爪が薄いせいで「曲がる」「割れる」「反る」といったお悩みを抱えている人も。そもそも爪が薄いのは生まれつきなのか?そんな疑問を解決すべく、今回は爪が薄い原因や強くする方法をご紹介します。
爪が薄くなるのは、爪の層が薄くなっている、または、一番上の層が剥がれているのが原因。
薄くなると、もれなく爪の強度も落ち、ちょっとしたことで爪が傷つきやすくなります。
さらに、爪が薄いとすぐに欠けてしまうので、伸ばすのもひと苦労。欠けた爪で肌を傷つけたり、洋服に引っ掛けてしまうという難点もあります。
爪は3層から構成されています。
表面から「トッププレート(背爪)」「ミドルプレート(中爪)」「アンダープレート(腹爪)」。それぞれの特徴は以下の通りです。
・トッププレート 縦方向にケラチン(たんぱく質)が連なり、油分が多い。
・ミドルプレート 横方向にケラチンが連なり、水分が多い。
・アンダープレート 縦方向にケラチンが連なり、油分が多い。
そもそも爪は、内部にある皮膚から水分を補給しています。しかし、保湿ケアをしなければすぐに乾燥が進行。
スキンケアと同じように、保湿なしでは潤いが維持できなくなり、トッププレートはもちろん、ひどい場合はミドルプレートまでにダメージが。
その結果、2枚爪や3枚爪と呼ばれる症状が起こります。
爪は、自然に薄くなるわけではありません。日常生活において無意識のうちに行っていることが原因となるので、把握しておけばケアするうえで役立つでしょう。
爪が薄くなる原因として一番多いのが乾燥。
爪は根元で育ち、指先へと伸びていきますが、その過程で爪に含まれている水分は徐々に減少。
乾燥によって層が剥がれ、2枚爪や3枚爪に。さらに、表面の層が完全に剥がれてしまえば、当然薄くなります。
特に、乾燥する季節や、毎日水仕事をしている方は要注意。洗い物などを素手で行うと、洗剤やお湯に触れることで爪の油分や水分が奪われ、どんどん薄くなってしまいます。
直接関係ないと思われがちですが、栄養不足も爪が弱くなり、薄くなる原因。
そもそも、爪はたんぱく質からできています。たんぱく質が不足すれば、十分に栄養が行き渡らず、薄くなるというメカニズム。
たんぱく質には、動物性と植物性の2種類ありますが、爪を強くするには両方をバランス良く摂るのが○。
さらに、ビタミン類やミネラル(鉄分・亜鉛)なども、爪を強くするために必要な栄養素。
様々な食品をバランス良く食べることは、美容や健康はもちろん、爪にも良いと言えます。
女性によく見られる冷え性やむくみなどの原因となる血行不良。実は、爪の健康にも大いに関係があります。
血液の働きは、細胞に酸素や栄養を届けて、代わりに老廃物を運び去ること。血行が悪いと、爪まで栄養が行き渡りません。
適度な運動を習慣的に行うことで、血行不良は改善できます。ひと駅分歩いたり、エレベーターでなく階段を使うように心がけると良いでしょう。
意外と正しいやり方を行っていない方が多いネイルケア。無意識に行っているケアが、実は爪にとって負担になっていることがあります。
■爪切り
爪を切る時に爪切りを使っていませんか?
爪切りは手軽で便利なアイテムですが、実は爪に対してのダメージは大きいです。
爪をいたわりながら短くするなら、爪やすりが最適。爪切りしかない場合は、1本の指の爪を、少しずつ何回かに分けて切るようにしましょう。
■セルフネイル
ネイルオフに使う除光液も、爪にとっては大敵。頻繁にネイルオフしたり、ポリッシュを塗る時に何度も除光液を使ってやり直すのは爪にとって大きなダメージ。
特に「アセトン」が配合された除光液は、爪の油分や水分を奪うのでおすすめできません。
ポリッシュネイルを楽しむ時は、定期的に休むことと、アセトン無配合の除光液を使うのが爪のためには正解。
除光液を使用した後は、ハンドクリームや爪用のキューティクルオイルで乾燥を防ぐのがポイントです。
ジェルネイル派の方は、爪の補強効果もある「カルジェル」がおすすめです。
爪が薄い原因としては「遺伝」も否定できません。
ただし、爪の硬さに限っては遺伝以外の原因が大きいと言われています。特に「爪が短い」「爪が柔らかい」などの性質的な部分は、先天的な遺伝よりも後天的な生活習慣が関係するもの。
生まれつき爪が薄いかどうか見分けるには、足の爪をチェック!手だけでなく足の爪も薄くて弱いという方は、生まれつき爪が弱い可能性が高いです。
生まれつきではなく環境によって爪が薄くなったとすれば、対処法もあるはず。薄い爪を強くする方法をいくつかご紹介します。
爪が薄い原因のひとつである栄養不足を解消するためには、バランスの良い食生活を心がける必要あり。
トラブルとは無縁の強い爪にするには、以下のような栄養素を積極的に摂ることが効果的です。
■たんぱく質
爪の白い部分を形成する「ケラチン」は、たんぱく質からできている成分。食べ物から摂取したたんぱく質の一部がケラチンに変化して、爪を強化。
ちなみに、ケラチンは髪の毛を作る成分でもあるので、髪の毛のダメージにも効果を発揮します。
たんぱく質を多く含む食品は、肉類、魚類、卵、大豆製品、乳製品です。
■ビタミンA
ビタミンAは、乾燥を防いでくれる成分。爪の表面が乾燥するのを防いで、薄くなるのを防ぐ効果あり。
気になるひび割れや縦線、割れ、欠けを起こりにくくしてくれます。
ビタミンAを多く含む食品は、鶏肉レバー、うなぎ、緑黄色野菜です。
■鉄分
爪が薄くなって反り返ってしまうのを防ぐのが鉄分。
鉄分は、なかなか必要量を摂取するのが難しいもの。爪が反るのが気になる場合は、鉄分のサプリを活用するのも良いでしょう。
鉄分を多く含む食品は、鶏レバー、豚レバー、ほうれん草、海藻類です。
爪切りを使うと、爪の強度が落ちてしまいます。
前出の通り、爪は層が重なって出来ています。爪切りで無造作にパチッと切ることで、本来の層とは違うところで切れることになり、そこからひび割れなどのダメージが発生。
特に、切れ味が悪い爪切りを使うと、切る時に余分な力がかかりダメージが大きくなる傾向があります。
■爪を整える時は爪やすりで!
伸びてしまった爪を短くしたい時は、爪やすりを使うのがおすすめ。層を崩さず整えることができるので、爪が薄くなる心配もありません。
ただし、金属製の爪やすりは削れ過ぎるので、逆に爪の先にひびが入り割れやすくなることも。
ネイリストが愛用している「エメリーボード」と呼ばれる爪やすりなら、カットも滑らかで形も整えやすいです。
ハイポニキウムとは、爪と指先の皮膚の間にある薄い皮膚のこと。長く伸ばすことで、爪と指の皮膚の接触面積が広がり、自然に爪も強くなります。
ハイポニキウムを伸ばすためには、十分に栄養を行き渡らせる必要あり。ネイルケアをする時にクリームやオイルを使うことで、乾燥を防いで栄養分の浸透率を良くすることができます。
指先のマッサージをして、血行を促進するのも爪を強くするのに効果的。
血行が良くなれば、爪先までしっかりと栄養が運ばれるように。爪自体が強くなり、伸びが早くなる効果も期待できるでしょう。
■マッサージのやり方
小指の爪の根元、薬指の反対側にある「少沢(しょうたく)」というツボは、爪の血行不良の改善に効果的。
10秒間ほどギュッギュッと痛気持ちいいくらいの強さで押します。
マッサージをする時に、オイルやクリームを使うと保湿効果もあり。爪に潤いを与えることができるうえに、乾燥も防ぐことができます。
「ポリッシュは爪に良くない」という声もありますが、必ずしもそうとは限りません。
爪は指の皮膚から水分を吸い上げることで潤いをキープしています。その上にポリッシュを塗って蓋をすることで、水分を閉じ込めて保湿。
ポリッシュが持続する期間は約1週間。塗ってから1週間後に、刺激の少ない除光液を使ってオフすれば、塗る前よりも潤いがあるはず。
乾燥による薄い線やひび割れも起こりにくい状態になっています。
ただし、同じ蓋でもジェルネイルの場合は少々事情が違います。
ジェルネイルを長い期間つけっぱなしにすると、隙間から水分が入って爪の表面に細菌が繁殖してしまうことも。
となれば、爪の補強どころかかえってダメージに。必ず3週間~1ヶ月を目安にオフするようにしましょう。
ジェルネイルは、持ちも良く発色も美しいので、ポリッシュより仕上がり面では優秀。しかし、爪が弱い方には、あまりおすすめできません。
ジェルネイルをする時は、自爪の表面を多少削ります。さらに、オフする時も爪にダメージあり。
また、ジェルネイルは硬化する際に若干爪が縮みますが、その収縮に耐えられず剥離してしまうことも。爪が薄いと、その時に一緒に引っ張られて肉から剥がれてしまい、色が白っぽくなることもあるので要注意。
わざわざダメージを大きくするために塗る必要はないので、爪が健康な状態のときに楽しみましょう。
薄い爪の方におすすめなのが、爪に優しいジェルネイル「カルジェル」。最近はカルジェルを使用してくれるネイルサロンもあります。
■カルジェルのメリット【1】サンディング・プライマー不要
カルジェルは、ジェルネイルの密着度を高めるために爪を削る「サンディング」や爪との密着度を高める下地「プライマー」要らず。
爪が薄くなったり、プライマーによるダメージを防ぐことができます。
■カルジェルのメリット【2】オフが簡単
ジェルネイルが薄い爪に良くないのは、オフする時に剥がしたり、削ったりするから。
カルジェルには専用のリムーバーがあり、簡単にオフできるので爪を痛める心配はありません。
■カルジェルのメリット【3】衛生面でも安心
ジェルと爪の間に水分や汗が入ると、カビが生える可能性も。
カルジェルには蒸散作用があるので、水分を取り除いて清潔なままをキープできます。
爪が薄い方は、ネイルケアをはじめ日常生活の習慣でも爪を強くすることを意識する必要があります。美しい指先を演出するためにも、ぜひ強い爪にする方法を試してみてください。