ドレスコードを示す「平服でお越しください」の一文。
・パーティー
・結婚式
・会社の面接
・セレモニー
・法事
などの案内状や招待状に書かれていることがありますが、どんな服装がいいのか迷ってしまう……という人も少なくありません。
■平服は普段着のことではない
「平服(へいふく)」という響きから、ラフな普段着をイメージしてしまいがちですが、実はそうではなく場所や催しなどに合わせた「服装規定」の一つなのです。
・正装(フォーマル):格式の高い服装でロングドレス着用
・準礼服(セミフォーマル):一般的な結婚式のゲストの服装
・略礼服(インフォーマル):ワンピースやスーツ
このドレスコードの中の「略礼服」が平服にあたります。そのため、平服との指定があった場合にニットやデニムなどの普段着で訪れるのはNGです。
女性の平服は、パーティーや式典、会社の面接などシーンごとにふさわしい服装が違います。しかし、共通でNGなアイテムもあります。ここでは、平服を指定された時に避けるべきアイテムを詳しくご紹介します。
平服とは、ワンピースやスーツをはじめとする略礼装を意味します。「ラフな服装」という意味ではないので、いかにも普段着のようなアイテムを使うことは避けましょう。
例えば、Tシャツやパーカー、スウェット、デニムなどは平服を指定された場にふさわしくありません。
平服を指定された場合は、基本的にカジュアルな素材が使われたアイテムをコーデに取り入れるのはNGです。コットンやリネン、ジャージなどの素材でできたアイテムは、普段着のような印象を与えてしまいます。
平服の時には、露出の多いアイテムを使うのもやめましょう。女性の場合は、ミニスカートやショートパンツ、胸元の広く開いたトップスなどを避けてください。
ひざ丈〜ひざ下のスカートが望ましく、過度な露出がないように気を付けます。
カラータイツや厚手のタイツ、網タイツはカジュアルな印象を与えるので、平服を指定された時には避けた方が良いです。コーデにスカートやワンピースを使う時には、ベージュのストッキングや落ち着いた色の薄手のタイツなどを穿いてください。
平服を指定された場で、素足を見せるのもNGです。くるぶし丈のソックスや短い靴下などを使うのは控えましょう。
スニーカーやブーツ、サンダルなどのカジュアルな靴は平服を指定されている場ではマナー違反です。ワンピースやスーツを使った女性の平服との相性も良くないので、パンプスなどを履きましょう。
この時かかとの高いアイテムは避け、5センチ程度のローヒールを着用してください。
オープントゥのパンプスやミュールなどのつま先やかかとが覆われていない靴も、平服に合わせるのはマナー違反です。
ブーツも原則としてNGですが、雪の多い地域では許容されることもあります。色は黒やベージュなどを選び、派手な装飾や金具のついていないものにしましょう。
洋服にも足元にも殺生をイメージさせるアイテムを使うのは避けましょう。アニマル柄やファーのアイテムは、平服の場ではマナー違反とされています。
パーティーや式典などでも華美すぎる服装は好ましくありません。派手すぎるカラーのものや柄が目立つものなどを女性の平服に使うのは、避けた方が無難です。
では、具体的にどのような服装を「平服」として着ていったらいいのでしょうか。まずは、パーティーの平服について具体的なコーディネートを確認してきましょう。
ホテルでの結婚式などに着ていく「準礼服」の場合はドレスは基本的には袖がないものとされていますが、「平服」の場合は袖があってもOKです。
パーティーといってもその催しの種類によってちょうど良い服装というのは変わってきます。
ドレスだと華やかになりすぎ……?というシーンにはすっきりクールなセットアップがちょうど良さそうです。「結婚式だと地味だけど、ちょっと華やかできちんとしている」くらいの服装を目指しましょう。
冬のパーティーの場合にはコートが必要になります。ホテルやレストランなどでのパーティーではクロークに預けますが、あまりカジュアルなコートよりも服装に合うキレイめコートをチョイスしたいですね。
大人っぽいチェスターコートはパーティースタイルにもぴったりです。
次に、式典の際の「平服」コーディネートを確認してみましょう。
入学式や卒業式などのセレモニーの場合にはジャケットを使ったコーディネートがおすすめです。
華やかさよりもきちんと感を大切にしたいので、アクセサリーや靴もシンプルでフォーマル感のあるものを合わせます。
同じトーンで揃えたコーディネートは、きちんとした印象になります。
春の式典での平服ならば、明るくスモーキーなトーンのコーディネートで柔らかくまとめると素敵です。
卒業式や卒園式の時は、他の家庭から見た時に印象が良く、周囲から浮かないコーディネートを心がけましょう。
華やかな場なので明るいカラーやアクセサリーを使用するのもOKですが、派手過ぎるアイテムはNGです。
色味が落ち着いていれば、グリーンなどの春らしいカラーを着用するのもいいでしょう。ジャケットを羽織ればよりフォーマルな印象になります。
小ぶりなカバンを合わせると上品な雰囲気も増すのでおすすめ。パンプスとカラーを統一すれば、コーディネートがまとまりますよ。
コーディネートに迷ったら、セットアップにローヒールのパンプスを合わせるのが無難でしょう。パンツスタイルならキレイ目コーデが完成し、フォーマルな雰囲気も出せるのでおすすめです。
コサージュやアクセサリーを一点プラスすると、より華やかに見えます。
アクセサリーを着用してもOKですが、控えめなデザインのアイテムを選びましょう。
キラキラしすぎるもの、あまりに存在感が大きすぎるものはNG。コーディネートの邪魔をせず、そっと華を添えるようなアイテムが望ましいですね。
会社の面接で平服でと指定された場合は、どのような服装でいけばいいのでしょうか。
会社や職種によっても定義が変わってくる面接での平服。基本的にはカジュアルなスタイルではなく、ジャケットや襟のあるシャツを着用するようにするのがおすすめです。
クリエイティブな職種など個性をアピールする方が良い面接の場合には、普通になりすぎず砕けすぎない服装が求められます。
一般企業や金融業界の会社の面接を受ける場合は、平服を指定された場合も、スーツスタイルやセットアップスタイルが無難。女性の場合、ボトムスはパンツでもスカートでも大丈夫です。色は、黒や紺、グレー、ベージュなどのベーシックカラーを選びましょう。
インナーは、シンプルなシャツはもちろんフリル付きのブラウスやVネックブラウスなどでも問題ありません。バッグや靴などの小物も、スーツやセットアップに合わせて落ち着いたものを選びましょう。
大きめのバッグを持っていくと、面接で資料を渡された時に便利です。
アパレル業界や美容業界などでは、面接の際に私服のセンスをチェックすることもあります。平服を指定されたら、ファッションセンスをアピールできるコーデを選ぶと良いでしょう。
服装に迷ったら、会社案内やHPなどで職場の雰囲気をチェックし、働いている女性の服装と似たコーデを作るのがおすすめです。ただし、あくまでも面接なので、清潔感のない服装やラフすぎる服装などは避けてください。
ストライプシャツ×プリーツスカートのコーデはスタイリッシュで、「できる女」という印象を与えられます。
会社の説明会や懇親会などで平服を指定されたときのコーディネートも確認しておきましょう。
会社の式典や説明会など案内に「平服で」と指定があった場合は、「礼服じゃなくていいですよ」という意味だと考えればOKです。
ワンピースやブラウスにスカート、ジャケットなどきちんとした印象の着こなしをして行けば、失礼になることもなく周りから浮くこともありません。
ダブルジャケットとワイドパンツをコーディネートした服装は、かっちりとした雰囲気。きちんと感がある平服なので、上司や同僚などに好印象を与えられます。
ホテルなどの場所で懇親会が開かれる場合は、華やかな色味のジャケットを取り入れていつものオフィスコーデよりも華やかに仕上げるのも良いでしょう。
ダークカラーのベーシックなワンピースは、会社の説明会や懇親会などのかしこまった場所にも対応できるアイテム。上品で知的なイメージなので、平服選びで失敗したくない女性におすすめです。
同系色のタイツや黒のパンプスなどをコーディネートすると、より落ち着いた印象に。ジャケットを用意しておけば、きちんと感を出したいときだけでなく説明会や懇親会の会場が寒いときにも役立ちます。
法事の際は特に服装に迷うもの。平服でと指定された場合、どのようなコーディネートが適切なのでしょうか。
3回忌や7回忌など、故人が亡くなって年月が経ってくると法事でも「平服でお越しください」と案内に書かれるようになる場合が増えます。
法事での「平服」は、いわゆる喪服「ブラックフォーマル」を着る必要はないですよ、という意味でスーツやワンピースなどの「略喪服」で大丈夫、ということです。
ワンピースに近い、オールインワンも黒を選べば法事に着ていく平服として使えます。この時、アクセサリーは喪服と同様に基本的には無しで、つけるならばパールの一連ネックレスやピアスのみにしましょう。
冬場の法事ではタイツを履いていても大丈夫という場合が多いです。また、色々とお世話をしなければならない立場ならば、ジャケットではなくセーターを使って黒系の着こなしにまとめるというのもTPOに合っていて感じが良いですね。
スカートの丈は短すぎず長すぎずで、立ったり座ったり動いても乱れないようなものがベストです。
結婚式や披露宴のゲストとして参加する際の平服のコーディネートについても確認していきましょう。
結婚式での「平服」はワンピースやセットアップなどのきちんと感や華やかさがあるファッションが基本。カクテルドレスだとドレッシー過ぎますが、ニットやデニムなどはカジュアル過ぎます。なお、白がNGなのは、「平服」の指定が無い場合と同様です。
トップ部分にレースが使われたワンピースなら、フェミニンな華やかさがありおすすめです。
デニムやチノパンなどカジュアルなパンツはNGですが、セットアップなどきれいめであればパンツスタイルでもかまいません。二連のパールネックレスなど、アクセサリー使いで華やかさをプラスするとよいでしょう。
また、クロップド丈で足首を見せるようにすると、女性らしさを演出できます。テーパードシルエットのものだと、今っぽさが出ておしゃれ感がありますよ。
普段ならちょっと派手かなという、大胆な花柄も結婚式で着れば場を華やかにしてくれます。光沢感やハリ感のある素材を選んで、きちんと感はキープするようにしましょう。
なお、結婚式や披露宴では肩の露出はマナー違反とされていますので、ノースリーブの場合はボレロやストールなどといった羽織ものをプラスするようにしましょう。
結婚式の二次会は、披露宴やお式よりはラフでよいとわかっていても具体的にどのようなコーディネートが適しているのか悩む人も多いでしょう。
次に、二次会の平服コーディネートを確認していきましょう。
ホテルやレストランでの二次会の場合、「平服で」と指定があっても結婚式や披露宴と同様のフォーマル感が必要です。しかし、結婚式や披露宴ではノースリーブの場合は羽織もので肌の露出を抑えるのがマナーですが、二次会では羽織もの無しでもかまいません。
また、白系のワンピースは結婚式・披露宴同様避けましょう。
スカートが苦手、という場合はパンツスタイルで他の人と違うおしゃれを楽しみましょう。お祝いの気持ちを表現するため、レーストップスやジョーゼット素材など華やかさのあるアイテムを選ぶとよいですね。
同窓会も平服でと指定されることもあります。気心がしれた旧友でも、ドレスコードのあるレストランやホテルなどで集まる場合は、きちんと感を演出できる平服で訪れるようにしてください。
同窓会の会場が居酒屋の場合、普段着でかまいません。ちょっとおしゃれで特別感のあるアイテムを選ぶとよいでしょう。しかし、レストランやホテルなどでの同窓会の場合、会場に合わせてセミフォーマルな服装が適しています。ただし、ドレスなどフォーマル過ぎるのもふさわしくありませんので、注意してください。
ハリのあるトップスにフレアスカートのセットアップなら、きちんと感がありつつ女性らしく、同窓会にはぴったりでしょう。
カジュアルなレストランでの同窓会は、立食スタイルやビュッフェ形式のことが多いです。久しぶりに会った同級生と立って会話することを考え、上半身だけではなく全身がおしゃれに見えるコーデを選びましょう。
白のレースブラウスとベージュのマーメイドスカートのコーデは、適度に華やかで平服を指定された時にもぴったり。小さめのショルダーバッグを持てば、料理を食べたり、同級生と立ちながら話したりしても邪魔になりません。
同窓会が居酒屋で行われる場合、フォーマルすぎるファッションだと周りの雰囲気から浮いてしまうことがあります。ただし、平服を指定された場合は、Tシャツやデニムなどのラフすぎる服装は好ましくないので、適度にきちんと感のあるコーデを選びましょう。
ブラウス×キャミソールワンピースのコーデは、華やかすぎないものの品があり、男女問わず好印象を与えられます。
平服の場合、普段と同じバッグや靴、アクセサリーなどでも問題ないか気になりますよね。次に、平服の場合の小物やヘアメイクについても確認していきましょう。
パーティーや結婚式、同窓会など華やかなシーンでは、クラッチバッグや小さめのハンドバッグなどを持ちます。会社の面接の場合は、服装に合うトートバッグで、書類が入るようにA4のものを選びましょう。法事の場合は、喪服のときと同様、黒の無地の布製のバッグが無難です。
パーティーの場合はサンダルやミュールでもかまいませんが、結婚式・披露宴・二次会ではつま先のあるパンプスを選びましょう。
会社の面接の場合も、ヒールが5センチくらいのパンプスを履きます。法事の場合も同様に、ヒールは5センチくらいで黒のパンプスを履きましょう。
パーティーや結婚式等フォーマルな場では、時計を付けるのはNGです。また、大きめのコサージュは、花嫁より目立ちかねないので避けましょう。華やかさを意識しつつも、花嫁より控えめであることがポイントです。
会社の面接の場合は、一粒タイプのピアスやネックレスなど、小ぶりのものにしましょう。法事の場合は、付ける必要はありませんが、付ける場合はブラックパールまたはオニキスの一連のネックレスや一粒タイプのピアスなどにしましょう。
パーティーではアップスタイルなどヘアスタイルも華やかに仕上げます。ただし、結婚式・披露宴・二次会ではティアラのようなヘアアクセサリーは花嫁を連想させるので避けましょう。パーティーシーンでは、ラメの入ったアイシャドウや濃い色のリップなど、メイクも普段より華やかにするとよいでしょう。
会社の面接や法事の場合はナチュラルメイクをこころがけ、つけまつげやまつげエクステ、カラコンなどは避けましょう。
男性の場合、平服と言われたとしても、ノーネクタイでOKというシーンは割と少ないようです。
・法事→喪服ではなくダークスーツで、
・パーティーで→キシードやディレクターズスーツではなくダークスーツ
・会社の面接→職種に応じてて選ぶ(スーツ)
といったように、スーツ着用が基本と言えます。スーツではなくても、襟のついたシャツは欠かせません。