インドアな趣味として女性に人気の編み物。一見難しそうに見えますが、初心者の方でも簡単にできる編み方がいろいろあります。今回は初心者向けに、編み物に必要なアイテムや基本の編み方、おすすめの本やキットなどをご紹介します。
【目次】
誰でも気軽に始められる編み物。とはいえ、完成品を見ると自分にはハードルが高すぎて無理かもしれないと感じてしまう方もいるでしょう。
しかし、編み物は基本さえしっかり覚えられたらすぐに小さなアイテムからチャレンジできるので、それほどむずかしいことはないのです。
無理にハードルの高い大きなものを最初から作ろうとしなければ、失敗して心が折れるということも少ないでしょう。編み物が、あなたの新しい趣味になるかもしれません。
初心者の方が編み物を始めたいと思ったなら、まずは必要なものを準備するところから取り掛かるようにしましょう。
編み物を始める前には、作るために必要な道具を準備する必要があります。必要な道具さえ揃えられたら、すぐにスタートできるところが編み物の魅力といえるでしょう。
まずは、初心者の方が最低限揃えておくべきものをご紹介します。
ひとつは「毛糸」です。
毛糸と一口に言ってもさまざまな種類があります。主に、動物性のもの・植物性のもの・化学繊維のものに分けられるのが特徴です。
動物性のものはウールやシルク、カシミアなど。そして植物性がコットンやリネンといったものを指します。さらに、化学繊維がアクリルやポリエステルと呼ばれているものです。
どの毛糸を選ぶかは、作りたいものや完成形をイメージしながら選ぶといいでしょう。
もうひとつが「編み針」です。編み針にも「棒針」「かぎ針」「アフガン針」「とじ針」などの種類があり、特徴を押さえながら自分に必要な編み針を選ばなくてはいけません。
「棒針」は、先の尖った棒状になった編み物用の針のこと。竹や木、プラスチックや金属という種類があることが特徴です。中でも一番使われているのは竹だといわれています。両端が尖っている棒針が最も使いやすいので、初心者さんにおすすめです。
「かぎ針」は、針の先端がかぎ状になっていることが特徴。毛糸をかぎに引っかけながら編んでいきます。また、かぎ針は2/0号から10/0号まであり、数字が小さいほど細い形状になっています。
基本的にはこの2つが初心者向きですが、他にも編み針の種類があります。
「アフガン針」は、棒針とかぎ針が合わさった形をしています。つまり片方が棒に、片方が針になっていることが特徴。棒編みとかぎ針編みを組み合わせて編む「アフガン編み」を行うときに使用します。
「とじ針」は、先の丸い針のことをいいます。初めから絶対に必要な道具であるわけではありませんが、編み物が完成した最後、糸の始末をするときに活躍してくれるので、持っておくと便利でしょう。とじ針にもサイズがあり、編む糸や作る作品によって適切なサイズが異なります。
では、必要な道具はどのような基準で選ぶといいのでしょうか。
毛糸は、「初心者だから安いのからスタートしよう」と考えてしまいがちですが、安すぎて質の悪い毛糸を選んでしまうと、切れやすかったり糸割れを起こしたりするため、しなくていい苦労をしてしまうことに。ある程度クオリティが保証されている毛糸を選ぶことをおすすめします。
また、細い毛糸で大きなものを編もうとすると、かなり膨大が時間がかかってしまいます。初心者の方は、まずは何かを作り切る経験をすることが大切。太めの毛糸で小さなものを作ることからスタートしましょう。
また、先ほどお伝えした通り、毛糸は作りたいもののイメージにぴったりの毛糸を選ぶことが大切です。
ウールは夏は涼しく冬は暖かく、カシミヤは肌触りが抜群です。冬に活躍する手袋やセーターは、ウールやカシミヤで作るのが適しているといえます。
また、植物性のコットンやリネンは、吸水性や耐久性に優れているため、夏に重宝する素材です。しっかりと強い作りにしたいものは、植物性の毛糸を選ぶのがベストです。
化学繊維のアクリルはたわしやぬいぐるみに、ポリエステルは水を吸わない特徴からコースターなどに使われることが多い素材です。
毛糸の種類をいくつか紹介します。
■太め毛糸
羊の原毛の状態に近い太い糸。ざっくりした厚い編み地になります。
■細め毛糸
細い羊毛の糸。布地のような薄い平坦な編み地になります。
■モヘア
「モヘア」と呼ばれる毛足の長い羊毛の糸。ふんわりやさしい風合いの編み地になります。
■スラブ糸
太さが均一でない糸。凹凸のある編み地になります。
■ループ糸
輪が連なったような糸。ぬいぐるみのようにモコモコした編み地になります。
■アクリル糸
ビビットな色にも染まる「アクリル糸」。吸水性がないのでタワシを編むのに適しています。
■綿糸
夏の衣服によく使われる「綿糸」。さらっとした肌触りです。
■ツイード糸
2色の原毛を一緒に紡いだ「ツイード糸」。いろいろな色が見え隠れして味わいのある編み地に。
■ラメ糸
「ラメ糸」は細いため、他の糸と2本どりにして編むとキラキラ光る編み地に。
■モール糸
モールのように毛足のある「モール糸」。やわらかいフェイクファーのような編み地になります。
このように、毛糸によって得意分野が異なるため、作りたいものにぴったりの特徴のものを選ぶことで、より成功へと近づけられるでしょう。
編み針は、作品にあわせて種類を決めるのがおすすめです。編み針の種類を決めたら、作る作品に必要な糸の太さにあわせて号数を決めるのが基本的な流れです。
編み物初心者の方におすすめなの編み方のひとつが「かぎ針編み」。まずはそんなかぎ針編みから取り組んでみるといいでしょう。
ここからは、かぎ針編みに必要なものと、かぎ針編みのやり方をご紹介します。
かぎ針編みに必要なのは、かぎ針と毛糸。作る作品に沿ってサイズの合ったかぎ針を選ぶことが大切です。自分の手にフィットする、持ちやすいかぎ針を探すことをおすすめします。
まずは、かぎ針編みの基本を押さえるところからはじめましょう。針と糸の持ち方をマスターするところからスタートです。
かぎ針編みの針と糸の持ち方がわかったら、最初の作り目となるくさり編みも覚えていきます。きれいに作れるポイントもあわせて覚えましょう。
基本となる「こま編み」も覚えます。
さらに基本の編み方である、「中長編み」と「長編み」もマスターしていきましょう。どれも最初の作り目であるくさり編みからスタートしていくので覚えやすいはずです。
また、丸い編み地はかぎ針編みでは中心から編んでいくのが基本です。
作り目のくさり編みからスタートし、楕円を編むことも可能です。
初心者におすすめの編み方として「棒針編み」もあります。先ほど紹介したかぎ針編みとの大きな違いは、使う針の本数。作る作品によって異なりますが、基本的に2本を使用することが基本です。場合によっては、3本や4本の棒針を使って作ることもあります。
棒針編みに必要なものは、棒針と毛糸、ハサミととじ針です。さまざまな編み物の際に使えるので、手芸用のハサミをひとつ持っておくと便利です。
棒針にも太さがあり、扱う糸の太さと本数を参考に選ぶのが一般的です。号数が大きくなるにつれて太さも太くなります。初心者の方は、扱いやすい10号からスタートするのがおすすめ。
準備が整ったら、実際に棒針編みにチャレンジしていきましょう。
棒針の持ち方は、「アメリカ式」と「フランス式」という2つがあることがポイント。ご自身のやりやすい方法を選んでOKです。
まずは、土台となる作り目の作り方からマスターしていきましょう。
棒針編みの基本と呼ばれているのが「メリヤス編み」というものです。フランス式・アメリカ式どちらの持ち方でも完成形は同じなので、やりやすい方を選んでみてくださいね。
もうひとつ基本といわれているのが「ガーター編み」。伸縮性が高く、ふんわりと厚い編み地が特徴です。
かぎ針編みと棒針編みとをミックスしたような編み方が特徴の「アフガン編み」。こちらも、初心者の方でも取り組みやすいおすすめの編み方です。
アフガン編みの場合も、基本的に必要となるのは毛糸とアフガン針です。
まずは、アフガン編みの基本的な編み方をマスターしていきましょう。
アフガン編みでハンカチタオルを編むことも可能です。自分で使うタオルや大切な人に使ってもらうタオルを自分で編めたら楽しいですよね。基本の編み方の練習になるので、土台をマスターできたらチャレンジしてみるといいでしょう。
そして、指編みも初心者さんにおすすめの基本的な編み方です。
指編みとは、その名の通り編針を使用せず指を使って作る編み物のこと。必要なものは毛糸だけです。編針を購入せずにまずはチャレンジしてみたいという方にもおすすめです。
まずは指編みの基本をマスターしましょう。基本を続けることでマフラーを編むことも可能です。
また、基本がマスターできたら、小さなものから編んでいくことで感覚を掴めます。ブレスレットは初心者さんがチャレンジするのにおすすめです。
続いて、初心者の方でもすぐに真似できる、編み物の作品をご紹介します。まずはマフラーからです。
棒針編みで作る、クリスマスやバレンタインの贈り物にもぴったりのマフラーです。
かぎ針編みで作る簡単なマフラーの編み方を紹介しています。
小さなお子さんでも作り上げられた、初心者にぴったりの指編みマフラーの作り方をご紹介しています。
続いては、初心者でもできる小物の作品集をご紹介します。
ハートの形のかわいらしいコースターの作り方を紹介しています。
また、わの作り目、長編みの円、こま編みと鎖編みを組み合わせた初心者さんでも挑戦できるコースターの作り方もおすすめです。
ネックストラップ付きの便利なスマホケースを、かぎ針編みで作る方法を紹介しています。
アフガン編みで作るポーチの作り方を紹介しています。マフラー作りの練習にもなるので、まずはここから挑戦してみてはいかがでしょうか。
続いては毛糸で作る帽子の作品をご紹介します。
セリアの毛糸を使って作るニット帽を紹介しています。
こちらでは、ダイソーの毛糸を使って作るニット帽を紹介しています。
最後は、セーターの作品をご紹介します。
棒針編みで作るドロップショルダーセーターをご紹介しています。
もしもセーターへのハードルが高いと感じたら、同じ編み方で作っているニットベストからチャレンジしてみるといいでしょう。
長編み・引き抜き編み・くさり編みを使用して編むセーターを紹介しています。むずかしいスキルいらずなので、初心者の方でも挑戦しやすいといえます。
編み物の魅力についてご紹介します。
■無心で楽しめる
趣味は楽しさが無ければ続けるのが難しいものですが、編み物は続ければ続けるほど形になっていく楽しさがあるので、飽き性の方でも無理なく続けられるのが1つです。
いったん針を動かし始めると無心で目の前のことだけに集中できるので、ストレスの緩和も期待できると言われています。
実際に海外ではセラピーの一環として編み物が活用されることもあるようです。
■手軽に始められる
編み物の大きな魅力のひとつが、「手軽に始められる」ことにあります。
棒針や毛糸は100円均一などでも購入できるので、趣味にあまりお金をかけたくない方も安心です。
棒針が用意できない場合も、指や腕で編む事もできるので、自分の好きな方法で続けることができます。
■自由度が高い
編み物は毛糸の種類や色、デザイン、編み方、編む強さなどを調整することでオリジナルの作品を作り出すことができます。
教科書やテキスト通りに進める必要はないので、自由に楽しめるのも編み物の魅力です。
また、編み物は失敗しても毛糸を解いてしまえば何度でも再チャレンジできます。
失敗しても材料が無駄になってしまう心配もないので、失敗を恐れずに始められますよね。
編み物を始めたい初心者の方向けに必要なものや基本の編み方などをご紹介しました。編み物は奥が深く、編み方次第でマフラーやストール、セーター、コースター、赤ちゃん用アイテムなどが出来上がります。初心者の場合、まずは簡単に作れる作品から挑戦してみましょう。わかりやすく解説された本やスターターキットなどを使うのもおすすめです。編み物は道具さえ揃えばいつでも始められるので、これを機に編み物でオリジナル作品を作成してみてはいかがでしょうか。