落ち着いた空間でゆったりとした時間を過ごせる旅館ですが、過ごし方にも色々なマナーがあります。そこで今回は、旅館に宿泊する際のマナーや心付けについてご紹介します。
■予約する際のマナー
最近では、インターネットで手軽にできる旅館の宿泊予約ですが、体調不良やトラブルなどでキャンセルする場合は、なるべく早く手続きを行いましょう。特に、宿泊予約日近くの場合は、電話で直接キャンセルの手続きをするようにしましょう。キャンセル料をきちんとお支払いするのがマナーです。
また、宿泊する際には、宿泊料金とは別に「入湯税」や「サービス料」「消費税」などが加算されることもありますので、事前に確認しておくようにしましょう。
宿泊費用の支払いにクレジットカードを使用する場合は、宿泊先のサイトや電話予約の際にカード払いに対応しているかどうかを確認するか、現金を持参しましょう。
■予約時間に遅れそうな時は
宿泊予約する際には、大まかなチェックインの時刻も伝えるのが一般的です。ただし、夜中のチェックインは、特別な理由がない限り迷惑になりますので控えた方が良さそうですね。
チェックイン時刻に合わせて旅館のスタッフも待機していますので、最初に伝えたチェックイン時刻に遅れそうな場合は、あらかじめ電話で遅れることを伝えるのがマナーですね。
■チェックインする際には
宿帳に記入する場合は、本名で記入をします。忘れ物があった場合の連絡に使用する場合もありますので、電話番号や住所も間違いがないように記入しましょう。
チェックイン時に気になる点を確認してみましょう。宿泊する部屋がカードキーではない場合は、外出する場合は、フロントに預けておくと紛失する心配がありませんね。
旅館での食事は、レストランや宴会場などで食べる場合と、宿泊する部屋で食べる「部屋食」があります。
レストランや宴会場などで、他の宿泊客と一緒に食事をする場合は、浴衣やスリッパで食事に行っていいかどうか確認しておくと安心ですね。ホテルの場合は、部屋着やスリッパで館内を歩くのはマナー違反とされている所が多いので注意しましょう。
また、ドリンクやお菓子などは、少量でしたら持ち込みOKの場合が多いですが、持ち込みができるかどうかもあらかじめチェックしておきましょう。
■食べ終えた後は
旅館のお部屋での会席料理や、ホテルのルームサービスの場合、重ねると傷をつけてしまうことがあるので、食器類は重ねないようにします。使用したカトラリーやおしぼり類などは綺麗にまとめておくようにしましょう。
■部屋に案内されたら
旅館では、チェックイン後にお部屋に案内された場合、まずは座布団のある部屋に座って、スタッフから宿泊の案内があります。
この際、床の間の前が上座になりますので、カップルの場合は、男性が上座に座ります。女性は、上座から遠く、入り口に近い方の下座の座布団に座るようにしましょう。座布団の脇に座ってから、片方の脚を別々に座布団に乗せるのが和室のマナーです。
就寝時間近くになったら、旅館のスタッフが布団を敷きに来ますので、だらしのない格好で過ごすのはやめましょう。
■荷物の置き場所は
床の間は上座になりますので、床の間の上や床の間の前に荷物を置くのはマナー違反とされています。荷物は出入り口付近の空きスペースに置くようにしましょう。キャスター付きのキャリーケースの場合は、出入り口付近の板の間に置くようにしたいですね。
■アメニティは
旅館やホテルに備えられているアメニティは、歯ブラシや歯磨き粉、ヘアブラシや石けん、使い捨てのシャンプーやコンディショナー、ボディーソープやボディタオル、スリッパなどです。
浴衣やパジャマ、使い捨てではないスリッパやバスタオルなどを持ち帰るのはマナー違反ですのでやめましょう。
宿泊した翌朝に湿っているタオルを使用したくない方は、追加で頼むこともできる場合がありますが、持参すると安心ですね。
■チェックアウトする場合は
チェックアウト前には、
・使用した布団を軽く整える
・使用した浴衣や帯は畳んでおく
・濡れたタオルは干しておく
・ごみはゴミ箱に入れて、入りきらないゴミは、ゴミ箱の近くにまとめておく
などをチェックしてから部屋を出るようにしましょう。
旅館に宿泊した際には、大浴場でゆったり疲れを癒すのが醍醐味ですが、いくつかマナーがあります。
例えば、湯船に浸かる前には、必ずお湯を流す「かけ湯」をするか、体を洗ってから入るようにするのがマナーです。
湯船に入る場合は、お湯が出ている「湯口」から離れている場所から入るようにします。髪の毛をまとめ、髪の毛が湯船の中に入ってしまわないようにしましょう。タオルを湯船の中に入れるのはマナー違反ですので注意したいですね。
体や髪の毛を洗う「洗い場」を長時間使用するのもマナー違反とされています。15分程度で切り上げるようにしたいですね。
友達と一緒に入る場合は、うるさくならないように心がけ、大浴場や脱衣場内での撮影はしないようにしましょう。
旅館に宿泊する際に気になるのが、旅館のスタッフに渡す「心付け」ですよね。
日本では、宿泊料金にサービス料も含まれていることが多いので、必ずしもチップを渡さなくてはいけないというマナーはありませんので、心付けを渡さないからといって失礼になることはありません。
もし、お世話になった仲居さんに心付けを渡したい場合は、宿泊料金の10%~20%程度の金額を渡すのがおすすめです。1,000円~3,000円程度の現金をポチ袋に入れて渡しましょう。
■心付けを渡すタイミング
最初に部屋に案内された時に「お世話になります」と言って渡しましょう。2、3回ほど言っても受け取ってもらえない場合は無理強いするのはやめましょう。
仲居さんに用事を頼んだり、部屋食を運んでもらった後の帰り際に渡すのもおすすめです。
人前で渡さず、こっそり渡すのが大人のマナーですね。
旅館での過ごし方のマナーは、宿泊客同士がお互いに気持ちよく過ごせるために必要なことです。お世話になった旅館のスタッフには、心付けを渡して感謝の気持ちを伝えてみましょう。