最初に、電気ポットの内側と外側が汚れる原因を解説します。
電気ポットの内側が汚れる主な原因は「水垢(カルキ)」です。電気ポットに入れる水道水には、主に4種類のミネラル成分(カルシウム・ナトリウム・マグネシウム・カリウム)とケイ酸が含まれます。そして、電気ポットで加熱したとき、これらの成分が蒸発して、ミネラル分が白い物質となり少しずつ蓄積されるわけです。
水垢は、放置すると石のように固くこびりつき、簡単に落とすことはできません。人体に悪い影響は与えませんが、お湯にニオイが付いてしまう可能性があるため、定期的に掃除をして気持ちよく電気ポットを使用しましょう。
電気ポットの外側が汚れる主な原因は「手垢・ホコリ」です。また、電気ポットをキッチンに置いている場合、調理中に使用した油が水蒸気となり付着するケースもあります。
油汚れがつくと、それが接着剤の役割を果たし、さらにホコリなどの汚れを吸いよせます。油汚れは時間が経つと落ちにくくなるため、はやめに掃除をして、常にきれいな状態を保ちましょう。
電気ポットの内側の掃除方法について、用意するものや手順を詳しく解説します。
電気ポットの内側の掃除に必要なものは「クエン酸」だけです。クエン酸は、水に溶けると酸性の性質になるため、水垢などアルカリ性の汚れを中和させて落とせます。
また、クエン酸はレモンや梅干しなどの酸味となる成分なので、洗い残しが口に入っても安心な点は大きなメリットといえるでしょう。
まずは、水で満タンの電気ポットに、大さじ1〜2杯
のクエン酸を入れて沸騰させます。
クエン酸の入ったお湯が沸騰したら、汚れが分解されるまで1〜2時間くらい放置します。
最後に、クエン酸の入ったお湯を捨てて、水で数回すすぎましょう。細かな汚れが残った場合は、ブラシやスポンジで優しくこすることで、電気ポットをきれいに掃除できますよ。
お酢は、クエン酸と同様に酸性の性質があります。電気ポットにコップ1杯分のお酢を入れたら、あとはクエン酸と同じ手順で掃除することが可能です。ただし、掃除後にニオイが残る可能性があるため、すすぎの回数を増やして対処しましょう。
レモンも、クエン酸と同様に酸性の性質があります。使用する場合、レモンを2個絞って、その果汁を満水にした電気ポットに入れて沸騰させましょう。
意外な裏技ですが、コーラに含まれる「炭酸成分」「リン酸」は、ほぼクエン酸のような役割を果たします。掃除方法は、電気ポットに水ではなく、コーラを満タンに入れて沸騰させるだけ。ニオイが残る可能性はあるため、最後はしっかりと水ですすぎましょう。
電気ポットの外側の掃除方法について、用意するものや手順を詳しく解説します。
電気ポットの外側を掃除するときは、「重曹」を用意しましょう。外側には、おもに酸性の汚れがつくため、アルカリ性の重曹を使用することで中和させられます。
その他、電気ポットを拭くための「やわらかい布(ふきんなど)」「ぬるま湯(40℃〜50℃程度)」を用意してください。
まずは、用意したぬるま湯に重曹を溶かして「重曹水」を作りましょう。分量は、ぬるま湯500mLに対して、重曹大さじ1杯弱くらいです。
化学反応は高温なほど効果があらわれやすいため、水ではなくぬるま湯を使用するのがポイントです。ただし、65℃以上の重曹水は「強アルカリ性」となり、肌荒れの原因になりうるため注意してください。
やわらかい布に重曹水を含ませて、電気ポットの外側を拭いてください。あまり強くこする必要はありませんが、汚れが目立つ部分は少し力をいれて拭きましょう。
おなじ要領で、電気ポットの台座やコードも掃除できます。布では拭き取りにくい細かいくぼみなどの汚れは、重曹水を染み込ませたブラシなどでこすると簡単に落ちますよ。
アルカリ電解水とは、アルカリの性質を持つ水からできた洗浄液のことです。キッチンペーパーにスプレーして拭くだけで、簡単に電気ポットの外側を掃除できます。アルカリ電解水には、水100%で人体に悪影響のある界面活性剤などが含まれないため、2度拭きの必要はありません。
中性の食器用洗剤を使用する場合、まずはぬるま湯に洗剤を数滴いれて洗浄液を作ります。そして、やわらかい布で電気ポットの外側を拭いたあと、水道水でひたした布で何回か拭き直しましょう。
食器用洗剤には、前述した体に悪影響のある界面活性剤が含まれるため、洗い残しがないよう注意してください。
セスキ炭酸ソーダを使用する場合、500mLの水に小さじ1杯のセスキ炭酸ソーダを入れて洗浄液を作りましょう。そして、やわらかい布で電気ポットの外側を拭いたあと、水道水でひたした布で何回か拭き直してください。
電気ポット洗浄用の掃除グッズを利用したい方は、小林製薬の「ポット洗浄中」がおすすめです。錠剤とぬるま湯を入れた電気ポットを一晩放置するだけでOKなので、手軽に掃除を済ませられますよ。
同社では、同じシリーズの「電気ケトル洗浄中」も提供しているため、電気ケトルを使用している方はチェックしてみてください。
電気ポット内部の掃除頻度は、最低でも3ヶ月に1回です。しかし、電気ポットは日々の使用で少しずつ汚れがたまるもの。大量の汚れがたまると、1度の掃除ではなかなか落とせなくなってしまいます。
そのため、当サイトでは月1回くらいの頻度の掃除をおすすめしています。汚れが大量にたまる前であれば簡単に落とせるため、結果的に3ヶ月に1回の掃除よりも手入れの負担が軽くなりますよ。
もし電気ポットの掃除をサボってしまうと、内部の水垢汚れなどにより熱が伝わりにくくなります。また、水を入れたままにしたり、内部を乾かさないまま放置するとカビが発生する原因になるため、必ず定期的に掃除しましょう。
電気ポットが新品だったり、水垢を放置して雑菌などが繁殖していると、独特のニオイを発することがあります。
このようなニオイは、先ほど内部の掃除で紹介したクエン酸で落とせます。掃除の手順もまったく同じなので、たとえ前回の掃除から1ヶ月以上経っていなくても、ニオイが気になったらすぐにお手入れするのがおすすめです。