しっかり休んでいるのに疲れが抜けない方や、疲れやすい方は、実は内臓が疲れていることが体の不調の原因かもしれません。そこで今回は、内臓疲れの特徴や原因、改善方法をご紹介します。
【目次】
「傷んだ食べ物を食べたわけではないのにお腹の調子が優れない」「体がだるかったり、疲れたと感じやすい」「しっかり睡眠や栄養をとっているはずなのに疲れが取れない」などの症状は、実は内臓が疲れていることが原因かもしれません。
■内臓疲れの原因
「内臓」とは、体の内部にある臓器のことで、胃や腸などの消化器の他、肝臓や膵臓、心臓や肺、腎臓や膀胱などのことを指します。
内臓は、体の外部のケガとは違い、疲れていたり、調子が悪い場合でも、自覚しにくいものです。内臓疲れに気づかず、放置してしまうと、生活習慣病やガン、脳卒中や心筋梗塞などの大きな病気の原因になることもありますので注意したいですね。
内臓疲れは、体の疲労や食事の内容が影響している場合もありますし、ストレスや温度などで自律神経が乱れ、内臓の働きに悪影響を与えることもあります。内臓は、お互いに連携を取って活動していますので、一部の内臓の疲れが他の臓器に影響してしまうこともあります。
また、姿勢の悪さや運動不足、飲酒や喫煙なども、内臓の働きが弱くなる原因になることもあります。
内臓疲れを回復するためには、まずは体全体の疲労を回復させるのがおすすめです。
例えば、1日3食栄養のバランスが取れた食事をよく噛んで食べることで、満腹感も得やすくなり、胃腸にかかる負担も軽くすることができます。
脂っこいものや甘いもの、辛すぎるものや味の濃いものなど、胃腸に刺激の強い食べ物を避けることは、健康な体を作るためには必要です。
■疲労回復に役立つ栄養素を摂る
また、疲労回復に効果的な食べ物を意識して摂るようにしてみましょう。食事で不足する場合はサプリメントを活用してもいいですね。
ビタミンB群が豊富に含まれている豚肉は、疲労回復に効果的といわれている食品です。ネギや玉ねぎ、ニラやニンニクなどに含まれているアリシンと一緒に食べると吸収率が高まるとされています。
また、ビタミンBや鉄分が多く含まれているレバーは、疲労回復だけでなく、貧血気味で疲れやすい方におすすめです。
その他にも、疲労回復に効果的といわれている「イミダペプチド」を含む鶏のムネ肉やカツオ、マグロなどもいいですね。
体の調子をととのえるビタミンやミネラルが豊富に含まれている緑黄色野菜や海藻類、果物も食事のメニューに取り入れたいですね。
お酢やレモン、梅干しなどに含まれるクエン酸も、疲労回復におすすめです。
■自分の症状に合った栄養素や食品を摂るのも効果的
そして、自分のライフスタイルや症状に合った栄養素や食品を摂るのもおすすめです。
例えば、お酒を飲む機会が多い方は、肝臓の働きが弱くなっている可能性がありますので、ウコンを摂るのがいいですね。
胃腸が弱っていると感じる場合は、粘膜を保護してくれる効果があるといわれている「ムチン」を含む山芋やオクラ、なめこや、粘膜の修復に役立つ栄養を含むキャベツを食べてみましょう。
お通じを改善したい方は、食物繊維や乳酸菌を摂るようにしたいですね。
体や内臓の疲労を回復するためには、疲労回復に効果的な栄養素を摂ることは必要です。
しかし、内臓疲労の中でも胃腸の疲労が溜まっていて働きが弱くなっていると感じる場合は、腸や胃の疲れを取るために、プチ断食をして内臓を休めることも必要です。胃腸が疲れていると、せっかく栄養を摂っても吸収されにくくなりますし、老廃物の排出もしにくくなります。プチ断食をすることで、胃腸が休まり、内臓疲れが改善されるだけでなく、老廃物を排出しやすくなりますよ。
例えば、休日の一日だけ断食をしたり、一食をコールドプレスジュースなどに置き換えるのがいいですね。
内臓疲れだけでなく、体の疲労を回復させるためには、睡眠は欠かせませんよね。
睡眠時間を確保することは大切ですが、睡眠の質を上げることで、より効果的に疲労回復することができます。
例えば
・寝室の室温を快適な温度に保つ
・寝る1時間~2時間前までにはスマホやPCを見るのはやめ、間接照明の薄暗い部屋で過ごす
・入浴は短時間で済ませる
・半身浴をする場合は就寝の2時間前程度までに済ませておく
・寝酒は飲みすぎない
・軽いストレッチを行って体をリラックスさせる
などを意識すると、睡眠の質が上がりやすくなりますよ。
入浴は、内臓や体の筋肉の血行やリンパの流れを促進し、代謝をアップさせてくれるので、内臓疲れにもおすすめです。
精神的にもくつろぐことができてリフレッシュできるので、ストレス解消にも効果的ですね。入浴剤を使うのもいいですね。
ただし、睡眠の質を上げるためにも入浴は40℃位のお湯に10分入る程度の短時間で済ませるのがおすすめです。半身浴は39℃前後のぬるま湯に入り、就寝前の2時間前までに済ませておきたいですね。
内臓疲れの回復には、手軽にできるツボ押しも効果的です。気持ちいいと感じる程度の強さで押しましょう。
■指間穴(しかんけつ)
内臓疲労回復におすすめしたいのが「指間穴」です。
手の甲側の
・人差し指と中指の間
・中指と薬指の間
・薬指と小指の間
の指間穴を、それぞれ反対の手の人差し指と親指でつまみ、軽く揉みます。次に、つまんでいた指間穴を指の先に向かって軽く引っ張りましょう。
■三陰交(さんいんこう)
消化器や腎臓、肝臓などの働きにアプローチしてくれるツボは「三陰交」です。
足の内側のくるぶしの骨が出て高くなっている場所から指4本上に上がった所にあるツボです。
■手三里(てさんり)
胃腸の疲労や、倦怠感などの改善におすすめしたいツボは「手三里」です。肘を曲げる部分にあるシワから指3本分手の先に移動した場所にあります。
■中脘(ちゅうかん)
ヘソから指5本分上に移動した場所の軽くヘコミがある所にあるツボが「中脘」です。
胃腸の働きをサポートしてくれるツボですよ。
■足三里(あしさんり)
「足三里」は、足の膝の皿の外側のくぼみから指4本分下に下がった場所にあるツボです。
■膈兪(かくゆ)、肝兪(かんゆ)、脾兪(ひゆ)
背中の肩甲骨の下から腰に向かって背骨を添うようにして左右にあるのが、内臓疲労の回復におすすめのツボの「膈兪」「肝兪」「脾兪」です。
肩甲骨から腰まで、背骨から指2本分離れた場所を両手でツボ押ししていきましょう。
内臓疲れを改善させるためには、生活習慣を変えることもおすすめです。
例えば、疲労回復をしようと家に引きこもっていると、ストレスが解消されず、自律神経が乱れてしまい、内臓疲れにつながることもあります。ストレス解消をできるような趣味に打ち込むことも大切ですね。
飲酒や喫煙は、ストレス解消にはなりますが、過剰摂取は疲労の原因になります。
運動不足を解消することも、内臓の血行促進が期待できます。しかし、激しい運動は逆効果になってしまいますので注意したいですね。
その他にも、長時間同じ姿勢でいると、内臓に疲労が溜まりますので、こまめに姿勢を変えストレッチをするのもおすすめです。
カフェインや栄養ドリンクを飲みすぎると、その時は疲労感は軽減されますが、根本的には疲労回復はできておらず、かえって無理をすることにもなりますので、飲みすぎには注意したいですね。
内臓疲れは、体全体の不調の原因になることもあり、そのままにしておくと大きな疾患を引き起こす要因になることもあります。最近何だか疲れが抜けないと感じている方は、生活スタイルを見直し、内臓の疲れを改善させてみてくださいね。