米ぬか洗顔とは、米ぬかを使った洗顔方法のことをいいます。米ぬかは、玄米から白米へ精米する時に取れる外側の部分で、美容に良いとされる成分が豊富です。そのため、古くから美容アイテムとして活用され、おもに次のような美容効果が期待できます。
■洗浄効果
米ぬかに含まれるタンパク質の一種「γ-グロブリン」が天然の界面活性剤として働き、汚れを落とす効果があるといわれています。また、米ぬかには油分が20%も含まれているため肌にも優しく、しっとりとした洗い上がりが期待できるでしょう。
※米ぬかには「脂肪酸ナトリウム」が含まれているため高い洗浄力があるという情報を見かけますが、米ぬかに含まれるのは「脂肪酸」です。脂肪酸ナトリウムではありませんのでご注意ください。脂肪酸ナトリウムは、動植物の油脂と水酸化ナトリウムから作られる化合物で、石鹸の成分です。
■エイジングケア
米ぬかに含まれるビタミンEやフェルラ酸などは、抗酸化作用やターンオーバーの活性化に役立つとされ、エイジングケアとしての効果に期待できます。他にもミネラルやアミノ酸・ビタミンB群など、肌の健康を保つために欠かせない成分が豊富です。
■毛穴の黒ずみやシミ対策
古い角質や汚れを落とす働きがあるとされている米ぬか。美白の妨げになるメラニンは、古い角質とともに剥がれていきます。米ぬか洗顔でメラニンの排出を促すことで、毛穴の黒ずみやシミの予防効果にも期待できるでしょう。
天然成分だけでできている米ぬかには実にたくさんのメリットがありますが、米ぬか洗顔での大きなメリットは次の2つです。
■低刺激
米ぬか洗顔のメリットの1つ目は「低刺激」です。米ぬかは肌に優しい成分なので、刺激を感じやすい方や敏感肌の方にもおすすめの洗顔方法です。
ただし、市販の米ぬか洗顔料を使うときには要注意。米ぬか洗顔と謳っていても合成化学成分が多く含まれていると、肌に負担がかかってしまう場合があります。米ぬか洗顔料を選ぶときには成分をよくチェックしましょう。
■自然由来の洗浄力
米ぬか洗顔のメリットの2つ目は「自然由来の洗浄力」です。合成化学成分を含まない米ぬかには、汚れを分解するような力はありません。しかし、界面活性剤の働きをする成分の乳化作用によって、皮脂や汚れを優しく剥がし絡め取ってくれます。
米ぬかの洗浄力については、界面活性剤としての成分以外にも豊富な油分やスクラブ効果など、洗浄力につながる要因が複合的に作用しているともいわれています。合成化学成分に頼らなくても十分な洗顔効果に期待できるでしょう。
米ぬか洗顔には米ぬかがなければ始まりません。米ぬかの入手方法をご紹介します。
■ネット通販
米ぬかの入手方法として最も簡単なのはネット通販での購入でしょう。Amazonや楽天などでも取り扱いがあります。
■実店舗
実店舗で購入するなら、まずはお米屋さんに問い合わせてみましょう。米ぬかは廃棄されることが多いので、販売されていなくても譲ってもらえる場合があります。
他に入手できる可能性があるのはスーパーです。取り扱っている店舗は限られますが、気軽に買えるので探してみる価値はあります。
■コイン精米所
コイン精米所は、設置されている精米機で精米をするため、精米時に余った米ぬかを無料で持ち帰れる場合があります。都会ではあまり見かけませんが、心当たりがあればぜひチェックしてみてください。
■自宅で精米する
家庭用の精米機を使って自宅で米ぬかを作る方法もあります。あまりなじみのない家庭用精米機ですが、価格は1万円前後で家電量販店でも購入が可能です。家庭で精米すると、常に新鮮な米ぬかが手に入るというメリットがあります。
米ぬかが配合された米ぬか石鹸・洗顔料を使えば、より手軽に米ぬか洗顔ができます。米ぬか石鹸・洗顔料を選ぶときには次のポイントを確認しましょう。
■美容成分
米ぬか由来の美容成分には、いくつかの種類があります。肌状態や悩みに合わせて成分を選んでください。
γ-オリザノールは、米ぬか特有の成分です。強い抗酸化作用やメラニンの生成を抑える働き、血行を促進する働きなどがあるとされているので、エイジングケアでの効果が期待できます。
ビタミンB類には、美肌の土台を作るターンオーバーをサポートする効果に期待できます。シミやそばかす・肌のごわつき・ニキビなどに悩んでいる方には、ビタミンB類が配合された米ぬか石鹸や米ぬか洗顔料がおすすめです。
オレイン酸は、γ-オリザノールと同じく強い抗酸化作用があり、保湿力にも優れているので乾燥肌の方に向いています。
■その他の美容成分
米ぬか石鹸や米ぬか洗顔料には、米ぬか由来の美容成分以外にも、美肌作りに役立つ成分が含まれています。整肌成分である馬油や保湿効果の高い植物オイルなど、その他の成分もチェックして、肌状態に合うアイテムを選びましょう。
■敏感肌には優しいものを使う
敏感肌の方は、石鹸や洗顔料に含まれる成分で肌トラブルを起こす可能性があります。なるべくアルコールや人工香料・着色料・パラベンなどが使われていない無添加タイプの米ぬか石鹸・洗顔料を使うと良いでしょう。
■米ぬか石鹸は洗顔用と全身用に注意
米ぬか石鹸は、大きく分けて洗顔用と全身用の2種類があります。洗顔用は、顔での使用を前提としているので肌への刺激は弱めです。一方、全身用は汚れを落とすことが主な目的なので、その分肌への刺激も強めといえます。
全身用の米ぬか石鹸で洗顔をしてしまうと、肌トラブルを起こすおそれがあるので、用途をよく確認して間違わないように注意しましょう。
米ぬか洗顔のやり方は大きく分けて3通りです。その手順について1つずつご紹介します。
■米ぬかを直接肌に塗る
まずは米ぬかを直接肌に塗って洗顔する方法です。
①米ぬかを小さじ1~2杯手に取る
②水またはぬるま湯を加えて指先で混ぜる
③顔全体にのばしてマッサージする
④ぬるま湯で洗い流す
米ぬかを直接肌に塗る方法は「ぬか袋」を使うと手間が省けて便利です。一度に使用する米ぬかの量も少なくて済みます。
■ぬか袋を使う
次に、ぬか袋を使って洗顔する方法をご紹介します。
①ぬか袋またはガーゼなどに米ぬかを小さじ3~4杯加える
②ぬか袋やガーゼの口をしっかりと閉じる
③洗面器などに入れたぬるま湯の中で、袋を揉みこむ
④袋から白い液が出たら、袋を顔全体に優しく滑らせる
⑤ぬるま湯で洗い流す
ぬか袋を使って行う洗顔は、古い角質を取り除くことができます。週に1〜2回を目安に行うようにしましょう。
■市販の米ぬか洗顔料を使う
米ぬかを入手できない方や洗顔に時間をかけられない方には、米ぬかが配合された市販の米ぬか洗顔料がおすすめです。通常の洗顔と同じように扱えるので手間もかかりません。米ぬかを使えない事情がある場合には重宝するでしょう。
米ぬか洗顔をする場合の注意点についてご紹介します。
■パッチテストを行う
米ぬかは自然由来の天然成分ですが、それでも人によっては肌への刺激を感じる場合があります。初めて米ぬか洗顔を行うときは事前にパッチテストを実施し、問題がないことを確かめておきましょう。
簡易的なパッチテストのやり方は、米ぬかを溶かしたぬるま湯を二の腕の内側に2~3cmほど塗って乾かし、1日後に赤みやかゆみなど異常がなければ使用OKと見ます。
最初のうちは洗顔の回数を少なめにして、様子を見ながら慣らすと、より安心です。
■鮮度に気をつける
米ぬかは傷みやすい生ものです。そのため、米ぬかを繰り返し使うのは衛生上良くありません。一度使った米ぬかは必ず処分してください。
また、米ぬかは冷蔵庫や冷凍庫での保存が必要です。冷蔵庫で保存する場合は1〜2週間が使用期限。肌にのせるものなので、鮮度には十分気をつけながら使用しましょう。
洗浄力が高く、エイジングケアや美肌ケアに効果的といわれている米ぬか。そんな米ぬかが配合された、おすすめの米ぬか石鹸や洗顔料をご紹介します。
「みんなでみらいを 米ぬか酵素洗顔クレンジング」は、米ぬかと小麦ふすまを成分とした完全無添加の洗顔クレンジングです。
有益微生物の酵素には、通常の合成界面活性剤クレンジングよりも高い洗浄力が期待できるので、毛穴の隅々まで汚れを洗い上げます。合成化学成分を含んでいないので、人にも環境にも無害で安全なのも優れたポイント。
小さじ1杯ほどを手に取ってペースト状にし、マッサージをするように洗顔していきます。泡立ては、手では難しいので泡立てネットを使用するのがおすすめです。クレンジングと洗顔が一度で完了するので時短ケアにもぴったり!
「カリス ナチュラルソープ工房 米ぬか石鹸」は、石鹸職人伝統の釜焚き製法で作られた石鹸です。洗浄力と保湿力が高いので、乾燥肌の方でも満足のいく使い心地。これひとつで全身に使えるのも嬉しいポイントです。
有機無農薬の米ぬかを原料としているオーガニックの石鹸なので、肌にのせる成分が気になったり、肌が弱かったりする方でも安心して使えるでしょう。米ぬかの高い洗浄力のおかげで、毛穴の奥の汚れまでしっかりアプローチ。つるつるしっとりとした仕上がりです。
比較的価格が高めな米ぬかの洗顔料ですが「美人ぬか 純米洗顔」はプチプラ価格の洗顔フォーム!
良質なお米から取れた米ぬかエキスがお肌に必要な保湿成分を補って、仕上がりは潤いたっぷりに。さっぱりなのにつっぱり感のない洗浄効果が期待できます。まずはプチプラの米ぬか洗顔から試してみたいという方におすすめです。
泥洗顔フォームで人気のあるロゼットから発売されている米ぬか洗顔料。
「ロゼット 無添加米ぬか洗顔フォーム」は、プチプラ価格で米ぬか洗顔料の良さを試すことができるので、米ぬか洗顔フォームがどんなものなのか気になっている方にぴったりのアイテムです。洗顔フォームを2cmほど手に取り、手のひらでモコモコ泡になるまでしっかり泡立てて使用してくださいね。
洗浄力の高い洗顔料は、洗い上がりにつっぱり感があったり、さっぱりし過ぎたり……。
しかし「日本盛 米ぬか美人 洗顔クリーム」は、キメ細かい泡と米ぬかの保湿成分のおかげで、毛穴の汚れをしっかり吸着・洗浄しながら、みずみずしい洗い上がりが期待できます。透明感のあるお肌に導いてくれるので、くすみが気になり始めたという方にもおすすめです。
「美人ぬか 純米洗顔石鹸」は、米ぬか由来の洗顔用石鹸です。
キメ細かい泡がお肌の老廃物や汚れにアプローチ。しっかりと洗い上がるのにお肌の潤いはキープしてくれる優れものです。乾燥肌の方でも安心して使えるでしょう。固形石鹸なので、泡立てネットがあると簡単に泡が作れて便利ですよ。
「西陣石鹸 黒門一条」は、京都で創業120年の白山湯による完全監修で作られた石鹸です。毛穴ケア・引き締め・保湿など、きれいなお肌を手に入れるのに必要不可欠な効果を発揮してくれます。
顔だけでなく全身に使えるのもポイント。デオドラント効果も期待できるので、汗をたくさんかく季節にぴったりです。
「白鶴 鶴の玉手箱米ぬか石けん」は、米ぬかや純米大吟醸酒が配合された石鹸です。顔にはもちろん、体にも使える優秀アイテム。
洗顔しながらお肌の潤いを守ってキメを整えてくれます。泡立てネットがあるとモコモコの泡を作りやすいですよ。
「ビオメディ エッセンスモイストソープ」は、無農薬の米ぬかから作られた手作り石鹸です。
火を使わず、ゆっくりと時間をかける「コールド製法(コールドプロセス)」で作られているため、潤い成分が壊れず石鹸の中に残りやすくなっており、洗顔後はしっとりした優しい洗い上がりを実感できるでしょう。ふわふわの泡が簡単に作れる泡立てネット付きです。
美容意識の高かった江戸時代から使用されてきた、米ぬかの進化版ともいえる「ロゼット 江戸こすめ 米ぬか洗顔」は、極めて細かい米ぬかスクラブ配合の洗顔料です。優しく汚れを取り除き古い角質をオフ。明るい肌に導いてくれます。
また、米由来の美肌成分も配合されていて、洗顔しながら肌を潤わせてくれます。無香料・無着色料・無鉱物油・アルコールフリーで、肌に優しいのもポイントです。
米ぬかは、洗顔以外にもさまざまな方法で活用できます。なかでもパックは、米ぬかで集中的なケアをしたい方におすすめです。
■材料
・米ぬか
・小麦粉
・少量の水
※米ぬかと小麦粉は、3:1の割合で用意してください。
■米ぬかパックのやり方
①米ぬかと小麦粉を混ぜ合わせる
②水を加えてペースト状にする
③顔に塗り、5分間待って洗い流す
■米ぬかパックのアレンジ方法
米ぬかパックの美容効果を高めたい方は、他の材料を加えてアレンジするのもおすすめです。
米ぬかパックにヨーグルトをプラスすると、シミやくすみの予防効果が期待できるので、透明感のある美肌を目指せます。ヨーグルトには、ピーリング効果のあるAHAやターンオーバーの正常化に役立つアミノ酸などの美容成分が含まれているからです。
また、ヨーグルトの乳酸菌は、ニキビの原因となるアクネ菌の増殖を防ぐといわれています。
米ぬかパックのざらざら感が気になる方は、はちみつを加えて滑らかにしましょう。はちみつには非常に多くの栄養素が含まれていて、美肌の土台となるビタミンやミネラルも豊富です。
酒粕や豆乳は保湿力に優れ、米ぬかパックに加えると肌が潤って乾燥や肌荒れを予防できます。
米ぬかは、手作り化粧水にも使えます。
■材料
・米ぬか
・水
■米ぬか化粧水の作り方
①鍋に水を入れ、米ぬかを加えて火にかける
②沸騰後、弱火で10分程度煮出す
③ガーゼで米ぬかを濾(こ)す
手作りの米ぬか化粧水は、肌に負担をかける余計な成分が含まれていません。赤ちゃんにも使えるといわれていますが、敏感肌の方はしっかりとパッチテストを行ってから使用しましょう。
ざらざらとしたテクスチャの米ぬかは、スクラブとしても重宝します。足裏やかかと・ひざ・ひじ・デコルテなどがガサついたり、硬くなったりしているときは、米ぬかでケアしてみましょう。
■材料
・米ぬか
・豆乳
※米ぬかと豆乳は、3:1程度の割合で使ってください。
■米ぬかスクラブのやり方
①米ぬかと豆乳を混ぜる
②気になる部分に米ぬかスクラブを塗る
③優しく擦る
④水やぬるま湯でしっかりと洗い流す
スクラブをした後は、肌が乾燥しやすいため、化粧水やボディクリームなどでしっかりと保湿しましょう。豆乳の代わりに、はちみつやヨーグルト、甘酒などを使うのもおすすめです。
手は年齢のサインが出やすいパーツ。しかし、顔のケアと比べて手のケアには力を入れていない人が多いのではないでしょうか。いつまでも綺麗な手を保ちたいなら、米ぬかのハンドパックをおすすめします。
■材料
・米ぬか 1カップ
・オリーブオイル
・はちみつ
・少量の水
■米ぬかハンドパックのやり方
①材料を全て混ぜ合わせて味噌程度の固さにする
②手に塗り、上からビニール手袋を着けてなじませる
③5~10分程度待つ
④しっかりと洗い流す
待っている間に、お湯で洗いものなどをすると温熱パックになって血行が促進されます。
米ぬかを入浴剤として使うと、肌がしっとりとします。
■材料
・米ぬか
・ガーゼ 2枚
・輪ゴム
■米ぬか入浴剤の作り方
①2枚重ねにしたガーゼの上に米ぬかを置く
②ガーゼの四隅をつまんで米ぬかを包む
③中身が出ないように輪ゴムでしっかり縛る
④お風呂に入れる
ガーゼで包んだ米ぬかで優しく肌を擦ると、肌がすべすべになります。また、米ぬかを使うと浴槽に湯垢が付きにくくなるので、毎日のお風呂掃除も簡単です。