留袖とは、和服の1つであり、既婚女性が着用する最も格の高い礼装です。黒留袖であれば第一礼装、色留袖であれば第二礼装になります。
黒留袖の場合、結納式や結婚式、披露宴などで新郎新婦の親族の既婚女性や、仲人が着用するようです。
色留袖は黒留袖よりも一つ下になるので、お招きされた側の場合は招待側と同格になり、失礼にならないよう、色留袖を選ぶことが多いと言われています。
きちんとしたシーンで着るものなので、髪型も失礼にならないよう注意したいですよね。
■留袖に合わせる髪型で意識したいポイント
・主役よりも目立たないよう、髪は盛りすぎない
・カールをつける場合は、控えめに後ろ側で取り入れる
・品が損なわれないよう、後れ毛や崩しなどのルーズ感は控える
・髪飾りは格の高い物をチョイスする
4つのことをポイントに、留袖に合わせたい髪型をチェックしていきましょう。
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ショートやボブヘアだと留袖に合わせることが難しそうに思えてしまいますが、トップやサイドの面をきっちりさせた、バックに少しボリュームを持たせるだけでOK!
ショートヘアで襟足がすっきりしているのであれば、そのままで留袖に合わせることができますよ。
ボブのように少し長さがあるのであれば、編み込みなどでまとめると華やかに決まります。
前髪からバックへすっきりまとめた髪型に、サイドに残しておいた髪にカールをつけながら留めれば、上品さの中にキュートさがある大人可愛い留袖ヘアを楽しむことができます。
トップは少し低めに、そして重心を下めにしてふっくらとボリュームを出すことがポイントです。
年齢を問わない華やかスタイルですよ。
トップから後頭部にかけて、ゆるやかな曲線を描きながら高さを出したアップスタイルは、洗練された留袖ヘアにすることができます。
ハーフアップのように下に流れた髪は、カールをつけてあげると若々しい印象になるので、若い女性でも取り入れやすい髪型になるのではないでしょうか。
留袖に合うかんざしをワンポイントに、和の装いを高めていきましょう。
長めのボブやミディアム、ロングヘアの女性から圧倒的な人気を誇る髪型が、夜会巻きです。
きちんとした場での髪型として定番でもありますよね。
面をきっちり決めながら、後ろに高さを出していくと、上品さや華やかさをアップさせることができます。迷ったときは、夜会巻きにすれば間違いないでしょう。
重め&低めを意識した艶やかなシニヨンスタイルも、夜会巻きと同じくらい留袖に合わせやすい髪型です。
セミロングやロングヘアの長さを生かして、シニヨン部分にボリュームを持たせることがポイント。
きちんと上品さがあり、後ろ姿も美しく決まるので、留袖を素敵に着こなすことができますよ。
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留袖に似合った髪型でありながらも、可愛らしさをプラスしたい20代や30代の女性におすすめなのが、サイドで作ったシニヨンスタイルです。
ねじりながらサイドへ流し、低めの位置でまとめてあげれば留袖もより柔らかく着こなすことができます。
きっちりしたスタイルよりも少し柔らかみがあるので、黒留袖に合わせるというよりも色留袖に合わせるといいですよ。
両サイドの髪をそのまま綺麗にねじったアップスタイルは、インパクトが強めの留袖ヘア。
留袖にも負けない存在感があるのですが、逆三角形のシルエットがシャープな印象を与えてくれます。残った髪もお団子やロールアップですっきりまとめ、華やかな後ろ姿を楽しんでください。
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カールのつけた髪を取り入れるのであれば、バック部分に取り入れることが上品に決めるためのポイント!
トップやバックの高い位置はストレートで綺麗に抑え、襟足部分を巻いてみるといいですよ。
上品さがありながらも、どことなくフェミニンな雰囲気も漂い、大人可愛い髪型を楽しめます。
若々しさがあるので、20代や30代の女性におすすめです。
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艶を活かしながら面で綺麗にまとめたアップスタイル。
上品できっちりした髪型にまとまっていて、留袖姿も美しく映えますね。
そこへ少しアレンジを加えて、まとめるときに毛先で渦を作ったりしてもらいましょう!きっちりした面と、動きのある面があることで、おしゃれな留袖ヘアに大変身します。
今っぽさを出したい女性におすすめです。
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かわいらしく華やかな印象になる編み込みのアレンジ。定番の夜会巻きよりもフレッシュで若々しい雰囲気に仕上がります。
トップはふんわりとボリューム感を出して。小さめパールのヘアアクセサリーで上品に。
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兄弟・姉妹の結婚式に出席するなど、20代・30代が色留袖を着るときにおすすめなのが、こんな華やかなアレンジです。Uピンについたパールのヘアアクセを散りばめると、上品かつお祝いにふさわしいあでやかさが生まれます。色留袖の淡い色味とも好相性です。
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トップにボリュームを出すアレンジが定番ですが、あえてトップのボリュームを抑えるとしっとりと落ち着いた雰囲気に仕上がります。面長で縦の長さを強調したくない人にもおすすめです。トップにボリュームが無い分地味な印象にならないように、ヘアアクセをプラスして。
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きちんと感と華やかさを兼ね備えた夜会巻き。着物だからこそ楽しめるヘアアクセのかんざしをプラスすると、古風でしっとりとした印象になります。落ち着いた雰囲気になるので、新郎・新婦の親として結婚式に出席するときにもぴったりです。
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シニヨンの丸みとボリューム感がキュートな印象。髪の艶感が活きるアレンジです。黒留袖よりも色留袖にマッチします。
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黒留袖を着る場合は、黒留袖の格式を落とさないように髪はアップにして品格を保ちたいもの。ショートヘアでもピンで留められる長さがあれば、アップヘアにすることができます。
ロングの場合よりもまとめた部分が小さくなるので、寂しい印象にならないようにかんざしやバレッタなどヘアアクセをプラスしてもいいですね。
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ボリューム感を抑えてシンプルにまとめたアップヘア。結婚式なら、落ち着いた雰囲気で品を保ちつつ華やかさも大事にしたいですよね。
そんなときにおすすめなのが水引を使ったかんざし。和の小物なので、着物との相性は抜群。さりげなくあでやかな印象に仕上げられます。
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毛束感を活かしたまま、円を描くように留めたスタイル。ヘアアレンジだけで華やかさが出ますね。アレンジが印象的な分、ヘアアクセは控えめにしてバランスを取りましょう。
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夜会巻きや面を整えたアレンジは、品格があるものの大人っぽ過ぎるのが気になる人もいるかもしれません。そんな場合は、毛束感を残したシニヨンスタイルがおすすめです。古臭さを感じさせずに、黒留袖を自分らしく着こなせるでしょう。
ヘアアレンジが今っぽい分、ヘアアクセはかんざしなど伝統的なものを選ぶといいですね。
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凝って見えるのに簡単にできることで人気のギブソンタック。色留袖をモダンに着こなしたいときにおすすめのヘアスタイルです。モダンなヘアアレンジに合わせて、ヘアアクセもパールとビジューを組み合わせたものなど、ドレスにも使えそうなデザインのものを選ぶとよいでしょう。
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面を美しく整えた、潔さを感じさせるアップヘア。凛とした雰囲気で、黒留袖をより魅力的に見せてくれそうです。髪の美しさを活かして、ヘアアクセは控えめに。
留袖を着る時に小物や装飾品のマナーにも気をつけなければいけません。
特に和装ですと、着物そのものや帯・バッグなどにも柄が入ってくるため、アクセサリーなどの使用も限られてしまいます。
華美なものはマナー違反となってしまうので気をつけたいところです。
留袖の髪型に似合う「髪飾り」と「かんざし」についてご紹介します。
髪飾りには基本的にかんざしなどの、日本の伝統工芸を選ぶと失敗がありません。
値段も高額になりがちなので、付ける頻度がそこまで高くないのであれば、プラスチック製のシンプルなものもあります。
メインは留袖なので、ヘアアクセサリーは留袖を引き立たせるアイテムと認識するのが良いでしょう。
■あまりに華美なものは付けない
■サイズが大きな飾りは避ける
■古典的な柄付けがされたものを選ぶ
などに注意して探してみてください。
種類が非常に多いので迷ってしまうかもしれませんが、留袖の色やデザインに似たものを探すとしっくり来ることが多いです。
統一感を出すように気を付けて、上品にまとめてくださいね。
結婚式などのお祝いの席で着る事が多い黒留袖のトータルコーディネートとして、華やかで上品なかんざしの存在はとても重要です。
髪飾りの中でも「かんざし」は伝統的な和のイメージが強いアイテムで種類も豊富です。
選ぶポイントとしては
■べっ甲調タイプのかんざし
■黒色タイプのかんざし
■パール付きタイプのかんざし
注意点は、主役より目立たないことです。
また着物同様に意味が込められた柄付けがされているので、場の雰囲気に合わないデザインのかんざしは避けましょう。
■黒留袖も色留袖もいつもよりしっかりメイクに
普段着る洋服よりも、色彩が鮮やかな留袖。また、留袖を着るのは結婚式や披露宴などの華やかなシーンです。その場にふさわしく、また顔が着物に負けないように、普段はナチュラルメイクの人でもいつもよりもしっかりメイクをするようにしましょう。
ただし、派手にするのではなくあくまで上品さをキープするのがポイント。そのコツをパーツ別にご紹介していきます。
■ベースメイクは陰影は付けず明るめに
着物に映えるのは色白な肌。肌よりもワントーン明るめのファンデーションを使うと顔映りがよくなります。特に黒留袖の場合は、着物と顔とのコントラストをはっきりさせることができますよ。ただし、首との差が付き過ぎると不自然になるので注意しましょう。
ポイントは、ハイライトやシェーディングは使わないようにすること。普段はメリハリを付けるためにハイライトやノーズシャドウなどを使っている人も多いですが、着物の場合は掘りが深くて立体的な顔よりも平坦な顔の方が似合います。顔の凹凸を強調しないようにしましょう。また、ツヤ肌よりもマット肌の方が留袖にはマッチします。
■口紅はローズ系で輪郭をくっきりと
目元の色味は抑えつつ、口元には赤味をプラスするのが着物メイクの基本。ベージュのようにヌーディーなカラーはNGです。
留袖なら上品なローズ系のリップがよいでしょう。ローズ系は持っていない、という場合はブラウンレッドも落ち着きがありながら口元を彩ることができておすすめです。
リップラインをしっかり取るのもポイント。リップライナーがあれば、リップラインを描いてから中を塗り潰すようにリップを塗りましょう。リップブラシを使って輪郭を丁寧に仕上げると、留袖によく合う美しい口元に仕上がります。
■アイメイクは色味を抑えてアイラインを太めに
目元のメイクは、色はあまり使わずに仕上げます。これは口元に重点を置いたメイクにするため。リップが華やかなカラーなのにアイシャドウを濃くするとけばけばしい印象になってしまうので、ブラウンやベージュなどを選んで色味は抑えます。
その代わり、アイラインを太めにすることでくっきりと切れ長な目元にしましょう。ペンシルシャドウを使うと、太めのラインでも優しげな印象に仕上がります。
パールが入ったシャドウを使うと、色ではなく質感で華やかさを出せますよ。色留袖なら使われている色(パープルやピンクなど)をシャドウで取り入れてもよいでしょう。この場合も淡い色味のものを選び、口元も目元も色が主張するようなメイクにならないようにしましょう。
■チークはリップと色味を揃えて
リップにしっかり色味がある分、チークはほんのりと血色感を足す程度に控えめに付けましょう。また、リップと色味を統一するのも重要です。ローズ系のリップを使っているのにチークはオレンジ、と色味が違うとちぐはぐな印象になってしまいますので気を付けましょう。
■眉は短くなだらかに
留袖をはじめ着物に合うのはなだらかなカーブ眉、または直線的な眉です。また、短く太めに濃く描くのも着物に似合うメイクにするポイントです。眉山をしっかり取った眉や、細い眉、薄い眉は着物にはあまり合わないので注意しましょう。
髪型やメイクがばっちりでも、立ち居振る舞いが雑だと台無しです。留袖姿がより美しく見える立ち居振る舞いを確認しておきましょう。
■背筋はしっかり伸ばす
着物がきついと猫背になってしまいがち。しかし、猫背になっていると洋服の場合同様、美しく見えません。頭を天井から引っ張られているようなイメージで背筋を伸ばしていると、凛とした雰囲気で着物映えします。
■座るときは浅めに
椅子に座る場合は、帯が潰れてしまわないように浅く腰掛けます。また、着物の裾が開かないように、膝はきちんと閉じるようにしましょう。
車に乗る場合は、後ろ向きで腰から乗って足を後で引き寄せます。降りる場合は反対に足から降りて、後から腰を移動させましょう。
■歩くときは歩幅を小さめに
大股で颯爽と歩いてしまうと、着物の上品な印象とはちぐはぐになってしまいます。小さめの歩幅で、少し内股気味にゆっくりと歩くとエレガントです。足をしっかり上げるのではなく、摺り足気味にするのもポイント。