制汗剤は汗ジミや汗臭の対策に役立つアイテム。正しい方法で使えば、汗を減らせたり、臭いを軽減できたりします。ここでは、制汗剤の使い方や注意点、選び方と効果を期待できるおすすめの制汗剤をご紹介します。
【目次】
制汗剤は汗の予防やかいた汗のケアに使えるアイテム。一時的に汗の量を減らすために、肌を引き締める成分などが使われています。
最近は、メジャーなスプレータイプの他に、ロールオンタイプやスティックタイプ、クリームタイプなど、さまざまな種類が登場していて、香りのラインナップも多彩です。
■制汗剤とデオドラントの違い
厳密にいうと、制汗剤とデオドラントは違うアイテムです。制汗剤が汗を減らすアイテムであるのに対し、デオドラントは汗の臭いを抑えるために作られています。
ただし、臭いをケアできる制汗剤や汗を減らす成分が含まれたデオドラントも少なくありません。そのため、最近は、制汗剤とデオドラントをまとめて「制汗剤」と呼ぶことが多いです。
制汗剤を使っても、服に汗ジミができるほど汗をかいたり、汗の量を減らす効果を感じられなかったりする場合は、使い方を間違えているのかもしれません。制汗剤の効果を発揮させる正しい使い方を見ていきましょう。
制汗剤は脇などの肌に付いた汗をなくすものではありません。肌を引き締めたり、代謝を抑えたりして一時的に汗の量を減らし、かいた汗を吸着して、ベタつきや嫌な臭いを予防します。
そのため、制汗剤は汗をかく前に使うのがポイントです。お風呂上りや朝、出かける前に気になる場所に制汗剤を塗り、汗の量を減らして臭い原因となる雑菌の発生を防ぎましょう。
現在販売されている制汗剤は、効果の持続時間が長いため、お風呂上りや朝に使えば、夕方までしっかりと汗を抑えられるものが多いです。
脇の中央にあるくぼみの部分だけに制汗剤を使っている人は多いかもしれません。しかし、中央だけに制汗剤を塗ると、脇汗を十分に予防できない可能性が高いです。
嫌な臭いの原因となる脇汗を出すエクリン腺は、脇の中央に加え、腕側にも広がっています。腕側とくぼみの2~3㎝程度外側まで制汗剤を塗れば、エクリン腺をしっかりとカバーできて、汗の量が減ります。
制汗剤は、お風呂上りや朝のお出かけ前に使うのが理想ですが、うっかり塗り忘れて外出先で汗や臭いが気になることもあるでしょう。また、しっかりと制汗剤を使っていても、スポーツをしたり、暑いところで過ごしたりすると、臭いが気になります。
外出先で、汗や臭いの対策をしたくなったら、シートタイプの制汗剤で汗を拭き取ってからスプレータイプやロールオンタイプなどの制汗剤を使うのがコツ。かいた汗や臭いの原因となる雑菌を拭き取ってから、他の制汗剤で汗の量を減らせば、効率的に汗や臭いをケアできます。
制汗剤は汗の量を減らしたり、臭いを軽減したりできる便利なアイテムですが、使い方を間違えると、余計に臭いが強くなったり、肌に刺激が与えられたりします。制汗剤を使う時に知っておきたい注意点を確認していきましょう。
汗の量が多い人やワキガ体質の人は、ついつい制汗剤を使いすぎてしまいます。しかし、制汗剤の使い過ぎは絶対にNGです。
制汗剤には、汗の臭いの原因となる雑菌の繁殖を抑える殺菌成分が含まれています。殺菌成分は悪い菌だけでなく、良い菌も殺してしまうので、制汗剤を使いすぎれば、皮膚の常在菌のバランスが崩れることが多いです。
常在菌のバランスが崩れると、外部の菌が繁殖しやすくなるため、かえって汗の臭いが強くなる可能性があります。
基本的に、汗は体温調節のために出されます。汗の臭いを予防するために、全身に制汗剤を塗ると、体温調節ができなくなり、体調を崩す可能性があるので、制汗剤は体温調節に関係しない脇や足だけに使いましょう。
手汗やデリケートゾーンの臭いなどが気になる場合は、一般的な制汗剤ではなく、気になる部分専用のデオドラントアイテムを正しい方法で使用してください。
商品や保存環境にもよりますが、基本的に、未開封の制汗剤は3年程度品質や安全性が維持されます。しかし、一度開封したものはシーズン中に使い切るのがおすすめです。
一般的に、開封後の制汗剤でも香りや見た目に変化がなければ、そのまま使っても問題ありません。ただし、体に直接塗るものなので、古いものは避けた方が無難でしょう。特に、肌が弱い人はなるべく早く、制汗剤を使い切った方が安心です。
肉食中心の海外の人は、日本人と比べて体臭が強いといわれています。そのため、海外では、日本の制汗剤よりも効き目が強く、効果の持続時間が長い制汗剤が販売されています。
最近は、海外製の制汗剤を使う人が多いですが、海外で売られている強力な制汗剤は、アルコールなどの刺激成分がたくさん配合されていることが少なくありません。制汗剤の成分で肌荒れする可能性もあるため、必ずパッチテストをしてから使いましょう。
パッチテストで赤みやかゆみが出たり、肌に合わないと感じたりしたら、すぐに使用をやめて、気になることは皮膚科で相談してください。
ロールオンタイプやスティックタイプ、クリームタイプ、シートタイプの制汗剤はそのまま捨てて問題ありません。しかし、スプレータイプ(エアゾール製品)の制汗剤は捨て方に注意しましょう。
スプレータイプの制汗剤はしっかりと中身を出し切ってから処分するのが大切です。風通しの良い屋外で制汗剤を空にしましょう。空になったスプレーボトルの捨て方は自治体によって違うので、ホームページなどで正しい処分方法を確認するのがおすすめです。
制汗剤は汗腺を防いで汗を抑える働きがあります。長時間、制汗剤を塗ったままだったり、毎日、制汗剤を使っていたりすると、汗の分泌が抑えられて肌が乾燥し、かゆみや肌荒れに繋がることが少なくありません。
また、強い殺菌成分が入った制汗剤の使用で肌の常在菌のバランスが崩れた場合も、肌トラブルが発生することがあります。特に、敏感肌の人は制汗剤でトラブルが起こりやすいので、必ず正しい方法で使い、異常を感じたら、使用を中止してください。
最近は、多くのブランドからさまざまなタイプの制汗剤が登場しています。制汗剤によって、成分や効果も違うため、どれを選べばいいか迷っている人も多いでしょう。自分に合った制汗剤の使い方をチェックし、制汗剤選びの参考にしてください。
スプレータイプは制汗剤のスタンダードなタイプ。強めの収斂成分が配合されていて、ひと吹きで手が届きにくい部分も簡単にケアできます。スプレーした後はひんやりとするため、ほてりを抑えられて運動後などに使うと気持ちいいです。
また、スプレータイプの制汗剤は肌に触れないので、清潔に使えるのも魅力。抗菌成分が配合されているものも多いため、1本で汗と臭いをケアしたい人にもおすすめです。
その一方、スプレータイプの制汗剤は効果の持続時間が短いといわれています。また、強い成分が使われているため、敏感肌の人は肌荒れに注意が必要です。
ロールオンタイプは先端に球体が付いたタイプ。球体をコロコロ転がし、液体の制汗剤を塗ります。ロールオンタイプのおすすめポイントは、脇全体にムラなく制汗剤を塗れること。たっぷりと塗れるため、制汗効果も防臭効果も高いです。
また、エタノールの配合量が多いので、暑い季節にすっきりと使えるのもメリットでしょう。ただし、エタノールでの肌荒れには注意が必要です。また、脇に直塗りするため、「衛生面が心配」という声も珍しくありません。
スティックタイプは固形の制汗剤を肌に直接塗り込むようにして使うタイプ。肌にしっかりと密着するため、高い制汗効果や防臭効果を期待できて、効果の持続時間も長いです。また、コンパクトなサイズなので、持ち運びやすく、外出先で汗をケアしたい時にもおすすめです。
その反面、たっぷりと塗ると白くなりやすく、服に制汗剤が付着してしまうこともあります。また、「脇毛があると塗りにくい」という口コミも多いです。
クリームタイプやジェルタイプは手で塗るタイプの制汗剤です。自分の手で直接気になる部分に制汗剤を塗布できるため、効果が高いと考えられています。しっかりと塗りこめば、肌に密着するので、スティックタイプと同じように効果が長く続くところもおすすめです。
その一方、スプレータイプやロールオンタイプのような清涼感はなく、汗や皮脂で落ちやすいのはデメリット。また、「手で塗るのが面倒」「手が汚れるから外出先では使えない」という口コミも多いです。
シートタイプの制汗剤はかいてしまった汗の拭き取りにおすすめのタイプ。嫌な臭いやベタつきを落として肌を清潔に保てます。持ち運びやすく、トイレなどでも使えるため、暑い時期はポーチに入れておくと、役立つでしょう。
他のタイプの制汗剤と併用すると、さらに効果を高められます。ただし、エタノールやメントールなどが含まれているものが多いので、肌が弱い人は肌荒れに注意が必要です。
汗の量が多い人や汗ジミに悩んでいる人は汗の量が減らす制汗成分をチェックしましょう。
■制汗成分の例
ACH(クロルヒドロキシアルミニウム)、酸化アルミニウム、ミョウバン、酸化亜鉛、パラフェノールスルホン酸亜鉛など
ミョウバンは制汗作用に加え、殺菌効果もあると考えられているため、汗の量だけでなく、臭いに悩んでいる人にもおすすめです。
基本的に、汗自体には臭いはありません。汗をかいた後に独特な臭いがするのは、汗に含まれる成分や皮膚の汚れをエサにして雑菌が繁殖するからです。
そのため、汗の臭いを抑える目的で制汗剤を使う人は、殺菌成分をチェックするのがおすすめ。雑菌の繁殖を抑えられれば、嫌な臭いの発生を防げます。
■殺菌成分の例
銀イオン、イソプロピルメチルフェノール、ミョウバン、トリクロサン、演歌ベンザルコニウムなど
正しい方法で制汗剤を使っていても、臭いが発生してしまうことは少なくありません。発生した臭いに対処したい時は、消臭成分が配合された制汗剤を使うのがおすすめです。
■消臭成分の例
酸化亜鉛、酸化マグネシウム、シクロデキストリン誘導体、柿渋タンニン、緑茶抽出物など
なお、制汗剤の中には、臭い自体にアプローチするのではなく、強い香りで嫌な臭いをカバーする香り付きの商品もあります。このタイプは、体臭と混ざって逆効果になることもあるため、お出かけの前に、自宅などで自分の体臭との相性を確認しておくのがおすすめです。
発汗と嫌な臭いを抑えるミョウバンが配合されたスプレータイプの制汗剤。脇の他に、胸元や首筋、背中、脚などにも使えます。保湿成分の緑茶エキスEが含まれているため、制汗剤による乾燥を予防したい人にもおすすめです。
長時間、汗の臭いを防ぐ殺菌成分が配合されたロールオンタイプの制汗剤。一時的に汗の量を減らせるACHも入っているので、汗ジミに悩む人にも向いています。保湿効果のあるスキンケア成分やトーンアップパウダーが配合されているところもおすすめのポイントです。
脇や足の嫌な臭いにアプローチするシートタイプの制汗剤。殺菌成分がしっかりと密着し、臭いの元になる雑菌の繁殖を防ぎます。透明さらさらパウダーが配合されているので、ベタつきのケアにもおすすめします。
ワキガのケアにもおすすめの市販の制汗剤。有効成分を含む制汗剤が肌の表面に密着し、一日中、汗臭やストレス臭、加齢臭を防ぎます。ベタつきを抑えるさらさらパウダーや保湿に効果的なヒアルロン酸パウダーが配合されているところも人気の理由です。
Ag DEO24(エージーデオ24) プレミアム デオドラントスプレーDX / ¥1,430
自然由来の殺菌成分「BGA」と臭いケアに役立つ「消臭緑茶エッセンス」を配合したスプレータイプの制汗剤。皮脂吸着剤が配合されているため、ベタついた肌をサラサラにしたい時にもおすすめです。ひと吹きで広範囲を簡単にケアできます。
発汗を抑えるドライシールドパウダーが含まれている制汗剤。汗をかく前にスプレーしておくと、汗ジミや臭いを予防できます。香りのバリエーションが豊富なので、好みや体臭との相性を考えて自分に合うものを選ぶのがおすすめです。
@cosme(アットコスメ)などの口コミサイトで高評価されているロールオンタイプの制汗剤。気になる脇汗や臭いを抑え、サラサラ肌を長時間キープします。球体が体にフィットし、ムラなく塗り広げられるところもおすすめの理由です。
CLINIQUE(クリニーク) アンティ パースパイラント デオドラント ロールオン N / ¥2,200
臭いの原因菌にアプローチする殺菌成分と皮脂を吸着する成分が含まれた制汗剤。汗をかいてもサラサラな肌を保ちます。うるおい成分のビタミンC誘導体が配合されているため、制汗剤による乾燥に悩む人にもおすすめです。
制汗成分のACHが含まれたロールオンタイプのおすすめ制汗剤。汗腺に蓋をして、汗ジミや臭いの原因となる汗の量を減らします。ウォータープルーフ処方と高密着成分の働きで、夜まで落ちにくいところも魅力です。
汗に溶けてジェル状になるドライシールドパウダーで汗腺にバリアを張り、汗の量を抑えるスティックタイプの制汗剤。汗ジミと臭いを1本でケアできます。ベタつきが少なく、暑い季節でも快適に使えるのもおすすめの理由です。
イソプロピルメチルフェノールの働きで臭いのもとになる雑菌を殺菌するおすすめの制汗剤。汗の臭いはもちろん、体臭やストレス臭もケアできます。なめらかな塗り心地で肌に密着するため、効果が長続きします。
Ag DEO24(エージーデオ) デオドラントスティックEX / ¥1,188
汗腺に蓋をして汗ジミや汗の臭いを引き起こす汗をブロックする制汗剤。ウォータープルーフ処方なので、蒸れやすい脇にもフィットし、長時間落ちにくいです。雑菌の増殖をしっかりと抑える成分が配合されているため、臭いを気にせず、夜まで過ごしたい人におすすめです。
汗を止めるのではなく、乾かすという独自の発想で生まれたおすすめの制汗剤。ドライパウダーの働きで、汗をかいた部分をサラサラにします。しっかりと密着するため、汗をかいても落ちにくく、一日中快適な状態をキープできます。
気になる部分に塗り込んで使うクリームタイプの制汗剤。製薬会社が考えたWの殺菌成分で臭いの原因となる雑菌の繁殖を予防します。ベタつかず、時間がないお出かけ前にもさっと使えるところもおすすめのポイントです。
肌にぴったりと密着するクリームタイプのおすすめ制汗剤。制汗成分の酸化亜鉛、殺菌成分のイソプロピルメチルフェノール、保湿成分の植物エキスを配合しています。肌に優しい無添加処方で、敏感肌の人にもおすすめです。
QB(キュービー) 薬用デオドラントクリーム / ¥2,860
汗や皮脂をしっかりと拭き取り、清潔な肌に導くシートタイプの制汗剤。体を動かして火照った肌をひんやりとクールダウンさせます。森林浴をイメージした気分をリフレッシュさせる香りもおすすめのポイントです。
AYURA(アユーラ) ウェルフィットボディーシート / ¥825
汗でべたついた肌をサラサラにして爽快感を与えるシートタイプのおすすめ制汗剤。ふんわりとしたシートは拭き心地が良く、丈夫で破れにくいです。石鹸の香りで嫌な臭いをカバーし、清楚な印象を与えます。
セブンプレミアムライフスタイル さらさら・爽快シート / ¥198
寝起きやお出かけ前、運動後、外出先での汗対策におすすめのシートタイプの制汗剤。柔らかい大判シートで汗によるベタつきや臭い、汚れをしっかりとオフします。疲れを癒してくれる心地よい香りもおすすめです。
日本人と比べて体臭が強い人が多いと言われるヨーロッパで人気の制汗剤。医療先進国のデンマークのブランドが開発しました。何度か塗っていると、3~5日程度汗の臭いを抑えられるようになるため、旅行やお泊りなどのシーンにもおすすめします。
◆Perspirex(パースピレックス) オリジナル ロールオン
日本での販売価格:2,000円~3,000円(税込)
「汗や臭いを抑える」とアメリカで話題の制汗剤。肌に密着するスティックタイプで長時間効果が続きます。インビジブルソリッドは柔らかいテクスチャーで伸びが良いため、肌に白く残らないのがおすすめのポイントです。
◆Secret(シークレット) オリジナル インビジブルソリッド デオドラント
日本での販売価格:950円~1,500円(税込)
アメリカで定番のスティックタイプの制汗剤。一度塗ると、最大で48時間効果が持続します。動くたびに効果が発揮されるため、外出時や仕事中、スポーツ時などの使用がおすすめです。さまざまな香りがありますが、アメリカではシャワーグリーンが人気を集めています。
◆Degree(ディグリー) モーションセンス
日本での販売価格:1,500円~2,800円(税込)
口コミサイトや雑誌のランキングで上位になることが多い大人気の制汗剤。有効成分の焼きミョウバンやイソプロピルメチルフェノールが汗を抑えてワキガ臭や嫌な臭いを防ぎます。サラサラな使い心地の制汗剤が欲しい人にもおすすめです。
Deonatulle(デオナチュレ) ソフトストーンW / ¥990
発汗を抑える有効成分の塩化アルミニウムが配合されたおすすめの制汗剤。清潔な肌に直接塗りこむと、汗の量を減らしたり、ワキガの臭いを抑えたりする効果を期待できます。「夏でも汗ジミができなくなった」「これを使うと、嫌な臭いがしない」などと口コミでも高く評価されています。
暑い季節は汗のトラブルに悩む人が多いはず。脇の汗ジミや汗の臭いに困っている人は制汗剤で対策するのがおすすめです。汗を抑えたり、臭いをケアしたりする制汗剤を使えば、汗ばむ季節も快適に過ごせます。