和服には普段着として着る着物から格式の高い着物まで、さまざまな種類があります。その場にふさわしい和服を着こなして、普段のおしゃれに和装を気軽に取り入れてみませんか?和服初心者さんのための、知っておきたい和服の種類まとめです。
【目次】
和服を着てみたいけれど種類が多くてどういうものを着ればいいかよくわからない……そんな和服初心者さんにもわかりやすいように、和服の種類をまとめてご紹介!
特徴や、どういったシーンにふさわしいのかも合わせて見ていきましょう。
<特徴>
夏に着る気軽な和服が浴衣です。
元々はお風呂上がりに着るものでしたが、現在は室内だけでなく屋外でも着用するカジュアルな着物として女性からも男性からも人気があります。
朝顔などの花柄や花火や朝顔、うちわなど夏を連想させる柄のものが多く綿素材が中心。最近は洗いやすさやシワになりにくいというメリットから、ポリエステルを混紡した生地を使ったものも登場しています。
<どんなシーンに着る?>
・お風呂上がりに家で
・夏まつりや花火などのお出かけに
<特徴>
未婚の女性が着用する格式の高い和服の振袖は、華やかな色や柄が特徴的。
また袖の長さによって呼び名が変わります。
・大振袖(125cm)
・振袖(114cm)
・中振袖(87〜106cm)
・小振袖(76〜86cm)
<どんなシーンに着る?>
・結婚式の花嫁衣装(大振袖)
・成人式や結婚式のゲストなど(振袖・中振袖)
・パーティー、袴を合わせて卒業式に(小振袖)
<特徴>
女性が結婚した時や18歳になった時に振袖の袖を切流という習わしがあり、それを留袖と言いましたが、現在は格式の高い和服のことを留袖と呼んでいます。
【留袖には2種類ある】
黒留袖→裾に模様が入っていて、背中の中心と両胸、外袖に紋が入っているのが特徴。既婚女性が着る。
色留袖→黒留袖と同様に紋が入り、裾に模様が入っている着物。未婚の女性が着ても良い。
<どんなシーンに着る?>
・結婚式や披露宴で新郎新婦の母親、親族の女性(黒留袖)
・結婚式や披露宴で新郎新婦の親族の女性、来賓の女性(色留袖)
・お茶会やパーティー(色留袖)
<特徴>
格式では留袖の次に高いという訪問着は、裾だけでなく全体的に柄が入っていて華やかな雰囲気。伝統的な柄はもちろん、現代的なデザインのものも多くあります。
着物を仕立ててから模様を書いて、それを解いて改めて染めの工程を行います。
<どんなシーンに着る?>
・パーティーなど華やかな席
・未婚でも既婚でも着ることができる
<特徴>
訪問着を簡単にしたのが付下げです。
こちらは、反物の状態で模様を入れて、着物に仕立てた時に全ての柄が上を向くように描かれているのが特徴です。
<どんなシーンに着る?>
・着物でおしゃれをしたい時
・劇場へ行く時やお茶会など集まりがある時
<特徴>
名前の通り、無地に染めた反物で作られた着物です。
紋をつけることでフォーマルな意味合いが高まり、おめでたいお席や喪のお席に着用する着物として使うことができます。
<どんなシーンに着る?>
・卒入学式などのセレモニー
・お茶の席
<特徴>
色をつけた糸を織って作られた着物を紬と呼び、普段着の着物として気軽に着用されていました。日本各地で生産されていて、その産地の名前がついた紬が多くあります。(大島紬や結城紬など)中には紬の生地にさらに色や柄を染めつけたものも。
<どんなシーンに着る?>
・普段着
・おしゃれ着
紬には高級なものも少なくありませんが、価格が高くても格の高い着物ではないのでフォーマルなシーンには不向きです。
<特徴>
柄が繰り返しで染められている着物のことを言います。小さな柄の繰り返しの他、大きめのパターンを繰り返すものもあります。訪問着や付下げよりは格が下で、和装のおしゃれを楽しみたい人に人気があります。
<どんなシーンに着る?>
・コンサートやお芝居を観に行く時
・パーティーやお茶会
洋服に例えるとワンピースのような感じで、「ちょっとおめかし」をしたい時にちょうどいいのが小紋です。
<特徴>
喪の悲しみを表す着物は、黒の無地です。いつ必要になるかわからない喪服は、嫁入り道具の一つとして用意するという場合も多いと言います。
<どんなシーンに着る?>
・葬儀、告別式
・法事
何回忌まで喪服を着るのかというのは、地域によって異なります。葬儀・告別式では黒喪服に黒帯が一般的ですが、故人が亡くなられて何年も経った法事では、茶色やグレー、藍色など地味な色の色喪服を着用する場合もあります。
「我が子の入学式に着物を着て行きたい!」そんな時にはどのようなものを選ぶのが良いのでしょうか?
■正装に当たる着物
春のおめでたいシーンに着ていく着物は
・訪問着
・色無地
・付下げ
がおすすめです。
派手になりすぎない、春らしい色や柄の着物を選べば入学式にぴったりです。
最近は和装が人気で、普段から気軽に和服を着る人が増えています。たくさんある着物の種類の中から、TPOに合わせた着物を選び、自分らしい和服のおしゃれを楽しみたいですね。