「古民家をリノベーションしたホテル」という言葉を耳にすることも増えてきたように、今ある建物を賢く利用した住居やお店は、最近注目されていますよね。そこで今回は、リノベーションのメリットやデメリット、リフォームとの違いなどをご紹介します。
リフォームとは、築年数が経ち、古くなった建物を新築のような部屋にする工事です。
賃貸マンションやアパートの場合は、入居者が退去した後に綺麗にすることを「原状回復」と言いますが、これはリノベーションではなく、リフォームの一種です。
リフォームは、壊れてしまったり、汚くなってしまった部分を、元の綺麗な状態に戻すことを言います。
対して、リノベーションとは、元々ある建物を大規模に改築し、より価値のある建物にすることです。
耐震工事や、耐久性をアップさせるような工事も、リノベーションの一種です。
英語で「renovation(リノベーション)」は、「改装」や「改善」という意味があります。
リノベーション物件とは、古民家を現代的にアレンジして、より便利になったり、よりオシャレになったり、ホテルやお店に使えるようにするなど、建物の価値を上げるような工事がされた物件のことです。
リフォームとリノベーションの違いは、最近では曖昧になってきていますが、工事の規模や範囲でリフォームとリノベーションを区別するのが一般的です。
■戸建てのリフォームの場合
・キッチンを最新のシステムキッチンにする
・お風呂を最新式にする
・ガス給湯器からエコキュートに変更する
などの工事です。ガスコンロや収納、バスタブなど、部屋の設備や壁紙などを変えるような工事がリフォームです。
■戸建てのリノベーションの場合
・水道管やガス管、下水道管など、建物の内部から設備を大規模に行う
・壁を取り壊すなどして、部屋の間取りを変更する
・壁についていたキッチンを、独立したアイランドキッチンにする
など、部屋の表面や一部の設備を変更するのではなく、壁や内部の配線や配管などにも影響するような工事をリノベーションと言います。
■自分で設計できる
リノベーションのメリットは、今ある建物を生かしながら、部屋の壁を壊して、2部屋を1部屋のリビングに変更することもできます。
安価に購入した築年数が古い戸建てを、まるで新築の注文住宅のように、自分で自由に設計した家にすることもできるのがメリットです。
■好きな場所に住みやすい
また、新築や築年数の新しい住宅やマンションを購入しようとすると、自分の納得のいくような部屋の間取りの家に出会うのは大変ですよね。
駅に近い場所や、周囲の環境が良く、便利な立地にあるような築年数15年未満の物件は高額になります。
しかし、最初からリノベーションを考えている場合は、住みたい場所にある家を探すだけでOKです。築年数の古い建物の場合は、価格も新築よりは抑えられます。
比較的安い価格で購入できる分、リノベーション費用に充てることができます。中古住宅をリノベーションした方が、条件に合うような築年数が新しい物件を購入するよりも、費用が節約できることが多いのもメリットです。
■入居するまでに時間がかかる
リノベーションのデメリットは、大規模な工事をする分、入居できるまでに時間がかかることです。
中古の物件を購入する場合は、即入居できる物件も多いので、購入してからスムーズに入居できるのが一般的です。
しかし、リノベーションの場合は、間取りや設計などの打ち合わせをして、納得のいく形になってから工事に取りかかりますので、入居できる状態になるまでは時間がかかってしまいます。
■住宅ローンが使えないこともある
また、リノベーションの場合は、住宅ローンが使えない場合が多いので、現金で支払わない場合は、物件の購入費用とは別にリノベーション用のローンを組む必要があります。
この場合、住宅ローンよりも金利が高い傾向にあるので、できるだけまとまったお金を貯めておくのがおすすめです。
■建物が老朽化している場合もある
そして、築年数の古い物件を購入する場合は、建物自体の耐久性が心配な場合もあります。
部屋の内部やリノベーションで工事をした部分は良いのですが、その他の部分は老朽化が進んでいる場合もあります。
築年数が古い建物を購入する際は注意が必要ですね。
リノベーションの費用は、建物の構造や築年数、工事の規模や会社によっても違います。
リノベーションをする際は、実際にリノベーションを経験した方のブログや、事例などをチェックすると、大体の金額の相場がわかりますね。
一般的には、キッチンやバスルームなど、1部屋をリノベーションする場合の費用は、200万円から500万円前後が相場です。
間取りを変更する場合は、2部屋を1部屋にしたり、1部屋を分割するような比較的小規模のリノベーションの場合は500万円から1000万円前後が相場です。
間取りの変更はもちろん、耐震工事や断熱性や気密性を上げるような「フルリフォーム」と言われるような大規模なリノベーション住宅の工事の場合、費用は1000万円以上かかります。
リノベーションは、今ある建物の価値を高くするような、大規模な工事をすることがリフォームとの違いです。中古住宅をリノベーションする場合は、メリットもデメリットもあります。ぜひデメリットを理解した上でお得に利用したいですね。