結婚式や法事の際に準備する必要がある引き出物や引き菓子にはさまざまなマナーがあります。今回は、結婚式や法事の引き菓子の金額の相場や、おすすめのお菓子をご紹介します。
結婚式の引き菓子とは、新郎新婦が結婚式に招待したゲストに贈る品物の一つです。いただいたご祝儀のお礼として
・引き出物
・引き菓子
・縁起物
・プチギフト
などを一袋に入れ、セットにして贈るのが一般的です。「引く」という言葉には、「長引く」という意味もあることから、「幸せが長く続く」ことを連想させるので、縁起が良いとされています。
引き出物のセットは、2品や4品の割り切れる偶数は別れを連想させて縁起が悪いため、奇数の3品や5品、7品を一袋に入れ、引き出物セットにするのがマナーとなっています。
会費制結婚式の場合は、ゲストがご祝儀を準備する必要がないので、引き出物を準備する必要はありません。しかし、ゲストが二人のお祝いをしてくれたことに対するお礼として、贈り物を用意するカップルも多いですね。
引き出物以外の引き菓子やプチギフトなどを贈るカップルもいますし、ご祝儀をいただいた場合と同様に、引き出物、引き菓子、プチギフトや縁起物などのセットを用意する場合もあります。
引き菓子は美味しいものを選ぶだけでなく、おしゃれなデザインや、結婚式らしいおめでたいデザインのものを選びたいですね。
■引き菓子の金額の相場
友人や同僚の場合、一般的なご祝儀の金額は30,000円です。
一般的な結婚式の食事やドリンク代は15,000円程度を目安とすることが多いので、引き出物や引き菓子、縁起物やプチギフトのセットは、一人当たり合計で5,000円程度の金額が相場となっています。
夫婦の場合は、二人に対して1セットの引き出物セットを用意するのがマナーです。ご祝儀の金額の1.5倍~1.8倍程度の金額が相場となっています。
30,000円を超すご祝儀をいただく可能性のある、近い親族や職場の上司の場合は、合計で8,000円程度の引き出物セットを用意することが相場となっています。
引き菓子の金額の相場は、1,000円~2,000円程度となっています。近年は、引き出物だけでなく、引き菓子も贈る相手によって品物を変える「贈り分け」されることも増えてきました。
■引き菓子の内容
引き菓子は、軽くてかさばらず、日持ちするお菓子が定番です。個包装になっているものがおすすめです。
地域によっては縁起物として贈られるバウムクーヘンや金平糖、紅白饅頭などが人気があります。
バウムクーヘンは「木の年輪のように夫婦が末永く時間を重ねられるように」という願いが込められています。金平糖は、じっくりと時間をかけて作るお菓子であることから、新婚夫婦が長い時間をかけて家庭を築いていけるようにという想いが込められています。
その他にも、
・マドレーヌ
・フィナンシェ
・ミニケーキ
・ラスク
・クッキー
・デニッシュパン
などもおすすめです。
和装婚の場合は、引き菓子も和菓子をセレクトするのも素敵ですね。「とらや」の羊羹のような、京都の老舗のお菓子や、地元の銘菓が人気があります。華やかな和菓子の詰め合わせやミニ饅頭のセットなどもおすすめです。
■のし紙は
結婚式の引き菓子は、品物の形状によって「のし紙」をかけない場合もあります。もし、のし紙をかける場合は、紅白か金銀の結び切りの水引きの上に「寿」と記載したものを使用します。水引きの下には、右に新郎の名前を書き、左に新婦の名前を書くのがマナーです。
引き出物や引き菓子は、結婚式だけでなく、法事の際にも用意するものです。
法事に参列してくださった方へ、いただいた香典のお返しとして贈ることから、「香典返し」とも呼ばれています。
引き出物や引き菓子の内容は、地域や家柄によっても違いますが、1種類のみを用意する場合と、2種類~5種類程度用意する場合もあります。
法事では、参列してくださったお礼として、法事の後に食事を振る舞うことも多いですよね。引き出物や引き菓子は、会食の際に、僧侶から順に手渡しをしておくか、あらかじめ席にセットしておくのが一般的です。
法事に参列できなかった方に関しては、後日郵送しましょう。
■法事の引き菓子の金額の相場
法事の引き出物や引き菓子の金額に厳密な決まりはありません。法事に列席していただいた方の家族へのお土産という意味が強いので、幅広い世代に喜ばれやすいものを選びたいですね。
一般的には、引き出物は3,000円~5,000円、引き菓子は1,000円~3,000円程度の金額が相場となっています。
法事の香典の相場は10,000円程度で、会食がある場合は10,000円~20,000円程度の金額を上乗せするのが一般的です。いただいた香典の1/3~半額程度を食事代と引き出物、引き菓子で返すのがマナーとされています。
■引き菓子の内容
引き出物は、タオルやハンカチ、洗剤や石けん、キッチン用品や寝具、お茶やお茶漬け、海苔や調味料などが人気があります。近年はカタログギフトを引き出物とすることも増えてきました。
引き菓子の場合は、軽くて日持ちする個包装のお菓子が人気で、お煎餅やクッキーがおすすめです。
その他にも、
・かりんとう
・羊羹
・どら焼き
・マドレーヌ
・ミニケーキ
なども人気があります。緑茶や紅茶、コーヒーとスイーツをセットにした引き菓子も喜ばれやすいですね。
■のし紙は
引き出物や引き菓子の「のし紙」は、地域や宗派などによって違いがあります。
一周忌までは黒白か双銀の結び切りの水引きを使用するのが一般的です。三回忌以降の法事の場合は、青白や黄白の結び切りの水引きを使用します。
水引きの上には「志」「粗供養」などと記入し、水引きの下に施主名や「〇〇家」を記入します。
結婚式や法事の際に準備する引き菓子は、その場に駆けつけてくれた人への感謝の気持ちを込めて、喜ばれやすいものを選びたいですね。引き菓子を選ぶ際には、ぜひ参考にしてみてくださいね。