結婚する際に提出する婚姻届は、二人の新しい戸籍を作る手続きで、住所の他にも本籍地が必要になります。そこで今回は、結婚する際に婚姻届に記入する本籍地の決め方や手続きの方法、注意点などをご紹介します。
【目次】
■本籍地とは
結婚とは、婚姻届を提出して、戸籍上の「夫婦」になることです。
結婚前は、実家の戸籍に別々に入っている二人ですが、婚姻届を提出することで、1つの戸籍に入ることになります。
■婚姻届と住所変更は別の手続きを
ただし、婚姻届を提出しただけで、住所も変わるわけではありませんので、結婚後に同居する場合は、婚姻届と一緒に、今現在住んでいる場所から引っ越しをする「転出届」と、新居に引っ越しをする「転入届」の住所変更手続きも必要になります。
また、婚姻届には、住所以外にも「本籍」の記入が必要になります。本籍地は、住所とは別のもので、夫婦二人の新しい戸籍の所在地になります。本籍地に結婚前の戸籍がない場合は、戸籍謄本が必要になります。
■本籍地に決まりはある?
結婚する場合だけでなく、本籍地の決め方にルールはありません。
本籍地は、戸籍を置いてある場所で、戸籍謄本や戸籍抄本を取りに行く際には、戸籍が置いてある地域の役所に出向くか、家族に代理で委任する必要があります。
税金や保険には直接は関係ないものですので、現住所とは違い、現在住んでいる場所以外の住所でも、日本国内であれば自由に決めることができます。
■本籍地や戸籍の役割
戸籍には、自分の氏名や性別、生年月日、本籍地の他にも、家族関係や、婚姻や離婚履歴なども記入されています。
親子関係や兄弟姉妹の関係を証明するために必要なものです。
結婚する際に婚姻届を提出する場合だけでなく、
・パスポートの申請
・年金
・不動産、預金、株式、車などの名義変更や相続
・保険
などでも戸籍が必要になります。
自分が亡くなった後の遺産相続の際には、本人が生まれてから亡くなるまで変更した分の戸籍が必要になるので、何度も本籍地を移動すると、残された家族の手続きが大変になる可能性もあります。
したがって、本籍地を決める場合は、夫婦や実家と話し合って決定するのが、後々トラブルにならない決め方ですね。
結婚する際には、夫婦で同居し始める方も多いですよね。
「新婚時代に最初に住んだ家」として、変更履歴も残ることから、居住する新居の住所を本籍地にするカップルは多いですね。
その後、一戸建てやマンションを購入する際に、本籍地を移すのが一般的です。
本籍地は、普段はあまり使う機会がありません。今住んでいる新居ですと「本籍地の住所ってどこだっけ?」というように忘れてしまうこともないのがメリットです。
結婚は、婚姻届を提出する他にも、会社や保険、免許証やパスポート、銀行、クレジットカードなどの手続きも必要になります。
したがって、戸籍抄本や戸籍謄本が必要になった場合の取りに行く利便性を考えて、新居の住所を本籍地にしているカップルも多いですね。
本籍地は、戸籍上に残ることから、引っ越しをする際に、逐一変更するのは大変です。引っ越しする場合は、住所のみを変更し、本籍地は変えない方も珍しくはありません。
新婚時代は、賃貸のマンションやアパートなどに住む場合も多いので、結婚する際に婚姻届に記入する本籍地をどこにするか迷った場合は、どちらかの実家にしている場合もあります。また、賃貸の住所を本籍地にはしたくないというカップルもいますね。
特に、結婚後しばらくして新築のマンションや一戸建てを購入する予定がある場合や、転勤族で引っ越し回数が多い場合などは、どちらかの実家を本籍地にしておけば、戸籍謄本や戸籍抄本を代理で取得してもらうこともできるのがメリットですね。
また、家庭によっては、代々受け継いでいる土地を本籍地にしているという場合もあります。
結婚するカップルの中には、二人にとって思い入れのある場所を本籍地にしている夫婦もいます。
例えば、東京ディズニーリゾートや、国会議事堂などでもOKですし、二人が出会った場所や、初めてデートした場所でもOKで、自由に決めることができます。
ただし、思い出の場所が遠い場合は、戸籍謄本や戸籍抄本を取りに行く際に時間もお金もかかってしまいますので、本籍地選びは注意が必要です。
その他にも、
東京タワー
東京スカイツリー
皇居
富士山の山頂
甲子園球場
大阪城
野球チームやサッカーチームの本拠地
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
などが人気の本籍地となっています。
結婚する際に作成する夫婦二人の新しい戸籍の本籍地は、今後も長く使用する可能性があるものです。家族の意向や、利便性などを考えながら、夫婦二人で話し合い決めていきましょう。