法事の際に持参するお供え物は、実は色々なしきたりがあり、何がいいのか迷ってしまうことがありますよね。そこで今回は、お花やお菓子など、法事の際に持参するお供え物の選び方や渡し方、注意点をご紹介します。
「法事」とは、亡くなった故人のために行う法要の事で、一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌とがあります。
七回忌以降は、家族のみで行うような規模の小さい法事を行いますが、一周忌や三回忌は、家族だけでなく親戚も集まるような法要を行うのが一般的です。法要の後に、集まった親族で会食を開くまでが法事とされています。
法事の際、社会人として自立している場合は、孫であっても現金やお供え物を持参しましょう。
法事でお供え物を準備する場合、お寺に持参するものと、施主に対して持参するものとでは、違いがあります。
■お寺で法事を行う際のお供え物
お寺で法事を行う際には、お坊さんにお経をあげていただく際にお渡しする「お布施」の他にも、ご本尊様(お寺の本堂の仏様)にお供えする物品が必要になります。
ご本尊様にお供えするお花は、通常お墓にお供えするお花とは違い、丈の長い、ボリューミーなお花がふさわしいとされています。花屋で購入する場合には、「法事の際に使用する本堂用のお花」とオーダーしましょう。
その他にも、地域や宗派によって異なりますが、
・お供え物用のカゴ盛りのフルーツ
・お菓子やお酒、米や野菜
などをお供えします。
■法事にお供え物を持参する場合
家族や親族として法事でお供え物を持参する際には、
・お線香やろうそく
・お花
・お菓子やお餅
・水、お茶、お酒
・季節の果物や野菜
など、飲食物や使うことでなくなる「消え物」を持参するのが一般的です。
お供え物は、法事の後にその場にいる親族で分ける風習がある地域もあります。何がいいのか迷ってしまった場合には、日持ちのする個包装のお菓子を持参するのがおすすめです。クッキーやマドレーヌ、水ようかん、せんべいなどが無難ですね。
果物は丸いものを選ぶようにしましょう。
また、最近では、故人の家族が必要なものを購入してもらうために、「御供物料」としてお金を包むことも増えてきました。
■お供え物として向かないもの
法事は、お寺で行う場合も多いので、重いものや大きいもの、派手な色のものは避けるようにします。お花も白や黄色、紫、ブルーなどの色がおすすめです。
お供えは、故人の好きな物を持参するのが望ましいとされていますが、お酒を飲む習慣がない家族にお酒をお供えとして持参するのは避けている方も多いですね。すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れなくてはいけないような日持ちしない生ものはお供えには向きません。
さらに、殺生を連想させるお肉やお魚、卵などは、お供えにはふさわしくありません。また、匂いの強いニンニクやネギ、ラッキョウ、辛い唐辛子も避けましょう。
また、お供えとして定番のお花にも、お供えとして向かない品種もあります。バラのようなトゲのあるものは避けます。
お供え物の包装は、水引の上に「御供」とします。内のしにするとより丁寧な印象になります。
現金の場合は、不祝儀袋の水引の上に「御供物料」と書くのが一般的です。
水引は、地域や何回忌によって差があります。黒と白、双銀、黄と白などの結び切りの水引を使用します。水引の下に名前を書きます。
四十九日以降は必ずしも薄墨で書く必要はありませんが、地域によっては薄墨で書くのがマナーとされていることもあります。
現金とお供え物を持参する場合は、「御仏前」の不祝儀に現金を持参し、お供え物も準備します。御供物料として現金を包む場合は、1つの不祝儀袋の封筒に現金をまとめます。
法事にお供え物を持参する場合の相場は、知人や孫、子供など、故人との関係にもよりますが、会食があるかどうかによっても異なります。
・法要のみの場合は
5,000円前後の現金や品物
血縁関係がある場合は10,000円前後
・会食がある場合は
10,000円~15,000円程度の現金や品物
血縁関係がある場合は15,000円から20,000円前後
が相場となっています。
法事の際にお供え物を持参したら、黙って御仏前に置くのはマナー違反です。
「御仏前にお供えしてください」と言いながら施主にお渡しします。現金を持参している場合は、お供え物と一緒に不祝儀袋の封筒も一緒に渡しましょう。
ただし、お供え物を渡す場合には、先に紙袋から出したり、風呂敷を外してから手渡しするのがマナーです。
法事に参列できず、お供え物を送る場合は、法事の前日までに届くようにしましょう。
法事の際に持参するお供え物には、色々な決まりごとがあります。お供え物は、故人のご冥福を祈るために重要なものです。法事の際にお供え物を持参する場合には、ぜひ参考にしてみてくださいね。