年齢を重ねていくにつれて、葬儀に参列することも増えていきますよね。そこで今回は、お葬式の流れや服装、香典など、葬儀の基本マナーについてご紹介します。
■服装
葬儀では、上下黒の正式礼装の「ブラックフォーマル」や「喪服」を着るのがマナーです。
女性の洋装の場合は、黒のアンサンブルやワンピース、スーツなどが一般的です。ストッキングやフォーマル用のバッグ、ヒールが高くないパンプスと、全て黒で揃えましょう。光沢のあるパンプスはNGです。
和装の場合は黒喪服に黒の帯が無難ですが、家族や親族以外は洋装にするのが一般的なお葬式の服装です。
アクセサリーは、和装の場合は結婚指輪のみですが、最近では、洋装の場合にグレーやブラック、白の真珠のネックレスをつけることも増えてきています。小粒で、一連のものを身につけるのがお葬式の常識です。二連のネックレスは「不幸が重なる」という意味になり、失礼になります。
ハンカチは白か黒にしましょう。その他、数珠とふくさに包んだ香典を持参しましょう。
■ヘア、メイク
また、髪の毛は、すっきりと黒のゴムでまとめるのが良いですね。
メイクは、ナチュラルメイクが基本です。派手な赤リップは避け、ベージュ系やブラウン系、ブラック系のシックなカラーを使いましょう。
香典は、通夜か葬儀のどちらかに持参しましょう。
■表書き
香典を包む「不祝儀袋」の表書きは、実は宗教によって異なっています。
・仏式
「御霊前」はどの宗派でも使うことができます。その他にも、「御香典」「御香料」もOKです。
ただし、浄土真宗の場合は「御仏前」を使用します。
・神式
「御玉串料」「御榊料」
・キリスト教
「御花料」
などとなっています。
市販のものですと、すでに表書きが書いてあるものがありますので、購入する際は注意が必要です。
また、不祝儀袋の豪華さや、不祝儀袋の結び切りの水引も、銀の「双銀」や、白と銀、白と黒、関西で使われる白と黄色などの種類があり、地域や金額によって使い分ける必要があります。
香典の金額が、5,000円程度の場合は、略式の黒と白の水引を使いましょう。1万円以上の場合は黒と白の水引、3万円以上の場合は双銀の水引にするのが一般的です。
水引の下に、自分の名前を書きましょう。4名以上連名の場合は、「他一同」とします。
名前を書く際は、黒の墨や筆ペンで書くのはマナー違反です。
「涙を流して墨が薄くなってしまった」という意味を表している薄墨や弔事用の筆ペンを使いましょう。
■中袋
中袋には、裏面に自分の住所と氏名、そして金額を書きます。
1万円の場合は「金壱萬円」
5,000円の場合は「金五仟円」
のように漢数字で書きましょう。
中袋に入れるお札は、新札に折り目をつけるのがマナーです。不祝儀袋の表から、お札の肖像画が見えないような向きで、尚且つ肖像画が下になるようにお札を入れるのがマナーです。
■香典を包む金額の相場
友人や仕事関係の場合、香典を包む金額は5,000円から1万円が一般的です。親族の場合は1万円から3万円、家族の場合は3万円から5万円を包むのが一般的です。
迷った場合は、周りの人に相談して、金額を合わせましょう。
■裏書
裏書は、中袋がない場合、自分の住所と金額を書きます。上の折りを下の折りにかぶせて、水引をかけましょう。逆にしてしまうと、慶事の際のかぶせ方になってしまい、マナー違反です。
また、親族として葬儀に参列する場合は、供物も用意するのがマナーです。
「親族一同」「孫一同」として生花を贈るのが一般的ですが、数や金額を喪家や親せきと相談するのがおすすめです。
また、受付や僧侶の送迎などを請け負う場合もあります。女性の場合は、お茶やお菓子を出すなどの気配りも必要ですね。
お葬式会場に一時間前には着いておくようにしたいですね。
葬儀の会場に着いたら、受付で「この度はご愁傷さまでございます」とお悔やみの言葉を述べて、一礼しましょう。
バッグから、「ふくさ」に包んだ香典を取り出します。表書きの文字の向きを、受付をしている相手が読める向きにしたら、両手で香典を持って差し出すのがお葬式マナーです。
その後、「芳名帳」に自分の住所と名前を記帳します。記帳が終わったら、一礼をして、お葬式の会場に入ります。
葬儀の前の通夜で香典を渡し終えている場合は、葬儀や告別式で記帳のみ行いましょう。
■お葬式の流れ
お葬式は、夕方に通夜が行われ、その後、葬儀と告別式、法要が行われるのが一般的です。
遺族にお会いした際は、
「この度は突然のことで」
「この度はご愁傷さまでございます」
とお悔やみを申し上げる程度にしておきましょう。小声で、笑顔は見せないようにしましょうね。また、葬儀と告別式の間は、お悔やみを述べないのがお葬式でのマナーとなっています。
■葬儀の流れ
仏式の葬儀では、宗教によっても異なりますが、僧侶の読経の後、弔辞や弔電の披露がされ、焼香を行うのが一般的です。
数珠は左手に掛けておき、手を合わせる際には、人差し指と親指の間に掛けます。
■焼香
焼香では、自分の順番が来たら
①次の人に会釈をする
②前に進み、遺族と僧侶に一礼する
③遺影に一礼する
④右手の3本の指を使って香をつまみ、目の高さまで上げ、押しいただく
⑤そのまま香炉にくべる
⑥3回前後繰り返す
⑦遺影に向かって手を合わせ、ご冥福を祈る
⑧遺族と僧侶に一礼する
となっています。香炉にくべる回数は、宗派によって異なりますので、注意が必要です。
葬儀のマナーは、大人の常識として、ぜひ知っておきたいことです。しっかりとマナーを守って葬儀に参列し、亡くなった方をお見送りしたいですね。