故人が亡くなってから初めて迎える初盆の法要に参列する際は、お供えを持参するのがマナーです。そこで今回は、初盆のお供え物の内容や金額の相場をご紹介します。
【目次】
■初盆とは
「初盆」とは、故人が亡くなってから初めて迎えるお盆のことで「新盆」とも呼ばれています。お盆は、関東の一部では、7月13日~7月16日にお盆を迎える地域もありますが、一般的なお盆は、8月13日~8月16日とされています。ただし、49日の忌明けの法要の前にお盆を迎える場合には、初盆は次の年のお盆に迎えることになります。
■初盆の法要は
初盆では、お墓参りをするだけでなく、僧侶を招いてお経をあげてもらったり、遺族や親せきが集まって法要を行うなど、特別な供養を行うことが多いですね。
初盆の法要に参列する場合には、お供えを用意するのがマナーとされています。
■服装は
初盆の際の服装は、法要や会食があるかどうかによっても変わります。法要の後にお墓参りを行い、会食を行うのが一般的ですね。
初盆の法要や会食がある場合は、喪服や礼服を着ていくのがマナーですが、お墓参りのみの場合は、カジュアルすぎない落ち着いた色合いのシンプルなデザインの洋服を着ていくのがおすすめです。赤色やカラフルなデザインは避け、黒やネイビー、濃グレーなどのワンピースがおすすめです。
お盆は夏の暑い時期なので、サンダルやミュールが定番ですが、喪服や礼服を着用する場合は、黒の光沢のないパンプスを履くのがマナーです。また、喪服や礼服を着る場合に付けるアクセサリーは、パールのみにしましょう。キラキラと輝くアクセサリーは避けるようにしましょうね。
フォーマル用のバッグと数珠も持参しましょう。
初盆の法要に参列する際には、お供え物や供花を持参したり、品物の替わりの「お供え物料」としてお金を包んだ香典を持参するのがマナーです。
ただし、地域や家柄によって
・香典を持参する
・香典の代わりにお供え物を持参する
・香典とお供え物の両方を持参する
などの違いがあります。
お供えの金額の相場は、故人との関係や年齢によっても異なります。故人と近い関係の場合や、年齢が高い場合には、香典やお供え物の金額も高くなる傾向になります。
ただし、香典やお供え物を贈られた遺族は、後日お返しを送る必要がありますので、高額なお供え物を贈るのは避けましょう。
一般的には、お供え物と香典の合計の金額の相場は、親戚の場合は一人当たり10,000円前後となっています。友人の場合は5,000円~10,000円程度が相場となっています。夫婦で参列する場合には20,000円~30,000円程度の金額を包むようにしましょう。
会食(お斎)がある場合には、食事代として5,000円前後の金額を上乗せするのがマナーです。
ただし、親族の場合は、お供えの他に10,000円程度の「御提灯代」を用意する地域もあります。
■のし
香典袋は水引の上に「御仏前」「御佛前」「御供物」「御供物料」と書いてあるものを使用しましょう。
お供え物には「御供」と書いてあるのしを使用します。
提灯台の場合は「御提灯代」と書いた不祝儀袋を使用しましょう。
水引は、黒と白の結び切りか黄と白の結び切り、もしくは双銀の結び切りを使用します。水引の下にフルネームを記載しましょう。
新札を使用するのは避けるのがマナーとされています。
初盆の法要に参列する際に持参するお供え物は、仏教でふさわしいとされているマナーを意識しましょう。
お供え物は、「五供(ごく)」と言われる
・香:お線香
・花:お花
・灯燭:ロウソク
・浄水:お水、お茶
・飲食:日持ちするお菓子や餅、果物や野菜、米
の5種類のものが望ましいとされています。
初盆のお供えでは
・贈答用のお線香やロウソク
・日持ちするお菓子の詰め合わせ(クッキーやマドレーヌ、煎餅、羊羹やゼリー)
・果物
・乾麺
・昆布や海苔
・お花
などがおすすめです。地域によっては、お供えした物を法要に参列した人達で分けて持ち帰る風習があります。個包装のお菓子の詰め合わせがおすすめです。
故人の好きだった物を持参するのも、お供え物としては良いとされていますが、亡くなって間もない初盆の場合は、故人を思い出させてしまって辛い気持ちにさせてしまう可能性はあります。
殺生を連想させる肉や魚や、腐りやすいものや臭うものは、お供え物としてふさわしくありません。
果物の場合は、縁(円)を連想させる丸い形の果物が縁起が良いとされています。グレープフルーツやスイカ、メロン、桃、梨などが良いですね。
お花は白をベースとした花束が望ましいとされています。黄色や青色、紫色も許容されることが多いですね。ただし、トゲや毒のある花や、鉢植えはNGです。
お供え物は「〇〇さん(故人名)にお供えください。」と一言添えて渡すようにするのがマナーですね。
初盆の法要に招かれ、参列できない場合には、遅くても法要の前日までには郵送でお供えを贈るようにしましょう。
不祝儀袋やお供え物ののし紙のマナーは、法要に参列する場合と同じです。黒白か黄白、双銀の結び切りの水引の下にフルネームを記載しましょう。
現金を郵送する場合には、現金書留を利用します。もちろん、現金とお供え物を一緒に梱包して郵送してもOKですよ。
初盆を迎えた親族の場合、お供えをいただいた場合にはお返しをするのがマナーです。
お返しは、法要の後の会食でおもてなしをする他にも、香典返しを贈る方法もあります。
初盆のお返しの金額は、いただいたお供えの半分~3分の1程度の金額が目安とされています。
遺族は相場の2,000円~3,000円程度のお返しの品を用意しておき、予想していた金額以上のお供えをいただいた場合には、後日改めてお礼の品を贈るのが一般的です。
お返しの品は「消えもの」と呼ばれる食べたり使用してなくなるものが良いとされています。
・お茶
・海苔
・そうめん
・水羊羹、ゼリー
・タオル
・洗剤や石けん
などが定番ですね。近年はかさばらないカタログギフトも人気があります。
黒白または黄白の結び切りの水引きの上に「粗供養」「志」「初盆志」などと書いたのし紙をかけます。水引の下には「名字」「〇〇家」「施主の氏名」などを記載します。
初盆でお供えを持参する場合には、品物の内容や金額、のし紙など、注意したいマナーがあります。初盆でお供えを用意する際には、ぜひ参考にしてみてくださいね。