配膳のマナー【1】基本の配膳

ご飯とお味噌汁の配膳のマナー

彼氏や友達に手料理を振る舞ったり、自炊した料理の写真をSNSにアップする際に迷うのが配膳の位置ですよね。

ご飯やお味噌汁のお椀などの配膳位置にはマナーがあり、間違った配膳をしてしまうと、常識がないと思われてしまうこともあります。

和食の基本の配膳の位置は、左の手前がご飯茶碗、右の手前がお味噌汁のお椀です。日本では、昔から右よりも左が格上の位置とされてきたのが、主食のお米が左に置かれる理由です。

ただし、同じ日本料理でも、関西では、配膳マナーが異なる場合があります。右にお味噌汁のお椀が置かれていると、食事の際に邪魔になってしまうことから、お味噌汁のお椀は左の奥に置く風習がある地域もあります。

配膳のマナー【2】おかず類

配膳のマナー

ご飯の茶碗や、お味噌汁のお椀を手前に置いたら、おかず類を奥に配置するのが、配膳のマナーです。

和食では、「一汁三菜」という、1種類の汁物に対して、肉料理や魚料理である「主菜」、煮物の「副菜」、和え物や酢の物、おひたしのような「副々菜」の3種類のおかずを揃えるのがバランスの良い基本の食事と言われています。

左の奥から副菜、中央の真ん中に副々菜、右の奥に主菜を置くのが和食の正しい配膳の仕方です。

尾頭付きの魚は、頭が左になるように配膳しましょう。切り身の魚の場合は、皮が上に来るように盛りつけるようにします。干物の開きの場合は、皮が下に来るように盛りつけるのがマナーとなっています。

■後から料理を出す場合

手料理を振る舞う際も、1品ずつ、できた料理をテーブルに出して行く場合もありますよね。

そのような場合の配膳のマナーは、目上の人や上座に座っている方から配膳していきます。

また、料理が残っている場合は、自分からは下げないのがマナーです。相手の左側から、すでにテーブルの上にあるお皿の左に新しい料理を出すようにします。3皿目は、1皿目を奥にずらし、2皿目を右にずらし、左に出し、三角形になるように配置します。

注意が必要なのは、料理が残っているお皿は、勝手に下げてはいけないということです。また、先に出しているお皿の上を自分の手が通ってしまうのもNGマナーですので注意したいですね。

配膳のマナー【3】麺類の配膳の仕方

そばの食べ方マナー!すする音やわさびの使い方など粋な楽しみ方を紹介! | お食事ウェブマガジン「グルメノート」

主食が左側に置く事が基本の配膳マナーに従い、どんぶりまたはそばざるを左側に置きます。
麺料理の場合主食は「麺」になるからです。
単品の場合はこの限りではありませんが、漬け汁もしくは漬物などの副菜は右側または右奥に置きます。
例えば、てんぷらそばの場合はそばが左側に、主菜の天ぷらは斜め右に置くことになります。

 

配膳のマナー【4】その他の配膳の仕方

お茶

食事の際の飲み物のコップの配膳位置は、左に置くのがマナーです。ただし、お茶の湯飲みは右の奥に置きます。お刺身用の醤油皿も右に置きましょう。

おしぼりは右側に出します。

お箸は手前の中央に置き、箸先が左に来るようにしましょう。箸置きがあると良いですね。

左利きの方に料理を出す場合も、通常の配膳の仕方と同じように置くのがマナーです。

配膳のマナー【5】洋食や中華料理の場合

配膳のマナー

洋食や中華料理の場合も、和食の「一汁三菜」の配膳と同じように置くのがマナーです。

ただし、オムライスやパスタ、焼きそばや中華飯のような1皿の大きなお皿で出すような料理の場合は、中央に配置しましょう。スープはお皿の右に置き、サラダはさらに右の奥に配置するのがマナーです。

洋食の場合のコース料理では、中央にお皿が置かれ、料理が1皿ずつ運ばれてくることが多いですが、使用するナイフやフォークは、あらかじめお皿の外側に配置されています。

ナイフやフォークを配置する場合は、中央のお皿の左側にフォーク、お皿の右側にナイフを配置するのがマナーです。

配膳のマナー【6】お茶やお菓子を出す場合

配膳のマナー

お茶やお菓子を出す場合の配膳の位置にもマナーがあります。

例えば、お茶と一緒にお茶菓子を出す場合は、お茶を右側に配置し、お茶菓子を左側に出すのがマナーです。これは、日本茶だけでなく、紅茶やコーヒー、洋風のデザートを出す場合でも同じです。

右利きの方が、お茶が入ったカップや湯のみ、コップなどが取りやすいことが理由で、このような配置になっています。また、お茶出しのマナーとしても、できるだけ相手の右側に立ち、お茶を出すのが一般的です。

ビジネスシーンなどの場合、お菓子は出さず、お茶や紅茶、コーヒーのみを相手に出す場合もありますよね。このような場合は、お菓子がありませんので、飲み物を相手の中央に置くか、お菓子と一緒に出す場合と同じように、相手の右側に出すようにします。

注意が必要なのは、湯飲みやカップを置く向きです。
湯のみに絵が描かれている場合は、その絵柄が相手に見えるように置くのがマナーです。

ティーカップの場合は、持ち手が右側に来るように配置するようにしましょう。

食べ方にも、すべてマナーがある

日本人なら身につけておきたい『ご飯の作法』とは?…より豊かな食生活は主食から|IKITOKI

配膳にもマナーがあるように食べ方にも「食べ方の作法」というものがあります。

和食に限らずですが、食事は味の薄い物から順番に食べるのが良いとされています。
味の濃い物から食べ始めてしまうと、繊細な味付けが分かりにくいからです。
はじめは汁物、次にご飯、主菜、副菜という順で食べ進めていくのが基本です。

また、よくあるのがご飯の上におかずを乗せてしまう習慣です。
ご飯の上におかずを乗せてしまうのは本来マナーに反すると言われています。
なぜなら、お茶碗を受け皿の代わりにしているためです。
白いご飯が汚れてしまい、見た目も美しくありません。
あらたまった場では、気を付けることを心がけましょう。