糖質制限ダイエットの1種類であるケトジェニックダイエットは、近年注目度上昇中のダイエット方法です。そこで今回は、ケトジェニックダイエットの特徴や効果、食材ややり方、注意点などをご紹介します。
■ケトジェニックダイエットとは
「ケトジェニックダイエット」とは、糖質制限ダイエットの内の一つです。
そもそも「糖質制限ダイエット」とは、ご飯や麺類、パン類などの主食や、芋類や甘い飲食物などを避けるダイエット方法です。糖質制限ダイエットはメディアやSNS、ブログなどでも紹介されていますよね。短期間で体重を落としたい方や、糖尿病の方が糖質制限をすることが多いですね。
■脂肪を蓄えにくくなる
人は、糖質を摂取すると血糖値が上昇します。上昇した血糖値を下げるためには、インスリンが分泌されます。しかし、インスリンは、脂肪を蓄える作用があるといわれています。
したがって、糖質を制限することでインスリンの分泌量も減り、体が脂肪を蓄えにくくなるのがケトジェニックダイエットのメリットです。
■体脂肪を効率よく燃やすサポートができる
さらに、ケトジェニックダイエットでは、糖質を制限することで、飲食物から供給されるエネルギー源がかなり少なくなります。すると、足りないエネルギーの替わりとして、中性脂肪や体脂肪を分解してエネルギーとして活用し始めます。特に、ケトジェニックダイエットでは、中性脂肪を分解する際に「ケトン体」を生成してエネルギーとして利用します。したがって、中性脂肪や体脂肪を効率よく燃やすサポートができるのが、ケトジェニックダイエットです。
■空腹感に悩まされにくい
ケトジェニックダイエットは、糖質を制限することで体脂肪の燃焼を促すダイエットです。しかし、タンパク質を多く含む食品や質の良い脂質を積極的に摂るダイエットでもあります。したがって、ダイエット中の食事制限で大きな壁になる「空腹感」に悩まされにくいのが、ケトジェニックダイエットの魅力です。
■筋肉が減りにくい
そして、ケトジェニックダイエットは、筋肉の材料となるタンパク質をしっかり摂取するダイエットです。
体は、エネルギー不足になると、脂肪ではなく筋肉を分解しようとしてしまいます。筋肉は、基礎代謝量を左右するので、筋肉量が減ると太りやすくなります。
しかし、ケトジェニックダイエットでは、体がエネルギー不足の際に筋肉を分解しても、筋トレやタンパク質の摂取をしていれば、ある程度は筋肉の減少を抑えることができるのもメリットです。
ケトジェニックダイエットをする際の、大まかな食材のカテゴリーと食材例をご紹介します。
■ケトジェニックダイエットのOK食材
・肉類(牛肉、豚肉、鶏肉、ラム肉など)
・魚介類(サーモン、マグロ、タラ、鯛、アサリ、カキ、ホタテ、カニなど)
・卵
・低糖質の野菜(ほうれん草、ブロッコリー、キャベツ、レタス、白菜、トマト、ナス、ピーマン、アボカド、キュウリなど)
・きのこ類
・油(バターやココナッツオイル、オリーブオイルなど)
・乳製品(生クリーム、チーズなど)
・ナッツ類(アーモンド、くるみ、ピーナッツ、マカダミアナッツ、ヘーゼルナッツなど)
・ベリー類(ブルーベリー、ラズベリー)
などがケトジェニックダイエットに適している食材です。
調味料は塩やスパイス類、スクラロースやステビアなどの少量の人工甘味料を使用するのはOKです。味噌類は、糖質が低いというわけではありませんが、薄いお味噌汁にたっぷりの野菜やきのこを入れた簡単レシピは、糖質制限メニューとして人気を集めています。
お酒は、焼酎やウイスキーなどのような蒸留酒を少量でしたら飲むこともできます。
一方、ケトジェニックダイエットをする際に避けたいのが、
・米や麦類(シリアルやパン、麺類)
・豆類やコーン
・フルーツ類(ベリー類以外)
・根菜類(サツマイモやジャガイモなどの芋類、ニンジン、レンコン)
・ジュースやスムージー、炭酸飲料
・砂糖を使用しているお茶やコーヒー
などです。
調味料は、砂糖やみりん、ソースなど、糖質を含むものは基本的には使用しないようにしましょう。
お酒はビールや日本酒、ワインや梅酒などのアルコール類もNGです。
ケトジェニックダイエットは、低糖質の食品を食べるダイエットです。
しかし、ケトジェニックダイエットのデメリットは、急に低糖質の食材のみを食べるようにすると、低糖質状態がストレスになり、時にはドカ食いしてしまう可能性がある点です。
したがって、ケトジェニックダイエットの初期に、糖質を減らしすぎないようにしましょう。
例えば
・ご飯や麺類、パンなどの主食を徐々に減らす
・糖質ゼロの麺類を食事メニューに取り入れる
・甘い飲食物も少しずつ減らすようにして、代わりにベリー類やナッツ類をおやつにしていく
などですね。
■ケトジェニックフードに慣れてきたら
ケトジェニックフードに慣れてきたら、本格的にケトジェニックダイエットにチャレンジしてみましょう。
ケトジェニックダイエットでは、基本的には先ほどご紹介したOKフードを摂取していきます。
さらに、糖質の1日の摂取量は1日50g~60g程度に抑えましょう。
タンパク質は、体重1kg当たり1.5gを目安に摂取します。例えば、体重60kgの女性の場合は、1日で摂取するタンパク質は60×1.5=90gとなります。
ただし、タンパク質は、糖質ほど厳密に計算しなくてもよいとされています。
そして、脂質は、ココナッツオイルやオリーブオイルを1日大さじ2杯程度摂取しましょう。
自分でメニューを考えるのが難しい場合や、料理に飽きてしまった場合は、ケトジェニックダイエットの指南本を参考にするのがおすすめです。SNSやブログ、YouTube(ユーチューブ)などで閲覧できる「フル食」と呼ばれる食事の記録を参考にしてもいいですね。
ポイントは、食事の最初に低糖質の野菜やきのこ類をたっぷり食べることで、血糖値が上がりにくくなり、満腹感も得やすくなりますよ。常温の水やノンカフェインのお茶も摂取しましょう。
■無理のない範囲で
ケトジェニックダイエットでは、タンパク質や野菜、きのこ類を積極的に摂取しましょう。ご紹介した摂取量はあくまでも目安です。
無理なダイエットによって栄養不足や食物不足、水分不足になると、髪や肌のハリが失われたり、便秘によって肌荒れが起こるケースもあります。体重だけでなく女性としての魅力もダウンしてしまわないように注意したいですね。
■少しでも体調に異変を感じたらストップ
ケトジェニックダイエットは、さまざまな方法があります。中には1日の糖質の摂取量が50gを切るダイエットもあります。確かに、低糖質状態になれば、ケトン体が生成されやすくなりますが、急な低血糖状態は健康面でのリスクがあります。
また、水分不足になると、脱水状態になったり、意識障害になるケースもあるようですので、少しでも体調に異変を感じたらケトジェニックダイエットを中止しましょう。
■リバウンドに注意
さらに、ケトジェニックダイエットでは、筋肉の分解が起きやすいので、基礎代謝も下がりやすく、リバウンドする危険性もあります。
したがって、食事制限だけでなく、筋トレも積極的に摂り入れましょう。特に、筋トレの後30分以内にタンパク質と少量の糖質を摂取すると、効率よく筋力アップできます。
さらに、ケトジェニックダイエットを終えた後は、すぐに元の食事に戻さず、徐々に糖質の摂取量を上げていくのもリバウンドしにくいコツですね。
糖質を制限するケトジェニックダイエットは、糖質を制限する替わりに、タンパク質や脂質を摂取するダイエット方法です。ただし、無理をすると危険ですので、自分に合ったペースで行うのがおすすめです。