秋の旬の果物の梨は、ダイエット食品として活用することもできるフルーツです。そこで今回は、梨ダイエットの魅力や梨のカロリー、梨ダイエットのやり方や注意点、おいしい梨の選び方やおすすめレシピをご紹介します。
秋の旬の果物の梨は、シャリシャリとした食感と素朴な甘さのある果物です。近年は、梨は、青果を扱っているコンビニでも購入できるようになってきた身近なフルーツです。そんな人気の果物の梨ですが、実はダイエット食品として活用することもできます。「梨ダイエット」は、梨を食べるだけでできる、お手軽ダイエットです。
そもそも梨には、さまざまな種類があります。日本国内で流通しているものが多いのが、「和梨」とも呼ばれている「日本梨」と、「洋梨」と呼ばれている「西洋梨」です。
和梨は、丸い球体で、シャリシャリとした食感と、水分たっぷりのジューシーな味わい、そして爽やかな甘さのある梨が多いですね。幸水や豊水、二十世紀などが代表的な品種です。
一方、洋梨は、下に向かって膨らんだ形が特徴です。洋梨は、追熟させると和梨よりも柔らかく滑らかな食感になる梨で、豊かな香りと芳醇な甘みが魅力です。
その他にも、販売されている数は少ないですが、一見洋梨のように見え、和梨のような食感の「中国梨」もあります。
文部科学省の「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」によると、それぞれの梨の100g当たりのカロリー(kcal)や糖質(g)は
・日本梨(和梨):43kcal、10.4g
・西洋梨(洋梨):54kcal、12.5g
・中国梨:47kcal、11.3g
となっています。梨ダイエットをする際には、手に入りやすく、100g当たりのカロリーや糖質が低い日本梨がおすすめです。ちなみに、梨1個当たりの重さは、小サイズで250g程度、中サイズで300g程度、大サイズ400g程度です。
梨には、ダイエットをサポートしてくれる栄養素が多く含まれています。中でも、梨には、脂肪の分解に関わるペントザンという成分が含まれてるのが、ダイエット効果が期待できるといわれている理由です。
その他にも、梨を食べることで満足感を得やすいというのも、梨ダイエットの魅力です。
ダイエット中は甘いものを食べるのを我慢している方は多いですが、我慢しすぎるとストレスが溜まり、ドカ食いする原因になることもあります。しかし、ローカロリーな梨を食べれば、甘いものを食べたいという欲求を満たすこともできるのがメリットです。
そして、和梨は、90%が水分を含んでいます。また、食物繊維も多く含まれていますので、お腹がいっぱいになりやすいというメリットもありますよ。
さらに、梨のシャリシャリとした食感の元になっている「リグニン」や「ペントザン」という食物繊維は、お腹の調子を整えてくれる栄養素です。また、梨には、消化を助けてくれる消化酵素も含まれています。また、梨に含まれる糖の一種のソルビトールには、お通じをスムーズにする効果が期待できますよ。
便通が改善されれば、ぽっこりお腹が改善されるので、ウエストがサイズダウンするだけでなく、滞っていた内臓の血行が改善されますので、代謝も上がりやすくなりますよ。
その他にも、梨には、むくみの改善をサポートしてくれる栄養素も多く含まれています。例えば、カリウムやアスパラギン酸などですね。
むくみが解消されると、不要な老廃物を排出しますので、短期間でスリムになったように見えますし、血行改善や代謝アップも期待できますよ。
その他にも、梨に含まれるアスパラギン酸やクエン酸、リンゴ酸は、疲労回復をサポートしてくれるといわれています。
体に疲れが溜まると、代謝が下がりやすくなりますし、疲労によって食欲が増す傾向がありますので、体の疲れをこまめに取ることもダイエットには効果的です。
今回は、梨ダイエットのやり方や注意点をご紹介します。梨ダイエットが楽しくなるようなおいしい梨の選び方や、梨ダイエットにおすすめのレシピもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
梨ダイエットのやり方は、毎日1/2個~1個の梨を食べるだけというシンプルな方法です。梨には、実と皮の間にアスパラギン酸が多く含まれていますので、梨ダイエット中に梨を食べる際には皮ごと食べるのがおすすめです。ただし、梨の皮には、農薬が付いている可能性がありますので、よく水洗いをしてから食べるようにしたいですね。
ただし、梨は、カロリーは低いですが、糖質量は低くはありません。したがって、1日に摂取する糖質の量をコントロールする糖質制限ダイエット中の方は、梨ダイエットは向いていません。梨ダイエットは、1日の摂取カロリーをコントロールするカロリー制限ダイエットの方におすすめです。
その他にも、梨を食べるタイミングによって、期待できるダイエット効果が異なります。
例えば、梨は、水分や食物繊維が多いので、お腹がいっぱいになりやすい食品です。したがって、食事と梨を置き換えることで、お腹を満たしてカロリーをカットできます。ただし、梨は糖質が多いので、食後にエネルギーを消費しやすい朝食と置き換えるのがおすすめです。朝ご飯を食べる習慣がない方や、朝は食欲がない方でも、フルーティーな梨でしたら食べやすいですね。
また、朝食に消化酵素を摂ることで、消化や代謝が活発になるといわれていますよ。
そして、ローカロリーで甘さのある梨は、小腹が空いた時の間食としてもおすすめです。梨は、甘いお菓子や菓子パンなどを食べるよりはヘルシーなおやつですし、満腹感も得やすいので、「何か食べたい」という気持ちを満たしてくれますよ。
また、食事の前に梨を食べ、満足した後に食事を摂れば、食事の量を減らしてもお腹がいっぱいになりやすいですし、食べすぎる心配がありませんので、ダイエット中の食事制限もしやすいですね。
さらに、食後のデザートとしてもおすすめです。梨の消化酵素が消化を助けてくれます。
そして、梨には、脂肪分解や代謝アップに関わる栄養素や、疲労回復に役立つ栄養素も含まれていますので、運動をした後に食べるのもおすすめです。
そして、毎日梨を食べていると、梨好きの方でも梨に飽きてしまうことがあります。そのような場合は、梨のアレンジレシピを活用しましょう。梨を料理に使うのはあまり馴染みがない方もいると思いますが、ダイエット向きのレシピもたくさんあります。
例えば、梨は、サラダや酢の物、炒め物に使用している方が多いですね。また、すりおろした梨に肉を漬け込むことで、梨がお肉を柔らかくしてくれますよ。
その他にも、すりおろした梨をドレッシングやソースに使用したり、スムージーにするというのもいいですね。
梨を食べるだけの簡単な梨ダイエットですが、いくつか注意したいことがあります。
例えば、梨ダイエット中に食べる梨の量は、1日当たり1/2個~1個です。梨自体のカロリーは低いですが、糖質量はやや高いので、食べすぎてしまうと糖質を摂取しすぎてしまい、かえって太ってしまうケースもありますので注意しましょう。
また、梨には、腸内環境を整えたり、お通じがスムーズになるようにサポートしてくれるような栄養素が含まれています。したがって、人によっては、梨を毎日食べると、お腹の調子が悪くなるケースもあります。例えば、食物繊維の摂りすぎでお通じが滞ったり、ソルビトールを摂取したことでお腹が緩くなるケースがあります。万が一、お腹の調子に異変を感じたら、食べる梨の量を減らしたり、梨を食べるのを止めましょう。
そして、ご紹介しているように、やや糖質の高い梨は、夜に食べると血糖値が上昇してしまったり、消化酵素が出にくくなってしまうので、脂肪が付きやすくなるというデメリットがあります。
したがって、梨を食べるのはできるだけ昼間にするのがおすすめです。どうしても夕方以降に梨を食べる場合は、夜の20時よりも前に食べ終えておきましょう。
そして、冷蔵庫で冷やした梨は、ひんやりとしていておいしいですが、冷たい梨を食べると、体も冷えてしまい、代謝が下がる原因になることがあります。したがって、梨ダイエットでは、常温の梨を食べるようにしたいですね。
そして、梨ダイエットをする際には、ある程度の食事制限を行うのがおすすめです。今まで通りの食事内容に加えて、さらに梨を食べるようになると、ダイエット前よりも摂取カロリーや糖質量が上がります。最低でも、ダイエット前とダイエット中で摂取するカロリーや糖質が上がらないよう、食事内容を調整したいですね。
ただし、早く痩せたいからといって、無理な食事制限をしたり、梨だけを食べるような「梨だけダイエット」をするのはNGです。
極端な食事制限をすると、体が少ない摂取カロリーや糖質量に対応しようとしてしまい、省エネモードになります。すると、代謝がダウンしますので、ダイエット成功後に食事の内容を元に戻すと、エネルギー代謝量が減っているため、余ったエネルギーが脂肪になりやすくなり、かえって太る原因になることもあります。
したがって、栄養バランスの摂れたヘルシーな食事を心掛けたいですね。
例えば、基礎代謝量を左右する筋肉の材料になる「タンパク質」は、不足しないようにしたいですね。タンパク質は、肉や魚介類、卵や大豆食品に多く含まれています。
また、エネルギー代謝に関わる「ビタミン」や「ミネラル」を含む野菜やキノコ類、海藻類なども摂りたいですね。野菜やキノコ類、海藻類などは、カロリーや糖質が低い食品が多いので、食事制限をサポートしてくれますよ。
一方、ご飯や麺類、パンや甘い飲食物などは、糖質が高いものが多いので、梨ダイエット中は食べる量を減らした方がいいですね。
そして、梨ダイエットをより効率よく進めたい方は、運動不足を解消するのもおすすめです。
筋肉量が増えれば、基礎代謝量もアップしますので、腹筋や背筋、腕立て伏せやスクワットなどの筋トレがおすすめです。
また、脂肪を落としたい方は、ウォーキングやジョギング、ランニングやダンス、水泳やヨガなどの有酸素運動を取り入れてみましょう。
そして、フルーツの中でも人気のある梨は、スムージーやゼリー、アイスやケーキなどにも使用されることが多い果物です。
しかし、梨の加工品や、梨を使ったアレンジレシピの中には、ダイエット食品には向かない高カロリーのものや高糖質のものもあります。
梨ダイエット中は、梨の加工品やレシピのカロリーや糖質に注意しましょう。
梨ダイエットを継続するためには、おいしい梨を選ぶことも大切ですよね。梨ダイエットが楽しくなる、おいしい梨の選び方をご紹介します。
すでにご紹介しているように、梨ダイエットをする際には、手に入りやすくカロリーや糖質が低い和梨(日本梨)がおすすめです。
和梨の旬は秋ですが、7月下旬になるとお店に並び始めます。品種によっては、10月頃までお店で購入できますよ。
そして、梨ダイエットをする際には、新鮮な梨を選びたいですね。きれいな球体をしており、皮に色ムラがない日本梨が新鮮でおいしい梨の特徴です。また、張りがあり、ずっしりとした重みがある梨もおいしいですよ。ただし、糖度の高い梨は、その分糖質量が多くなりますので、甘すぎない梨を選ぶことが大切ですね。
■梨の食べ頃は
幸水、豊水などの赤梨と呼ばれる品種は、マスタード色の皮に赤味がかってくると、熟してきているサインです。二十世紀のような青梨は、最初は緑がかった黄土色をしていますが、熟してくると黄味が濃くなってきます。
また、梨の皮のザラザラとした触感は、熟していくと滑らかになっていきます。
ただし、梨をキッチンペーパー等で包んでビニール袋に入れたら、冷蔵庫の野菜室で保存しておくと、熟すペースが遅くなります。
そして、梨ダイエットをする際には、皮の内側に多く含まれているアスパラギン酸を摂取するためにも、皮ごと食べられるような梨を選ぶのもおすすめです。
残留農薬が気になる方は、できるだけ農薬を使用せずに栽培している無農薬の梨や減農薬の梨を選ぶのがいいですね。
梨を使ったアレンジレシピは豊富なので、飽きずに梨ダイエットを続けるためにはぜひ活用したいですね。梨ダイエットにおすすめのレシピをご紹介します。
モチモチとした食感とコクのあるミルク味のモッツァレラチーズと、シャキシャキとした食感の梨は相性抜群です。
空心菜の新芽やパンチェッタを加えれば、彩り豊かなフレッシュサラダが完成します。
ダイエット中にカロリーをオフしたい場合は、オリーブオイルの量を調整してくださいね。
国内外の有名人がヘルシーなおやつとして取り入れているくるみをミックスした梨サラダは、脂肪の吸収を抑える効果が期待でき、美肌にも役立つトマトをミックスしたダイエットレシピ。トマトの酸味を梨が軽減させてくれるのが魅力です。
黒コショウやイタリアンパセリがアクセントになった、オトナ味の一品となっています。
栄養価が高く、美容やダイエットにおすすめの野菜のセロリですが、独特の苦みや風味があるため、苦手と感じる方も多いものです。
しかし、梨と組み合わせることで、セロリの苦みや風味が軽減され、食べやすくなりますよ。
さっぱりしていて食べやすい梨レシピとしておすすめしたいのが、梨ときゅうりのごま酢和えです。
お酢は、お通じの改善に役立ち、代謝アップを促してくれるので、ぜひダイエット中に取り入れたい調味料です。
胡麻の香りがリッチでお酢の酸味も和らげてくれるので、お酢が苦手な方でも食べやすいですよ。
減量中は、キビ砂糖をダイエットシュガーに置き換えるのがおすすめです。
スーパーに並んでいる旬の野菜と梨の味わいを楽しめるのが、自家製の水キムチです。
唐辛子に含まれるカプサイシンは、脂肪燃焼を促進させてくれるといわれていますので、ダイエット中におすすめです。
作り方も簡単で、よく洗った野菜や果物をキムチ液に漬けるだけです。日持ちもしますので、作り置きの副菜やおつまみとしても重宝する一品です。
こちらのレシピは、粉唐辛子とコチュジャンをベースとした梨ときゅうりのキムチです。
カットした梨やきゅうりにタレを和えるだけでササっとできる時短レシピなので、ダイエット中はもちろん、あと一品欲しいという時にも作りやすいメニューです。
糖質をオフしたい場合は、使用する砂糖の量を減らしましょう。
ダイエットメニューとしてはもちろん、パーティーメニューとしてもおすすめしたいのが、鰤と梨のカルパッチョです。
お刺身用の鰤に、市販のイタリアンドレッシングと角切りにした梨を乗せるだけで完成するお手軽レシピですよ。
ダイエット中はノンオイルのイタリアン風ドレッシングで代用するのがおすすめです。
秋の旬の味覚の代表格の秋刀魚は、塩焼きが定番ですが、こちらのレシピのようなアレンジメニューもおすすめです。
こちらは、すりおろした梨を使用したしょうゆベースのタレに漬けこんだコリアンマリネです。
秋刀魚や茄子は揚げずにフライパンで焼けば、カロリーオフできますので、ダイエット中でも食べやすいですね。また、はちみつやみりんの使用量を減らすのが糖質をオフするコツですね。
ダイエット中の置き換えメニューとしてもおすすめしたいのが、牛肉の冷しゃぶサラダです。
すりおろした梨を使用したタレを加えた牛しゃぶサラダです。レタスの量を増量すれば食べ応えもアップしますね。
また、サラダの具材やお肉の種類を変更するなど、さまざまなアレンジができるレシピとなっています。
さまざまな野菜やお肉、魚や豆腐などに掛けて楽しむことができるのが、中華風の梨ドレッシングです。
梨の甘さと豆板醤の辛さ、そしてお酢の酸味が絶妙に絡み合うドレッシングです。
梨ダイエット中にストックしておけば、好きな食材に加えるだけで梨を摂れますよ。
すりおろした梨がほのかに甘みを添えてくれるプルコギは、子どもからお年寄りまで食べやすい優しい味付けです。野菜やタンパク質がたっぷり摂れるレシピです。
ダイエットメニューとして使用する場合は、砂糖やオリゴ糖の使用量を減らし、唐辛子で辛さを加えるのがおすすめです。
砂糖もみりんも使用せず、梨の甘さを賢く利用したのが、梨ダイエットにおすすめの生姜焼きです。
食物繊維豊富で体脂肪の分解を働きかけてくれるキノコキトサンを含むしめじを使用したメニューです。
下味をつけた豚肉を焼くだけでできるので、料理が苦手な方や料理初心者さんでも失敗しにくいレシピですよ。
低糖質で高タンパクな鶏の胸肉は、ダイエット中や肉体改造中に摂っている方が多い人気の食材です。リーズナブルな価格というのも嬉しいですね。
ニンニクと生姜が効いた、梨の甘さも味わえる鶏の蒸し煮は、クセになる深みのある味わいです。
鶏の胸肉は、鶏のもも肉と比べると、パサパサとした触感になりやすいのがデメリットですので、こちらのレシピのタレにあらかじめ漬けこんでおけば、梨の酵素がお肉を柔らかくしてくれますよ。
こちらは、通常のハンバーグに梨のおろしソースを使用したレシピです。
なんと、ハンバーグのタネの中にもみじん切りにした梨が入っていますので、統一感のある味わいに仕上がります。お麩をかさまし食材として使用していますので、お麩の中に肉汁が浸み込み、ジューシーでふわふわなハンバーグが楽しめますよ。
ダイエット中でさらにカロリーを抑えたい方は、低糖質な豆腐やおからをハンバーグに入れてみましょう。
代謝に欠かせないビタミンやミネラルを多く含むモロヘイヤと梨のグリーンスムージーは、カボスがアクセントになったダイエットドリンクです。
カロリーや糖質を抑えたい場合は、バナナの使用量を減らすのがおすすめですよ。
「飲む美容液」とも呼ばれている甘酒は、疲労回復や脳の活性化、整腸作用や代謝アップ効果が期待できる伝統的な飲み物です。
その甘酒をミックスしたスムージーは、素朴な甘さのあるダイエットドリンクです。
タンパク質を補給でき、イソフラボンも摂取できる豆乳を使っているのもポイントですね。
低カロリーな梨は、ダイエットをサポートしてくれる栄養素を含むフルーツです。ただし、糖質はやや高いので、食べすぎないように注意したいですね。ぜひ、秋の旬の梨をおいしく食べて、ダイエットに役立ててみてくださいね。