口臭の原因となる舌苔(ぜったい)を取り除くためには、舌磨きが効果的。清潔な口内環境をキープするために、舌磨きの正しいやり方や注意点など、おすすめアイテムと共にご紹介します。
【目次】
口臭が気になるという方は多いはず。しかし、効果的な対策を行っている人は少ないのが現実です。
体の不調や虫歯、歯周病以外の口臭(生理的口臭)の主な原因は、舌に付着した舌苔(ぜったい)と言われています。
その舌苔を取り除くためには、毎日の歯磨きはもちろん、舌磨きが必要。歯磨きやうがいだけでは取り除くことができないので、口の中を清潔に保つためにも舌磨きの習慣をつけましょう。
口臭の原因には、前出の「舌苔」の他にもいくつかあります。それぞれのタイプによっても原因が違うので、チェックしておきましょう。
■胃腸タイプ
・口臭・舌の特徴
発酵したような臭いがするのが特徴。舌全体が赤くなっていたり、舌の中心に黄色っぽい苔がついていて除去しにくいです。
・口臭以外の症状
歯茎の腫れ、出血
唇が荒れやすい
口内のネバつき
顔の赤み
食欲旺盛、過食
便秘、軟便
胃痛
胸やけ
吐き気 など
■イライラ・不眠タイプ
・口臭・舌の特徴
ストレスが溜まったり不眠が続くと口臭がひどくなるのが特徴。舌先や舌のフチの赤みが強くなります。
・口臭以外の症状
舌にできる口内炎
口が乾く
不眠
イライラ(女性の場合は生理前のPMS症状)
便秘
片頭痛
肩こり
目の周りのクマ など
■乾燥・ほてりタイプ
・口臭・舌の特徴
唾液が不足することによって乾燥するのが特徴。舌が全体的に赤く、表面が乾燥気味で亀裂が入ることもあります。
・口臭以外の症状
ドライアイ
乾燥肌
頬骨のあたりの赤み
口が乾く
口内炎
生理不順
便秘
寝汗、多汗 など
細菌や食べ物のかす、剥がれた口腔粘膜の上皮など、舌には様々な汚れや細菌が付着します。
それらが苔(コケ)のように見えることから「舌苔(ぜったい)」と言われるようになりました。
特に病気というわけではありませんが、口臭予防や口内を清潔に保つためにも取り除くのが得策。セルフケアには、習慣的な舌磨きをおすすめします。
舌苔は、口内の細菌や食べかす、剥がれた粘膜などが舌に溜まることでできた苔状の白いかたまりのこと。
舌の表面にある「舌乳頭(ぜつにゅうとう)」という細かい突起に、舌苔の原因が溜まることで発生します。
舌苔の量や付着範囲は、人によって違いあり。舌全体に広がる場合もあれば、奥の方に厚く付着したり、舌の一部のみに付着する場合もあり。
体調などによっても、舌苔の量や付着場所に変化があります。
■味覚障害を引き起こす可能性も
舌苔の量が多いと、口臭だけでなく舌の痛みや味覚障害の原因になることもあります。
そもそも「味覚」とは、食べ物の特徴に応じて口の中で認識される感覚。味を認識するのは、舌の表面に存在する「味蕾(みらい)」という組織ですが、これを舌苔が覆ってしまうことで味覚が鈍くなります。
味覚障害があれば、好きな食べ物を食べても美味しいと感じることができず、それがストレスにもなりかねません。
舌磨きで舌苔を取り除けば治るので、口臭予防はもちろん、食べる楽しみにもつながります。
■口内が清潔に保たれていない
舌苔の直接原因である細菌や食べかす、剥がれた粘膜などは、口の中をきれいにしていないと溜まりやすくなります。
溜まってしまった舌苔は、歯磨きだけでは不十分。舌磨きでのケアが必要です。
■唾液分泌量が減少する
唾液には、細菌の増殖を抑えたり、汚れや細菌を洗い流してくれる役割があります。そんな唾液の分泌量が減れば、当然細菌は増え、舌苔がつきやすくなる環境に。
唾液の分泌量が減る原因は、ストレスや食生活の乱れ、食べ物を噛む筋肉の衰え、薬の服用など様々。改善するには、規則正しい生活と健康的な食生活がマストです。
■口呼吸している
人間は鼻と口で呼吸をするのが普通。鼻を使わずに口だけで呼吸していると、口内が乾いて唾液の循環が滞ってしまいます。
唾液によって汚れや細菌が流されなくなることで、舌苔がつきやすくなるというメカニズムです。
舌苔の主な原因は、食べかすや死んだ細胞、舌の表面の古い細胞など。
これらが細菌によって分解される時に「揮発性硫黄化合物」が発生しますが、これが口臭の原因となります。
口臭予防のためには、正しい舌磨きを行う必要あり。ポイントは、力を入れ過ぎずに優しく行うことです。
1.頭を少し下げて前かがみになります。
2.舌を思いきり出します。
3.舌ブラシを水で濡らして、奥から前に向かって撫でるように磨きます。あまり奥まで入れるとオエっとなるので注意してください。
コップに水を汲んでおいて、舌ブラシを洗いながら行いましょう。
舌磨きの頻度は、毎日1回が目安。舌苔が多く付着している朝の歯磨きタイムのついでに行うのがベストタイミングです。
1日に何度も舌磨きを行うと、舌の粘膜を傷つけてしまうこともあるので要注意。
ただし、舌苔があまり付着していない状態での舌磨きは、舌を傷つけてしまうのでやめておきましょう。
ちなみに、舌ブラシは最低でも1ヶ月に1回替えるのが衛生的におすすめです。
歯磨きの要領とは少々違う舌磨き。押さえておきたいポイントをチェックしておきましょう。
舌磨きを行う時は、舌ブラシや普段歯を磨く時に使用している歯ブラシを使います。
歯磨き粉は研磨剤が入っているので、舌磨きには使用しません。水だけでも良いですが、ドラッグストアなどで購入できる、舌専用のクリーニングジェルを使うのもおすすめです。
歯ブラシを使う場合は、毛が硬いと舌を傷つけてしまうので「やわらかめ」タイプにしてください。
■舌ブラシの種類
市販の舌ブラシには2種類の形状があります。それぞれの特徴を把握して、自分に合う方を選びましょう。
・ブラシタイプ
先がブラシ状になっているタイプで、口臭の原因を元から取り除きたい時におすすめ。
細い繊維が汚れまでしっかりと届き、舌にこびりついた細かい汚れまで掻き出してくれます。
舌にダメージを与えないように、毛先が柔らかいものを選んでください。
・ヘラタイプ
ブラシとは違い毛がなく、ヘラで汚れをそぎ落とすタイプ。舌の表面の汚れをきれいに落としたい方におすすめです。
舌に刺激を与えたくない方向きですが、あまり柔らかすぎると汚れがしっかり落とせません。
ある程度の硬さがあるものを選んでください。
舌磨きの目的は、舌苔を取り除くこと。舌ブラシが舌苔をしっかりとらえているかを確認しながら行う必要があります。
舌苔がついていない部分を磨くと舌を傷つけてしまうので、必ず鏡でチェックしながら行いましょう。
舌磨きをする時は、舌ブラシを奥から手前に向かって動かすのが鉄則。
歯ブラシのように前後させたり、手前から奥に動かしたりするのは危険なので絶対にダメ。何かの拍子に喉を突いてしまう可能性もありますし、汚れや細菌を奥の方に送り込んでしまうこともあります。
力加減も大切なポイント。舌は非常にデリケートな部位なので、軽い力で優しく磨きます。
軽く磨いても舌がヒリヒリする場合は、傷みが落ち着くまで磨かないようにしましょう。
舌ブラシを奥の方まで入れると「オエッ」となることがありますが、これを「嘔吐反射」と言います。
決して気持ちの良いものではありませんし、時には胃が痛くなることも。
舌を思いきり前に出すことで嘔吐反射を防ぐことができるので、試してみてください。
舌苔は、1日ではなく、ある程度の期間を経て溜まったもの。それを1回の舌磨きですべて取り除くのは無理があります。
毎日の舌磨きによって徐々に落としやすくなるので、継続することが大切。途中でやめたらせっかくの効能が台無しになってしまいます。
なかなか舌磨きがうまくできないという方は、一度歯科医を受診してみるのも良いでしょう。
歯科医師や歯科衛生士は、専用の器具やガーゼなどで舌苔を除去してくれます。セルフで行うよりも効果的なので、口臭が気になる方にもおすすめです。
歯ブラシよりも細い毛を使用した舌ブラシ。ソフトな設計で動かしやすく、コンパクトヘッドのため磨きやすいのが特徴です。
ブラッシングだけでは落ちない頑固な汚れを浮かして落とすアクアクレンジング処方にも注目。先端についているラバー製のスクレーパーが、浮いた汚れをしっかりキャッチします。
同シリーズのクリーニングジェルと一緒に使うと、より効果的でしょう。
T字カミソリのような見た目の舌ブラシ。細かいブラシで汚れを浮かして、凹凸のあるスクレーパーで汚れを取り除く2WAYヘッドが特徴です。
舌苔を除去する効果も高く、舌の表面が傷つく心配もありません。
色は黒とピンクあり。黒だと取り除いた汚れを確認しやすいので、きれいになったのを実感できるというメリットがあります。
貝印 CARERESH(ケアレッシュ) 舌クリーナー / ¥363
スプーンのような形をした、新感覚の舌クリーナー。両サイドにあるブラシと3重構造のヘラで舌苔を取り除く構造です。
密集したブラシは、細かい汚れまで逃さずキャッチ。中央に汚れが集まる構造なので、口元が汚れる心配もありません。
ヘラ部分に使われている「エラストマー素材」は、食品衛生性に適応したグレードのものを採用。肌触りも良く、安心して使用できます。
不要なものを排出して、良いものを取り入れる「アーユルヴェーダ」の概念に基づき、舌苔を取り除くタングスクレーパー。
熟練の職人によって丁寧に作られた日本製で、幅が広いのが特徴。一度で汚れがすっきり落ちます。
銅製の舌クリーナーは、高級感があり見た目も○。洗面所に出しっぱなしでも邪魔になりません。
Amarma(アマルマ) 舌みがき 日本製タングスクレーパー / ¥1,540
舌磨きは、歯磨きと同じく毎日の習慣にすることで口内がスッキリ。正しいやり方をマスターすれば、口臭を気にする心配もなくなるでしょう。