自分らしい個性を追求したい大人の女性にとって、アウターやニットの新調はこれからの時季の重要トピック。冬のマストアイテムだからこそ重要なのが、デザインのチョイスや、コーディネートのさじ加減。今年らしい着こなしで新たな“私らしさ”を追求したいあなたへ、スタイリスト加藤かすみさんがスタイリング術を伝授します。
ウールのダブルメルトンを使用した厚みのあるPコート。バックに丸みを出したコクーン型シルエットで、ヒップが隠れる絶妙な丈感はさまざまなボトムと好相性。大きめの上襟がほどよいアクセントに。
「鮮やかなブルーとグレーは、今季いち推しの配色。ニットは1枚でも十分おしゃれですが、あえて同じ色をもう1枚プラスすることで、より今年らしい着こなしに変化します。コートはバランスのいい丈感なので、ショートパンツとの相性もぴったり。子供っぽさを回避できるのは、スタイリッシュなPコートならではの魅力です。」
巻き方次第でさまざまなアレンジが楽しめる、ストールをドッキングしたロングコート。国内で別注した二重織の素材を使い、きちんと感のある上質な風合いに。身頃と袖は裏地仕立てで、暖かさも十分。
「ランジェリーライクなワンピースに、フロントを開けてバッと軽快に羽織ることで、女性自身が憧れるような気張らないレディスタイルに。コンサバになりがちなグレーのロングコートも、ストールがあるだけで動きが生まれ、一気におしゃれなムードが加わります。ベージュやホワイトと淡いカラーで仕上げ、上品な色合いに。」
オリジナルカラーにこだわった、軽やかなシャギーコート。肩パッドを入れ、ヴィンテージコートのようなシルエットを表現。明るめのパープルは、冬の装いに女性らしさと華やぎを与えてくれる洗練カラー。
「発色が綺麗なパープルのコートに、同色のニットをレイヤード。印象的なカラーコートは無難な色に逃げず、あえて同色を掛け合わせるのが今っぽく、グッとくるんです。スカートでさりげなく色をなじませつつも、足元にはブルーでインパクトを。遊びのある配色を、高級感のあるシャギーが上品な印象にまとめてくれます。」
特殊な起毛加工を施し、ファーのような上品さが楽しめるニットカーディガン。しっかりと厚みがあるため、コートの下の羽織りやライトアウターとしても活躍。袖口にはサムホールをあしらい、手の甲まで暖かくカバー。
「フェミニンな着こなしを楽しみたいなら、レーシーなワンピースにゆるっと羽織って。アイボリーやベージュ、グレーなど、淡いカラーでまとめたスタイリングは、一気に女性らしさを引き上げてくれます。トレンド性の高いシャギーなら、ベーシックなカラーでも今年らしい印象に。暖かい日はアウターとしても活用できそうです。」
クルーネックニットにハイネックのチュールインナーを重ねたレイヤードアイテム。大人っぽさが引き立つこだわりの配色で、首元やサイドからのぞくインナーカラーがアクセント。長めの袖は手元でくしゅっとさせて。
「今年らしい3ピースのセットアップでコーディネート。そのままでも十分可愛いですが、あえてインナーとして活用してみました。ベージュは深みのあるブラウンと相性がよく、さらにシアーな白が入ることで、着こなし全体に抜け感が生まれます。袖のニュアンスがアクセントになるので、ジャケットを脱いでもおしゃれな印象に。」
包み込まれるように柔らかく、ふわふわとした質感が魅力のモール糸を使用したニットカーディガン。1枚で着てもレイヤードスタイルにも活躍するVネックで、大きすぎない絶妙なサイズ感が品のある女性らしさを演出。
「Vネックのカーディガンは肌感を活かして1枚で着ると、女性らしいスタイルに早変わり。カラーニットにも色気が加わり、ブルーのグラデーションでまとめることで今年らしい印象に。カラーニットに戸惑いを感じる人こそ、思い切って鮮やかな色合いを選んでみて。ベーシックカラーとも合わせやすく、意外と大人っぽく着こなせます。」
白幡啓氏に師事後、2001年よりフリーランスのスタイリストとして活動開始。『otonaMUSE』『BAILA』『VERY』など数々の女性ファッション誌をはじめ、カタログや広告など多方面で活躍。トレンドを絶妙なバランスで取り入れ、大人の女性を魅力的に見せてくれるセンスとスタイリング力に定評がある。
Model:Mutsue Koubara
Stylist:Kasumi Kato
Photographer:217..NINA
Hair&Make-up:carrie
Web designer:Sugako Kobayashi
Editor&Writer:Sayaka Seko