レストランや会議室と同じように、タクシーに乗る際にも、上座や下座の位置には決まりがあります。そこで今回は、座席の位置や乗り方など、タクシーに乗る際のマナーをご紹介します。
タクシーに乗る際に気をつけたいマナーの一つが、上座や下座の場所です。会議室や飲食店、リビングなどと同じように、タクシーの座席の位置にも席次があります。お客様を送迎する際にも、ぜひおさえておきたいビジネスマナーですね。
一般的な5人乗りのタクシーに乗車する場合、一番目上の人が座る上座は、運転席の後ろの席になります。
次に目上の人が座るのが助手席の後ろの席になります。
次に目上の人が座るのが後部座席の真ん中になり、4人の中で一番下の立場の人が座る下座は助手席になります。
■3人で乗る場合
運転手を除いて3人でタクシーに乗車する場合には、下座が助手席になり、一番目上の人が座るのは運転席の後ろの席になります。二番目に目上の人は、後部座席の助手席の後ろに座るのが席次のマナーとされています。
■2人で乗る場合
運転手を除いて2人でタクシーに乗車する場合にも、助手席には、同乗している人の下の立場の人が座ります。後部座席が上座になります。
ただし、ビジネスシーンでは、2人で後部座席に座ると会話がしやすいですし、上司が助手席に座って部下が後部座席に座って荷物を管理するケースもあります。
■席次にこだわりすぎないのもマナー
ただし、後部座席に3人並んで座るのは、窮屈な場合もあります。相手が、末席である助手席に座りたいと言った場合には、たとえ目上の方であっても、無理に上座を勧めないようにするのがマナーですね。着物やドレスを着ている場合や、身体の不自由な方が同情する場合も、降りやすい後部座席の助手席側に座るケースがありますね。
女性がいる場合、後部座席に男性に挟まれて座らないようにするのもマナーです。後部座席の中央の席は、一段高くなっていて座りにくいことも、後部座席の中央の席が避けられる理由となっています。
タクシーの席次は、目上の人の希望を上手に汲み取り、臨機応変に対応することが大切です。
■タクシー以外に乗車する場合
ビジネスシーンなどで、タクシー以外の自家用車や社用車、レンタカーなどに同乗する場合には、タクシーと席次が少し異なります。
例えば、上司が運転する場合には、自分が助手席に乗り、お客様は後部座席に乗ってもらいます。
しかし、上司と部下がお客様が運転する車に乗る場合には、上司が助手席に座り、部下が後部座席に座るのが一般的です。
■一番下の立場の人が行うのは
タクシーに乗車する際には、席次以外にも注意したいマナーがあります。
まず、タクシーに乗ると決まった場合には、下の立場の人が道でタクシーを拾ったり、電話やアプリでタクシーを手配しましょう。ただし、タクシーをあまりにも長時間待たせると、マナーが悪いと思われますので注意したいですね。
タクシーが到着したら、立場が下の人が「荷物をトランクに積み込みましょうか」と申し出て荷物を預かり、トランクに積み込みます。運転手さんが荷物を積み込んでくれる場合にも、手伝いをするようにしましょう。
また、立場の下の人が最後に乗るようにするのがマナーです。
タクシーの乗車後に、「〇〇にお願いします」と運転手に行き先を伝えたり、ルートの説明をするのも、一番下の立場の人が行う仕事です。
タクシーを下車する際の支払いは、下座に座っている一番下の立場の人が行います。トランクの荷物も、立場が下の人が降ろすようにしましょう。
■荷物は
タクシーに乗車する際に、大きな荷物がある場合には、できるだけトランクに入れるようにするのがマナーです。
手荷物や貴重品は手元に置いておき、旅行バッグやキャリーケース、スーツケースなどはトランクに積み込み、車内が窮屈にならないように配慮しましょう。
■座り方
タクシーの車内では、脚を広げたり、脚を組んで座るのはマナー違反とされています。シートベルトを締めて座りましょう。
■荷物
また、手荷物は座席の上に置かず、膝の上に乗せておくとスマートですね。
■会話
車内では、和やかな雰囲気になるよう、明るい話題を選ぶようにすることも大人のマナーですね。スマートフォンの操作に夢中になってしまわないようにしましょう。
■降りたい場合には
タクシーを降りたい場合には、直前で「ここで停まってください」と言うと、事故の原因にもなりかねません。したがって、運転手に降車する位置を早めに伝えておきましょう。
車線変更が必要な場合もありますし、混雑している場合には、希望の位置に停まれないケースもあります。交差点内やバス停の前などに停まることもできませんので注意しましょう。
雨が降っている場合は、なるべく雨が避けられそうな場所を選びたいですね。
■支払いは
ビジネスシーンでは、タクシーを下車する場合には、できるだけ現金で支払うようにしましょう。
最近では、クレジットカードや電子マネーが使用できるタクシーも増えてきましたが、クレジットカードの支払いは時間がかかることが多いので、相手を待たせてしまうとマナー違反になります。また、必ずしも乗車したタクシーがクレジットカードや電子マネーを使えるとは限りませんので注意したいですね。
■忘れ物がないか確認する
タクシーを降車する際には、忘れ物がないか、座席を一度チェックしてから降りるようにしましょう。
■万が一のために
タクシーに乗る際に注意したいのは、忘れ物をしてしまった時の対策です。会社名や車両ナンバー、運転手さんの名前などを控えておくのがおすすめです。
ビジネスシーンでタクシーに乗車する場合には、タクシーの領収書は経費として精算するために保管しておきます。
しかし、車両番号や運転手さんの名前がわからないと、万が一重要な書類や荷物を忘れてしまった場合に、荷物が手元に戻ってくるまでに時間がかかってしまいます。会社名や車両ナンバー、運転手さんの名前などをメモしておきましょう。
タクシーに乗る際には、運転席の後ろの席が上座となり、助手席が下座となります。ビジネスシーンでは、同乗する人の中で下の立場の場合は、支払いを行うのがマナーです。タクシーの手配や道案内、荷物の管理などにも気を配りたいですね。