割り箸を使う際には、まず1本のお箸を2本に割ってから食事に使用しますよね。
しかし、正しい割り箸の割り方は、割り箸を縦にして横に引っ張って切り離すのではなく、お箸を横にして、上下に引っ張るようにして割るのがマナーです。割り箸は、箸先が自分の左側に来るようにして、膝の上で静かに切り離しましょう。
したがって、
①右手で割り箸を持ち上げ、箸袋から出す
②そのまま上下に引っ張るようにして割り箸を割る
③割った割り箸を揃え、左手を箸の下に持ってくる
④右手を箸の下に持ってくるように持ち直して使用する
というのが、割り箸のマナーです。
また、割り箸を割った際にできてしまう箸のトゲは、食べ物を口に運ぶ際に気になりますよね。このようなささくれは、箸同士をこするのではなく、手で取り除くようにしましょう。
美しい所作で割り箸を割ったのに、ものすごく不均等に割れてしまったという方も多いと思います。
綺麗に割るコツは、
■横にした割り箸の下の部分を右手(利き手)でしっかり固定
■左手(利き手ではない手)で割り箸の上側をゆっくりと持ち上げる
ポイントは下の手です。
とにかくしっかり、動かないようにしてください。
そして、左手は「ゆっくり」が大切です。
こうすることで綺麗に割ることができるのと同時に、音が小さくてすむためマナー向上にもつながります。
「いただきます」と言うのは、マナーとして正解ですが、お箸を顔の前で合わせ、拝むような仕草をするのは、実は縁起が悪いNGマナーとされていますので注意したいですね。
■紙帯の取り方
また、お店でお箸を使用する場合には、お箸の中央部分に1cm程度の紙が巻かれていることもありますよね。このような「紙帯」は、ただ破って外すのではなく、美しく取り外す方法があります。
まずは、右手でお箸を取り上げたら、お箸同士をこするようなイメージで左右に少しずらしましょう。すると、紙帯が緩まります。あとは左手で箸先の方に紙帯をずらすようにして取り外すようにしましょう。
割り箸の使い方は、通常のお箸の使い方と同じように、箸先を汚すのは五寸(3cm)程度に留めるのがマナーです。
また、「嫌い箸」と言われるようなマナー違反も、割り箸を使用する場合には注意しましょう。
嫌い箸は、
・箸で食べ物を探す「さぐり箸」
・箸についた食べ物をなめて取るような「なめ箸」や「ねぶり箸」
・箸で食べ物を刺す「刺し箸」
・お皿の周りで食べる物を迷って箸を動かす「移り箸」や「迷い箸」
などがあります。
左手でお茶碗を持つ場合は、先にお椀を左手で持ち上げ、お箸を右手で上から持ち上げます。その後に左手の人差し指と中指で軽く箸を挟んで支えながら、右手を持ち替えて使用するようにしましょう。
■料理をシェアする場合も注意
また、誰かと食事をする際は、1つの料理をシェアする場合もありますよね。
取り箸がない場合は、自分の使った箸でシェアする食べ物を取るような行為は、少し抵抗がありますよね。しかし、取り箸がないからといって、箸を反対にして、持っていた部分で料理を取り分けるのは、実はNGマナーとされています。
料理を取る際には、相手に了承を得てから直箸にするか、お店のスタッフに取り分ける用のお箸を持ってきてもらうようにお願いしましょう。
もし直箸で料理を取る際は、
・1つの食べ物を複数の人のお箸で挟む「合わせ箸」や「箸渡し」
・一度取り上げた食べ物を、再びお皿に戻す「そら箸」
・2人以上で同時に1つの器から食べ物を取る「二人箸」
などのNGマナーにも注意しましょう。
割り箸を置く場合のマナーは、通常のお箸の置き方と同じように、箸置きを使用します。お皿や茶碗など、食器の上に箸を置くのは「渡し箸」と言われるNGマナーですので注意したいですね。
箸先が箸置きから3cm程度出るようにすると、テーブルを汚さずに使用することができます。
また、使う度に割り箸を箸袋の中に入れるのもやめましょう。箸置きがない場合は、箸袋を折って箸置きにしましょう。
割り箸の置き方は、
①左手を割り箸の下に持ってくる
②右手を箸の上に持ってくるように持ち直す
②右手で箸を箸置きに優しく揃えて置く
とするとスマートですね。
食後の割り箸は、箸置きがある場合はそのまま箸置きの上に置き、懐紙で箸先を覆い、使った部分が見えないようにするのがマナーです。懐紙がない場合は、箸袋の先を折ってから箸袋に入れると「食べ終わり」のサインとすることができます。お店の方が片づける際に、汚れた箸に手を触れずに済みますし、使用後の割り箸であることが一目でわかることから、このような振る舞いをしている方もいます。
ただし、こちらは必ずしも行う必要があるマナーではありません。
また、「使用済み割り箸を折る」というマナーを耳にしたことがある方もいると思いますが、こちらはマナー違反とされていますので注意したいですね。
割り箸の割り方・置き方のマナーについてお伝えしたところで、使い方のマナーについても紹介していきます。
割り箸を含めた箸には、NGとされる使い方がたくさんあります。
総称して「嫌い箸」といいますが、もしかしたら無意識のうちに行っているものもあるかもしれません。
嫌い箸の種類をご紹介していきますので、注意して使うようにしましょう。
■にぎり箸
箸をわしづかみするようににぎること
■横箸
スプーンのように、箸で食べ物をすくいあげること
■ちぎり箸
両手に箸を1本ずつ持ち、ナイフとフォークかのように使うこと
■違い箸
種類の違う箸を一対で使用すること
■返し箸
大皿料理などを取り分けするときに、箸の反対側で取り分けること
■突き箸
食べ物に箸を突き刺すようにして食べること
■仏箸
ご飯に箸を指して立てること
■合わせ箸
自分の箸から相手の箸へ料理を渡すこと
■指し箸
人や物を箸で指すこと
■受け箸
箸を持ったまま、おかわりすること
■寄せ箸
箸で離れたところにある食器を引き寄せること
■空箸
料理に向かって箸を伸ばした途中で引っ込めること
■迷い箸
どの料理を食べるか迷い、料理の上で箸をうろうろさせること
■楊枝箸
爪楊枝の代用として、箸で歯に挟まったものを取ること
■舐り箸
箸についたソースなどを舐めること
■噛み箸
箸を噛むこと
■掻き箸
食器に口をつけ、勢いよくかきこむこと
■直箸
2人以上で食べる料理を取るときに、取り箸を使わず自分の箸で取ってしまうこと
■撥ね箸
嫌いな食べ物を箸でどかすこと
■重ね箸
1つの料理ばかり集中して食べ続けること
■落とし箸
食事中に箸を落としてしまうこと
ほかにもNGとされる使い方があるので、マナー良く、美しい所作で箸を使いたいですね。