家の中で現れる花粉症の症状に悩んでいる人は少なくありません。ここでは、家の中で花粉症がひどくなる原因や家の中の花粉対策についてご紹介します。
【目次】
スギやヒノキ、イネ、ブタクサなどの花粉症で春先から秋ごろまでは鼻水やくしゃみ、目のかゆみなどの症状に悩まされる人は多いです。花粉症は植物がある屋外で症状が出る印象がありますが、「家の中だけで症状が出る」「家に帰るとひどくなる」という人も少なくありません。
家の中で花粉症の症状が出るのは、家にも花粉があるためです。
植物がない家の中で花粉症の症状が現れるのは、花粉が家に持ち込まれるからです。家に持ち込まれる花粉量の割合について確認してみましょう。
・窓や玄関からの侵入:約60%
・洗濯物や天日干しした布団への付着:約37%
・帰宅時の衣服からの侵入:約3%
家の中にある花粉の約6割は窓や玄関から侵入し、その近くにとどまります。しかし、花粉が家の中で浮遊したり、衣服などに付いて室内に入り込んだりすると、ソファやカーペット、ベッドなどにも付着します。
また、花粉は掃除の際に手が届きにくい家具の隙間や本棚などにも溜まることが多いです。室内は気密性が高いため、花粉を吸いこみやすく、屋外よりも家の中で花粉症の症状が辛くなることも少なくありません。
花粉症の症状が家の中で酷くなる場合、次のような原因が考えられます。
■衣服に花粉が付着している
屋外にいる時に、静電気で衣服に花粉が付着すると、家の中に花粉が入り込みます。室内で花粉が落ちれば、花粉を吸いこんで花粉症の症状がひどくなるでしょう。
■換気で花粉が入り込んでいる
花粉で窓やドアなどを開けると、花粉が入り込みます。
■掃除が不十分
どんなに対策をしても花粉は入り込んできます。掃除が不十分だと入り込んだ花粉が部屋に溜まり、花粉症がひどくなります。
■洗濯物を外に干している
洗濯物を外に干すと、花粉が付着します。洗濯物を家の中に取り込めば、一緒に花粉が入り込んできます。
花粉症の人は花粉が飛んでいる時季は洗濯物や布団を部屋干ししましょう。
■洗濯物
花粉は濡れているものに付着しやすいです。そのため、洗濯物はできる限り部屋干ししましょう。除菌効果や抗菌効果のある洗剤を使うと、部屋干しした時の嫌な臭いを軽減できます。
どうしても洗濯物を外に干したい時は洗濯物に花粉防止スプレーを振り、家の中に取り込む時は1枚ずつ花粉を振り払いましょう。静電気を防止する柔軟剤を使用するのもおすすめです。
■布団
布団も天日干しは控えましょう。家の中の直射日光が当たるところに干したり、布団乾燥機を使ったりすると、部屋干しでもダニ退治できます。
家の中での花粉症に悩んでいるなら、花粉をできるだけ家の中に侵入させないことが大切。外出先から帰ってきたら、家の中に入る前に服に付着した花粉を払い落としましょう。
玄関の近くで花粉を払うと、玄関を開けた時に花粉が入り込んでしまうことがあるため、少し離れた場所で払い落とすのがポイントです。
■花粉を払い落としやすい素材の服を選ぶのも効果的
ウールやファー、フリースなどの素材の服は花粉が引っかかりやすいです。花粉症の人はレザーやポリエステル、ナイロンなどの花粉が付きにくく、落ちやすい素材の服を選ぶのも良いでしょう。
■静電気防止スプレーで花粉の付着を予防
服に付く花粉を家の中に入れたくない場合は、服に静電気防止スプレーをかけておきましょう。静電気を抑えると、花粉が付きにくくなって家の中に侵入する花粉の量が減ります。
室内の空気はハウスダストなどで汚れているため、健康的に生活するためには、花粉の時季でも換気は欠かせません。ただし、昼から夕方の時間に換気をすると、花粉が家の中に入り込みやすいため、換気は朝や深夜に行いましょう。
花粉の飛散が始まっていない朝や夜露に濡れて花粉が地面に落ちている深夜は換気をしても花粉が侵入しにくいです。
■昼や夕方にしか換気できない時の対処法
昼や夕方しか換気できない場合は、必ず網戸を締めましょう。花粉吸着カーテンを閉めた状態で換気するのも良いでしょう。
家の中での花粉対策には、掃除が大切。ただし、むやみに掃除をすると、花粉症がひどくなることがあるので注意が必要です。
■できるだけ掃き掃除を控えて拭き掃除をする
花粉症で鼻やのどの粘膜がダメージを受けている時はハウスダストにも反応しやすいため、はたきや箒を使った掃き掃除は避けた方が無難、使い捨て可能な掃除シートやウエスで拭き掃除を行いましょう。
■掃除機を使う時は空気清浄機を稼働させる
掃除機は移動時や排気で床の上の花粉やほこりを舞い上げてしまうことがあります。掃除機を使う際は空気清浄機をハイパワーで稼働させておくのがおすすめです。
室内の花粉対策には加湿器や空気清浄機、エアコンの使用も効果的です。
■加湿器
家の中を加湿すると、花粉が湿って重みが増し、床に落ちます。花粉の時季は室内の相対湿度が50~60%程度になるように加湿器を使いましょう。
■空気清浄機
空気清浄機は室内に浮遊する花粉をフィルターでキャッチしてくれます。花粉対策のために空気清浄機を買う場合は、必ず花粉に対応しているか確認しておきましょう。
■エアコン
エアコンは空気を吸い込み、暖めたり、冷やしたりして排出します。エアコンに花粉吸着フィルターを取り付けると、室内の花粉を吸い込んで綺麗な空気を出してくれるため、家の中での花粉症の症状が緩和するでしょう。
ただし、湿気の影響でエアコンにカビが生えていたり、エアコンの内部に花粉が溜まっていたりすると、花粉吸着フィルターを使っても十分な効果は得られません。エアコンで花粉対策をするなら、定期的にエアコン掃除を行いましょう。
花粉症は花粉が体内に侵入することで起こります。花粉対策を頑張っても完全に花粉の侵入を防いだり、家の中の花粉を全て外に出したりするのは難しいので、症状がひどい時は室内でもマスクやメガネを着用しましょう。
花粉は家の中にもあります。換気をしたり、洗濯物を外に干したりすると、花粉が家に入ってくるので、花粉症の人は適切な対策をして症状の緩和を目指しましょう。