリーを消費してくれる体のシステムですが、早食いすることでこの基礎代謝が下がってしまうのです。
実は人間の体は食べている最中もたくさんのカロリーが燃やされています。しかし、この食べている時間が短くなるせいで、消費するカロリーも減ってしまいます。
早食いは濃い味のものしか満足できなくなる、という悪影響もあります。早食いしていると、食べ物1つ1つの味を認識する前にすべてを食べ終わってしまいます。本来であれば、旨味を感じられるような食べ物も物足りなく感じてしまいます。
そうなると、濃い味のものしか満足できなくなり、塩分過多やカロリー過多になりやすくなります。
良く噛むダイエットにはどんな効果があるのでしょうか?詳しくご紹介します。
良く噛むダイエットを行うことで、満腹感をしっかり感じられるようになります。早食いしているうちは、なかなか満腹感を感じられないため、ダイエットが続かなかったという人も多いです。しっかり噛んで食べるクセをつけることによって、少量の食事でもしっかり満腹中枢を刺激することができます。
今までの量を食べなくても、食事で満足できるようになります。
噛むダイエットをすることで、お腹が空きにくくなるというメリットもあります。お腹が空くということは、体が糖を欲している証拠でもあります。そのタイミングで糖質の多い食事を取り入れることで、インスリンが分泌してしまい太りやすくなってしまいます。
しかし、ゆっくりと時間をかけて摂取することで、血糖値の上昇が穏やかになります。そのおかげで血糖値の上がり下がりが緩やかになるため、急激にお腹が空くということが少なくなります。
良く噛むダイエットは、食べ物そのものの味が楽しめるようになります。何度も何度も噛んで食べるということは、素材そのものの味を舌でたくさん味わうことになります。今まで早食いをしていた時には気が付かなかったような、素材本来の旨味や甘みを感じることができます。
今まで濃い味のものしか満足できなかったような人でも、素材1つ1つの味と向き合いながら食事をすることで、味が濃くなくても食事が楽しめるようになります。
良く噛むダイエットは、小顔体操と同じような効果が得られます。さまざまな食事を時間をかけて噛むという行為は、かなりあごや顔の筋肉を使うことになります。今まであまり動かしていなかったような部分もたくさん動かすことになるので、顔の筋肉が鍛えられます。
動かしていなくて衰えがちだった顔の筋肉を鍛えることで、顔の引き締め効果が期待できますよ。
良く噛むダイエットをすることで、基礎代謝も変化します。食べる時間を長く取ることによって、何もしていなくても燃える時間を増やすことができます。しっかり噛んで食事をし続けることにより、体内が活発に働くことになるので、結果として基礎代謝が上がります。
噛むダイエットを成功させるためのポイントについてご紹介します。
噛むダイエットの基本は、30回以上噛むということです。普段自分がどれくらい噛んでいるか知っていますか?30回はそこまで多くないと感じる人もいるかもしれませんが、意外に多いです。普段の食事は早食いの人であれば、2回~5回程度、それ以外でも10回~15回前後の人が多いです。
それと比べると、30回という数字は意識しないとなかなか達成できない数字です。噛むダイエットをすると決めたら、1回1回しっかり数えて、必ず30回に到達するようにしましょう。
慣れるまでは少し大変ですが、しっかり噛むことがダイエット成功への秘訣です。
噛むダイエットをしていると、30回噛もうと思っても、30回経過する前に口の中でほとんどものがなくなってしまっていることもあります。噛むダイエットをする時は、できるだけ硬いものを噛むことが大切です。
すべてを硬くする必要はありませんが、ご飯も少し硬めに炊いたものの方が、30回噛むのが楽になります。他の食材を選ぶ時もなるべく硬いものを取り入れた方が、噛みやすくなるのでおすすめです。
噛むダイエットを成功させるためには、ゆっくり時間をかけて食事することが大切です。噛むことをしっかり意識しているうちは、時間をかけて食事することができていますが、だんだんと意識しなくなってくると、1回1回の噛むスピードが速くなり、食事時間が早くなってしまうことがあります。
30回噛めていたとしても、1回1回がしっかり噛めていなければダイエットの意味がなくなってしまいます。30回噛む時は、1回1回を噛みしめるように時間をかけて食事するようにしましょう。
噛むダイエットでは、ただなんでもたくさん噛めばいいということではありません。噛むダイエットをする時は、栄養があるものを食べるように心がけましょう。しっかり噛めばいいからといって、ジャンクフードやお菓子ばかり食べてもダイエット効果が出るということではありません。
栄養があるものをたくさん噛んで食べることにより、ダイエット効果を発揮します。また、何か1つ偏った食べ物ばかり摂取するのもNGです。バランスの良い食生活を心がけながら、しっかり噛むことが重要になります。
ここからは噛むダイエットに重要な栄養素についてご紹介します。
タンパク質はダイエットをする上でもっとも欠かせない栄養素です。タンパク質とは、筋肉を作るために必要な栄養素です。また、タンパク質は糖質や脂質と比べてカロリーが低いという特徴があります。
また、タンパク質は腹持ちが良いものが多いため、ダイエット中に積極的に摂取したい食べ物の1つです。お腹をいっぱいにするためには、タンパク質を多めに摂取することがおすすめですよ。
タンパク質の代表的なものといえば、肉や魚です。ほとんどがタンパク質なので積極的に摂取する必要があります。他には、大豆食品や乳製品にもタンパク質が含まれています。
脂質はいわゆる脂肪分と呼ばれるものも含まれているため、ダイエットの敵だと言われているイメージが強いと思います。しかし、ダイエットを健康的に進めるためには、ある程度の脂質も必要になります。
体に脂質がない状態というのは、潤滑油がないのと同じです。ある程度脂質を摂取しないと、美容にも健康にも悪いと言われています。ただし、脂質ならなんでもいいというわけではなく、良質な油を取り入れることが大切です。
良質な油といえば、ナッツ類やアボカド、オリーブオイルやえごま油などです。バターなどの油は、ダイエットや健康によくないと言われているので、摂取のしすぎには注意が必要です。
糖質もダイエットを成功させるためには、とても重要な栄養素です。糖質制限ダイエットが一時期とても流行ったため、糖質=悪だと思っている人も多いでしょう。しかし、糖質もある程度摂らないと、健康的に痩せることはできません。
糖質といえば炭水化物ですが、まったく摂らないのはおすすめしません。ご飯には食物繊維も豊富に含まれているため、ある程度一定の量は摂取するように心がけましょう。白米でなくても玄米や雑穀米などを取り入れるのもおすすめです。
パンを摂取する時は、できるだけ砂糖が入っていないシンプルなパンを選ぶようにしましょう。
3大栄養素の他に、ビタミンやミネラルなどの栄養素をしっかり摂取する必要があります。ビタミンやミネラルはそれぞれの栄養素の働きをサポートする力があります。そのため、必ず摂取した方がいい栄養素です。
必ず摂取すべきものは、野菜です。野菜にはたくさんのミネラルが入っています。また、野菜の中にはアミノ酸を含むものも多いため、健康的な身体を作るためには、重要な栄養素です。
他には大豆製品や海藻類、卵なども重要です。これらの食べ物をバランスよく食事に取り入れることが大切ですよ。
噛むダイエットを成功させるための食事の選び方についてご紹介します。
噛むダイエットを成功させるためには、低カロリーなものを選ぶことが大切です。脂質が多い食事はカロリーが高くなりやすいため、注意が必要です。ただし、良質な油であれば脂肪として蓄積されにくいものなので、積極的に摂取するようにしましょう。
できるだけ食事の中で、無駄なカロリーを摂らないようにすることが大切なので、できるだけヘルシーなものか、栄養価が高いものを選ぶようにしましょう。
たくさん噛んで食べる量を減らすダイエットをしている最中の、加工食品の摂取には慎重にならなくてはいけません。加工されている食品を食べると、食欲が増してしまう可能性があります。
調理済みのものはとても便利なアイテムではありますが、せっかく食欲を減らすためのダイエット法にチャレンジしているのに、意味がなくなってしまうこともあります。できるだけ素材の味を活かした食べ物を選ぶようにしましょう。
噛むダイエットでは、素材の味を楽しみながら食べることが大切になります。だからこそ、味付けのしすぎには注意が必要です。今まで濃い味に慣れている人や、何気なくかけているドレッシングなど、味付けの濃さにいままで気が付いてこなかったという人もいるでしょう。
これを機に少しだけ薄味にする工夫をしてみましょう。味が濃いものを食べれば満足感は得られますが、それとともにカロリーや塩分が多くなってしまいます。少しずつ薄味に慣れていくことで、素材の味を楽しめるようになるはずです。
噛むダイエットにおいて、柔らかい食品というのはすぐに口の中で無くなってしまうので、どう食べたらいいのかわからないものも多いです。そういった場合は、硬いものと一緒に調理して食べるのがおすすめです。
柔らかいもの単体で食べていると、どうしてもすぐに噛み終わってしまい、なかなか咀嚼の回数を増やすことができません。そこで、同時に硬いものを口に入れることで、柔らかいものがなくなっても気にせずに噛み続けることができます。
ここからは、噛むダイエットにおすすめな硬い食材についてご紹介します。
噛むダイエットの中で、とても重宝する食べ物はご飯です。ご飯は腹持ちが良いうえに、しっかり噛んで食べる度にお米の味が伝わるので噛み続けても辛さを感じることがありません。
ご飯の中でももっとも硬さがあるのは、玄米です。玄米はしっかり噛んで食べることで、消化しやすくなり栄養も吸収されやすくなります。ご飯は炭水化物だからあまり食べない方が良いと思っている人もいますが、大切な糖質という栄養素です。
ご飯には食物繊維も豊富なので、腸内環境を良くするために欠かせない食べ物です。食べ過ぎはよくありませんが、毎食取り入れることで栄養バランスを整えることにも繋がるので、おすすめです。
アーモンドは美容にもダイエットにも良いと評判の食べ物です。アーモンドには不飽和脂肪酸という脂肪になりにくい良質な油が含まれています。また、ビタミンEを豊富に含んでいるため、抗酸化作用もあります。
アーモンドは噛み応えもあるので、おやつにぴったりです。できるだけ砕けてないようなものを選び、しっかり噛んで食べるようにしましょう。
噛むダイエットでは、温野菜よりも生野菜の方が向いています。ダイエット方法によっては温野菜の方がいいというものもあれば、生野菜の方がいいというものもあります。噛むダイエットの中ではある程度硬さがあるものを食べた方がいいので、生のまま食べるのをおすすめします。
特におすすめなのは、キャベツやニンジンです。どちらも生で食べるとかなり噛み応えがあるので、食事の1番最初に摂取すると他の食事の量を減らすことにも繋がります。
加熱すると柔らかくなってしまうものも多いので、できるだけ生の状態で食べるのがおすすめですよ。
間食におすすめな食材が、するめです。おつまみとしてよく食べられているするめは、噛み応えのあるおやつでもあります。原材料はイカなので、タンパク質を摂取することができます。
1つを飲みこむまでにかなりの時間がかかるので、少しの量でも満足感が得られます。どうしてもお腹が空いてしまった時のお助けアイテムにもおすすめです。
噛むダイエットのおやつにおすすめなのが、干し芋です。干し芋はサツマイモを干して作られたもので、旨味が凝縮しています。食べると甘さを感じるので、ダイエット中のおやつにはもってこいなアイテムです。
サツマイモは血糖値の上昇に関わるGI値が低いと言われているので、ダイエット向きだと言われています。甘さのあるおやつが食べたい時におすすめしたい食べ物です。
噛むダイエットを成功させるためのポイントについてご紹介します。
噛むダイエットを成功させるためには、まず野菜から食べるように心がけましょう。炭水化物から食べる食事は、血糖値を上昇させやすくなるため、避けた方が良いと言われています。
そのため噛むダイエットでは、野菜から摂取するようにします。さらにキャベツやニンジンなどの噛み応えのある生野菜を最初に摂取することで、満腹に感じやすくなります。
最初に野菜をしっかり摂ってから、炭水化物やおかずを食べるように心がけましょう。
噛むダイエットを成功させるためには、タンパク質を多めに摂ることも大切です。タンパク質は他の栄養素に比べると腹持ちが良いものが多いです。糖質をたくさん食べた後は、どうしても血糖値が上がりやすくなるため、お腹が空きやすくなってしまいます。
タンパク質を多く摂取すると、糖質を多く摂取した時よりもお腹が空きにくくなるので、炭水化物の量を増やすよりもタンパク質の量を増やすように心がけましょう。
噛むダイエットを成功させるためには、食べることにどれだけ集中できるかも重要になります。噛むダイエットというのは、食べることと向き合う時間がかなり長くなります。人によってはこれが長すぎて飽きてしまうということもあるでしょう。
ただ意識を変えるだけでできるような簡単なダイエットなのですが、その意識が続かなければダイエットは続きません。テレビを見ながら食事をしたり、スマホを触りながら食事をするのは、なかなか食べることに集中できません。
できるだけ食べることに集中できる環境の中で、食事を摂るようにしましょう。
噛むダイエットを始めた当初は、どうしてもお腹が空いてしまうこともあるでしょう。そんな時には間食を摂るのもおすすめです。今までのダイエット法としては、あまり間食は摂らない方が良いと言われることもありますが、大切なことは何を食べるかです。
できるだけタンパク質が多いものやGI値が低いものを摂取するのがおすすめです。するめやアーモンド、干し芋などは噛み応えがある上に栄養もあるので、どうしてもお腹が空いてしまった時におすすめです。
噛むダイエットは、たくさん噛むことで食事の量が減らせるというメリットがあるダイエット法ではありますが、食事の量を減らしすぎるのはあまりよくありません。食事の量を減らすために、生野菜だけにするような、極端なダイエットは絶対に行わないようにしましょう。
ダイエットを成功させたいのであれば、1番重要なことはバランスを守ることです。3大栄養素+ビタミン・ミネラルを意識して、バランスよく摂取するように心がけましょう。
噛むダイエットは、たくさん噛むことだけでさまざまな効果が得られますが、健康的に痩せるためには、運動も大切です。運動せずに食事の量だけを減らしてしまうと、筋肉だけが落ちて痩せにくい身体になってしまいます。
痩せやすい身体をキープするためには、ある程度の筋肉が必要になります。そのため噛むダイエットだけでなく、筋トレや有酸素運動などを取り入れて、運動の面からもアプローチするようにしましょう。
噛むダイエットを始めた時は、なかなか体が慣れずにストレスに感じてしまうこともあるでしょう。ダイエットは始めたばかりの頃は誰もが辛い思いをします。しかし、だんだんそれが慣れて習慣化されていくことで、辛くないダイエットに変わってきます。
しかし、中には時間が経ってもなかなか慣れないという人も出てくるでしょう。人それぞれ自分に合ったダイエット法は違います。たまたま自分にこのダイエット法が合っていなかったというだけです。
ダイエットで我慢をし過ぎたせいで、ストレスが溜まることがないようにするためにも、自分に合ったダイエット法を見極めることも大切です。
噛むダイエットを成功させるためには、焦らずにゆっくりやるということも大切です。続けていても結果が目に見えないとあきらめてしまいたくなることもあるでしょう。
しかし、ダイエットはすぐに結果が出る人もいれば、結果が出るまでに時間がかかる人もいます。効果がないからといって落ち込む必要はないので、焦らず続けてみることが大切ですよ。
噛むダイエットについてご紹介しました。さまざまなダイエット方法がありますが、このダイエット法は意識を変えるだけで簡単にできるダイエット方法です。しっかり噛んで食べることを意識して生活する必要があります。1回1回の食事としっかり向き合い、素材の味を楽しむことで、美味しく食べながらダイエットを成功させましょう。