ワークショップは、ビジネスやものづくりなど、さまざまなシーンで活用されていますよね。そこで今回は、ワークショップの特徴や種類、ワークショップの進め方をご紹介します。
■ワークショップとは何か
「ワークショップ」とは、体験型の講習や研修のことです。
一般的な講習や研修の場合は、参加者が講師の話を聞く受動的な学びの場ですが、ワークショップの場合は、参加者が実際に議論や作業を行うのが特徴です。
■ワークショップのメリット
ワークショップのメリットは、参加者が講師の話を聞くだけでなく、実際に行動したり、ディスカッションを行うので、研修や講座の内容が頭に入りやすいですし、身につきやすいですね。学習して理解するだけでなく、参加することで達成感も味わえるのが魅力です。
企業がイベントをワークショップ形式で行う場合は、会社や商品の魅力をアピールすることができますし、参加者一人一人の意見や反応を知ることができるのがメリットです。ワークショップで得た意見や反応を実際の商品やサービス作りに生かすこともできます。
また、ワークショップは、グループ形式で行いますので、参加者同士での意見交換もできるのがメリットです。意見交換することで、参加者同士の刺激にもなり、コミュニティも広がりますし、新しい発見をすることができるのも魅力です。
ワークショップと似たような意味で扱われる言葉として「セミナー」や「グループワーク」があります。
■ワークショップとセミナーの違いは?
「セミナー」とは、集まった参加者が専門知識のある講師の話を聞く講義のことです。講演会や学会のような大規模な講義ではなく、小規模の講義を指すことが多いですね。
しかし、近年は「ワークショップ型のセミナー」も増えてきています。講義に体験できる場所をプラスしたり、意見交換をする機会を盛り込んだセミナーです。
■ワークショップとグループワークの違いは?
「グループワーク」とは、一つの目的について、グループで意見交換を行って結論を出し、主催者側が評価を行います。就職活動で多く用いられる手法で、参加者のコミュニケーション能力や、意見をまとめる調整力、協調性や決断力などを判断する場所です。
一方、ワークショップは、学んだり、体験する場所です。ワークショップ形式の会議の場合は、グループで意見交換を行って結論を出しますが、主催者側は評価をするのではなく、アドバイスをしたり、サポートをする立場になります。
体験型の講習であるワークショップは、さまざまなシーンで活用されています。
■研修や教育
例えば、研修や教育、研究会などの知識を学ぶ講習も、ワークショップ形式ですと、体験しながら学習したり意見交換をすることができます。新人研修でワークショップを行うことも多いですね。
■ダンスや演劇
ワークショップは、元々演劇の分野で採用されていた手法ですので、現在も多く活用されています。個人それぞれに表現方法がある芸術分野のワークショップは、参加者がお互いに刺激し合えるのがメリットです。
また、体を動かすダンスも、ワークショップ形式の方が覚えやすいですね。
■美術や技術
また、手を動かして表現する美術分野や、手を動かして技術を習得できるものづくり分野でも、ワークショップ形式が採用されやすいですね。
■ビジネスシーンでも
さらに、ビジネスシーンでの会議でも、個人それぞれの意見を発表し、議論しやすいワークショップ形式は人気です。
■ワークショップのやり方のコツ
ワークショップのやり方は、ワークショップの種類や目的などによって変わりますが、参加者が体験する講習ですので、しっかり準備をしておくことが重要です。
①進行役の選定がカギ
特に、ワークショップの進行役の選定は、ワークショップの成功に影響します。講師は、参加者に寄り添える、指導力のある人物が望ましいですね。参加者の悩みにアドバイスをしたり、サポートできるような技術や豊富な知識を持っていることが条件です。
会議形式のワークショップの議論の進行役は、全員の意見を中立な立場でまとめる必要があります。話し合いが議題から外れた場合は、軌道修正できる人物で、意見が出しやすい雰囲気作りができることも大切ですね。
商品のプロモーションの場合は、商品の魅力を伝えられる人物が適任ですね。
②目的を明確に
そして、ワークショップの目的や議題、最終目標などを設定しておくことも重要です。「技術の習得」や「結論を出す」という目的があれば、メンバーが目的を意識してワークショップに参加することができます。
■ワークショップの進め方
ワークショップの進め方も、種類や目的などによって変わります。
①まずは、目的や議題、最終目標を設定します。
②次に、ワークショップの流れをまとめ、制限時間内で終了できるよう、時間配分を決めていきます。ただし、参加者のレベルが予想とは違う場合や、トラブルが起きる場合もありますので、時間配分には余裕を持たせましょう。
グループで意見交換を行う場合は、各グループの人数を決めておき、最終的に全体共有する時間も十分に取りましょう。
③そして、参加者が目的や最終目標にたどり着くための準備もしておきましょう。
例えば、意見や知識を全員で共有できるようなホワイトボードやプロジェクターやスクリーン、マイクなどがあると便利ですね。参加者が集中できるような静かな環境をセッティングすることもワークショップを成功させるカギです。
■ものづくりの場合
ものづくりのワークショップの場合は、最初に講習を行い、後から参加者が体験をしていく流れが一般的です。作成の手順を記したマニュアルを準備したり、必要な機材や材料、作業スペースなどを揃えておきます。
■会議の場合
ワークショップ形式の会議の場合は、最初に議題を記したシートに、個人の意見を書き出してもらうのがおすすめです。その後、3人~5人程度の少人数のグループで話し合い、最後に意見を全体共有しながら結論を出すのが一般的な流れです。
個人用のシートや、ホワイトボードに貼って活用できる付箋紙、ペンも用意しておきましょう。あとは、少人数のグループで話し合う際に意見をまとめるシートや付箋紙なども用意しておくと便利ですね。
全体共有する際には、全員が見やすいホワイトボードやスクリーン、大きな紙などを使用します。情報を共有できるパソコンなどもあると良いですね。
参加者自体が体験したり意見交換ができるワークショップは、参加者の理解が深まり、達成感も味わいやすく、参加者同士が刺激し合えるのがメリットです。ワークショップは、ビジネスの場でも会議やイベントで利用できますので、ぜひ有効活用してみてくださいね。