最大手ファッションブランドとして人気を集めるH&M(エイチアンドエム)でスタイリングを担当する、 フランス出身のクリステル沖田さんが登場!
【目次】
-エイチ・アンド・エム-
最先端のトレンドアイテムを最良の価格で豊富に揃えるH&M。日本でも幅広い層から人気を集めているスウェーデン発のファッションブランド!
H&Mで、日本国内のスタイリングを手がけているインドアウィンドウレスポンシブル・クリステル沖田さんが登場!
“自分らしさが光る柄の掛け合わせ
唯一無二のカジュアルスタイル!”
「メンズのボーダートップスに、カラフルなひとくせエスニック柄のジャケットを羽織ったカジュアルコーデ。裾のボタンのアクセントが可愛いデニムパンツには、母から譲り受けたというヴィンテージシューズをハズし役としてチョイス。自分にしか表現できないカジュアルスタイルに仕上げました!」
着用アイテム/すべて本人私物
日本人の旦那さんから借りたTシャツ ¥1,000/H&Mメンズ、2年前購入したジャケット ¥2,500/Monki(H&M傘下のブランド)、10年前に購入したデニムパンツ 約¥2,500/H&M、ヴィンテージシューズ/母が20年前に履いていたもの
秋の1stアウター・ジャケットも
大胆プリントで遊びを効かせて
おしゃれ感を演出するポイントは
ユニセックスなサイズ感
さりげない遊びの効いたデニムデザインで
カジュアルコーデを格上げして!
USED感をより引き立たせる
ブラウンのオックスフォードシューズ
フランスから日本に仕事の拠点を移し、H&M一筋でキャリアを積んできたクリステル沖田さんにインタビュー!
“ファッションが好きという気持ちだけで
ショップ店員になったことがきっかけです!”
−アパレル業界で働くきっかけは?
子供の頃からこだわりが強く、姉のおさがりを着るのも嫌なくらい、小さい頃から洋服への興味は強かったみたいです。将来を考え仕事として、この業界を意識したのは高校生の頃。文化祭の催しで高校の伝統でもあるファッションショーに先輩達のサポートで入ったのがきっかけです。「絶対に来年は自分でやる!」と強く思い、3年生の時に自分たちで一からデザインをして衣装を造りました。夢中になれた事が自分の中で大きく、ファッションを勉強したいと思い進学する事に。
−そこからどんな風にH&Mでキャリアを重ねたのですか?
まずは“セールスアドバイザー(店員)”として本格的に働き始めました。そこからストア内のコーディネートを担当する“ヴィジュアルマーチャンダイザー(商品を顧客に視覚的に訴える演出を担う)”になり、ストア内をまとめるヴィジュアルマネージャーに昇進。H&Mのパリ本社から、ブランド内のスタイリストとして働かないか?と声をかけられたのをきっかけに、パリで2年ほどスタイリストとして働きました。
−日本で働くことになった経緯を教えてください!
今からちょうど8年前に、東京の渋谷にH&Mがオープンするということで、サポートとして日本に1ヶ月行ってみないか?と会社側から話があったのがきっかけです。そこでヴィジュアルマーチャンダイザーとして働いていた日本人男性スタッフがとてもハンサムで(笑)。その彼と交際することになったと同時に、彼とパリに戻ってH&Mで共に働くことになりました。やはり日本人の彼にとってフランスで働くということは、英語だけでは対応がなかなか難しく、1年半たったころに再び日本へ戻ることに。その彼が今の旦那さんなんです!(笑)。
−現在、日本ではどのようなお仕事をされているのですか?
H&Mにはメンズ、レディス、キッズなど複数のコンセプトがあり、それぞれの本国から店内レイアウトや、マネキン、またウィンドウディスプレイの指示がくるのですが、それを日本のカスタマーに合わせたスタイリングにしたり、それぞれのストアのサイズにあわせて調整したものを国内全店舗にむけて提案しています。
“H&Mはもはや私の人生の一部!
私のやりたいことを実現させてくれる存在です”
−クリステルさんにとって、日本のカスタマーへファッションを発信する難しさはありませんでしたか?
初めて来日したときは、ヨーロッパと日本のカスタマー(お客様)の違いに衝撃を受けましたね。日本のローカルの人に向けてH&Mからファッションを提案するにあたって、まずは道で日本人のファッションを観察することから始めました。ときには写真に撮ったり、日本の雑誌を片っ端から読んだり、とにかく日本人のファッション感を理解するために、色んな努力をしました。そこで私が見つけたヨーロッパと日本の明確な違いがあります。まずヨーロッパの女性は、腕やバストは露出するけど、脚はあまり露出しないのですが、日本の女性は、脚は露出するのに、なぜか腕やバストを隠す傾向にあることに気づきました。私が育ったヨーロッパとはまったく違うファッション感だったんです。
−この仕事の一番楽しいと感じる部分は?
シーズン立ち上がりの時期が一番楽しいですね。半年〜1年前からシーズンを先回りして、どんなスタイリングを世の中に打ち出していくのかを考えています。そのイメージが実際に形になったとき、ものすごい達成感と感動が味わえるので、そこがやりがいに繋がりますね。
−それを踏まえて、どんな提案をしたいと考えたのですか?
私自身が感じている日本人女性のファッション感には、もう一つ思う部分があって。せっかく洗練されたファッション感を持つ方がたくさんいるのに、あまり表に出さないことです。雑誌やSNSのインフルエンサーが発信するファッションを参考にするといったおしゃれへの興味が、もっと解放されたらいいのにと感じていたんです。H&Mには、どんな方でも気軽にトライできるラインナップが常に揃っているので、私のスタイリングの力で、その枠から一歩外へ出る勇気を与えられたらいいなと思っていますね。
−それが“やりがい”という部分に通じているのでしょうね!
やりがいと同時に、私がファッションを通して日本のカスタマーに発信したいことでもありますね! またH&Mの日本オフィスには、私のように日本という環境に飛び込んで働く外国人スタッフがたくさんいて、そんなH&Mというファッションブランドだからこそ、日本人カスタマーに自分のカルチャーをミックスさせたファッションを提案できるところにもやりがいを感じています。日本人の中に存在する“コンフォートゾーン(自分が着ていて心地いいファッション)”を、H&Mから私が発信するスタイリングで新しいファッションにトライしてみたいというところに変化をもたらしたいです。
−最後に、ファッション業界で働いてみたいと思っている方へメッセージをお願いします!
私自身、見た目はとても派手、タトゥーもあるし、肌の色が周囲と違うけれど、H&Mに限らずファッション業界という場所は、普通の会社では表現できないような見た目の自分らしさという部分に寛容でいてくれるんです。私自身、“ファッションは自分の中の本当の姿を映す鏡”だと思っているので、ファッション業界はそんな“自分”であることを後押ししてくれる素晴らしいところです! 自分らしさを自由に表現したいという方には、ぜひおすすめしたい業界ですね!
Photographer:Yusuke Tanaka